ローゼンメイデン

ローゼンメイデン

伝説の人形師「ローゼン」が生み出したアンティークドール「ローゼンメイデン」。引きこもりの少年桜田ジュンは、そのうちの一体・真紅と出会い、ローゼンメイデン同士の争い・アリスゲームに巻きこまれていく。ドールたちの激しい戦いと、その中でジュンが成長していくさまを描いた作品。前作『Rozen Maiden 新装版』終了後、掲載誌を変え『ローゼンメイデン』のタイトルで連載を再開した。物語前半は、主人公桜田ジュンが「ローゼンメイデンと出会わなかった世界」が舞台となり、主人公も桜田ジュン(まかなかった世界)となっている。その後、「ローゼンメイデンと出会った世界」の桜田ジュン(まいた世界)と合流、舞台を前作『Rozen Maiden 新装版』と同じ世界に移して物語は展開される。

正式名称
ローゼンメイデン
ふりがな
ろーぜんめいでん
作者
ジャンル
ファンタジー
レーベル
愛蔵版コミックス(集英社)
巻数
既刊7巻
関連商品
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概要・あらすじ

自分の居場所が見つからず、鬱屈した日々を送っていた大学生・桜田ジュン。ある日、彼はバイト先の本屋で「週刊 少女のつくり方」という奇妙な雑誌を見つけた。付録のパーツをすべて組み立てると、幻のアンティークドール「ローゼンメイデン」・真紅が完成するというこの雑誌に惹かれ、ジュンは人形造りに夢中になっていく。

しかし、突然雑誌は休刊、途方に暮れる彼のもとに「別の世界」の自分からのメールが届く。ジュンは中学生のころ、「まきますか まきませんか」と書かれたダイレクトメールを受け取り「まきませんか」を選んでいた。実はメールを送ってきたのは「まいた世界」の桜田ジュンで、彼はローゼンメイデンたちと契約を行い、ドール同士の戦い「アリスゲーム」に巻き込まれていたのだった。

ジュン(まいた世界)の助けを借りて真紅を完成させたジュン(まかなかった世界)の元には、さらに他のローゼンメイデンが次々と現れ、やがて彼の運命も大きく変化していくのだった。

登場人物・キャラクター

桜田 ジュン(まいた世界) (さくらだ じゅん(まいたせかい))

引きこもりの中学生。洋服のデザインや裁縫の才能に優れる。クラスメイトをモデルにしたドレスのデザイン画を、無神経な担任に全校生徒の前で晒されたことが原因で不登校となった。ネット通販で買った商品をクーリングオフして楽しんでいたある日、「まきますか まきませんか」と書かれたダイレクトメールを受け取り「まきます」を選んだところ、翌日鞄に入ったローゼンメイデン・第5ドール真紅を送りつけられた。 目覚めた真紅と契約を交わし彼女の契約者となり、ローゼンメイデン同士の戦い「アリスゲーム」に関わっていくことになる。また、その後現れた第3ドール翠星石とも契約を交わしている。前作『ローゼンメイデン(Rozen Maiden)』では、第7ドール雪華綺晶に囚われていた。 本作ではジュン(まかなかった世界)の力を借りて脱出、元の学校に通い始めるようになる。

桜田 ジュン(まかなかった世界) (さくらだ じゅん(まかなかったせかい))

中学時代、「まきますか まきませんか」の問いに「まきません」を選んだことで分岐した世界のジュン。中学時代のジュン(まいた世界)に比べると身長は高くなっており、髪の毛を茶髪に染め、眼鏡も外しコンタクトにしている。ジュン(まいた世界)とは違い不登校のまま過ごし、大検を取って大学に入学した。 しかし、ブランクのせいもあり、あまりレベルの高い大学に入れず、周囲にも上手く馴染めずに鬱屈とした日々を送っていた。ある日、バイト先の書店でローゼンメイデン第5ドール・真紅のパーツが付属された雑誌「週刊 少女のつくり方」を発見、真紅を組み上げることに熱中していく。その後、目覚めた真紅やジュン(まいた世界)と出会い、「アリスゲーム」に巻き込まれていくことになる。 はじめは他人に無関心だったが、真紅たちと過ごすうちに変化が訪れ、同僚の斉藤さんが所属している劇団の衣装を手伝うなど、周囲の人々と関わっていくようになった。

真紅 (しんく)

ローゼンメイデン第5ドール。契約者は桜田ジュン(まいた世界)。人工精霊はホーリエと雛苺のベリーベル。その名の通り真紅のドレスとヘッドドレスを着用している。髪型は金髪のツインテール。気高く高飛車な性格で、ジュンのことも下僕扱いしている。好きなものは紅茶と人形劇「くんくん探偵」。 特に紅茶には並々ならぬこだわりを持っている。苦手なものは猫。戦闘の際は、薔薇の花びらを集めて攻撃する「薔薇の尾(ローズテイル)」を使用。また、物質の時間を短時間巻き戻すことも出来る。「アリスゲーム」に関しては懐疑的で、戦いではない方法で「アリス」へと至る道を模索している。そのため、好戦的な水銀燈とは犬猿の仲。 前作『ローゼンメイデン(Rozen Maiden)』では、雪華綺晶からジュン(まいた世界)を守るために契約を破棄、ボディも囚われていた。本作では桜田ジュン(まかなかった世界)が組み上げたボディを使い復活。ジュン(まかなかった世界)のもとに身を寄せるようになる。その後、本来のボディを取り戻し、元の世界へと帰還した。

水銀燈 (すいぎんとう)

ローゼンメイデン第1ドール。契約者は柿崎めぐ。人工精霊はメイメイと蒼星石のレンピカ。「神の理に背く」という意味がこめられた逆十字が記された黒い編み上げのドレスと、ヘッドドレスを着用している。髪型は銀髪のロングヘア。背中には黒い羽が生えている。他者を見下し、冷酷で好戦的な性格。 他の姉妹とも折り合いは悪く、特に真紅とは犬猿の仲。ただ、次妹の金糸雀には弱く、ペースを乱されることも。他のローゼンメイデンとは違い、契約者と契約を交わさずとも人間からエネルギーを吸い上げることが可能。そのため、人間を単なるエネルギー源程度にしかみなしていなかったが、自分と似た境遇であるめぐにだけは心を開き、契約を交わしている。 戦闘時は、主に背中の羽を伸ばして戦う。前作『ローゼンメイデン(Rozen Maiden)』では、たびたび真紅たちに攻撃を仕掛け、蒼星石のローザミスティカを奪った。本作では、雪華綺晶に奪われためぐを探す過程でジュン(まかなかった世界)の元へ到達。嫌々ながらも真紅と一時共闘することになる。

金糸雀 (かなりあ)

ローゼンメイデン第2ドール。契約者は草笛みつ(みっちゃん)。人工精霊はピチカート。一人称は「カナ」で、語尾に「~かしら」と付けた口調で喋る。オレンジ色のワンピースの上に黄色の上着を着用している。おでこを出し、おさげにした髪を縦に巻いた髪型。髪の毛の色は緑色。好物はみっちゃんの焼いた甘い卵焼き。 自称「ローゼンメイデン一の策士」だが、抜けていることが多く、他の姉妹からもよくからかわれている。ただ、「アリスゲーム」に関してはローゼンメイデンの宿命と理解しており、水銀燈に次いで戦いには積極的。水銀燈とは他の姉妹よりもともに過ごした時間が長かったせいもあり、気難しい彼女の扱いに慣れている。 戦闘時は、バイオリンを使って音波で攻撃を行う。前作『ローゼンメイデン(Rozen Maiden)』では、雪華綺晶に他の姉妹たちが囚われるなか、一人脱出。本作ではジュン(まかなかった世界)の元へ訪れ、雪華綺晶を倒すため真紅たちと行動を共にすることになる。

翠星石 (すいせいせき)

ローゼンメイデン第3ドール。蒼星石の双子の姉。契約者は桜田ジュン(まいた世界)。人工精霊はスイドリーム。一人称は「私」か「翠星石」で、語尾に「ですぅ」を付けた口調で喋る。緑色のロングスカートのエプロンドレスと、白い三角巾のようなヘッドドレスを着用している。髪型はくるぶしまであるロングヘアで、毛先を縦に巻いている。 髪の毛の色は茶色。オッドアイで、左目は翠色、右目は赤色になっている。特技はお菓子作り。臆病かつ人見知りが激しいが、慣れた相手には口が悪く、傍若無人に振舞っている。いわゆるツンデレ気質の持ち主。ジュンのことも「チビ人間」と呼び小馬鹿にしたような態度で接しているが、ともに過ごすうちに信頼を置くようになり、親愛の情を抱いている。 人間の深層心理に育つ「心の樹」の成長を促す、「庭師の如雨露」を持つ。戦闘時は、樹の枝を伸ばして戦う。争いごとを嫌うため、「アリスゲーム」に関しては否定的。前作『ローゼンメイデン(Rozen Maiden)』では、蒼星石を操った雪華綺晶の罠にかかり、囚われていた。 本作では、蒼星石を復活させるために、蒼星石のボディを持つ雪華綺晶を追って、ジュン(まかなかった世界)の元へ訪れた。自身のローザミスティカを使い蒼星石を復活させ、一時は眠りについたが、水銀燈が蒼星石のローザミスティカを返したため、ローザミスティカを取り戻し復活。ジュン(まいた世界)の家に戻った。

蒼星石 (そうせいせき)

ローゼンメイデン第4ドール。翠星石の双子の妹。契約者は結菱一葉から、桜田ジュン(まかなかった世界)、桜田ジュン(まいた世界)へと移り変わっている。人工精霊はレンピカ。一人称は「僕」。シルクハットを被り、青色の半ズボンに白いブラウスを着用している。髪型はショートカット。 髪の毛の色は茶色。オッドアイで、翠星石とは逆に左目は赤色、右目は緑色になっている。生真面目な性格で、契約者への忠誠心が強い。人間の深層心理に育つ「心の樹」を剪定する「庭師の鋏」を持ち、戦闘時はこれを振るって戦っている。姉の翠星石に対しては愛情を抱いている反面、自立した彼女にコンプレックスを抱いている。 「アリスゲーム」に関してはほとんど関心を示しておらず、積極的に戦うことはない。前作『ローゼンメイデン(Rozen Maiden)』では、契約者・結菱一葉を巡って翠星石たちと対立、敗北してローザミスティカを失うも、水銀燈に横取りされた。その後ボディを雪華綺晶に奪われてしまっていた。本作では、翠星石の奮闘により桜田ジュン(まかなかった世界)と契約し、水銀燈に一時的にローザミスティカを返され復活。 その後契約は桜田ジュン(まいた世界)に譲渡され、彼の家に身を寄せることになる。

雛苺 (ひないちご)

ローゼンメイデン第6ドール。契約者は柏葉巴。人工精霊はベリーベル。一人称は「ヒナ」。語尾に「なの」を付けて喋ることが多い。ピンク色のベビードールを着用し、頭に大きなリボンをしている。髪型は金髪の縦ロール。好物は苺大福。ローゼンメイデンの中でも最も幼く純粋な性格で、甘えん坊。 そのため、「アリスゲーム」に関しても否定的である。戦闘時は、苺わだちを伸ばして戦う。前作『ローゼンメイデン(Rozen Maiden)』では、雪華綺晶にボディを奪われ、残ったローザミスティカを真紅に託した。そのため本作では姿は見せておらず、主に回想シーンに登場している。ただ、ローザミスティカはジュン(まかなかった世界)の元に向かった真紅の本体を守っていた。

雪華綺晶 (きらきしょう)

ローゼンメイデン第7ドール。真っ白いドレスに編み上げのロングブーツを着用している。髪型はウェーブのかかったロングヘアをツーサイドアップにしている。髪の毛の色は白に近い淡いピンク。右の眼窩からは、白い薔薇が生えている。謎めいた言動が多く、つかみどころのない性格。実体を持たないアストラル体のドールとして生み出されており、それゆえに今までは現実世界にも現れず、「アリスゲーム」にも参加していなかった。 実体を持つことに固執しており、姉妹たちのボディを狙っているが、ローザミスティカには一切の興味を見せていない。他のローゼンメイデンたちとは違い、契約者の生命力ではなく、精神力を奪って活動している。 戦闘時は、白い茨や薔薇の花弁を操り戦う。前作『ローゼンメイデン(Rozen Maiden)』では、手始めに雛苺のボディを奪い、実体化。姉妹たちを罠にかけ、捕らえていた。本作では蒼星石のボディを使い、桜田ジュン(まかなかった世界)のもとに現れ、彼に契約を迫ったが、真紅たちの前に敗北。しかし、その後も鳥海皆人や柿崎めぐを利用し、桜田ジュン(まいた世界)をはじめ契約者たちを狙って暗躍していく。

桜田 のり (さくらだ のり)

桜田ジュン(まいた世界)の姉。高校生。眼鏡をかけている。おっとりとした性格で、天然ボケ。突然現れた真紅たちにもあまり動じず、居候となった彼女たちの世話を行うようになる。

柿崎 めぐ (かきざき めぐ)

水銀燈の契約者。心臓の病を患っており、長い間入院生活を余儀なくされている。両親は裕福なものの、あまり見舞いには顔を見せていない。そのせいもあって自暴自棄となり、人生に絶望している。ある日現れた、水銀燈を「天使さん」と呼んで慕い、彼女に命を奪われることを望むようになる。前作『ローゼンメイデン(Rozen Maiden)』では、雪華綺晶に囚われていた。 本作では、雪華綺晶の力で回復し、桜田ジュン(まいた世界)と同じクラスに転入。ジュンを素足で踏みつけ責めさいなみ、昏睡状態へとさせた。

柏葉 巴 (かしわば ともえ)

元雛苺の契約者。桜田ジュン(まいた世界)の幼馴染みで、中学の同級生。左目の下に泣きボクロがある。クラスでは学級委員を務めており、剣道部に所属している。冷静で、物怖じしない性格。一度雛苺と契約を交わしたが、彼女が暴走し生命の危機に瀕したため、契約を解除した。本作では、再び学校に通うようになったジュンを気にかけ、手助けをしている。

草笛 みつ (くさぶえ みつ)

金糸雀の契約者。職業はパタンナー。かなりのドールオタクで、金糸雀を溺愛している。他のローゼンメイデンたちと出会ったときも興奮し、過剰なスキンシップと撮影を行った。本作では、桜田ジュン(まかなかった世界)の元へ向かった金糸雀と連絡を取り合い、援護を行っている。その後雪華綺晶に囚われ、お針子として鳥海皆人の手伝いを強要されることになる。

鳥海 皆人 (とりうみ かいと)

桜田ジュン(まいた世界)の同級生。再び学校に通い始める決意を固めたジュンと図書館で出会った。ジュンが書いたドレスのデザイン画を、全校集会で見て以来彼に憧れを抱いていた。ローゼンメイデンの存在も知っており、再び登校するようになったジュンの数少ない味方となる。だが、内心ではジュンの才能にコンプレックスを抱いており、雪華綺晶と結託しジュンたちと敵対。 「桜田ジュン」に成り代わろうとし、歪んだドールを作り上げていく。

斉藤 (さいとう)

桜田ジュン(まかなかった世界)のアルバイト先である書店の同僚。俳優を志し、劇団に所属している。明るく朗らかな性格の女性。偶然ジュンのデザインのセンスを目にし、自分が出演する舞台の衣装の手伝いを依頼した。

その他キーワード

アリスゲーム

『ローゼンメイデン』に登場する用語。ローゼンメイデンの生みの親ローゼンがドールたちに命じたゲーム。その内容はローゼンメイデンたちが戦い、互いの動力源であるローザミスティカを奪い合うというもの。全ての姉妹のローザミスティカを手に入れたものは、完璧な少女「アリス」へと至るとされている。

書誌情報

ローゼンメイデン 愛蔵版 7巻 集英社〈愛蔵版コミックス〉

第3巻

(2022-06-17発行、 978-4087927627)

第4巻

(2022-06-17発行、 978-4087927634)

第5巻

(2022-07-19発行、 978-4087927641)

第6巻

(2022-07-19発行、 978-4087927658)

第7巻

(2022-08-19発行、 978-4087927665)

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