GOLDEN BOY

GOLDEN BOY

ドジでスケベなフリーターの主人公大江錦太郎が、「おべんきょう」のため日本各地を旅しながら様々な職業を経験。人知れずトラブルを解決して去ってゆく。

正式名称
GOLDEN BOY
ふりがな
ごーるでん ぼーい
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

主人公大江錦太郎は、「おべんきょう」のため日本中を自転車で旅しながら、職業を転々とするフリーター。一見ドジに見えるが努力家で、旅先で出会った人々に溶け込み敵味方問わず救おうとする。そんな錦太郎に女性たちは魅かれ、彼の後を追う。物語後中盤からは、マインドコントロールとそこから解放するための「おべんきょう」という構図となり、マインドコントロール装置を使って、錦太郎の過去が明らかになるところで物語は終了する。

登場人物・キャラクター

大江 錦太郎 (おおえ きんたろう)

年齢25歳。東大法学部の全過程を修得したため自主退学。全国を自転車で旅しながら、フリーターとして働いている。手帳には日々体験した様々なことを書きつけている。口癖は「勉強になるなー」。バイトとしてトイレ掃除をしていると、そのまま妄想にふけることが多い。金剛寺政宗曰く、「この世で恐れなければならない唯一の存在」。 物語途中で姿を消すが、西部貴子の家の使用人として再登場。橘杏子のマインドコントール機器によって、学生時代の過去と女性遍歴が明らかになる。1967年5月5日生まれ、血液型A型。好きな言葉「朝に道を聞きては夕べに死すとも可なり」。趣味、おべんきょう。好きな女性のタイプ、ジョディ・フォスターもしくは桜樹ルイ、佐野史郎。 愛読書、東京ラブストーリー。好きな食べ物、カレーライス。

女社長 (おんなしゃちょう)

錦太郎がアルバイトをしたベンチャー系ソフトウェア会社、T.Nソフトウェアの社長。作中で本名は明らかにならない。愛車はフェラーリケーニッヒ・テスタロッサ。体の線が出るボディコンスーツを良く着る。初出勤途中の錦太郎を車で轢きかけ、クリーニング代と治療費で100万円を渡すなど気前のいいところを見せる。 英語も堪能で、受注しているソフトはアメリカの映画会社からの発注。橘杏子が黄金市で進めているマインドコントロールのプロジェクトにソフトウェア製作面から参加。錦太郎と再会する。

勝田 十蔵 (かつた じゅうぞう)

黄金市市長。元々はこの地方一帯をしきる大地主の家系。当初、錦太郎は勝田の市長選のバイトで選挙事務所で働いていた。一人娘の菜穂子を溺愛しており、奈緒子が狂言で錦太郎に暴行されたと騒いだ際に、一言も言い訳しなかった錦太郎のことを一目置いている。後に錦太郎の後を追った橘杏子を秘書として採用。 杏子のマインドコントロールで夫婦して籠絡される。

勝田 奈緒子 (かつた なおこ)

黄金市市長、勝田十蔵の一人娘で高校生。家政婦の替わりにやってきた錦太郎と出会う。錦太郎に勉強を教えてもらいつつ、手玉に取るよう誘惑するが、一向になびかない事にイラつく。そして錦太郎に奈緒子のことを「実はファザコン」と看破していたことから逆上、暴行されたと騒ぎ、錦太郎はボコボコにされる。 しかし一言も言い訳をせず奈緒子をかばう錦太郎の姿に惚れ、再び会う時は自身の処女を捧げると誓う。後に勝田十蔵の秘書となった橘杏子と共に、黄金市の自然を守るため、反原発、オリンピック反対活動を進める。そのことで推進派の西部貴子と対立、校内生徒を互いのマインドコントロール下に置く戦いとなる。

美奈子 (みなこ)

錦太郎がアルバイトをしている、岡科高原のペンションに宿泊している女子大生。友達の沙織、悦子など三人組のリーダー格。日焼けした肌にウェーブがかったロングヘア。昼はテニス、夜は男たちとSEX三昧という毎日。山道でドリフトを試して樹に激突、車が動かなくなったので救助を求めたところ遭難。 残りの二人は偶然通りかかったペンション関係者に救助されたが、美奈子は一人山の中をさまよう。そこへ錦太郎が捜索にやってきて、二人で抱き合って暖を取り一夜を過ごした。

紀子 (のりこ)

錦太郎がアルバイトをしている、手打ちうどん屋「がねや」の看板娘。両親に似て働き者で、いつも笑顔を絶やさない気持ちいい娘。ひき逃げ事件で、父を病院へ運んだ小暮と交際中。小暮から結婚を申し込まれたが、純情なことから身体も許さず、なかなか決心がつかずにいたところ、錦太郎によって小暮の「がねや」乗っ取り計画が露呈する。

小暮 (こぐれ)

商社マン。愛人のスナックを出すべく、紀子と結婚することで「がねや」の土地を奪おうと狙っている。愛人が「がねや」の主人を車で跳ね、小暮が助けて紀子と親密になるという計画だった。実は空手二段で暴力団菜握(さいあく)組の杯も貰っているヤクザ者。錦太郎と紀子が偶然その話を聞いてしまい、悪事が露呈する。 逆上して錦太郎に殴りかかるが、拳法道場で勉強した錦太郎には敵わなかった。

速水 鮎子 (はやみ あゆこ)

錦太郎がアルバイトしているスイミングスクールの責任者。通称、主任。褐色の肌にショートカットの長身。その精悍な容貌から錦太郎は彼女に野生を感じた。ソウルオリンピック200M個人メドレーで金メダルを取っている。指導方針は優秀な選手を育てることで、初心者の子供たちに対しても容赦はせず、付いてこれない子は辞めればいいと思っている。 一か月後に錦太郎と水泳で、正式なコーチ採用を賭けて勝負をするが、見違える程上達した錦太郎に驚愕。錦太郎が去った後で、コーチたちが錦太郎の指導方法を取り入れているのを見て、改めてその才能に惚れる。

寺山 麗子 (てらやま れいこ)

錦太郎が下働きをしている京都の大富豪、寺山大徳の令嬢。普段は和服の似合う礼儀正しいお嬢様だが、その実態は人間の男には興味がなく、オートバイを愛している。愛車はビモータTesi 1D。走ることでオートバイと一体化しエクスタシーを感じる性。峠で暴走・飲酒運転を繰り返しており、地元では最速。 錦太郎曰く、峠の流れ星。峠で自転車の錦太郎と勝負し、未完成の橋を飛び越える姿を見て惚れる。

水無川 杏子 (みながわ きょうこ)

錦太郎が講堂の建設現場でアルバイトしている、大城大学の講師。応用心理学の講義を担当。現場が休みの時などに、錦太郎は時々講義を聞いていた。三人の女性と同居(ハウスシェアリング)しており、標的となった男をチヤホヤして持ち上げ、欲望を膨張させた状態で突き放すことで、人間の堕落に関する論文のサンプルを収集していた。 実験体となった錦太郎も同じく欲望を膨張させていたものの、その裏で杏子以上の論文を執筆、授業の感想文の形で大学に提出していた。

柳沢 貴子 (やなぎさわ たかこ)

錦太郎がアルバイトしているディスコ「うはうは」の女王。高慢女子大学2回生で、どこへ言ってもモテモテで、男をとっかえひっかえしている。貴子の魅力の秘密を知りたい錦太郎は、無給の奴隷として貴子に仕えるが、次第に彼女と一心同体だと思いこみ始め、クビに。しかし貴子に変装し、ディスコで彼女以上の踊りを見せることで貴子に敗北感を味あわせた。

由紀 (ゆき)

錦太郎がアルバイトしているライブハウス「びびんば」(媚憫波)の常連ロックバンド、ハイランダーズのボーカル。実家に帰ったベースの替わりに入った錦太郎と同棲し、錦太郎の尽力でバンドは急成長する。しかしガールズバンドとしてメジャーデビューさせたいというレコード会社の意向に、メンバーが反発。 会社の妨害を乗り越えて、錦太郎と共にメジャーへの道を登ってゆくが、ある日錦太郎が失踪。その後も残りのメンバーで活動を続け、念願の武道館ライブという夢を実現する。

森山 恵 (もりやま めぐみ)

錦太郎がアルバイトしている「小説飛翔」編集部で連載をしている作家。自称、愛の錬金術師。前任者が倒れたため、錦太郎が臨時の担当となる。多くのゴーストライターを使い、彼女たちの世話をしているうちに才能を認められ、錦太郎もゴーストライターの一人となる。自身が書いている「愛」や「思いやり」「謙虚さ」とは程遠い性格。 作品中でも悪人が自分の欲望を満たすために「愛」や「正義」をふりかざし自己陶酔している。二大文学賞である「真実賞」「本質賞」の受賞を目指しているが、錦太郎がゴーストライターとして書いた「作品は真実にあまりにも遠い」が本質賞を受賞。錦太郎の実力を改めて知ることになる。

麗子 (れいこ)

資産家の令嬢で、何不自由なく育ってきた。金田一正彦の婚約者。しかしその美貌を国会議員である金剛寺政宗の父から狙われ、実家は凋落。貞操を奪われそうになったところを実子の政宗に救われる。金剛寺と会ってからはその魅力に惹かれ、正彦との婚約も解消。金剛寺の配下である橘杏子によって洗脳され、諜報員623号として政宗のためにその肉体を酷使する。 一度は錦太郎により正彦の元に戻るが、全く愛を感じなくなっていた。橘杏子と共に正彦を籠絡し、忠誠を誓わせる。

金田一 正彦 (きんだいち まさひこ)

屋台のおでん屋をやっていた錦太郎の店の常連客。麗子という婚約者が居たが、金剛寺政宗に心を奪われたために婚約は解消。錦太郎の店でヤケ酒をあおる毎日を続け、錦太郎が慰めるうちに、無自覚にマインドコントロールされていた。一時は錦太郎の代わりにおでん屋を切り盛りしていたこともある。 麗子と橘杏子(静香)によってマインドコントロールを受け、下僕となった後は群衆を扇動して錦太郎の屋台を燃やすなど惨い仕打ちをする。しかし、それらを全て「自分のべんきょう不足」とする錦太郎の度量の大きさに圧倒される。

橘 京子 (たちばな きょうこ)

金剛寺政宗を神と崇め仕えているメイドで甲一級諜報員135号。ハーバード大学の経営学科を卒業して日本の業界トップの商社に総合職で入社。マインドコントロールによって麗子を洗脳。池上静香という偽名で錦太郎に接触する。錦太郎と恋人関係になった後は正彦と関係し、錦太郎を裏切り、ダメージを与えることで錦太郎の心を掌握しようとするが失敗。 錦太郎に心惹かれ、最後は後を追って金剛寺の元を去る。後に黄金市市長、勝田十蔵の秘書となり、十蔵以下家族を籠絡。黄金市の自然環境をリゾート開発から守ろうとする。さらに勝田奈緒子の通う学校に教師として赴任。 西部貴子の支配を覆そうと、生徒たちにマインドコントロールを仕掛ける。最終的には校内生徒と教師だけでなく、教育委員会までマインドコントロール下に置くことに成功。愛読書はクラウゼヴィッツの「戦争論」。好きな食べ物、ハヤシライス。乗っている自転車の愛称はフルムーン号。好きな男性のタイプはメル・ギブソンもしくは木村拓哉。 趣味おべんきょう。心身共にまぁ健康だが少々便秘気味の24歳。

金剛寺 政宗 (こんごうじ まさむね)

錦太郎とは大学時代の同級生。大蔵省勤務で父親は国会議員。将来は総理大臣も狙える男。体格も良く、学生ボクシングで何度も優勝。完璧な人間で、その人間的魅力で相対した人間は、男女問わず強烈に惹かれるか、強烈に敵愾心を燃やすか。多数の工作員や参謀、諜報員などを従えており、いずれは世界中をマインドコントロールしようと様々な工作をしている。 その目的は、世界平和と人類の幸せ。錦太郎を「錦ちゃん」と呼び、錦太郎からは「金(こん)ちゃん」と呼ばれる。東大法学部を首席で卒業。8月8日生まれ、血液型O型。

島野 美咲 (しまの みさき)

錦太郎がアルバイトで入った映画製作に出演する女優。かつてはアイドルだったが女優に転向。性格はワガママで、マネージャーも逃げ出したため、下っ端の助監督であった錦太郎が専属の付き人になった。監督の林田とは肉体関係を持つ。映画が美咲の魅力を完全に引き出していないので、錦太郎が美咲の感情をコントロールするなどして、女優としての魅力を引き出した。

緑川 美帆 (みどりかわ みほ)

錦太郎がバイトしていたコンビニで、頻繁に万引きをしていた。厳格な躾を教育理念とするミッション系スクール厳愛学園高等科の二年生。自分の直接身に着けていた物を錦太郎に与え、犬のように隷属させた。しかし美帆の秘密を知りたくなった錦太郎は、女装して高校に潜入、美帆の偽物として学園生活を送るようになる。 偽の美帆となった錦太郎は成績優秀、友人関係も良好、クラブ活動でも活躍して優等生となる。しかし、本物の美帆と校内で鉢合わせしてしまい、偽物だとバレてしまう。

西部 貴子 (にしべ たかこ)

身長180センチの長身でバストは推定Gカップ。美人で魅力的だが、近寄りがたいスポーツ万能少女。日本一の資産を保有する極道開発 屑見社長の姪にあたる日本一のお嬢様。出世のために屑見社長の妹と結婚した、極道開発黄金市開発部長の娘。母親は小学生の頃に他界。東京から黄金市に転校してきた。 ランボルギーニ ディアブロで通学している。他人を操り服従させ、貴子の黄金水を飲むことを歓びとする家来が千人以上居る。黄金市では山田キヨ子を手始めに、生徒たちを洗脳し奴隷化。勝田奈緒子たちが進めようとするリゾート開発やオリンピック反対運動を潰そうとする。しかし、橘杏子によって機械的なマインドコントロールが進み、校内の勢力図は逆転、その実態を知るべく錦太郎を送り込むが、あえなく失敗する。 結局、肉体的な苦痛を与え、解放することで再度服従させる方法で勢力の巻き返しを図る。再度錦太郎が橘杏子たちの元に送り込まれるが、最新型のマインドコントロール機械は錦太郎の過去を再生する。

山田 キヨ子 (やまだ きよこ)

西部貴子の同級生。地味で目立たない娘だったが、西部貴子によってオモチャにされることで、今風のギャルに変身。西部貴子の第一の子分となる。そのあまりの変わり様に、他の生徒も感化され続々と家来となってゆく。しかし橘杏子の機械的マインドコントロールによって、理想の男性を心の中に留め、西部貴子のマインドコントロールを拒絶する。

森村 陽子 (もりむら ようこ)

錦太郎の学生時代の恋人。当時の年齢は21歳。中学中退後、職業を転々とし、定職はない。北海道を自転車で旅行中、オートバイでやってきた錦太郎と出会う。その後陽子と意気投合した錦太郎は、オートバイを売って共に自転車で北海道を旅する。この旅行中、様々なアクシデントが起こる中、互いに心を通わせ結ばれる。 しかし、陽子は骨折した錦太郎を病院に入院させたまま、姿を消してしまう。その後東京で錦太郎の元を訪ねて再会し、二人は同棲した。金剛寺と対等に話ができ、その内容を理解できる女性であり、金剛寺曰く「最高の女」。

川上 (かわかみ)

錦太郎が大学時代に合コンで出会った女性。錦太郎を気に行って彼女になる。陽子と同棲を始めたために恋人関係は解消されるが、錦太郎のことを忘れられず、処女を捧げる。結果的に錦太郎自身も陽子と川上、どちらかを選ぶことができない。高校時代は新体操の選手だった。

場所

黄金市 (こがねし)

『GOLDEN BOY』に登場する地名。地方の田舎町だが、勝田市長と極道開発によってオリンピック開催やゴルフ場建設、原子力発電所誘致などを推進中。

その他キーワード

錦太郎の手帳 (きんたろうのてちょう)

錦太郎が勉強のために持ち歩いている手帳。曰く「命より大切な物」自ら体験、学んだことを克明に記録してある。得てして真実を突いてる事も多く、その内容を知った者たちに逆上されて燃やされることもある。

錦太郎の自転車 (きんたろうの自転車)

『GOLDEN BOY』の主人公錦太郎の愛車。愛称は三日月号。一般的なマウンテンバイクで、前後ともサスペンション無し。タイヤはブロックパターンで無舗装路にも強い。

SHARE
EC
Amazon
logo