第七女子会彷徨

第七女子会彷徨

友達選定システムで友人になった高木さんと金やんは、不思議な出来事に遭遇しながら、日常を過ごしていく。舞台は21世紀日本に似ているが、死者がデジタル化されていつも会話できたり、生活で使われている器具が異質だったりと環境にあわせて社会が変化しているのが特徴。連載はオムニバス形式が取られており、登場人物の中には全く説明のないままフェードアウトする存在もいる。『月刊COMICリュウ』にて2008年8月号に初連載されてからは1年間不定期連載、2009年9月から毎号連載されている。

正式名称
第七女子会彷徨
ふりがな
だいななじょしかいほうこう
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
関連商品
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概要・あらすじ

高木さん金やんは、友達選定システムで友人になったペア。科学が進歩し、社会形態が変わった世界で、時空を渡った存在や、宇宙からの飛来物などにちょっとだけ遭遇しながら、高校生活を楽しく暮らしている。死んだ後デジタル天国に行った坪井沙季や、時空転送可能な光子と親しくなっていく2人。好奇心旺盛な高木さんのいたずらでトラブルに巻き込まれながら、お互いの友情を強く感じ始め、2人で過ごす時間が増えていく。

登場人物・キャラクター

高木さん (たかぎさん)

ショートカットで雑な性格の少女。金やんと同じ美球高校に通っている。好奇心旺盛すぎて、宇宙人を日常に巻き込んだり、手違いで街中を破壊してしまったりと、度々問題を起こしてしまう。金やんとは友達選定で出会った。「友達」の科目の成績は5段階の3。中学校時代は異常なまでに引っ越しを繰り返していた「引っ越しキング」で、何十枚も寄せ書きを持っていて、金やんに出会うまでは「ホントの友達」が一人もいなかった。 そのため、嫌われない「いい子」でいようとし続けてしまい、世間知らずだったため、人とどう仲良くなればいいかわからずにいたところを金やんと出会い、心を開いた。今は金やんが自分のことを好いていると思って疑わない。 父親は「その目で世界を見る」のを生業とする会社で、謎の商品を作って売っており、娘のことを高木さんと苗字で呼ぶ。

金村 町子 (かねむら まちこ)

髪の毛を後ろで二つ縛りにしている。真面目で成績がよく、優しい少女。高木さんと同じ美球高校に通っている。家には父親が恐怖の大王騒動の際に買った核シェルターがあり、その中で暮らしている。シェルターには、無理やり押しかけてきた未来の少女型ロボット光子と、黒猫のボーボーがいる。 好奇心旺盛でトラブルを起こしがちな高木さんを日々フォローしており、「友達」の科目の成績は5段階中5。「金やん」というアダ名は高木さんにつけられた。10年後の世界では、町を出て人工遺伝子食品ワルキューレで仕事をし、香月という苗字になっている。

坪井 沙季 (つぼい さき)

高木さんや金やんと同じクラスの少女。事故で入院して死亡した。死後、心をデータ抽出し、サーバ管理の元デジタル天国で生活している。最初は自分の境遇に困惑していたが、高木さんの気楽な生き方に触れたことで、単純に生きようと決める。その後は自らの境遇を楽しみ始め、超空間プロジェクターを利用して現実世界で実体化、生徒として再びみんなと一緒に授業を受ける。 ご当地キューピー集めが趣味。

光子 (ひかりこ)

正式名「フォトン77」。顔面が開き、対象物を時空転送することができる少女型ロボット。時空をこえたことで別のモノになってしまった存在を捕獲し、歴史の因果律を崩さないようにするのが仕事。一時期は声帯が壊れて、頭の上のスピーカーで話していたが、後に林田伊予里のおかげでしゃべれるようになった。 金やんのシェルターを潜伏場所として選び、住み着いた。金やんの家族とは打ち解けており、母親に買い物を頼まれたりしている。

ジュンイチ

隕石に付着して地球にやってきた宇宙人の一部。命名は高木さん。パン屋で買ったメロンパンの中に潜んでおり、高木さんが食べようとした際に逃げ出した。彼女の体に入り込んだジュンイチの脚の一部が高木さんの意識に干渉し、彼女を宇宙に連れて行こうとしたが、深層心理の中の金やんによって止められる。

長崎さん (ながさきさん)

高木さんと金やんのクラスメイト。友達選定システムで坪井沙季とペアになった。虚弱体質で、最初にペアを組んだ時に沙季には死ぬのではないかと思われていた。いつもマスクをつけており、絵柄がいつも異なる。沙季が死んだ後も彼女とはペアを組んだままで、デジタル天国には遊びにいっている。 あまりに感情がわからないので沙季からは「生きてんのかね」と言われている。影が薄く、認識されるだけで喜ぶ。

飯島君 (いいじまくん)

デジタル天国のサーバ開発者が父親の少年。高木さんや金やんのクラスメイト。クールな性格で、愛想がない。学校の中で、超空間プロジェクターによって再現された死者の動作チェックを担当し、デジタル天国に形をスキャンした右手で、死者を識別している。父親は死亡してデジタル天国サーバ管理を行っている。 父のグラフィックは飯島君の姿で、女性に優しい。そのため親切にされた死者の坪井沙季は、飯島君が優しいのだと勘違いし、好意を持っている。

清水君 (しみずくん)

金やんの小学校の頃のクラスメイト。横浜の冷凍睡眠所で7年間眠ることになった。金やんが高校生になって再会した時、小学生の姿のままだった。周囲とのギャップに慣れない中、金やんと再び仲良くなる。

中原さん (なかはらさん)

金やんの友人。メガネをかけた少女。金やんと高木さんの仲の良さ、相性のバランスを、羨ましがっていた。

林田 伊予里 (はやしだ いより)

友達という概念を喪失してしまった未来からやってきた、ショートカットの少女。高木さんらとは別の学校に通う。過去に戻って友達の概念を守ろうとし、人間関係を学んでいる。光子に違法な時空転送だとして追放されそうになるが、ロボットである彼女の壊れた声帯を元に戻すことで、滞在契約をする。

赤池さん (あかいけさん)

友達の概念がない未来からやってきた林田伊予里と、友達選定システムでペアを組んでいるメガネの少女。伊予里が学校に来なかった間は、クラスの他のペアに混じって、3人で友人関係を組んでいた。友達がわからない伊予里に対し、一緒にやっていこうと手を差し伸べる。伊予里が未来人であることは知らない。

清佳 (きよか)

友達のよっちゃんを亡くした少女。よっちゃんは死後にデジタル天国へ行っており、彼女とスマートフォンで話している。よっちゃんの死因がはっきりしなかったのを知り、一時的に長い眠りに入った彼女の友人であり続けようと誓う。

その他キーワード

友達選定システム (ともだちせんていしすてむ)

『第七女子会彷徨』に登場する用語。生徒個々の要望に沿って、もっとも適した「友達」を探しだし、2人のペアを作って学校生活を送らせるシステム。基本的に常に一緒に行動することになり、あわせて「友達」としての技量の評価も学校側で行われる。友達が死んだ場合、デジタル天国に行った相手が望んでいる限りは友達としての繋がりは続く。 友達がいなかった高木さんは、このシステムによって初めて親友と呼べる金やんに出会う。

デジタル天国 (でじたるてんごく)

『第七女子会彷徨』に登場する用語。人間の心をデータ変換し、死後にサーバ管理の元で再生する仮想空間のこと。死者の居場所は検索することができる。インターネットを通じた現世との擬似往復が可能で、死者と連絡をとりあうことができる。メールなどのデジタルデータのやりとりは容易。デジタル天国内には、生前の所有分がデータとしてコピーされており、死者の元に画像で保管される。 超空間プロジェクターを使うと、死者を現実世界で姿を再生することができる。ただし触れることは不可能。

超空間プロジェクター (ちょうくうかんぷろじぇくたー)

『第七女子会彷徨』に登場する用語。デジタルデータ化された死者を、現世に実体化する機械。ネット回線でつながっている。現世では一見わからないほどの見た目で再現されるが、触ることは一切できない。また現世の人間がリモコンで音量調節することができる。時々機械のフリーズで止まってしまう。高木さんのクラスメイトの坪井沙季が、これを利用して学校に通い始めた。

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