転生しても猫は猫

転生しても猫は猫

交通事故で亡くなったマンチカンが転生したのは、猫の存在しない剣と魔法の世界だった。猫という生き物を知らない勇者や魔王、騎士団長が、それぞれ身の回りに転生してきた猫たちのかわいさに癒されつつも振り回される様子を描いたファンタジーコメディ作品。「ガンガンONLINE」で2021年3月から配信の作品。

正式名称
転生しても猫は猫
ふりがな
てんせいしてもねこはねこ
作者
ジャンル
ファンタジー
 
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あらすじ

道を散歩していたマンチカンは交通事故で亡くなり、そのままの姿で猫のいない剣と魔法の世界に転生した。そんな中、街を徘徊(はいかい)していたマンチカンは、王様から魔王の討伐を命じられるも、乗り気になれず落ち込んでいる勇者と遭遇する。(エピソード「第1話」)

登場人物・キャラクター

マンチカン

茶トラ白の猫。手足が短く、しっぽだけが黒い。車に轢(ひ)かれて死亡したが、神によってそのままの姿で、猫が存在しない剣と魔法の世界に転生した。街中を徘徊していた際に、勇者に拾われた。ハムやベーコンなどの肉類や魚類、チーズなどの乳製品を好む。勇者の木の盾や木の剣を爪とぎとして使用し、勇者を困らせている。また、勇者に対しては威嚇したり爪で攻撃をしようとするが、スライムに対しては怯(おび)えて逃げ出してしまう。

勇者 (ゆうしゃ)

血統で勇者に選ばれた少女。紫色のショートカットヘアで、髪の一部分のみ長く伸ばしている。王様から勇者を命じられて憂鬱な気分になっていた際に、街中で生まれて初めて見た猫のマンチカンと出会い、触ると癒されるということで連れ帰った。しかし、マンチカンが高価な肉類や魚類、乳製品を好むので食費がかさんでしまうため、魔王を討伐する旅に出てモンスターの肉をマンチカンに与えることにする。しかし、所持金が少なくレベルも低いために、討伐の旅で危険な目に遭うこととなる。

勇者の母 (ゆうしゃのはは)

勇者の母親。紫色の長い髪をうなじでシニョンにまとめている。若い頃、勇者と同じく魔王を討伐するよう命じられたが、断った過去がある。勇者がマンチカンを拾ってきた際には非常に驚いたが、マンチカンが膝に乗って甘えてくる姿に癒され、かわいがっている。しかし、マンチカンが高価な肉類や魚類、乳製品を好むため食費がかかることが判明したため、勇者に討伐したモンスターの肉を提供するよう勧めた。

魔王 (まおう)

世界を支配している魔族の男性。黒い長髪を真ん中分けにしており、額に目玉の付いた冠をかぶっている。部下たちからは残虐非道な人物として恐れられているが、三匹の子猫に対しては強い庇護(ひご)欲を搔き立てられている。魔界一の学者の助言を受けて三匹の子猫を飼育しており、そのかわいさにたびたび吐血するほどの衝撃を受けているが、魔王はこれを三匹の子猫が放つ聖魔法の影響だと考えている。飼育開始当初は三匹の子猫の排泄(はいせつ)補助も行い、授乳のために白虎を倒すなどしていたが、三匹の子猫が自力で排泄できるようになると淋(さび)しさも覚えていた。しかし、魔界一の学者からトイレトレーニングの必要性を説かれ、引き続き甲斐甲斐(かいがい)しく世話を焼けることを喜んでいる。

魔界一の学者 (まかいいちのがくしゃ)

魔王の部下の学者。性別は不明。頭からフード付きマントを身につけ、眼鏡をかけている。3000年前に書かれた古文書に、猫の飼育方法が書かれているのを発見し、魔王に猫の飼育について説明する役目を担っている。魔王が三匹の子猫の授乳にヤギ系モンスターの母乳を与えようとした際には、草食生物から出る母乳が猫の下痢を引き起こす原因になると注意している。

白虎 (びゃっこ)

非常に大きな白い毛並みの虎。西の聖獣で、500年以上もの長きにわたり、いつか勇者が使用する予定である三種の神器の一つ、エクスカリバーを守護している。最果ての西の洞窟で暮らしていたが、魔王に倒され、三匹の子猫の授乳係となった。500年以上もエクスカリバーを守り続けていたが、三匹の子猫に授乳するようになり、自分が必要とされる喜びを知った。また、授乳中は席を外すよう魔王に注意している。三匹の子猫が卒乳した際には授乳中の思い出に耽(ふけ)り悲しんでいたが、離乳食も手伝えることになり、ひそかに喜んでいる。

クラーケン

魔王の部下。巨大なタコの姿をしている。頭部に大きな十字傷がある。魔王の命令なら船の沈没から村の水害までこなすが、三匹の子猫の離乳食用にと、身が柔らかくて食べやすい魚の手配を命じられた。残虐非道な人物として恐れている魔王が、三匹の子猫のことになると、人が変わったような対応をするのを目の当たりにし、非常に驚いている。

ドワーフ

魔王城にあるオリハルコンを盗もうとしている中年男性。背が低く筋肉質な体型で、口まわりの髭(ひげ)を蓄えている。魔王からの依頼で、オリハルコンを使用し、離乳食を保存する缶と金属製の鍋を作成した。三匹の子猫のかわいらしさに感動し、その後は魔王から依頼されていない透明な鍋も作成している。それ以来魔王とは敵同士ではなく、三匹の子猫の魅力を引き出すグッズを作るネコ友となっている。

クドラク

辺境に住んでいる吸血鬼の初老男性。ウェーブがかった髪を真ん中分けにしている。魔王の部下で、月に一度、鏡を使って魔王に報告を行っている。人間の街の制圧がうまくいっていないため、魔王に殺されるのではないかと恐れていたが、報告中に映り込んだ三匹の子猫を無自覚に褒めたところ、魔王の機嫌を取ることに成功した。

騎士団長 (きしだんちょう)

人間の国で騎士団長を務めている女性。長い金髪をお団子サイドテールにまとめている。人前では鉄面皮で物言いもきついが、自室に戻ると自分の言動を後悔して涙するデリケートな一面がある。ひそかに自室でスコティッシュフォールドを飼育しており、よくその腹に顔を埋めて癒されている。実はライエルに好意を抱いているが、訓練中に優しくすることができず、嫌われているかもしれないと落ち込むことがよくある。男性との交際経験がなく、女子力を上げようと考えているが、なかなかうまくいかない。

スコティッシュフォールド

騎士団長が自室で飼っているオス猫。白地に黒ぶち模様で両耳が垂れ、非常にしっぽが短い。また、全体的にふくよかで丸い体をしており、鳴き声を発さない。部屋に帰って来ると泣いていることが多い騎士団長を、ふくふくとした腹で受け止め、慰めている。その様子が騎士団長の目には、すべてを優しく受け止める寡黙なイケメンに感じられている。やがて腹だけでなく睾丸(こうがん)も触られるようになったが、嫌がっている様子はない。

ライエル

騎士を務める男性。ストレートのミディアムボブヘアをしている。騎士団長から特に厳しく指導されているため、ほかの騎士たちからは「ライエルは騎士団長に嫌われているのではないか」と噂(うわさ)されているが、ライエル自身はその厳しさを、部下の命を守ろうとする優しさの表れだと理解しており、感謝している。

集団・組織

三匹の子猫 (さんびきのこねこ)

魔王が飼っている3匹の子猫。猫種はロシアンブルー。まだ乳児の頃に魔王の城に転生し、白虎の母乳を飲んで育った。無邪気に甘える姿がかわいすぎるため、魔王からは聖魔法を使っていると考えられている。つねに3匹いっしょに行動しており、魔王の側から離れない。

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