ペンフレンド

ペンフレンド

高校生・押切トオルが経験した異常現象と怪奇事件を描くホラー短編。押切が登場する作品は、『首幻想』『生霊の沼』『ペンフレンド』『侵入者』『押切異談』『押切異談・壁』の6話ある(発表順)。主人公の押切の設定はほぼ同じだが、各短編は基本的に独立したストーリーである。ただし、『侵入者』『押切異談』『押切異談・壁』は、自宅の屋敷に異次元の出入り口があるという設定で、連作の要素が強い。

正式名称
ペンフレンド
ふりがな
ぺんふれんど
作者
ジャンル
ホラー
 
怪談・伝奇
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概要・あらすじ

両親が仕事で海外に行き、高校生の押切トオルは人里離れた屋敷に1人で住む。彼女をつくって孤独を和らげようと思い、放課後、いつも美術室で1人で絵を描いている里見和子に話しかけた。しかし、里見には3人の心の通じ合った文通友達がおり、学校の人たちとは付き合う気が起きないという。押切は諦めるが、後日、学校で里見が話しかけてくる。

里見は文通友達2人と喧嘩していた。押切と会ったことを手紙に書いたら、「友達は学校では作らないっていっていたのはウソだったのか」と怒り、手紙で罵り合いになったという。押切里見の家に遊びに行くと、残りの1人から返事が来ていたが、汚い罵り言葉の羅列だった。里見はすぐ返事を書くからといって押切を追い返す。

マフラーを忘れて取りに戻った押切は、玄関から飛び出してきた里見にぶつかり、彼女が落とした封筒を拾う。封筒のあて名は里見和子だった。

登場人物・キャラクター

押切 トオル (おしきり とおる)

高校生の男子。両親が仕事で外国に行き、人里離れた広い屋敷に1人で住む。背が低いことにコンプレックスがある。孤独感から、彼女をつくろうとして、美術部の里見和子に話しかけた。押切は里見を孤独だと思っていたが、3人の文通友達がいるという。その後、押切は里見から、文通友達と喧嘩になっているという悩みを打ち明けられる。

里見 和子 (さとみ かずこ)

『ペンフレンド』に登場する高校生の女子。押切トオルと同じ学年だが、クラスは別。両親は仕事の関係で家にいない。美術部に所属し、放課後はいつも1人で絵を描いている。彼女をつくろうとした押切から声を掛けられるが、3人の心が通じ合った文通友達がいるために、申し出を断っている。その後、押切に話しかけ、ペンフレンド2人と喧嘩になっていることを打ち明ける。 押切に会ったことを書いたところ、「友達は学校では作らないっていっていたのはウソだったのか」と返事で怒ってきたため、手紙で罵り合いになったという。

里見和子のペンフレンド (さとみかずこのぺんふれんど)

『ペンフレンド』に登場する高校生女子の里見和子の文通友達。ユッコ、ミキ、チハルの3人。ペンフレンド同士もお互いコンタクトを取り、4人とも知り合いになっている。里見から美術室で押切トオルと会ったことについて書かれた手紙を受け取り、ユッコとミキは、「友達は学校では作らないといっていたのはウソだったのか」という怒りの返事を出し、手紙で罵り合いの喧嘩になる。 チハルも汚く罵った手紙を寄越した。

友人T・O (ゆうじんてぃー・おー)

『ペンフレンド』に登場する置手紙の差出人。押切トオルは里見和子の3人のペンフレンドが架空ではないかと指摘する。翌日から、里見は学校に来なくなり、押切は置き忘れた絵の道具を家に届けた。里見はペンフレンドたちとの喧嘩がエスカレートした揚句、3人が待ち合わせて自分を殺しに来ると怯えていた。やがて、見えないペンフレンドと争う様子を見せながら、里見は自分を包丁で滅多刺しにしてしまう。 押切は自分が犯人と疑われるのを恐れ、血まみれで死んだ里見を放置して屋敷へ逃げ帰る。夜、押切は屋敷で、自分が里見を殺した犯人だという置手紙を見つけた。差出人は友人T・Oとあるが、筆跡は押切のものだった。

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