ひらひらひゅ~ん

ひらひらひゅ~ん

県立開開高等学校の弓道部を舞台にした青春群像劇。笹原健一を始めとする高校生の心の微妙さを描いた作品。後半部からはフランス人のハーフ・山本レオナール顕との同性愛のような微妙な友情を描く。

正式名称
ひらひらひゅ~ん
ふりがな
ひらひらひゅーん
作者
ジャンル
学園
 
格闘技・武道
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概要・あらすじ

県立開開高等学校の弓道部では開開神社夏季射会のために練習が行われていた。藤川夕莉の檄に感化されて大会への意欲も高まり練習に励んでゆくが、思わしい結果が出せなかった。その後、笹原健一は電車の中で、フランス人のハーフ・山本レオナール顕に突然キスされてしまう。そして二人は急速に接近してゆくのであった。

登場人物・キャラクター

笹原 健一 (ささはら けんいち)

高校2年生の男子。弓道部副部長。マイペースだが、人の面倒見は良く、観察眼は鋭い。美しい男性にときめいてしまうことが多く、自分でも不思議に思っている。その中のひとり、藤川夕莉の弓道姿に見惚れてしまう。さらに、彼が持つ実力と闘争心に感化され、のんきで楽しい部から勝てる部にしたいと思いが膨らんだ。 秋の新人戦では個人で入賞をしている。レオケンにキスをされて以来、友達のような恋人のような微妙な関係を築いていく。

長尾 智和 (ながお ともかず)

高校2年生の男子。健一と同じベビーベットに寝て育った幼馴染。マイペースな健一とはケンカすることも多く、自分にないものを持っている健一をうらやましく思っている。おかっぱでメガネで背が低い自分の容姿にコンプレックスを抱いている。健一と同じく、中学で弓道を始めるが、あまりうまくはない。 性格はひねくれ者で、特に女子に対しては変なあだ名を付けて嫌われている。口は悪いが、基本的に末っ子体質で甘えん坊。心根は優しい。父親の影響で珍味が大好物でよく食べている。

藤川 夕莉 (ふじかわ ゆうり)

高校2年生の男子。旅の一座で女形を演じる転校生。髪が長く、化粧をしやすいようにまゆげがないので人相は悪い。学校に行く時は描いている。綺麗な顔をしていて、健一がときめいてしまう。健一と智和とは街の商店街で出会ったが、態度が悪く、初対面の印象は最悪だった。その次の日、健一のクラスに転入してくる。 父親が座長を務める一座の売れっ子で、芸名は梅川百合三郎。弓道経験者であることを見抜いた健一は、弓道部に勧誘する。弓道の腕前は、弓道部の誰よりも優れている実力者。一座の興業が終わると、街から去って行った。

山本 レオナール 顕 (やまもと れおなーる けん)

父親はフランス人、母親は日本人のハーフ。県立開開高等学校と一字違いの県立開明高等学校に通う高校2年生の男子。部員の少ない弓道部に所属している。綺麗な顔に反して、性格はひょうきんでお調子者。友人が多く、彼女もいてリア充そのものだが、それは幼い頃、父親に捨てられた母親が育児放棄をしていた過去のトラウマが原因でもあった。 同級生たちと悪ふざけで、バケツを持って電車に乗ってきた人物にキスをする、というゲームで健一にキスをしてしまって以来、お互いに気になる存在になり接近していく。

徳重 喬彬 (とくしげ たかあきら)

高校2年生の男子。弓道部部長。代々家が県議をやっている地元の実力者で大地主。家に二人立ちの弓道場がある。すでに婚約者もいる。カリスマ性があり、男らしいイケメンで、サバサバとしてモテるが、ストレート過ぎる発言が多く、女子に引かれることも多い。従姉妹が同じ県立開開高等学校で国語の教師と弓道部の副顧問をしている。

宝代 巧美 (ほうだい たくみ)

高校2年生。弓道の男子部員。片想いをしている1年生女子になりきって毎日日記を書いている自他ともに認める変態。本当は恵まれた容姿をしているのだが、メガネをかけており、前髪も長いので、見た目も陰鬱な印象を与える。片想い中の女子をあるきっかけで助け、その時に彼女の気持ちをすっかり代弁したおかげで、好意を持たれ、今は両想いになっている。 珍しい苗字のため、食べ「ほうだい」、やり「ほうだい」と周囲からいじられることが多い。

堀口 堅吾 (ほりぐち けんご)

高校2年生。弓道の男子部員。弓道をこよなく愛し、弓道雑誌を愛読している、いわゆる弓道オタク。潔癖症で弓道場が汚れているとネチネチ嫌味を言う小姑的な性格。短髪でメガネをかけており、顔にはそばかすがある。なぜか部内で一番いい匂いのする美人部員に好意を寄せられており、それを知って調子に乗って、彼なりにオシャレをしたことがあった。 しかし、彼女に笑われてしまい、以後、元に戻った。その後、彼女とは距離が近づき、付き合うようになっていく。

神村 和実 (かみむら かずみ)

高校2年生。弓道の男子部員。家は美容院だが、実家は継がずにとりあえず東京に出たいと思っている。阿世知とは幼馴染。髪は長めでメガネをかけている。何事も本気でやらず、適当にやって適当にできてしまうタイプ。小学校の徒競走以来、阿世知と直接争うのを避けてきたが、試合に出る枠をかけて弓道で勝負をすることになる。

阿世知 周二 (あぜち しゅうじ)

高校2年生。弓道の男子部員。神村とは幼馴染。髪は短め。親は公務員。国立大学を狙えるくらい頭は良い。何事も本気でやらない神村にイライラしている。神村とは弓道の大会のBチームのメンバーの座、そして同じ幼馴染の女子を巡って争うことにもなっていく。

大薗 裕 (おおぞの ゆう)

高校1年生。弓道部の男子部員。開開町で有名な仕出し弁当屋の長男で、実家の弁当をこよなく愛している。夏合宿の時は実家に車を出してもらい、部員たちを送ってくれた。爽やかイケメン。徳重とは良い先輩後輩の関係だが、以前、ひがんだ智和が徳重とできていると良からぬ噂を流したことがある。 その後、彼女ができた。

白石 さやか (しらいし さやか)

健一と智和が昇段試験の練習で訪れた市の道場で出会った少女。市内の商業高校に通う高校2年生。かわいらしい印象の女の子で、智和は一目ぼれをしてしまう。しかし不審な行動をする智和に対して、最初は「キモイ」の一言だった。以後、智和と会うとケンカばかり。市内の進学校に通う有段者のイケメン高校生に片想いをしていたが、実はいつも一緒にいた友人が付き合っていて、失恋してしまう。 転校ばかりで友人が少ない。なんとなく智和と付き合うことになる。

前田 依子 (まえだ よりこ)

レオケンの彼女。市内の女子高に通う高校2年生。学校に通う時は三つ編みで地味な印象だが、放課後になると制服をカバンに詰めて私服に着替え、バッチリメイクで街で遊んでいて、タバコも吸っている。右目の下のホクロが色っぽい。レオケンに健一への想いを相談されるが、理解はできなかった。本気でレオケンのことが好きだが、それゆえに彼のことを心配している。

場所

県立開開高等学校 (けんりつひらひらこうとうがっこう)

健一たちが通う高校。角島県の開開町にある。田舎ののどかな雰囲気の学校。弓道部も真面目で地道、仲がいいだけが取り柄の和気あいあいとしたのんきな部。弓道部は男子と女子のどちらも所属していて、それぞれ部長・副部長がいる。

県立板金工業高校 (けんりついたがねこうぎょうこうこう)

県立開開高等学校弓道部のライバル校。男子9割女子1割の生徒で、弓道部は男子だけ。しかもみんな坊主頭で同じような顔をしている。全国大会常連校でもあるが、女子と一緒にのんびりやっている県立開開高等学校の弓道部員たちを異常に嫌っている。特に健一たちと同じ中学校の同級生も通っていて、町で会うとつっかかってくる。 夏合宿のとある事件で和解し、お互い力を認める仲になった。

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