アンダンテ

アンダンテ

血のつながった兄妹と、血のつながらない兄妹の間に、家族愛、そして恋愛感情が交錯する。本当の愛とはなにかをテーマに、作者である小花美穂が愛する音楽の世界を情感豊かに描いている。

正式名称
アンダンテ
ふりがな
あんだんて
作者
ジャンル
家族
 
その他芸能・音楽
 
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概要・あらすじ

高原茗が小学1年生、高原那都が小学5年生の時に親同士が再婚したことで、2人は兄妹になった。血はつながっていない兄妹ではあるが、茗は那都のことが大好き。ある日、父の恩人の娘であるメルヴィーナ・モランがオーストラリアからやって来て、茗と那都が2人で住むマンションに、しばらくの間という条件で同居することになる。

天使の歌声を持ち、かつ不思議な魅力を持つメルの影響を受け、2人の人生は少しずつ変化していくのだった。

登場人物・キャラクター

高原 茗 (たかはら めい)

中学2年生の少女。幼稚園に入園する頃に実の親が離婚して母子家庭になるものの、小学校1年生で母が別の男性と再婚。幼くして苗字が3度も変わるという激動の人生を送っている。母の再婚当初は平和だったが、養父の仕事がうまくいかなくなったせいで、親同士が怒鳴り合うケンカを聞かされて育った。今は兄の高原那都と2人暮らし。兄に憧れるあまり、他の異性は眼中にない。 弱小吹奏楽部の部長をつとめ、顧問の代わりに指導している。

高原 那都 (たかはら なつ)

若干18歳の天才音楽家。幼い頃から音楽活動をしており、中学生の時にはプロの音楽家として活躍していた。ギターの腕はプロも顔負けで、ピアノやドラムもできる。作曲、アレンジからミキシングやマスタリングまでなんでもこなす才能を見込まれ、いつも膨大な仕事が舞い込んでくる。中学生時代から家を出て、レコード会社が用意してくれたマンションで自活している。 だらしない親の代わりに、自分がしっかりしなくてはいけないと考えている。

メルヴィーナ・モラン (めるゔぃーなもらん)

オーストラリア人と日本人のハーフの少女。「天使の歌声」を持ち、「さおだけ屋」や「サザエさん」の歌で高原茗と高原那都に感動の涙を流させるほど。3歳の頃から大病を患い、15歳まで生きられないと医者に言われていた。しかし、母、マリア・モランが必死で働いてお金を貯め、さらに「天使の歌声」がオーストラリアのメディアなどで紹介されたことで支援金を受け、高額な治療を受けることが可能になった。 美人で小顔で細身。無邪気で素直な性格。実は那都の父、高原悟とマリアの間に生まれた子供。

藤永 洲 (ふじなが しゅう)

一生車イスというハンデを負った妹の藤永結子のために、危ないことをしてお金を稼いでいる。父親は逃げてしまい、母親は妹の世話で手いっぱいなので、親戚の家に預けられているものの、そこでもそりが合わず、「T-5」というライブハウスで寝泊まりすることも。高原那都のことを口では悪くいいつつも、憧れている。那都への恋心を忘れようと思った高原茗から交際を申し込まれ、最初はそれほど興味はなかったものの、付き合いを深めるにつれて本気で茗のことが好きになる。 優れたドラムの技術を持つ。

高原 悟 (たかはら さとる)

高原那都とメルヴィーナ・モランの父。高原茗にとっては養父にあたる。リサイクルショップを経営しており、景気がよかった頃は儲かっていたものの、低迷してからは夫婦仲も悪くなり、いつも高原英子とケンカばかりしている。酒癖が悪く、ガサツでだらしない性格なのだが、どこか憎めない人物。

高原 英子 (たかはら えいこ)

高原茗の母。最初の結婚で茗を生むが、やがて離婚。その後は高原悟と再婚するが、経済的に苦労を強いられておりケンカが絶えない。夜は接客業をしている。悟の借金の都合で別居し、後に2度目の離婚をすることとなる。

相田さん (あいださん)

大手レコード会社「ボクター」の女性社員。高原那都に仕事の依頼を大量に持ってくるが、忙しい那都のマネージャーのようなことまで引き受けてくれている、公私共に頼れる仕事熱心な人物。メルヴィーナ・モランの歌唱力に目をつけてデビューの話をもちかけ、メルはそれがきっかけでインディースデビューをすることになる。もうすぐ三十路。

てるちゃん

高原茗のクラスメイトであり、冷静沈着な吹奏楽部の副部長を務める少女。茗のやり方に不満を持つ生徒たちの様子を観察し、上手にバランスを保ってくれる。2年生4人が退部騒ぎを起こした時も絶妙にフォローするなど、冷静沈着で人をサポートする能力に長ける。

松平先生 (まつだいらせんせい)

吹奏楽部の顧問。大柄で、性格もおおざっぱな男性。顧問とは名ばかりで、高原茗に吹奏楽部の指導を押しつけては自分の楽団へ行ってしまう。一見自分勝手なようであるが、実際は茗と吹奏楽部の奮闘を温かい目で見守っている。

杉間 (すぎま)

吹奏楽部の1年生の少年。楽器はユーフォニウム担当。高原茗のことが好きで、告白するもあっけなくふられてしまう。ふられてからも茗にひそかに想いを寄せ、部活動を頑張る一途な男の子。

マリア・モラン (まりあもらん)

メルヴィーナ・モランの母親。オーストラリア人。メルの病気を治すために多額のお金が必要となり、ダンサー、ウェイトレス、運転手など仕事をかけもちした結果、過労で倒れて亡くなる。15年ほど前、妻を亡くして落ち込んでいた高原悟が、衝動的に飛び降り自殺をしようとしたのを止めてくれた命の恩人。

藤永 結子 (ふじなが ゆいこ)

藤永洲の妹。一生、車イス生活を送らなければならないというハンデを背負っている。気が強く、他人から同情されるのが大嫌い。洲が親戚の家になじめず、学校にも行かず、悪事に手を染めていることに気づいており、心配している。

ツナ

『アンダンテ』に登場する猫。藤永洲がたまに餌をあげていたら懐いてしまったノラ猫。洲が根城にしていたライブハウス「T-5」に出没していたが、ツナの命名者でもあるメルヴィーナ・モランのたっての希望により、高原家で飼われることになる。

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