重要参考人探偵

重要参考人探偵

モデルを務める男性は、5歳の頃からなぜか死体の第一発見者になってしまう体質を持っていた。そのせいで、なにかと警察から疑いの目を向けられることになる。いつも散々な目に遭う友人を助けようと、推理オタクと聞き込み上手なモデル仲間二人が協力し、さまざまな事件を解決していく。巻き込まれ体質な三人の姿を描く本格推理コメディ。「増刊flowers」2013年6月号増刊初夏号から連載開始、その後に掲載誌を移し、「月刊flowers」2015年9月号から連載されている。

正式名称
重要参考人探偵
ふりがな
じゅうようさんこうにんたんてい
作者
ジャンル
推理・ミステリー
レーベル
フラワーコミックス α(小学館)
巻数
既刊7巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

5歳の頃より、なぜかさまざまな死体を発見してしまう体質を持った弥木圭は、これまで幾度となく死体の第一発見者となってきた。そんな圭が、モデル仲間の周防斎シモン・藤馬と共に、ファッション誌の撮影の仕事で訪れた出版社スタジオで、事件は起こる。担当カメラマンの片瀬がメイク室で休憩中、ナイフで刺殺されてしまったのだ。そこへ運悪く通りかかった圭は、何者かに後頭部を殴打され、事を把握できないまま、床に置かれた凶器のナイフを手に呆然としてしまう。死体の脇でナイフを手にしている圭を見た関係者は、圭を犯人であると思い込み、到着した警察官は、圭が怪しいと頭ごなしに疑ってかかる。そんな最悪の状況下で、圭は斎の推理と聞き込み上手なシモンに助けられ、事件を解決に導く。(第1話「第一発見者の男」、第2話「まだ朱染めし…」)

圭は、結婚式場のブライダルフェアで、模擬挙式の新郎役を務めることになった。新婦役を務めるのは、気が強い女性モデルの二葉エリ。リハーサルの最中、圭は、やたらと突っかかって来る彼女と口論になる。そして険悪な状態で迎えた模擬挙式本番、二人でバージンロードを歩いている途中で、エリは突然口から血を流して倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまう。すぐ横にいた圭は、またしても事件の重要参考人として、周囲から疑いの目を向けられる。(第3話「ダイヤモンドは一瞬の輝き」)

圭は、食事の約束をしていたシモンを迎えに、上野美術大学に来ていた。待ち合わせの時間を過ぎてもシモンが姿を見せないため、昼寝でもして待っていようと、圭は大学校舎の屋上へ向かった。すると、どこからか激しく争うような声が聞こえてくる。圭は慌てて人影を探すが、姿を見つけられず、手すりから下を覗き見てみると、そこには転落死した男性の姿があった。屋上から見ている圭を発見した大学生の目撃証言により、圭が事件の重要参考人として、警察から疑いの目を向けられる。そんな圭に呼び出され、現れた斎とシモンは、別の目撃者を捜し、圭の無実を証明しようと奔走する。(第4話「目撃者は一人」)

アウトドア雑誌の撮影のため、圭、斎、シモンは登山に来ていた。撮影は順調に終了し、コーディネーターである天川哲也の案内で、料理がおいしいと評判のロッジへ向かう。そこでは、態度の悪い主人とその妻が迎えてくれた。評判がいいはずの料理は非常にまずく、首をかしげる中、一行は各自部屋で床に就く。深夜、空調が壊れて寝苦しくなった圭は、使用不可だったはずの部屋が開いているのに気づき、そこで休むことにした。翌朝、目が覚めた圭は、ベッドの下に天川の遺体を発見。第一発見者として、またしても疑惑をもたれる。(第5話「ワンダーフォーゲル」)

第2巻

時計の老舗といわれる「ミウラ時計株式会社」のパンフレット撮影に参加した弥木圭は、押しの強い責任者、小高邦江に気に入られ、新商品のレセプションパーティに参加する。気乗りしなかった圭は、周防斎シモン・藤馬を引き連れてパーティ会場を訪れる。そこは、華やかな場でありながら、社内のさまざまな思惑が入り乱れていた。そんな中、圭を見つけるや否や、べったりとくっついて離れようとしない小高は、スピーチの際、圭を連れて壇上に上る。圭はそんな小高からなんとか逃れようと、飲み物を取りに行くと言い残し、その場から離れた次の瞬間、天上のシャンデリアが落下。壇上の小高は下敷きとなって亡くなってしまう。さらに、会場の装飾のメインとなっていた超高級アンティーク時計がなくなっていることが発覚する。小高の近くにいた圭は、死の直前に彼女から離れたので、疑惑の目を向けられる。(第6話「時は命なり」、第7話「くるった歯車」)

紳士服の撮影の帰り道、圭は突然飛び出してきた女性にぶつかり、女性はそのまま走り去ってしまう。不審に思った直後、圭は血だらけの男性遺体に遭遇。自分の服にも遺体の血が付き、身動きが取れなくなって慌てた圭は、実家で夜会に出席中だった斎に連絡し、助けを求める。退屈な夜会に辟易していた斎は、目を輝かせて圭の話を聞き入り、探偵を気取って圭にさまざまな指示を出す。圭はそれに従って殺害現場に踏み込み、事件の詳細を調べていくうちに、現場に警察が到着。またしても圭は警察官に殺人の疑いをかけられてしまう。(第8話「二人の安楽椅子探偵」)

「ヒノ飲料」の新商品のCMオーディションに参加した圭は、清純派女優乙原ゆりの相手役として最終選考に残る。最終選考が終わり、審査結果を待っていたとき、圭のほかに残った三人の男性のうち、モデルの魚住爽太が、何者かに後頭部を殴られて殺されてしまう。第一発見者となった圭は、魚住が息を引き取る直前に居合わせ、彼の最期の言葉を聞く。オーディションの有力候補だったを魚住を殺してライバルを減らしたかったのだろうと、御多分に漏れず容疑者扱いされた圭は、斎とシモンと共に、真犯人の手がかりを探すため調査を開始する。(第9話「最後の乾杯」、第10話「ガラスの器」)

ある夜、圭は、母親である弥木主計と、自分の体質による死体発見遍歴についての思い出話に花を咲かせていた。嫌な思い出ばかりではあるものの、最近死体発見の話を母親としていなかったため、主計は、圭が20歳をすぎて普通の人になってきたのだと安堵した。しかし、それは圭が報告をしなかっただけであって、最近では逆に死体発見の回数も増え、容疑者扱いを受けることも増えてきたとは知らない。そんな主計は、圭が最初に死体を発見した5歳の時の話をしようとすると、話を遮り、何かを隠そうとするが、圭はそんなことは気にも留めていなかった。そんなある日、仕事からの帰り道、自動車と歩行者の交通事故の現場に居合わせた圭は、事故が起きた状況について警察で事情を聞かれる。(第11話「写る記憶」)

第3巻

メンズインナーのファッションショーに出演するシモン・藤馬を見に行った弥木圭周防斎は、客席で隣になった三国絵奈と知り合い、モデルの宮田和哉野崎茂を紹介される。数日後、和哉の自宅で飲み会をすることになった圭は、和哉から、同じ団地内に住む茂を呼びに行ってほしいと頼まれる。茂の部屋を訪れた圭がドアを開けると、そこには血を流して倒れている茂の姿があった。慌てた圭は、すぐに救急に連絡。救急隊を現場に案内するが、そこにあったはずの死体がそっくり消えてしまっていたのだ。救急隊にはいたずら扱いされ、茂とは連絡が取れず、腑に落ちない状況のまま、飲み会を始める。夜になり、足りなくなった酒を買い足しに出かけたついでに、再度茂の部屋を訪れた四人は、再び同じ場所に茂の死体を発見する。(第12話「消失した死体」、第13話「存在した擬態」)

シモンは、所属事務所「ウエーブ」から1週間オフをもらい、実家である「フラワーショップ藤馬」の手伝いをするために帰って来ていた。そこでは、相変わらず年齢を問わず、さまざまな女性に声をかけては、花をタダであげてしまうシモンの姿があった。そんな折、女性から店に不審な電話が入る。バラの花を100本、今すぐシモンに届けてほしいというものだった。シモンは、いぶかしがりながらも相手先のマンションへと足を運ぶ。そこでは、よもや自分も死体と遭遇してしまうのではないか、というようなアクシデントが起こり、シモンの不安をあおる。それによりシモンは、普段死体ばかりを発見してしまう圭の心情を疑似体験する。嫌な予感を打ち消すことができないまま、シモンは配達先の部屋を訪れる。(第14話「注文の多い花束」)

遠方での仕事帰り、圭と斎は、ドライブがてら東京へ帰ろうと、車を走らせていた。斎は、運悪く昨夜食べたカキにあたり、急激に具合を悪くしていたため、小刻みなトイレ休憩をはさみながらのドライブとなっていた。そんな中、山中の道路で急に飛び出してきたヒッチハイカーの女性、秋田真穂を同乗させ、近くの街まで連れていく。出発しようとした時、圭は車のトランクが開いたままになっていることに気づく。トランクを閉めようと近づくと、そこには、見ず知らずの男性の遺体が入っていたのだ。圭はトランクの遺体に気づきながらも、このあとの仕事に間に合わなくなると恐れ、ひとまずこのまま車を走らせることを優先。一方で、圭の様子から、トランクに遺体が入っていると気づいてしまった真穂は、圭と斎が殺人犯であると勘違い。なんとかしてこの状況から脱しようと奔走する。(第15話「一緒にドライブ」)

シモンと共に知り合いの別荘に遊びに行った圭と斎は、そこで天文サークルのOBである八木海斗双田聖子獅堂宗一早乙女亮と鉢合わせ。ダブルブッキングとなってしまうが、四人の計らいで一夜を共に過ごすことになった。食事の際、圭と斎、シモンは天文部OBの四人が、亡くなった天文部員の女性、獅堂みなみの一周忌をかねて集まったと知り、四人のそれぞれが、八木となんらかの確執を持っている様子を感じ取った。その翌朝、明け方に見える天の川を見ようと一人海岸に出かけた圭は、八木の首つり死体を発見してしまう。しかし、一見自殺であるかのように木からぶら下がっていた八木の首筋には、何者かによって絞められた痕跡がはっきりと残っていた。自殺に見せかけた他殺であると気づいた斎は、圭とシモンと共に事件の真相を探るべく調査を始める。(第16話「星を見る夜」、第17話「あけの明星」)

第4巻

弥木圭は、引っ越し屋のアルバイトのため、「関引っ越しセンター」の社員である引田大輔と共に、依頼主である一人暮らしの老人、昭島のぶえの家にやって来た。荷造りが終わりそうもなかったため、圭が時間をおいて再度訪問してみると、そこには散乱した荷物の中で血を流して倒れている昭島の姿があった。そこへ到着した刑事、登一学は、頭から圭を疑ってかかるが、もう一人の刑事、古仙淳は、事態を冷静に把握しようとしていた。そして入念な調査によって、近隣トラブルがあったことが判明。事件の詳細が次第に明らかになっていく。(第18話「押し込み」、第19話「惜しい口さが」)

早朝、仕事から帰路に就いた圭は、公園のベンチで苦しんでいる老人男性、松小路に出くわす。彼は間もなく息絶えたが、死の間際、圭に一通の遺言書を託す。亡くなった男性は「大旦那様」と呼ばれる資産家であり、松小路家の当主だったのだ。すぐにかけつけた男性の親族たちは、遺言書の中身を見て驚愕する。そこには本物の遺言書の隠し場所のヒントと、見つけられなかった際には、第一発見者に全財産を譲る旨が記されていたのだ。しかし、親族たちは、何としても財産を自分達のものにしようと、第一発見者である圭を座敷牢に閉じ込め、宝さがしに奔走する。そこへ偶然通りかかったシモン・藤馬と、松小路家と知り合いだった周防斎も合流。しかし、三人共に座敷牢に入れられてしまい、遺言書の隠し場所について考えを巡らせる。(第20話「けやけき屋敷」)

参加型ミステリーイベント、「内海館殺人事件」の舞台に役者として出演する圭は、七人の役者と演出家と共に日々稽古に追われていた。本番当日、客席では斎とシモンが見守る中、上演は開始されたが、物語が佳境にさしかかった時、事件は起こった。若手俳優の黒井創が、何者かに胸を一突きされ、舞台上で死亡していたのだ。急遽、休憩時間を挟み、客席に知れなかった。予定外の休憩を怪しいとふんだ斎とシモンは、何かアクシデントがあったに違いないと、圭のもとに駆けつける。そしてまたしても殺人の容疑をかけられた圭のため、シモンが事件の真相につながる情報を聞き込みに行き、斎は独自の推理を展開。圭の身の潔白を証明しようと奔走する。(第21話「セットアップ」、第22話「コンフロンテーション」、第23話「レゾリューション」)

第5巻

弥木圭には、忘れられない記憶があった。それは、5歳の時、初めて死体を目の当たりにした時の記憶だった。ロープを首に巻いた状態で、息絶えた男性の姿は、脳裏にしっかりと焼きついていた。しかし、その日に見た夢は、その情景の続きだった。男性の死体を発見し、驚いている圭の足元に、白い粉が入った大量の袋が落ちている。記憶の続きなのか、ただの夢なのか、わからないまま圭は仕事に向かった。遊園地での着ぐるみショーの仕事が終わり、周防斎シモン・藤馬と共にお化け屋敷に入った圭。必要以上に怖がる斎とシモンを後ろに、先頭を歩いていると、お化け役の男性が息絶えているのを発見する。男性の足元には白い粉の入った袋が散乱していた。その光景が、圭が今朝夢に見たものと同じだったことが、三人にはひっかかっていた。警察の調べで、白い粉は覚せい剤であると判明。その後、お化け屋敷の関係者による証言によって、被害男性は、覚せい剤の使用による事故で決着がつこうとしていた。しかしその時、圭は証言の矛盾に気づき、それを指摘。事件の真相に迫っていく。(第24話「夢の続き」)

斎は、高遠薫子とのデートであるにもかかわらず、圭とシモンも一緒に連れて、山中の料亭に来ていた。そこで圭は、料亭の横を流れる川に女性、芽衣子の死体を発見する。すぐそばの崖の上には、愛人である芽衣子の死を嘆くの姿があった。男性は、芽衣子の自殺を止めに来たが間に合わなかった、とばかりにさめざめと泣いて見せる。しかし、薫子が死体の髪にからまった虫を見つけたため、圭と斎は事の真相に気づく。圭と斎にはそんな小芝居は通用しないとばかりに、男性を追い詰めていく。(第25話「滝の上のホシ」)

ロケ撮影で鹿児島市の石長島を訪れた圭は、島に近づくにつれ、自分の中に違和感を感じていた。島に足を踏み入れてみれば、初めてのはずの景色に既視感を感じ、いいしれぬ不安が圭を襲っていた。撮影の合間の休憩時間、圭はみんなで飲むコーヒーを準備する。紙コップに入れられたコーヒーは、スタッフを含め8人全員がランダムで手にとり、口に運んだ。その後、圭の前で突然苦しみ始めたカメラマンの高江克海は、口から血を流して倒れ、そのまま帰らぬ人となる。高江の最期に居合わせた圭は、彼の言動から、殺害に至るまでのヒントを得、真犯人を突き止める。(第26話「灰色の殺意」、第27話「あざやかな邂逅」)

鹿児島市の石長島での仕事を終えた圭は、スタッフといっしょに帰らずに島に残り、自分の中にある違和感の原因を突き止める決意をする。斎とシモンもそれに協力するために島に残り、島内での調査を進めるうちに、圭の中に眠ったままになっていた父親の記憶が目を覚まし始める。より確実な調査を行うため、島の図書館に行き、過去の新聞を調べると、そこに「警察官変死」の見出しと共に、父親、弥木要人の名前を見つける。東京に戻って、母親、弥木主計に、父親に関する記憶が戻ったと報告。ずっと苦しんできた母親は、17年前の、「石長島の警察官殺し」についての詳細を語り始める。すべてを聞き、父親を殺した犯人を見つけ出す決意した圭に、母親は過去の未解決事件を追っているライター、織居和彦を紹介する。そのライターの事務所を訪れた圭は、何者かに刺されて瀕死の状態の織居に遭遇。「データを頼む」との言伝と共に、謎の鍵を圭に託して帰らぬ人となった。これをきっかけに、圭は織居殺害の重要参考人として、警察から追われる身となる。(第28話「迷い路の鍵」、第29話「逃亡者」)

メディアミックス

TVドラマ

2017年10月20日から、テレビ朝日系列「金曜ナイトドラマ」枠で、本作『重要参考人探偵』のTVドラマ版が放送された。弥木圭役を玉森裕太、周防斎役を小山慶一郎、シモン藤馬役を古川雄輝が演じた。また、主題歌には、主演の玉森裕太が在籍しているアイドルグループ「Kis-My-Ft2」の「赤い果実」が使用されている。

登場人物・キャラクター

弥木 圭 (まねき けい)

モデル事務所「ウエーブ」に所属する男性モデル。年齢は22歳。周防斎やシモン・藤馬とは、同じ事務所のモデル仲間で仲がいい。5歳の頃からなぜか死体を発見する不幸な体質を持ち、第一発見者となることが多い。不本意にも何かと厄介な事に首を突っ込み続ける人生を送る。17年前、石長島の警察官殺しで当時の記憶を失い、父親、弥木要人の存在を覚えていない。 そのため、自分には最初から父親がいない母子家庭であると思い込んでいる。

周防 斎 (すおう いつき)

モデル事務所「ウエーブ」に所属する男性モデル。弥木圭やシモン・藤馬とは、同じ事務所のモデル仲間で仲がいい。周防グループ総裁の息子で、実家は大勢の使用人がいる超資産家。父親、周防実香とは、大学を卒業するまでという約束で、モデル業を続けていた。大学を卒業した現在も、圭と一緒の刺激的な毎日に魅力を感じ、モデルを続けている。 推理マニアで、何かと事件に巻き込まれやすい圭の体質をよく知っており、面白がっている節がある。探偵に憧れているものの、肝心の推理ははずれがち。見合い相手の高遠薫子とは、仕方なく付き合っているが、実家の仕事にかかわる相手でもあるため、むげにもできない。なんとかして結婚の話をぶち壊そうと、さまざまな策を講じるが、逆効果になってしまっている。

シモン・藤馬 (しもんとうま)

モデル事務所「ウエーブ」に所属する、ロングヘアの男性モデル。弥木圭や周防斎とは、同じ事務所のモデル仲間で仲がいい。生粋の女好きで、年齢も問わず、見境なく声をかけるため、圭や斎からは半ばあきれられているが、女性への聞き込みなどで役立つ場合も多い。基本的に悪意はなく、根っからの善人のため、すぐ涙し、人を疑うことを知らない。 美術モデルとして、美大生に向けてヌードを披露することもある。実家は花屋「フラワーショップ藤馬」を営んでいる。

弥木 主計 (まねき かずえ)

弥木圭の母親。仕事の付き合いで酒を飲むことが多く、若い頃は酒に強かったが、最近は帰宅して倒れて寝てしまうほど弱くなった。圭の父親、弥木要人の存在を、圭には内緒にしたままになっている。17年前の石長島の警察官殺しについても、東京の今の家に移り住んでからは、何もかもひた隠しにして圭を育ててきた。古仙淳とは知り合い。

弥木 要人 (まねき かなめ)

石長島の駐在所に勤務していた巡査長の男性。弥木圭の父親であり、弥木主計の夫。17年前の8月7日、鹿児島市石長島の山中で死亡しているところが発見された。享年32歳。首に縄がかけられ、絞められた痕跡があり、現場には多量の覚せい剤があったため、なんらかのトラブルに巻き込まれた可能性があるとして、捜査が続けられていた。 しかしその後、薬物に手を染めた疑いがかけられ、重要参考人死亡のまま、事件は迷宮入り扱いとなっている。

神山 (かみやま)

一ツ橋署の男性刑事。自分の身長が低いのでコンプレックスを抱いているためか、他人の外見や仕事にも偏見を持つ。事あるごとに第一発見者として現れる弥木圭を、すぐに重要参考人にしたがり、基本的にまず圭を疑う。そのため、圭とは犬猿の仲。

頼母 (たのも)

一ツ橋署の女性刑事。いつも神山と行動を共にしている。神山から指示され、こっそり弥木圭達のあとをつけて行ったりするが、基本的にバレバレ。眼鏡をかけ地味な印象ではあるが、意外とミーハーなところがある。

浪江 篠介 (なみえ しのすけ)

モデル事務所「ウエーブ」の社長を務める男性。おネエ言葉で話し、かつてはカリスマモデルとして業界に君臨していた。その時に培った広い人脈のお陰で、自社にさまざまな仕事が舞い込んできている。また、自社の所属モデルはすべて自らが発掘し、スカウトした。

登 一学 (のぼり いちがく)

警視庁刑事部、捜査第一課で刑事を務める男性。事件捜査に伴う書類作成が苦手。さまざまな事件の書類を整理していくうちに、第一発見者として弥木圭の名前が立て続けに記されているのに気づく。それにもかかわらず、過去に一度も罪に問われていない事実について、圭が余程の凶悪犯であるか、後ろに大きな組織がかかわっているのではないか、と疑ってかかっている。 その思いから、自分が担当する事件で偶然にも圭と関わり、とにかく早く自分の手で検挙しようと躍起になる。

古仙 淳 (こせん あつし)

警視庁刑事部、捜査第一課で刑事を務める中年男性。登一学の先輩にあたり、捜査ではつねに行動を共にしている。温和だが、鋭い観察眼を持っている。思い込みで先走りやすい登を諫め、正しい方へと導くことが多い。弥木圭に対して偏見を持たず、平等に見る目を持っている。石長島の警察官殺しについて知っており、圭の母親、弥木主計とは知り合い。

高遠 薫子 (たかとお かおるこ)

船舶会社の社長令嬢。周防斎の見合い相手。以前から斎に想いを寄せていたようで、見合いの催促を自分から行っており、何が何でも斎をゲットしようと躍起になっている。日本人形のような外見で、趣味は裁縫。多少内向的でダークな印象があるのは否めないが、意外とポジティブ。何でも自分の都合のいいように考えるところがある。虫が大好きだが、淑女らしくないという理由で、誰にも言えない秘密となっている。

片瀬 (かたせ)

第1話「第一発見者の男」、第2話「まだ朱染めし…」に登場する。カメラマンの男性。眼鏡にひげを蓄えている。カメラマンとしての腕は一流だが、仕事に人一倍厳しい。自分の助手にはすぐに手をあげるタイプのため、その厳しさに耐え切れず、歴代の助手すべてがすぐに辞めてしまっている。弥木圭とファッション誌の撮影の仕事中、メイク室で何者かに刺殺され、死体となって発見される。

浅間 (あさま)

第1話「第一発見者の男」、第2話「まだ朱染めし…」に登場する。ファッション誌の担当編集を務める女性。弥木圭との仕事では撮影の責任者でもある。梶原とは学生時代からの知り合いで、以前梶原に彼氏を奪われそうになったことがある。

梶原 (かじわら)

第1話「第一発見者の男」、第2話「まだ朱染めし…」に登場する。ファッション誌の撮影の仕事でスタイリストを務めた女性。カメラマンの片瀬とは、個人的に深い付き合いがあった様子。しかし、最近は連絡もなく、会う回数も減っていた。昔から男性に対しては超肉食系で、相手に奥さんや彼女がいてもお構いなしの性格。

坂下 (さかした)

第1話「第一発見者の男」、第2話「まだ朱染めし…」に登場する。梶原のアシスタントを務めて2年目になる女性。梶原を、仕事ができて勉強になると尊敬している。ポニーテールの髪型で若々しい。以前、片瀬と付き合っていた。

(やなぎ)

第1話「第一発見者の男」、第2話「まだ朱染めし…」に登場する。カメラマン、片瀬の助手を務める男性。片瀬に対してリスペクトの気持ちを持ってはいるが、日常的に厳しくされている。弥木圭とファッション誌の撮影の仕事中にも、仕事が遅いのを理由に手をあげられていた。

常盤 (ときわ)

第1話「第一発見者の男」、第2話「まだ朱染めし…」に登場する。ファッション誌の撮影の仕事でヘアメイクを務めていた男性。片瀬が殺された時には、道具を取りに車に戻っており、そこで知り合いのライターに会ったため、話し込んでいた。また、片瀬とは初対面だった。

二葉 エリ (ふたば えり)

第3話「ダイヤモンドは一瞬の輝き」に登場する。結婚式場のブライダルフェアで行われる模擬挙式で、新婦役を務めるモデルの女性。風邪で足元がおぼつかず、咳が止まらない状態。気が強く、具合が悪いのも手伝って、相手役である弥木圭に当たり散らしていた。挙式の最中に突然口から血を流して倒れ、死亡する。死因は中毒死。

諏訪 (すわ)

第3話「ダイヤモンドは一瞬の輝き」に登場する。二葉エリのマネージャーを務める男性。人当たりはいいが、ギャンブルにより多額の借金を背負っており、人相の悪い男性二人組の取り立て屋に付きまとわれ、脅されている。

北方 (きたかた)

第3話「ダイヤモンドは一瞬の輝き」に登場する。ブライダルフェアで模擬挙式を行う予定の結婚式場の広報を務める女性。落ち着いたたたずまいで、清潔感がある。新婦役を務める二葉エリに、本番に着用するための超高級ジュエリーを用意、フェア成功のために奔走する。

池端 則之 (いけはた のりゆき)

第4話「目撃者は一人」に登場する。上野美術大学の4年生。デザイン科に在籍している男子大学生。何者かに突き落とされ、校舎から転落死した。傲慢でアクの強い性格だったため、彼をよく思っていなかった人は多い。最近では「プロダクトデザイン賞」を受賞し、副賞として海外の美大への留学も決まっていた。しかし、受賞した作品のアイデアは、同じゼミの谷から盗んだものであると噂されている。

(たに)

第4話「目撃者は一人」に登場する。上野美術大学のデザイン科に在籍している男子大学生。転落死した池端則之とは同じゼミ仲間。授業中に席を立ったのはトイレに行った時だけで、彼の死とは無関係であると主張。池端が「プロダクトデザイン賞」を受賞した作品のアイデアは、もともと彼のものであったと噂されている。

玉村 剛 (たまむら つよし)

第5話「ワンダーフォーゲル」に登場する。山の中腹にあるロッジで、主人の「木戸」として、仕事で訪れた弥木圭、周防斎、シモン・藤馬ら一行を迎えた男性。実は別人で、東京都内で発生した殺人事件の逃亡犯。逃走中に立ち寄ったロッジで本当の主人を殺害した。あたかも本物の主人であるように振る舞っている。

及川 (おいかわ)

第5話「ワンダーフォーゲル」に登場する。山の中腹にあるロッジで、主人である「木戸」の妻として、仕事で訪れた弥木圭、周防斎、シモン・藤馬ら一行を迎えた女性。実は別人で、東京都内で発生した殺人事件の犯人、玉村剛といっしょに逃走していた玉村の愛人。ロッジで圭達に手作りした晩御飯のカレーは、お世辞にも美味しいとは言い難い代物だった。

天川 哲也 (あまかわ てつや)

第5話「ワンダーフォーゲル」に登場する。登山のコーディネーターを務める男性。登山のプロとして、仕事で訪れた弥木圭、周防斎、シモン・藤馬ら一行を、料理が美味しいと仲間内で有名なロッジへと案内した。ミステリー好きで、好奇心旺盛。ロッジに宿泊した翌朝、遺体となって発見される。

宇田川 周平 (うだがわ しゅうへい)

第6話「時は命なり」、第7話「くるった歯車」に登場する。「ミウラ時計株式会社」の商品企画部に所属する男性。15年越しで立ち上げた新ブランドの時計の、パンフレットのロケ撮影に参加している。根からの時計好きで、自社の商品に愛情を注いでいる。新商品のレセプションパーティの責任者も務めている。

岡本 大地 (おかもと だいち)

第6話「時は命なり」、第7話「くるった歯車」に登場する。「ミウラ時計株式会社」の宣伝部に所属する男性。間近に迫った新ブランドの時計のパンフレット作製のため、慌ただしく駆け回っている。宇田川周平になにもかも任せきりで、プロジェクトリーダーとしての役割を果たそうとしない小高邦江に対しては、不満が多く、色々と思うところがある。

小高 邦江 (こだか くにえ)

第6話「時は命なり」、第7話「くるった歯車」に登場する。「ミウラ時計株式会社」に勤める女性。新ブランド立ち上げのプロジェクトリーダーだが、大事なことは宇田川周平にまかせてばかりで、役割をきちんと果たしていない。社長、牛込弘の愛人であるのは、社内の誰もが知る事実。イケメン好きのため、パンフレットの撮影に参加していた弥木圭に惚れ込み、新商品のレセプションパーティに来てほしいと強引に誘った。 後日、レセプションパーティ中に、シャンデリアの下敷きとなって帰らぬ人となる。

金重 友造 (かねしげ ともぞう)

第6話「時は命なり」、第7話「くるった歯車」に登場する。古美術商を営む老人男性。恰幅がよく、口ひげを蓄えており、態度はかなり横柄。「ミウラ時計株式会社」の新商品のレセプションパーティに参加。最高級品のアンティーク時計を見て、「人を殺してでも手に入れたい」と発言。周囲を引かせた。

牛込 弘 (うしごめ ひろし)

第6話「時は命なり」、第7話「くるった歯車」に登場する。「ミウラ時計株式会社」の社長を務める男性。小高邦江と愛人関係にあるのは、社内の誰もが知る事実であり、勤務中に密会することも少なくなかった。

周防 実香 (すおう さねか)

第8話「二人の安楽椅子探偵」に登場する。周防斎の父親。一大企業「周防グループ」の総帥を務めている。斎が大学を卒業するまでという約束で、モデル業を続けることを許してきた。卒業後の今となっては、斎に早く実家に戻り、兄姉と同様に事業を継いでほしいと考えている。

小松 (こまつ)

第8話「二人の安楽椅子探偵」に登場する。周防斎の実家の使用人を務める女性。関西訛りをきっかけに、斎から出自についてさまざまな推理をされる。ドアノックを連発するので、斎からは、関西特有のせっかちと受け取られる。それはこの仕事を始めてからまだ日が浅いためであり、実際は青森県出身。関西訛りなのは元カレの影響。拳法を習得しているため、手の甲にタコがある。

牛島 (うしじま)

第8話「二人の安楽椅子探偵」に登場する。周防斎の実家のベテラン使用人の女性。斎が実家にいるあいだは、探偵気分を味わおうと適当な推理を繰り広げる斎をよく理解しているが、陰でミステリーバカと一蹴。本人に対しては、違うものは違うとズバリ指摘するクールさを持つ。

乙原 ゆり (おとはら ゆり)

第9話「最後の乾杯」、第10話「ガラスの器」に登場する。今をときめく清純派女優。公には東京都出身となっており、「都会育ちなのにピュア」をセールスポイントにしていたが、実際は魚住爽太と同じ島根県の草富村出身。本名を「吉川成美」といい、父子二人で暮らしていた。しかし、父親が村で殺人事件を起こして以降、行方がわからなくなっていた。

貴志 隼人 (きし はやと)

第9話「最後の乾杯」、第10話「ガラスの器」に登場する。大阪の事務所に所属するモデルの男性。「ヒノ飲料」の新商品のCMオーディションに参加し、最終選考まで残った。関西では有名企業のCMに出演しており、そこそこ有名。この仕事を東京進出への足掛かりにしたいと考えている。関西訛りでノリが軽く、馴れ馴れしいところがある。

蔵田 司郎 (くらた しろう)

第9話「最後の乾杯」、第10話「ガラスの器」に登場する。「ヒノ飲料」の新商品のCMオーディションで最終選考まで残った男性。普段は劇団員として活動しているが、このままでは頭打ちだと考え、なんとしてもこの役を取りたいと意気込んでいる。落ち着いて見えるが、まだ26歳。

魚住 爽太 (うおずみ そうた)

第9話「最後の乾杯」、第10話「ガラスの器」に登場する。「ヒノ飲料」の新商品のCMオーディションで最終選考まで残った23歳の男性モデル。島根県の草富村出身で、上京してモデルになって3年目。最終オーディションでは、乙原ゆりとの息の合った演技が光り、審査員の反応が一番よかった。しかし、オーディションの結果待ちをしていた13時15分頃、何者かに後頭部を殴られ、死亡する。

吉川 豊 (よしかわ ゆたか)

第9話「最後の乾杯」、第10話「ガラスの器」に登場する。乙原ゆりの父親。島根県草富村で生まれ育ち、農家を継ぐのが嫌だと村を出て行って20年、何の音沙汰もなかった。ある時突然娘、ゆりを連れて村に戻り、村人に頼み込んで下働きをする。しかし村人は、彼が親と村を捨てたという事実を知っていたため、受け入れられずに完全に孤立していた。 そんなある日、自分をひどくいじめた村の男衆のうちの一人を鉈で殺害。それ以降、村にとって誰も語りたがらない黒歴史となった。

杉山 (すぎやま)

第11話「写る記憶」に登場する。車の運転中、歩行者のお婆さんと接触し、加害者となった男性。車中では競馬中継が大音量で流れていた。警察署での事情聴取では、被害者の自殺行為に巻き込まれただけであると主張。自分には何の落ち度もなかった、と繰り返している。

三国 絵奈 (みくに えな)

第12話「焼失した死体」、第13話「存在した擬態」に登場する。メンズインナーのファッションショーを見に来ていた女性。客席で隣になった弥木圭と周防斎がモデルであると知り、声をかけてきた。モデル、宮田和哉の彼女でありながら、好みのモデルには平気で声をかけるモデル好き。最近、和哉の嫉妬と束縛に悩まされており、以前付き合っていた野崎茂とよりを戻したいと考えている。

宮田 和哉 (みやた かずや)

第12話「焼失した死体」、第13話「存在した擬態」に登場する。モデルを務めている男性。三国絵奈の彼氏で、野崎茂とは友人。メンズインナーのファッションショーに出演した際、弥木圭と周防斎、シモン藤馬と知り合いになり、自宅での飲み会に誘った。嫉妬深く、絵奈が男性と目を合わせないように指導したり、女友達と会うことも禁じたりと、とにかく束縛したがる。

野崎 茂 (のざき しげる)

第12話「焼失した死体」、第13話「存在した擬態」に登場する。モデルを務めている22歳の男性。宮田和哉の友人であり三国絵奈の元彼氏。弥木圭と周防斎、シモン藤馬と和哉の部屋で飲み会を予定していた日、自宅玄関で胸を刺され、死亡しているところを発見された。

奥さん (おくさん)

第14話「注文の多い花束」に登場する。結婚記念日を迎えた女性。シモン・藤馬の実家である「フラワーショップ藤馬」に電話をかけ、バラの花を100本を注文。自宅マンションまでシモンに持ってこさせるようにと指名した。結婚して2年目になる。結婚記念日であるにもかかわらず、夫は出張で帰宅できないうえに、連絡もくれない状態が続いている。 花屋でシモンが女性に優しくしている姿を見て、自分にも優しくしてほしいと、夫への当てつけで強引に迫ろうとする。

秋田 真穂 (あきた まほ)

第15話「一緒にドライブ」に登場する。ヒッチハイクの女性。山でハイキング中、家族から父親が倒れたとの連絡があり、近くの国道まで出てきた。バスもタクシーもない状態で途方に暮れていたところへ、弥木圭が運転する車が偶然通りかかり、近くの街まで同乗させてもらう。

八木 海斗 (やぎ かいと)

第16話「星を見る夜」、第17話「あけの明星」に登場する。フリーターの男性。大学時代の天文サークルのOB。亡くなった獅堂みなみの一周忌をかねて、当時のサークルのメンバーで集まった。大学生の時、金目当てでみなみと付き合っていたことが知れ、みなみを自殺に追い詰める原因を作った。外見による差別的な発言が多く、なにかと人に突っかかって来るケンカっ早い性格。 今は、双田聖子に言い寄っている。

双田 聖子 (そうだ せいこ)

第16話「星を見る夜」、第17話「あけの明星」に登場する。会社員の女性。大学時代の天文サークルのOBで、マドンナ的存在だった。亡くなった獅堂みなみの一周忌をかねて、当時のサークルのメンバーで集まった。みなみとは高校時代からの付き合いで、自分がいじめを受けていたところ、みなみに助けてもらったことがきっかけで大親友になった。 八木海斗から言い寄られているが、親友の元カレとは絶対に付き合わないと突き放している。

獅堂 宗一 (しどう そういち)

第16話「星を見る夜」、第17話「あけの明星」に登場する。青年実業家の男性。大学時代の天文サークルのOBで、25代目の部長を務めていた。亡くなった妹、獅堂みなみの一周忌をかねて、当時のサークルのメンバーで集まった。大学時代に八木海斗が勝手に使った妹の金を、返してほしいと考えている。

早乙女 亮 (さおとめ りょう)

第16話「星を見る夜」、第17話「あけの明星」に登場する。会社員の男性。大学時代の天文サークルのOB。亡くなった獅堂みなみの一周忌をかねて、当時のサークルのメンバーで集まった。大学生の時はみなみに想いを寄せていた。金目当てでみなみと付き合って傷つけた八木海斗に対しては思うところがあるが、心根が優しいため、何も言わずに耐えている。

獅堂 みなみ (しどう みなみ)

第16話「星を見る夜」、第17話「あけの明星」に登場する。天文サークルに所属していた女性。獅堂宗一の妹。地味な顔だちだが、心は誰よりも優しく温かい性格。双田聖子とは高校時代からの付き合いで、いじめられていた聖子を助けたことがきっかけで大親友になった。大学生の時、八木海斗と付き合っていたが、彼が金目当てだったと知り、自室で自殺した。

引田 大輔 (ひきた だいすけ)

第18話「押し込み」、第19話「惜しい口さが」に登場する。「関引っ越しセンター」の社員を務める男性。無駄に口が多く、文句ばかり言っている。その日一日、アルバイトとして行動を共にした弥木圭が、モデルという職業に就いていることに偏見を持っている。そのため、必要以上に圭にきつく当たり、仕事上の不都合は、なんでも圭のせいにしようとする。

昭島 のぶえ (あきしま のぶえ)

第18話「押し込み」、第19話「惜しい口さが」に登場する。「関引っ越しセンター」に引っ越しを依頼した75歳の老婆。引っ越しの時間になっても荷造りが終わっておらず、急ごうともしていない状況。見かねて荷造りを手伝おうとした弥木圭を怒鳴りつけ、手伝いを許そうとしないなど、頑なでキレやすい性格。老人の一人暮らしだが、実はけっこうなお金持ちで、家の中は高価な品物であふれている。 近隣ではトラブルメーカーとして嫌われていた。引っ越しの荷造りをしている最中に、花瓶で頭部を殴られ、死亡した。

柘植 すみれ (つげ すみれ)

第18話「押し込み」、第19話「惜しい口さが」に登場する。中学3年の女子生徒。昭島のぶえの家の隣に住む柘植の娘。母親の望む高校を受験したものの、失敗した。母親は、その理由が昭島から受けている嫌がらせにあると考えているが、実は入試直前に失恋したショックが影響したためだった。

柘植 (つげ)

第18話「押し込み」、第19話「惜しい口さが」に登場する。柘植すみれの母親。エリートサラリーマンの夫と娘の三人暮らしをしている。2~3年前、昭島のぶえの家の隣に引っ越して来て以来、昭島から嫌がらせを受け続けていた。それをきっかけに、よかったはずの夫婦仲も悪化し、娘の高校受験も失敗。隣人トラブルに日々頭を悩ませていた。

松小路 澪 (まつのこうじ みお)

第20話「けやけき屋敷」に登場する。セーラー服にロングスカートというスケバンスタイルの女子学生。松小路の次男夫婦の娘。幼い頃から、自分と本気で遊んでくれた祖父を慕っている。祖父が老い先短いと知ってもなお、祖父の心配をする者が誰もおらず、皆遺産の心配ばかりしているので怒り心頭している。

松小路 (まつのこうじ)

第20話「けやけき屋敷」に登場する。和装の老人男性。資産家、「松小路家」の当主だったが、散歩の途中に公園のベンチで持病の心臓発作を起こして死亡した。死の間際に、偶然居合わせた弥木圭に遺言状を託したが、その内容が後々問題となる。生前は、ワンマンかつ豪快な人柄で、賭け事が大好きで、かつ強かった。そのため、家族はかなり手を焼いていた様子。 家人には「大旦那様」と呼ばれていた。

紅 周 (くれない あまね)

第21話「セットアップ」、第22話「コンフロンテーション」、第23話「レゾリューション」に登場する。39歳の女優。参加型ミステリーイベント「内海館殺人事件」の出演者。サバサバしている世話好きのお姉さんタイプ。若い頃、よくテレビにも出ていた人気女優で、お嬢様的な役柄を得意としていた。今は、舞台などでのちょい役が主となっている。 若い男の子が好きで、世話をしては入れ込むタイプ。

黒井 創 (くろい そう)

第21話「セットアップ」、第22話「コンフロンテーション」、第23話「レゾリューション」に登場する。年齢は28歳の若手俳優。参加型ミステリーイベント「内海館殺人事件」の出演者。小さな劇団の劇団員だったが、紅周に演技の才能を見出されて育ててもらい、可愛がられた。最近、才能を鼻にかけては傍若無人に振る舞い、好き放題をし始める。 舞台の最中に胸を一突きされ、死体となって発見された。

極 利郎 (きわみ としろう)

第21話「セットアップ」、第22話「コンフロンテーション」、第23話「レゾリューション」に登場する。参加型ミステリーイベント「内海館殺人事件」の演出家を務める男性。舞台上演中に、殺人事件が起きるが、警察を呼ばずに舞台を最後まで続行すると決断。シナリオを書き換え、出演者達にその場で対応させた。スキンヘッドに眼鏡をかけている。

東 るな (あずま るな)

第21話「セットアップ」、第22話「コンフロンテーション」、第23話「レゾリューション」に登場する。年齢は21歳の若手女優。参加型ミステリーイベント「内海館殺人事件」の出演者で、見た目よりも少々気が強め。元アイドルだったため、クリーンなイメージを大切にしており、所属事務所も彼女の男性関係にはとても厳しくしている。最近は、黒井創から言い寄られている。

鮫島 達也 (さめじま たつや)

第24話「夢の続き」に登場する。27歳の男性。遊園地のお化け屋敷でお化け役のアルバイトをしていた。お化け屋敷内で待機し、入って来た客を驚かせ、追いかけて怖がらせる役割を担っている。ある時、いつも待機している場所で、死体となって発見された。死因は頭部強打による脳内出血。足元には覚せい剤が散乱しており、腕には注射痕がある。

甘井 さんご (あまい さんご)

第24話「夢の続き」に登場する。遊園地内にあるお化け屋敷のスタッフを務める女性。主に仕掛けの操作を担当している。事件があった時にも、仕掛けの操作位置から、亡くなった鮫島達也の動向が見えていたと主張。客と客の合間に、注射を打っていたのが見えたと証言した。腕には高級な腕時計を着用している。

左門 武光 (さもん たけみつ)

第24話「夢の続き」に登場する。警視庁組織犯罪対策五課の刑事を務めている。遊園地のお化け屋敷内で起きた事件に駆けつけた。調書の弥木圭の名前を見て、弥木要人の名前を口にしたあと、母親の名前を確認し、父親は元気かと声をかけた。圭について何か知っている様子。

芽衣子 (めいこ)

第25話「滝の上のホシ」に登場する。ハイヒールを履いた女性。男とは愛人関係にあった。家庭があってもいいと言ってはいたものの、男の妻にばらして離婚させてやると脅したので、自室で男に殴打され、死亡した。その後、男の車で山中の滝まで運ばれ、川へ投げ落とされたところ、弥木圭に発見された。

(おとこ)

第25話「滝の上のホシ」に登場する。既婚者の男性。愛人関係だった芽衣子から、妻にばらして離婚させてやると脅されたので、芽衣子の部屋で彼女を殴打して殺害。山中の滝へ連れて来て川へ突き落とし、自殺のように見せかける算段だった。しかし、投げ落とした川で弥木圭に発見され、自分も姿を見られたため、急きょ予定を変更。噓に噓を重ねて「彼女の自殺を止められなかった男」を演じる。

高江 克海 (たかえ かつみ)

第26話「灰色の殺意」、第27話「あざやかな邂逅」に登場する。石長島でのロケ撮影に参加したカメラマンの男性。芸術嗜好な作品が多く、さまざまな賞を受賞している有能なカメラマンとして有名。モノクロしか撮らない変わり者としてもよく知られている。アシスタントの清見悠への当たりはキツく、何かと怒鳴り散らしている。ロケ先で休憩中に飲んだコーヒーが原因となり、口から血を流して倒れ、帰らぬ人となる。

清見 悠 (きよみ ゆう)

第26話「灰色の殺意」、第27話「あざやかな邂逅」に登場する。石長島でのロケ撮影に参加したカメラマンアシスタントの男性。高江克海のアシスタントを務めており、高江からのキツい当たりにも耐え、いつも忙しそうに動いている。フォトコンテストの大賞を受賞し、期待の新人として注目を集めたこともある。

織居 和彦 (おりい かずひこ)

第28話「迷い路の鍵」、第29話「逃亡者」に登場する。フリーライターの男性。年齢は42歳。主に過去の未解決事件を追っており、石長島の警察官殺しについても独自に取材を進めていた。同業者からの評判はすこぶる悪く、未解決事件をネタに当事者をゆすっていたという噂もある。のちに何者かに包丁で胸部を刺され、死亡。死の直前に、偶然訪れた弥木圭に、「データを頼む」との言伝と共に鍵を託した。

集団・組織

ウエーブ

浪江篠介が社長を務める弱小モデル事務所。弥木圭や周防斎、シモン・藤馬が所属している。業界最大手のモデル事務所ビルの隣の、レトロな古ビルに居を構えている。社長が以前カリスマモデルとして業界に君臨していたため、その頃の広い人脈のお陰で、弱小事務所であるにもかかわらず、さまざまな仕事が舞い込んでくる。

イベント・出来事

石長島の警察官殺し (いわながじまのけいさつかんごろし)

弥木圭の父親、弥木要人が亡くなった事件。17年前の8月7日、鹿児島市石長島の山中で、石長島の駐在所に勤務していた弥木要人巡査長が死亡しているところが発見された。彼の首には縄がかけられ、絞められた跡があった。現場には多量の覚せい剤があり、なんらかのトラブルに巻き込まれた可能性があるとして、捜査が続けられていた。 しかし、要人本人に薬物に手を染めた疑いがかけられ、重要参考人死亡のまま迷宮入りとなった。

書誌情報

重要参考人探偵 7巻 小学館〈フラワーコミックス α〉

第1巻

(2015-03-10発行、 978-4091368065)

第2巻

(2016-02-10発行、 978-4091382351)

第3巻

(2016-07-08発行、 978-4091386274)

第4巻

(2016-12-09発行、 978-4091386830)

第5巻

(2017-06-09発行、 978-4091393104)

第6巻

(2017-11-10発行、 978-4091397904)

第7巻

(2018-06-08発行、 978-4098701247)

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