Q.E.D. 証明終了

Q.E.D. 証明終了

第33回講談社漫画賞少年部門を受賞した加藤元浩の代表作。14歳でマサチューセッツ工科大学を卒業するほどの頭脳を持つ少年・燈馬想と、抜群の運動神経と行動力をもつ少女・水原可奈のコンビが、日常に起こる謎から殺人まであらゆる事件を解決していくさまを描いたミステリー漫画。タイトルのQ.E.Dとは、証明の終了を意味する数学用語であり、燈馬想が事件の真相に気が付いた時に、何かに書き残す合図でもある。はじめは読み切りという形で『マガジンGREAT』に掲載されたが、人気を博したため数回の読み切りを通して1997年より連載化。『マガジンGREAT』休刊後は後継誌である『マガジンイーノ』へ、更に『マガジンイーノ』休刊後はその更に後継誌である『月刊少年マガジン+』に掲載誌を移して連載を続行。『月刊少年マガジン+』休刊後の49・50巻は描き下ろしでコミックス化された。また、2005年より「月刊少年マガジン」にて、姉妹作の『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』、2015年からは「少年マガジンR」にて続編の『Q.E.D. iff ―証明終了―』も連載された。

正式名称
Q.E.D. 証明終了
ふりがな
きゅーいーでぃー しょうめいしゅうりょう
作者
ジャンル
推理・ミステリー
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概要・あらすじ

弱冠14歳でマサチューセッツ工科大学を首席で卒業しながらも、何故か普通の日本の高校に通うことにした少年・燈馬想は、クラスで少し浮いた存在だった。彼と同じクラスの活発な少女・水原可奈は、ある日ゲームセンターでの能力の高さを目の当たりにし、その後起こった友人の父親の殺人事件の捜査に彼を引っ張りだしてしまう。

は事件を見事に解決し、事件は悲しい結末を迎えることとなる。その後、可奈は様々な事件に巻き込まれたり、首をつっこんだりしていくが、絶妙なコンビネーションで真相を突き止めていくのだった。

登場人物・キャラクター

燈馬 想 (とうま そう)

常人とは一線を画す頭脳を持つ天才少年。初登場時高校一年生。14歳でマサチューセッツ工科大学を卒業したが、そのまま大学に残らず、「形がないけど、美しい物」を求めて日本の高校に入学した経緯を持つ。その知識は、数学や工学などの理系分野に留まらずに、法学や生物学など多岐に渡っており、蔵書数も並はずれて多い。 しかし、運動が苦手であったり、音痴だったりと弱点もあり、特に考え事をしていると周囲が目に入らなくなることが短所。高級マンションに一人暮らしをしているが、大学時代に取った数々の特許のお蔭で生活には不自由していない。人間の感情を理論的には知っているが、理解は出来ておらず、そのせいで人とのコミュニケーションも苦手。 事件の調査は水原可奈に任せ、その情報を元に推理を組み立てる安楽椅子探偵であり、真相に気が付いた時には、紙やパソコンなどに証明終了を意味する数学用語・「Q.E.D.」と書き込み、推理を披露し終わったあとには「以上で証明終了です」と決め台詞を言うのが毎回の流れ。

水原 可奈 (みずはら かな)

明るく活発な美少女。初登場時高校一年生。友人の父親が殺害された事件を燈馬想と解いたことをきっかけに、彼と行動を共にすることが多くなる。父親は警視庁捜査一課・課長の水原幸太郎。常人離れした運動神経の持ち主であり、どんなスポーツもこなしてしまう。特に剣道は女武蔵と形容されるほどの腕前。 料理が得意であったり、純情なところがあったりと女の子らしい面もあるが、がさつで暴力的なところはクラスメイトからも恐れられている。

シド=グリーン

燈馬想のMIT時代からの友人。数学を専攻しており、想がやってくる前は主席だった。明るく社交的な性格だが、能力が高すぎるために大学では孤立しがちだった。想とは、お互いの能力を認め合った親友であり、離れているにも関わらず会う回数は非常に多い。人をからかうことが好きなため、北欧神話に登場するいたずら好きな神・ロキの名前をニックネームに付けられている。

エバ=スークタ

ロキの相棒で、情報工学を専攻する優秀なインド生まれの女性。マサチューセッツ工科大学・人工生命研究室の主任でもある。ロキのことを常に案じている心優しい性格であり、彼への思いが強い余りに、ロキと燈馬想との友情を壊しそうになったこともある。誤解が解けた後は、想とも友人となり、過去のことは水に流している。

燈馬 優 (とうま ゆう)

燈馬想の妹であり、優れた聴力・砂の耳を持つ少女。音程やリズムを覚えるのが得意で、数か国の言語をマスターしている。学問に夢中になるところは兄と似ており、考え事をすると周りが目に入らなくなる。兄である想のことは、呼び捨てにしている。

アニー・クレイナー

燈馬想が10歳の時に知り合った、若き女性検事。母親に暴力を振るう父親のことを嫌っている。莫大な権力を持ち、正義感が強く、行動的な水原可奈と共通するところが多い。事件解決のため、想に協力を仰ぐが、そのせいで現地の住民から非難を浴びてしまう。その後、何者かに射殺されてしまったと情報が流れたが、実際には父親による偽装死であったことが判明。 彼女がまだ幼き想に伝えた、「人の感情を読むこと」は、成長した想の中でも大切な言葉となっている。

アラン・ブレード

世界で一番のシェアを誇るパソコンのOS・ウィングスの開発会社・アランソフト社の若き社長。ウィングスの開発時に燈馬想の力を借りたことがあり、彼とはその時以来の旧知の仲。自己中心的だが、大胆な発想力と行動力を持っており、世界一の大富豪とも言われている。自社製品を更に強化するため、様々な手を使って想を引き入れようと画策する。 モデルはマイクロソフト社の社長・ビル・ゲイツ。

エリー・フランシス

アランソフト社社長アラン・ブレードの秘書。美人だが気が強く、アランに面と向かって皮肉をいう数少ない人物。常識人であり、突拍子もないアランの行動に頭を抱えることもしばしば。後にアランからの求婚を受けて彼と結婚する。

江成 姫子 (えなり ひめこ)

燈馬想や水原可奈と同じ高校に通う女子生徒。学園内の謎を解決するために結成された、桜坂高校探偵同好会の会長。高飛車で、自己中心的な性格からクイーンとあだ名されており、本人も名字の江成と組み合わせてエラリー・クイーン(推理作家)のようだと気に入っている。特に事件も起きずに退屈な毎日を打開すべく起こした事件によって、燈馬想や水原可奈と知り合い、その後は、部員たちよりも二人のことを信頼するようになる。

長家 幸六 (ながいえ こうろく)

桜坂高校探偵同好会の会員で、己の名字の長家を長屋、転じて家がいっぱいあると解釈し、英語に変換してHOMESとなることから、名探偵・「ホームズ」の名前を名乗る男子生徒。推理は本格派を好み、オカルトなどの非科学的要素を信じないが、考察力はなく推理は穴だらけなことが多い。

盛田 織理 (もりた おりさと)

桜坂高校探偵同好会の会員。推理マニアであると同時に、オカルトにも強い興味を持っており、名字が盛田であることから、ドラマ『X-file』の登場人物・モルダーの名前をあだ名として付けられている。理論派で、オカルトが苦手な長家幸六とはしばしば意見が対立する。

菱田 丸男 (ひしだ まるお)

桜坂高校の生徒で、計画を練って桜坂高校探偵同好会を乗っ取った策略家。科学の知識や技術力にも長けているが、クイーンたちの話を聞いて解決に乗り出した燈馬想に完敗する。その際、江成姫子によって虐げられたことでマゾヒストに目覚め、以降、姫子に従順になってしまう。

笹塚 (ささづか)

警視庁捜査一課の若手刑事。小さな頃から刑事ドラマを好み、刑事になることを長い間夢に見ていた。ベテランの先輩刑事・水原幸太郎とコンビを組むことが多く、丁寧でミスの少ない仕事ぶりで彼をサポートする。

水原 幸太郎 (みずはら こうたろう)

水原可奈の父親で、警視庁捜査一課に所属する刑事。鋭い洞察力と、刑事としての確かな勘を持つベテランであり、まだ少年の燈馬想の意見を取り入れる柔軟な考え方の持ち主。もみあげから繋がる無精髭が特徴。

梨田 俊二 (なしだ しゅんじ)

内閣情報調査室所属の男性。仕事中に起きた殺人事件で偶然に燈馬想と知り合い、彼の推理力に信頼をおくようになり、様々な事件に対する意見を聞くようになる。冷徹でとっつきにくい性格だが、甘党という意外な一面もある。

続編

Q.E.D.iff -証明終了- (きゅーいーでぃーいふしょうめいしゅうりょう)

加藤元浩の代表作『Q.E.D. 証明終了』の新シリーズ。一話完結の読み切り連作。現代の日本が主な舞台。15歳でMIT(マサチューセッツ工科大学)を卒業後、日本の高校に入学した天才・燈馬想と、運動能力に... 関連ページ:Q.E.D.iff -証明終了-

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