あおざくら 防衛大学校物語

あおざくら 防衛大学校物語

防衛大学校に通う男子学生たちの、厳しく苦しくも充実した日々を描く学園青春ストーリー。「週刊少年サンデー」2016年第22・23合併号から連載中の作品。

正式名称
あおざくら 防衛大学校物語
ふりがな
あおざくら ぼうえいだいがっこうものがたり
作者
ジャンル
軍隊・軍人
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊31巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

高校3年生の近藤勇美は、優秀だが家が貧しく、進路に悩んでいた。そんなある日、勇美は幼なじみの桂木吾郎から、防衛大学校に進学するのはどうかと勧められる。これをきっかけに防衛大学校に関心を持った勇美は、防衛大学校が学費ゼロであるだけでなく、入学した時点で特別職国家公務員となるため、給与まで出るという特別な仕組みを知り、進学を決意する。こうして見事合格した勇美は、親切な上級生・松平容介や、同室となった同級生・沖田蒼司や原田忠と出会い、一度は問題なくやっていけそうだと安堵する。しかし、入校式を済ませた勇美を待ち構えていたのは、驚くほど過酷な学校生活だった。部屋長、サブ部屋長である坂木龍也と西脇鷹史は別人のように厳しくなり、特に父親が自衛官で、性格もおっとりしている蒼司は、上級生達から執拗に狙われるようになっていく。そんな蒼司を哀れに思った勇美はこっそり蒼司の仕事を手伝うが、それはすぐに龍也と鷹史に気づかれてしまう。そしてある朝、勇美達が朝食から戻ると、龍也と鷹史によって部屋が荒らされ、勇美のベッドは外の木の上に放り投げられていた。

第2巻

近藤勇美は、坂木龍也と西脇鷹史による数々の理不尽な行動が理解できず、本人に直接尋ねる事にした。龍也曰く、自分達が勇美達にした行動は指摘通り、特に理由のない理不尽なものである。しかし、有事の際適切な行動を取るには、つね日頃から理不尽な出来事に慣れ、精神を鍛える必要があるのだという。それでも納得できない勇美だったが、龍也が誠実に答えてくれたのは事実であるため、ひとまず受け入れる事にする。そしてとうとう入校式から続いた基本教練が終了し、銃貸与式が訪れた。そこでまず勇美達は銃の分解・結合を学ぶ事になるが、作業中、原田忠がパーツを一つ紛失してしまう。その後、パーツはどうにか発見できたものの、その日から忠は小さなミスを繰り返しては叱られ、そのたびに勇美達は連帯責任を負わされるようになっていく。それでも忠は気丈に振る舞っていたが、これを危険視した龍也は、ある日、勇美に忠を孤立させないようにと忠告する。龍也の予想通り、ある夜、忠は脱柵して行方不明になってしまうが、騒ぎになる前に勇美と龍也が捜索を開始。勇美の必死の説得により、忠は学校に戻り、もう一度頑張る決意をするのだった。

第3巻

5月。近藤勇美達一学年は、所属する校友会を決める時期になった。どこに入会すべきか悩む勇美だったが、そんなある日岡上乙女から、勇美の弱点は協調性に欠けるところなので、それを改善できそうな校友会はどうかと勧められる。そこで勇美は、乙女といっしょに儀仗隊の見学へ行き、その技術に感動する。さらに儀仗隊の上級生からも向いていると太鼓判を押された事で、勇美は儀仗隊入会を決意するのだった。同時期に沖田蒼司は剣道部、原田忠は應援團(おうえんだん)リーダー部に入会。こうして校友会を決めた勇美達は、防衛大学校での生活にも慣れ始め、特に同部屋のメンバーはすっかりなかよくなっていた。しかし、武井寅明だけは馴染まず、それどころか蒼司や忠を見下すような態度を取っていた。だが、ある休養日に寅明は帰校遅延をした事で、服務事故となってしまう。激怒した坂木龍也は、たるんだ勇美達一学年を鍛え直すため「地獄週間(ヘルウィーク)」の開催を宣言する。

第4巻

「地獄週間(ヘルウィーク)」とはその名の通り、近藤勇美達一学年に対して坂木龍也達上級生が、普段以上に厳しい指導や理不尽な振る舞いをする期間の事であった。しかし、そもそもの発端となった武井寅明だけは罰を受ける事なく生活しており、寅明自身もまた、服務事故の件はもう済んだ事なので、自分は地獄週間を受ける必要はないと主張していた。これによって寅明は一学年から強い怒りを買い、ますます孤立していく。これに以前の原田忠を重ねた勇美は、寅明を気遣う。しかし寅明はにべもなく、謝罪もせず、結果地獄週間は終わらないという、最悪の状況が続いてしまう。この状況を打破したい勇美は、寅明がどのような人物なのか知る必要があると考え、やがて寅明のSNSアカウントにたどり着く。そこで勇美は、寅明の思わぬ本音と、それに伴う勇美達への誤解を知る。そして勇美は寅明も交えたうえで、同部屋のメンバーにこれを暴露。お互いに関する誤解を解き、もっと交流を深めていこうと全員を説得する。これによって寅明はついに心を開き、深く反省。地獄週間にかかわった全員にたった一人で謝罪に回った事で、龍也は寅明の反省を認め、地獄週間を解除する。

第5巻

夏期定期訓練が始まり、近藤勇美達一学年は、1か月後の8キロ遠泳をクリアするため、水泳の練習を始めた。しかし勇美は、実は泳げないうえに、教官の吉田稔郎との相性も悪く、遠泳特別プログラムを受けても一向に上達せず、悩んでいた。そんな勇美を見かねた岡上乙女は指導を申し出て、二人はいっしょに練習する事になる。こうして乙女の丁寧な指導でみるみる泳げるようになった勇美は、いよいよ本番に向けて海面での訓練に挑むが、その途中でクラゲに刺され、海で泳ぐのが怖くなってしまう。勇美はそれでも、少し前まではまったく泳げなかった自分を助けてくれた人々の顔を思い出して何とか乗り越えようとするが、別の訓練中も海を見るだけで悪い想像をしてしまい、精神的に追い詰められていく。しかし8キロ遠泳当日、勇美達の応援にやって来たのは、別の訓練の帰りでクタクタのはずの坂木龍也達であった。龍也達の激励に感激した勇美は、折れそうになっていた気持ちを立て直し、見事8キロ泳ぎ切るのであった。そしてとうとう前期解散日が訪れ、一一五号室は解散となった。勇美達は龍也からの最後の挨拶を聞き、待ちに待った夏休みをスタートさせるのだった。

第6巻

夏休みが始まり、近藤勇美は、東京都調布市の自宅に戻って来た。そこで松井常代や桂木吾郎と再会した勇美は、実家の店を移転する作業をしながら、休暇を楽しむ。しかし桂木は、勇美に防衛大学校を勧めた事について、密かに責任を感じていた。そんな桂木から、勇美は将来自衛隊員として、国のために命を投げ打つ覚悟はあるのかと問われ、勇美は悩む。しかし、今はまだその覚悟はできていないが、少なくとも自分は防衛大学校に入った事を後悔していないと、率直な気持ちを伝えるのだった。こうして完全な休暇は終わり、勇美は岡上乙女と共に、儀仗隊の夏休み合宿へ向かう。そこで久しぶりに学生舎に入った勇美は、夏休みであるにもかかわらず、ずっと学校に残っている一学年・土方俊明と出会う。勇美は俊明の行動を不思議に思いつつも、中期からは相部屋である事もあり、ひとまず妙な人物だと思うに留める。そんな俊明は、その学年で最も期待される学生が務める「小隊学生長付」を目指す、非常に優秀な学生であった。しかし小隊学生長付発表日、選ばれたのは俊明ではなく、勇美であった。この結果に納得できない俊明は、その日から勇美をライバル視するようになる。

第7巻

一学年の小隊学生長付となった近藤勇美は、これまで以上に多忙な日々を送り、心身共に疲弊していた。しかし、そんな勇美が気に入らない土方俊明は、もし今後勇美の監督行不届きで誰かが退校するような事があったら、勇美は責任を取って小隊学生長付を辞退すべきだと言い出す。この挑発に乗った勇美は、誰一人として脱落するような事がないよう、リーダーとしてより丁寧な指導を行っていく。だがそんなある日、勇美は平山吾郎が退校を決意し、すでにその話し合いを始めている事を知る。勇美以外の仲間達は、平山が思いとどまるよう説得しようとするが、勇美はこれを危険視していた。もし自分達が、平山に退校してほしくないという個人的な感情だけで意見をしたら、気持ちが揺らいでいる平山は、従ってしまうのではと考えたのである。そこで勇美は、平山が考え抜いて出した結論であれば、退校した方がいいと伝える。そして平山は、もう一度考えたうえで退校していくのだった。これを知った俊明は、勇美に小隊学生長付辞退を迫るが、勇美はこれを拒否。自分は適切な判断をしたと伝えると共に、今は意見が対立している俊明の事も、今後リーダーとして必ず理解してみせると宣言する。

第8巻

秋季特別訓練が始まり、近藤勇美達は北富士演習場で訓練をする事になった。その初日土方俊明は、東堂進をかばってケガをしてしまう。それに気づいた勇美は、教官に報告すべきだと勧めるが、俊明は軽傷なので問題ないと言うばかりであった。仕方なく勇美は、俊明の様子を見守る事にする。一方その頃俊明は、自分は怪我を誰にも言わず耐えているのに、仲間は何かあるとすぐ休みたがったり、感情的な態度に出たりする事に、苛立ちと強い孤独を感じていた。これによって俊明は、とうとう揉め事を起こしてしまう。そこで勇美は、なぜ俊明がここまで自分にも他人にも厳しいのかを知るため、以前から俊明を知る学生に話を聞き、本人にも直接たずねる事にする。そこで発覚したのは、俊明には医師を目指す兄がいるが受験がうまく行かず、やがて家族はめちゃくちゃに壊れてしまった。そして俊明は、そんな家族を切り捨てるように防衛大学校に入学したという過去であった。勇美はそんな俊明に、俊明の苦労はわかるが、少し他人に冷たすぎるのではないかと意見をぶつける。これによって二人は喧嘩になるが、勇美がそれでも仲間としていっしょに歩みたいと伝えた事で、二人の関係は一つ深まるのだった。

第9巻

秋。秋季特別訓練やコント大会を経た近藤勇美と土方俊明は、以前よりも少しだけ親しくなっていた。そして11月の開校祭に向けて準備が始まるが、儀仗隊に入っている勇美はそちらが優先されるため、目玉競技である棒倒しには参加できないのだという。しかし勇美は、現在の部屋長である岩崎林太郎たっての希望で、結局参加する事になる。これによって勇美は小隊学生長付、儀仗隊、棒倒しの三つの業務に追われる事になるが、それを知った俊明は、勇美にできる事が自分にできないはずはないと言い出し、急きょ自分も棒倒しに参加する。こうして二人は、同じチームでありながらも、また競う事になる。しかし、アメリカンフットボール部で体力もある俊明に対し、体力不足気味の勇美は苦戦し、練習中うまく動けず悩む。そんな勇美を案じたサブ部屋長は、勇美の強みは体力面ではなく頭脳面なので、それを活かした戦術を練ればいいとアドバイスする。こうして自分らしい戦い方をつかんだ勇美は、ようやくほかの業務との掛け持ちにも慣れ始める。そんな勇美を見て安堵した岡上乙女は、開校祭と音楽まつりが無事に終わったら、いっしょに出掛けようと誘うのだった。

登場人物・キャラクター

近藤 勇美 (こんどう いさみ)

東京都調布にある調布木多高校に通う3年生の男子生徒。防衛大学校に進学し、第一大隊、第一中隊、一一三小隊に所属することになる。髪型は前髪を目が隠れそうなほど伸ばした黒髪ストレートヘア。成績優秀、容姿端麗で人望も厚いが、家が貧しいためにややお金に細かいのが玉に瑕。勉強することが好きで、時間さえあれば勉強しているほどだったが、経済的事情から進学を断念しかけていた。 しかし桂木吾郎から防衛大学校の存在を教えられ、入学を決意する。実家は定食屋の近藤食堂で、店に立つこともあるため料理が得意。

松平 容介 (まつひら ようすけ)

近藤勇美の対番を務める、防衛大学校に通う2学年の男子生徒。第一大隊、第一中隊、一一一小隊に所属している。坊主頭に長く伸ばしたもみあげが特徴。明るく爽やかな雰囲気で、勇美に学校生活に必要なものをプレゼントしてくれたりと気前の良い性格。反面、ややいたずら好きなところがあり、女子部屋を覗きに行くのに勇美を誘ったりと、困った一面もある。 正直で堂々とした性格の勇美を高く評価しており、勇美であれば防衛大学校の厳しい環境でもやっていけると考えている。

沖田 蒼司 (おきた そうじ)

近藤勇美と原田のルームメイトで、防衛大学校に通う1学年の男子生徒。前髪を目の上で切った金髪ストレートヘアの、中性的で可愛らしい容姿。ルームメイトということもあり、着校してすぐに勇美や原田と親しくなる。素直で穏やかな性格だがややのんびりしているため、入校式後、上級生たちから目を付けられるようになってしまう。父親も自衛官で、将来は自衛隊の指揮官になりたいと考えている。 食べることが好きで、食事の時間が一番幸せ。

原田 忠 (はらだ ただし)

近藤勇美と沖田のルームメイトで、防衛大学校に通う1学年の男子生徒。坊主頭と三白眼が特徴。ルームメイトということもあり、着校してすぐに勇美や沖田と親しくなる。将来は、海外派遣に参加したいと考えている。愛媛県の今治二高校出身で、高校までは野球一筋だった。

武井 寅明 (たけい ともあき)

近藤勇美、原田 、沖田のルームメイトで、防衛大学校に通う1学年の男子生徒。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪にし、眼鏡をかけている。入校前から防衛大学校について詳しく勉強しており、他の学生を全員ライバルと捉えている。

坂木 龍也 (さかき りゅうや)

一一五室の室長を務める、防衛大学校に通う4学年の男子生徒。三白眼で、前髪を数房残して上げて額を全開にし、撫でつけ髪にしている。クールで厳格な性格で、入校式を終えた学生たちを非常に厳しく指導する。そのため、沖田など下級生たちからは恐れられている。

松井 常代 (まつい とこよ)

近藤勇美の幼なじみで、東京都調布市にある調布木多高校に通う3年生の女子生徒。目が隠れそうなほど伸ばした前髪を7対3で分け、肩につかない長さの群青色のボブヘアをしている。勇美とは家族ぐるみで親しく、交際はしていないものの周囲からは「勇美の正妻」と評されるほどの間柄。そのため、成績が優秀であるにもかかわらず家業を継ぐ考えの勇美を案じている。

桂木 吾郎 (かつらぎ ごろう)

近藤勇美の幼なじみで、自衛隊に所属する若い男性。スポーツ刈りでがっしりした体格をしている。以前はやや細身だったが、自衛隊に入隊後体型が大きく変わり、そのため勇美は再会後も桂木吾郎と気づかなかった。勇美に防衛大学校の存在を教え、進学を勧める。自衛隊員として充実した日々を送っており、活躍する姿はTVや動画サイトなどでも報じられている。

仙石 マサオ

防衛大学校への着校日、学校へ向かう途中のバスで近藤勇美に話しかけてきた少年。坊主頭で額に特徴的なほくろがある。勇美と同じく防衛大学校への進学が決まっており、周囲に強いライバル心を抱いていた。しかし、着校から入校までの期間に様子が激変。入校1日目にして学校を去ってしまう。

西脇 (にしわき)

一一五室サブ室長を務める、防衛大学校に通う4年生の男子生徒。豪快で声の大きい、坊主頭の巨漢。入校式前はフレンドリーで下級生たちの面倒見が良い先輩だったが、入校式後に態度が一変。下級生たちを厳しく指導し、恐れられる存在。

岡上 乙女 (おかがみ おとめ)

坂木龍也の妹で、防衛大学校一学年の、第一大隊に所属する女子。一学年前期の部屋は一一八号室。前髪を目の上で切り、胸の高さまで伸ばしたストレートロングヘアを、頭の高い位置でまとめたポニーテールヘアにしている。明るくまじめで、面倒見のいい性格。そのため周囲に慕われているが、指導の際は厳しく、その点は龍也によく似ている。高校時代は薙刀部に入っていたが、防衛大学校に薙刀部はなかったため、校友会は儀仗隊に入った。近藤勇美とは入校してすぐ、勇美に携帯電話を貸した事がきっかけで親しくなる。その後、いっしょに儀仗隊に入ったり、水泳の苦手な勇美に泳ぎ方を教えるなどよくいっしょに過ごすようになり、周囲からは二人は交際しているのかとからかわれる事が多い。龍也とは実の兄妹だが、両親の離婚により苗字が違う。そのため、防衛大学校では兄妹である事が知られておらず、偶然それを知った勇美も、龍也からの命令で秘密にしている。龍也の事を非常に慕っており、たとえ兄妹である事が知られていなくても、龍也の妹として恥ずかしくない学生でありたいと考えている。1月1日生まれで、血液型はA型。身長は162センチで、体重は49キロ。出身地は高知県高知市。

沖田 美月 (おきた みつき)

沖田蒼司の姉。前髪を目の上で切り、胸の下まで伸ばしたストレートロングヘアを、頭の高い位置でポニーテールにしている。明るく親しみやすい性格。近藤勇美の事は、蒼司からのメールでよく知っており、蒼司が勇美を非常に尊敬している事もあり、出会う前から好感を抱いていた。そのため、勇美達が休養日に沖田家を訪れた際にこっそり勇美と連絡先を交換し、蒼司が勇美を目標にするほど慕っているので、これからもよろしく頼むと改めて頼んだ。

吉田 稔郎 (よしだ としろう)

防衛大学校で遠泳訓練の教官を務める若い男性。髪全体を上げて額を全開にした、ツンツンヘアにしている。三白眼で目つきが悪く、鮫歯。学生達からは密かに「ダーヨシ」と呼ばれている。面倒見はいいものの指導はあまり得意ではなく、体育会系的な精神論を展開する事が多い。そのため近藤勇美とは相性が悪く、勇美が一学年の夏は、なかなか泳げるようにならない勇美に厳しく当たっていた。しかし勇美を嫌っているわけではなく、最終的には8キロ遠泳を泳ぎ切った勇美を褒め、ジュースをおごった。

土方 俊明 (ひじかた としあき)

防衛大学校一学年の男子。第一大隊に所属する。一学年中期は、近藤勇美と同じ一一七号室。前髪を上げて額を全開にした、癖のあるスポーツ刈りに眼鏡をかけている。まじめな努力家で非常に優秀だが、自分にも他人にもとても厳しい。そのため、弱気になっている学生には退校を迫るなど、ダメだと判断した相手をすぐに切り捨てる非情な一面がある。医師を志望する10歳年上の兄、為治がいるが、為治は受験勉強がどうしてもうまくいかず、9浪の果てに精神を病んでしまう。これによって家族全体が崩壊し、そんな家族を切り捨てるように防衛大学校に入った。結果、為治のように、努力しても結果が出せなさそうだと判断した相手には、はっきり指摘するのが親切だと思うようになった。勇美とは、一学年中期に相部屋になった事がきっかけで出会った。しかし、自分が強く志望していた小隊学生長付のポストに勇美が選ばれた事で、勇美をライバル視するようになる。しかし、何度も勇美と衝突するうちに、次第に心を開くようになっていく。校友会はアメリカンフットボール部。5月5日生まれで、血液型はAB型。身長は174センチ、体重は70キロ。出身地は東京都日野市。

東堂 進 (とうどう すすむ)

防衛大学校一学年の男子。第一大隊に所属する。一学年前期は、近藤勇美と同じ一一五号室。本来は別の部屋であったが、着校しなかった学生がいた事により各部屋に空きが発生し、人数調整のため平山吾郎と共に一一五号室にやって来た。前髪を真ん中で分けて額を見せた短髪にしている。三白眼で目つきが悪い。明るくノリのいい性格の持ち主。趣味は音楽で、高校時代からバンド活動をしており、特技はギター。当時のバンドマン仲間からは「進」を「しん」と読み替えてアルファベットにし「Shin」と呼ばれている。そのため校友会は軽音楽部に入ろうと考えていたが、文化部だけでなく運動部にも入らなくてはならないと知り、パラシュート部に入った。11月18日生まれで、血液型はA型。身長は176センチ、体重は64キロ。出身地は、東京都文京区。

加納 (かのう)

沖田美月の友人で、同じ大学に通う女子。前髪を目が隠れそうなほど伸ばして右寄りの位置で斜めに分け、腰まで伸ばしたストレートロングヘアにしている。極端に小柄でたれ目。穏やかで心優しい性格。近藤勇美、原田忠、武井寅明とは、勇美達が一学年の夏に美月の紹介で出会い、合コンをした。その際ゲームの命令で寅明に「愛してる」と言っただけで寅明に思いを寄せられるようになってしまい、合コン終了後に交際を申し込まれた。しかし実際は恋人がおり、合コンには美月に頼まれて仕方なく参加しただけであった。そのため、寅明からの告白は断った。

平山 吾郎 (ひらやま ごろう)

防衛大学校一学年の男子。第一大隊に所属する。一学年前期は、近藤勇美と同じ一一五号室。本来は別の部屋であったが、着校しなかった学生がいた事により各部屋に空きが発生し、人数調整のため東堂進と共に一一五号室にやって来た。坊主頭で、非常に大柄。たれ目で、いつも目を閉じているように見える。穏やかで物静かな性格。学生としても優秀で、上級生からの呼び出しも少ない。地元に恋人を残して防衛大学校に入るが、夏休みに地元に戻った際、防衛大学校で厳しい訓練に耐える自分と、楽しい大学生活を送る友人達とのあいだにギャップを感じ、防衛大学校で頑張り続けるモチベーションを失ってしまう。結果、一学年中期に退校した。9月18日生まれで、血液型はA型。身長は175センチ、体重は77キロ。出身地は兵庫県神戸市。

西脇 鷹史 (にしわき たかし)

防衛大学校四学年の男子。第一大隊に所属する。四学年前期においては、近藤勇美達の所属する一一五号室のサブ室長を務めている。髪型は坊主で、体型は非常に大柄。太眉で、唇が厚い。その容姿と、いびきが非常にうるさい事から、下級生達からはひそかに「ゴリラ」と呼ばれている。上級生としては非常に厳しいが、本来は明るく親しみやすい、面倒見のいい性格。しかし、自分がいいと思う方向へ他人を強引に誘導しがちな一面があり、相談相手には適さない。12月7日生まれで、血液型はA型。身長は191センチ、体重は90キロ。出身地は鹿児島県鹿児島市。「ばっかもーん」が口癖。校友会はラグビー部に入っている。

岩崎 林太郎 (いわさき りんたろう)

防衛大学校四学年の男子。第一大隊に所属する。四学年中期においては、近藤勇美達の所属する一一七号室の室長を務めている。前髪を眉上で短く切って、刈り上げている。下まつげが長く、中性的な顔立ちをしている。勇美とは、部屋長と部屋っ子の関係になった事で親しくなった。開校祭では一大隊の総長を務めており、棒倒しにおいて何が何でも優勝したいと考えている。そのため、本来であれば棒倒しには参加できないはずであった勇美を誘い、いっしょに戦う事になる。特技は書道。

その他キーワード

対番 (たいばん)

防衛大学校にある制度の1つで、新入生に防衛大学校のルールや習慣を教える存在のこと。1人の新入生につき1人の対番がつき、指導を行う。そのため、新入生が粗相をした際には、対番の学生の責任となる。

書誌情報

あおざくら 防衛大学校物語 31巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2016-09-16発行、 978-4091273406)

第2巻

(2016-12-16発行、 978-4091274250)

第3巻

(2017-03-17発行、 978-4091275080)

第4巻

(2017-06-16発行、 978-4091275745)

第5巻

(2017-09-15発行、 978-4091276841)

第6巻

(2017-12-18発行、 978-4091278777)

第7巻

(2018-03-16発行、 978-4091280930)

第8巻

(2018-06-18発行、 978-4091282569)

第9巻

(2018-09-18発行、 978-4091283955)

第10巻

(2018-12-18発行、 978-4091285935)

第11巻

(2019-03-18発行、 978-4091288035)

第12巻

(2019-06-18発行、 978-4091291677)

第13巻

(2019-09-18発行、 978-4091293305)

第14巻

(2019-11-18発行、 978-4091294456)

第15巻

(2020-02-18発行、 978-4091295606)

第16巻

(2020-04-16発行、 978-4098500666)

第17巻

(2020-07-17発行、 978-4098501649)

第18巻

(2020-10-16発行、 978-4098502714)

第19巻

(2021-01-18発行、 978-4098503803)

第20巻

(2021-04-16発行、 978-4098505180)

第21巻

(2021-07-16発行、 978-4098506330)

第22巻

(2021-10-18発行、 978-4098507221)

第23巻

(2022-01-18発行、 978-4098508631)

第24巻

(2022-04-18発行、 978-4098510573)

第25巻

(2022-07-15発行、 978-4098511846)

第26巻

(2022-10-18発行、 978-4098513482)

第27巻

(2023-01-18発行、 978-4098515318)

第28巻

(2023-04-18発行、 978-4098520282)

第29巻

(2023-07-18発行、 978-4098526123)

第30巻

(2023-10-18発行、 978-4098528547)

第31巻

(2024-01-18発行、 978-4098530748)

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