我が名は狼

我が名は狼

野枝高原の彩湖畔に建つペンションたかなしで働くことになった風来坊の主人公が、たかなしを訪れるワケあり女性客と一夜限りの関係を持つ中で、女性の心を癒したり、解放を促すきっかけを与えていく一話完結型のストーリー。同時にペンションオーナーの3人の娘たちとも絆を深めていく。セリフは一見コミカルで軽やかだが、各話とも根底には愛情や生きざまといったシリアスなテーマが込められており、スタイリッシュながらも思考的な作品となっている。

正式名称
我が名は狼
ふりがな
わがなはうるふ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

遠縁の高梨一家が経営する野枝のペンションたかなしに、名目上従業員として居候することになった犬神内記こと狼(うるふ)。無類の女好きであるは、たかなしを訪れる女性客に目をつけ、連日のように夜ばいをかける。オーナー夫妻の3人の娘、誠・静・聖は、店の体面も考えて夜ばいにNGをかけるが、当のがどこ吹く風の上、女性客からクレームの一つも出ない。

三姉妹にとっては謎の多い男だが、一つ屋根の下で暮らしていくうち、の背負った哀しい過去が見えてくる。恋愛対象、傍観者、理解者と、それぞれの立場から、三姉妹はと女性客たちのアバンチュールを見つめていく。

登場人物・キャラクター

犬神 内記 (いぬがみ ないき)

ペンションたかなしのオーナー高梨宗国の親友の息子で、従業員としてたかなしにやってくるが、実際にはただの居候。腕っぷしが強いため用心棒的な役割もこなす。女性をコマすことが生きがいのような男で、連日のようにたかなしの女性客に手を出す。ちゃらんぽらんに見えるが、実は血のつながらない亡き姉との間に哀しい過去を抱えて生きている。 民族衣装風の羽織り物に長髪と、ジプシーのようないでたちが特徴。スズキGN、ホンダRZ350、ヤマハDT、カワサキLTDと愛車のバイクを乗り換えている。

高梨 誠 (たかなし まこと)

ペンションたかなしを経営する高梨夫妻の長女。画家の橘春光と結婚し、一人息子の主税を儲けたが、離婚して実家に出戻る。気丈な性格のしっかり者で、引退同然の両親に代わりたかなしを取り仕切っている。年長者らしく狼の理解者的な立ち位置を保とうとするが、物語終盤で狼と関係を持つことに。 それでも妹の聖と狼の結婚を望んでいる。B85、W58、H86。

高梨 静 (たかなし しずか)

ペンションたかなしを経営する高梨夫妻の二女。たかなしのコックである小林幸男と婚約している。クールな美女で、決まった相手もいるせいか狼に対しては終始一貫傍観者の立ち位置を崩さない。が、幸男との結婚を前に初恋の相手に心を揺らした際、狼の助言に助けられたこともある。 後に無事幸男と結婚し小林姓になる。B85、W57、H87。

高梨 聖 (たかなし ひじり)

ペンションたかなしを経営する高梨夫妻の三女。ショートカットの活発な娘で、ジョギングやテニスからボート漕ぎまで難なくこなす。物語序盤から狼に恋愛感情を抱いているが、作中では一度も深い関係になっていない。パートナーのいる静と共に、狼が手を出さなかった稀少な女性。 「抱きたい女を抱きたい時に抱きたい様に抱くため、抱きたい女を抱かないコトもある」とは狼談。B76、W56、H82。

小林 幸男 (こばやし ゆきお)

ペンションたかなしのコックで、オーナー夫妻の二女高梨静の婚約者。狼とは、アダルトビデオや覗きを共に楽しむエロ仲間でもある。結婚直前に静とひと悶着あったが、無事にゴールインする。

高梨 主税 (たかなし ちから)

高梨誠の息子。子守り役の狼によく懐き、一緒に出かけることも多い。超電子バイオマンのごっこ遊びがお気に入り。

高梨 宗国 (たかなし そうこく)

野枝のペンションたかなしのオーナーだが、運営は娘たちに任せて楽隠居の体を見せている。親友である狼の父親から風来坊の狼の面倒を見てほしいと泣いて頼まれた経緯を持ち、狼の過去も知っている。豊かな顎髭がトレードマーク。

堀内 美代子 (ほりうち みよこ)

「うりふたつの美代子」の回で、狼の標的となる娘。親戚でもあった恋人との仲を周囲に邪魔され、堕胎までした傷心でペンションたかなしを訪れる。狼の死んだ姉犬神水無美とウリ二つの容姿であったことがきっかけで狼と関係を持つ。狼の恋人になるため野枝に移住し、喫茶店パレオで働きはじめるが、後に放浪の旅をしていた青年戸守尚と出会い、意気投合して共に野枝を出ていく。

橘 春光 (たちばな しゅんこう)

高梨誠の元夫で、主税の父親。画家だが誠との婚姻中は全く売れず、多額の借金を作って自堕落な生活を送っていたことから離婚。3年経って「ヨリを戻したい」と誠の前に現れるが、拒否される。誠と別れた後に売れはじめた「赤を基調にした女のシリーズ絵」は誠がモデルだと言われている。 復縁が無理と悟り、誠の元に一枚の絵を置いて立ち去る。

椎名 好子 (しいな よしこ)

ペンションたかなしの客で、狼に厄介な依頼をした女性。後に高梨誠との関係を後悔中の狼が逃げ場としたことがあり、作中で複数回登場した数少ない女性客。

犬神 水無美 (いぬがみ みなみ)

狼が生まれる前に施設から引き取られた犬神家の養女。狼にとっては血の繋がらない姉で、恋人。道ならぬ関係が原因で狼が家出をした後、交通事故で死亡したことから狼の心に深い傷を刻んだ女性。作中では狼の夢にのみ登場する。

場所

ペンションたかなし

高梨宗国がオーナーを務める野枝のペンション。狼が主に女漁りをする貴重な舞台。客室は全8室。狼の部屋は客室のある2階の端に位置する。たかなしの二女静とコックの小林幸男の結婚を機に全面改装するが、この時狼の策略で、天井裏を自由に行き来できる通路の作成や、風呂場の鏡をマジックミラーに代えるなど、40数か所の仕掛けを施されてしまう。

パレオパラドキシア

ペンションたかなしの近くにある喫茶店。ヒゲのマスターが経営している。二階にはバイト用の部屋も用意され、狼に恋する堀内美代子が住み込みで働く。店名は2千万年前に絶滅した動物の名前が由来。

彩湖 (さいこ)

架空の避暑地野枝にある架空の湖で、ペンションたかなしはその東岸に位置する設定。貸しボートがあり休日には観光客で賑わう。狼や小林幸男、高梨三姉妹といったレギュラー陣も、たびたびたかなしの「裏の林」にある湖畔で油を売ったり物思いにふけっている。

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