鈴が鳴った

鈴が鳴った

温泉旅館の宿泊客らが体験する不可思議な現象を物語の主軸に据え、人間が潜在的に持つ良心の呵責をテーマにオムニバス形式で描くミステリー漫画。ラストに意外などんでん返しが用意されている。「週刊少年チャンピオン」1969年11月19日号に掲載された作品で、手塚治虫漫画全集の『ザ・クレーター』第1巻に収録されている。

正式名称
鈴が鳴った
ふりがな
すずがなった
作者
ジャンル
心理戦・頭脳戦
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概要・あらすじ

とある観光旅館で、3人の男女宿泊客が露天風呂での入浴中に不思議な鈴の音を聞く。1人目の青年は暴走族時代に、2人目の中年男性は戦地にて、そして3人目の女性は新婚時代に、それぞれが同じ鈴の音を聞いた記憶があり、それは彼らの忌まわしい過去を呼び起こす音でもあった。

登場人物・キャラクター

旅館の主人 (りょかんのしゅじん)

自然の景観を生かした広い露天風呂と、東南アジアから取り寄せた植物による熱帯植物園も設営した大規模な温泉旅館「月光園」を経営する男性。動物を虐待して楽しむという残忍な嗜好があり、飼い猫からはひどく嫌われている。

奥野 龍一 (おくの りゅういち)

温泉旅館「月光園」を訪れたカーレーサーの青年。最年少のグランプリ・レーサーとしての記者会見を翌日に控えている。「月光園」の岩風呂に入浴中、有頂天になっていたところに、忌まわしい過去を思い出させる鈴の音を聞いてひどくおびえる。

中年の男 (ちゅうねんのおとこ)

温泉旅館「月光園」を訪れた中年男性。「月光園」の岩風呂で入浴中に聞いた鈴の音によって、20数年前に出征したマレー半島の最前線で体験した忘れがたい過去の記憶がよみがえり、夜も眠れぬほど苦悶する。

未亡人の女 (みぼうじんのおんな)

温泉旅館「月光園」を訪れた若く美しい未亡人。「月光園」の岩風呂で入浴中に聞いた鈴の音によって、5年前の新婚当時に遭遇した災厄と今は亡き夫を思い出し、鈴の音が耳から離れずに嘆き苦しむ。

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