闇の土鬼

闇の土鬼

父を殺された土鬼は、血風党とその首領・無明斎に復讐を誓う。一方、幕府も平和な世に必要のなくなった血風党を排除しようと動きだしていた。土鬼、血風党そして幕府の刺客たちの戦いをスリリングに描いたバトル時代劇。。

正式名称
闇の土鬼
ふりがな
やみのどき
作者
ジャンル
バトル
 
時代劇
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概要・あらすじ

かつては幕府の隠密機関であった血風党だが、太平の世となった後は、凶悪な暗殺集団と化していた。状況に嫌気が差し脱党した大谷主水は、逃亡中に、口減らしのために土に埋められた赤ん坊を助ける。主水は子供を土鬼と名付けて育て、血風党に伝わる裏の武芸を伝授する。しかし平和な暮らしは続かず、正体を見破られた主水は血風党に殺されてしまう。

父の死に際にすべてを明かされた土鬼は、無明斎に勝負を挑むべく立ち上がる。一方で幕府もまた血風党を壊滅させることを目論でいた。幕府の忍者たちの協力を得た土鬼は、裏の武芸を使って血風党の武芸者たちを倒していく。

登場人物・キャラクター

土鬼 (どき)

口減らしのために生き埋めにされたところを大谷主水に救われ育てられた。埋められた際、親に鍬で打たれたため右目は失明している。その時の後遺症か、時おり左腕が利かなくなる時がある。主水に裏の武芸を教え込まれ、七節棍を武器に戦う。また、離れた敵には霞のつぶてと呼ばれる指弾を用いる。 異常に生命力が強く、普通なら死亡するような傷を何度か負ったが、その度にしぶとく生き残った。武芸に関しては天才的な才能がある。年齢は10代後半。

大谷 主水 (おおたに もんど)

土鬼(どき)の育ての親。幕府の隠密機関・血風党を脱党し追手から逃げる途中に、殺されかけた赤子の土鬼を助け出す。老人に姿を変えて道場を開き、土鬼に武芸を教え育てるが、血風党に存在を知られ殺されてしまう。

無明斎 (むみょうさい)

徳川家が敵の暗殺などを目的に作り出した隠密機関血風党の長。裏の武芸を編み出した。幕府が血風党壊滅を目論んでいることを知り、将軍の弟・徳川忠長に庇護を求める。当初は土鬼を葬ろうとするが、血風党の行く末を悟り、裏の武芸の真髄を土鬼に伝えることを決心する。

仕込み笠の伝蔵 (しこみがさのでんぞう)

父の死後、仇をうつため土鬼が初めて戦った血車党の武芸者。普段は笠張りの町人に身をやつしている。笠に仕込んだ針で奉行所の役人を暗殺した。

輪の左兵衛 (りんのさへえ)

血風党の一員で輪という暗器を使う闇の武芸者。血風党の情報を土鬼にもらした旗本・山部十郎を家族もろとも惨殺した。この後、待ちかまえていた土鬼に倒されるが、この旗本暗殺がきっかけとなって、幕府は血風党の排斥に乗り出すこととなる。

松平 伊豆守 (まつだいら いずのかみ)

幕府老中のひとり。幕府における血風党排斥の責任者で知恵者として知られる。伊賀忍者たちに土鬼を襲わせ、実力を試した。その後、腕利きの伊賀忍者たちを土鬼の補助に付け、無明斎の持つ巻物の奪取を依頼した。柳生十兵衛一党に血風党本拠地を襲撃させたのも彼の命による。 江戸時代前期の老中・松平信綱をモデルとしている。

霧兵衛 (きりべえ)

幕府のために働く伊賀忍者の一人。松平伊豆守の命で血風党と戦う土鬼の協力者となる。伊賀忍者の中ではもっとも土鬼に協力的で、命を救ったこともある。初老の町人の姿で行動することが多い。

柳生 十兵衛 (やぎゅう じゅうべえ)

松平伊豆守の命を受け、一門の剣士を率いて血風党抹殺のため、その本拠地を襲った。無明斎の指導を受け、闇の武芸の神髄を受け継いだ土鬼と最後に戦った相手。江戸時代前期の剣客・旗本の柳生三厳をモデルにしている。

徳川 忠長 (とくがわ ただなが)

駿河五十五万石を治める大名。位は大納言。幕府での立場が悪くなった血風党と無明斎を保護した。将軍徳川家光の弟だが、現在の処遇に不満を持ち、幕府に対抗しようとする。二代将軍・徳川秀忠の次男・徳川忠長をモデルにしている。

宮本 武蔵 (みやもと むさし)

六十いくたびかの立ち会いで一度も敗れたことのない武芸者。徳川忠長の客人として駿府城に逗留した際、土鬼の実力を目の当たりにし、自ら勝負を挑んだ。安土桃山時代~江戸時代初期にかけての剣豪・宮本武蔵がモデル。

岸部 左門 (きしべ さもん)

血風党四天王の一人。数本に枝別れたした鞭・多條鞭(たじょうべん)を武器として戦う。土鬼と最初に戦った血風党四天王。

小源太 (こげんた)

血風党四天王の一人。仕込み槍と拳鐔(ナックルダスター)を用いて戦う。柳生門下の剣客3人を瞬殺する程の実力を持つ。土鬼と戦って敗れたが、死亡する寸前、敵である土鬼に柳生の襲撃を仲間に知らせるよう頼んだ。

鉄牛 (てつぎゅう)

血風党四天王の一人。トゲ付きの太い2本の鞭を武器として使う。吹雪の中、柳生一門の襲撃に備え小屋にこもるが、酒に毒をもられたことで不覚をとってしまう。ただ一人柳生の凶刃を逃れ生きのびるが、その後、土鬼と対決。七節棍を投げるという土鬼の捨て身技の前に敗れ去る。

才蔵 (さいぞう)

血風党四天王の一人。右目を失っている隻眼の男。右目の上に大きな刀傷がある。銀線と含み針で戦う。土鬼の霞のつぶての一撃で含み針を封じられ、七節棍の一撃を受けて死亡した。

集団・組織

血風党 (けっぷうとう)

『闇の土鬼』に登場する組織。戦国時代に徳川家が作った暗殺者集団。敵の武将を暗殺したり、敵の城に忍びこみ、城内を攪乱することなどの役目を負った。無明斎を長として、四天王と呼ばれる実力者4人に統率されている。党員は、殺しのための裏の武芸を仕込まれ、徳川家の天下のため任務を遂行した。しかし、戦がなくなると、暗殺を請け負い、人を殺すことを楽しむ集団に成り下がってしまい、幕府からも危険視されるようになる。

その他キーワード

七節棍 (しちせっこん)

『闇の土鬼』の主人公土鬼が用いる武器。七つの短い棍が鎖で連結され、節を伸ばすことでムチのような変幻自在の攻撃を加えることができる。節を縮めると一本の長い棍棒になり、打撃武器として使うこともできる。

稲妻 (いなづま)

『闇の土鬼』の主人公土鬼が飼っている鷹。怪しい人間の気配を感じ取ることができる。土鬼の指示に従って潜んだ敵の情報をもたらしたこともあった。父の死後、土鬼が唯一心を許す存在である。血風党との決戦を前に、土鬼は稲妻を放ち、野生に帰した。

裏の武芸 (うらのぶげい)

『闇の土鬼』の登場する用語。血風党率いる無明斎によって編み出された暗殺のための武芸。主人公の土鬼も義理の父に伝授され、この武芸を使う。七節棍、輪、飛爪、手甲鉤、銀線といった独特の武器を用いて戦う。

霞のつぶて (かすみのつぶて)

『闇の土鬼』の登場する技。小石をはじいて敵を攻撃する裏の武芸の技の一つ。血風党で編み出された殺人技である。主人公土鬼もこの技を多用する。

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