魔物な彼女たち

魔物な彼女たち

可愛らしい「魔物な女の子」が、各所で起こるミステリアスな出来事に巻き起こまれたり、あるいは自ら騒動を起こす姿を、オカルティックな雰囲気で描いたオムニバス作品。「週刊少年チャンピオン」1996年33号から1998年14号にかけて不定期に掲載された。

正式名称
魔物な彼女たち
ふりがな
まものなかのじょたち
作者
ジャンル
オカルト
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あらすじ

婦警さん

日々弱者からカツ上げを繰り返していた、札付きの不良生徒である星乃斗一郎は、ある日、花魁のような格好をした、奇妙な女性と出会う。タイムパトロールのお竜を名乗り、未来から来たというその女性は、所持していた謎の端末で、斗一郎が未来の連続殺人犯であることを確認する。お竜は「悪の芽」を潰すためと称して、斗一郎に対して執拗に銃撃を繰り返すのだった。

年上の女

女性に対する興味が暴発し、夜の公園で悪友とともに、見知らぬ女生徒を乱暴しようとしていた慎二は、怯える彼女から「デートダイヤル魔界塾」のチラシを入手。ものは試しと、チラシの電話番号に連絡した慎二は、待ち合わせ場所に現れたスタイル抜群の女性と一緒に、ホテルへ向かうことになった。

コレクター

蝶の標本収集を趣味にしていたは、雑誌で見た海外の蝶を通販で購入。後日届いた蝶は、人間のような顔をしている、なんとも奇妙な幼虫だった。幼虫にアイラと名付け、彼女が立派な成虫になるように世話をしていた司だったが、ある日アイラが野菜ではなく、肉を食べていることに気づいてしまう。

炎羅シリーズ

灯無炎羅は、圧倒的な霊能力を武器に、各地で起こる怪奇現象を解決していた。ある日、大金持ちの男性・利根川三郎からの依頼を受け、彼の邸宅に出向いた炎羅は、そこで化け物となった女豹に遭遇。炎羅は、彼女を倒すために魔力が秘められた、自慢の霊弾ヨーヨーを振るうのだった。

登場人物・キャラクター

星乃 斗一郎 (ほしの といちろう)

エピソード「婦警さん」に登場する。弱者からカツアゲし、そのためには酷い暴力も辞さない凶悪な不良の男子高校生。自動販売機でタバコを購入しようとして、タイムパトロールを自称するお竜に咎められる。お竜の調査によって、未来の世界では連続殺人犯になっていることが判明したため、彼女から執拗に命を狙われることになった。

慎二 (しんじ)

エピソード「年上の女」に登場する。女性の体に興味津々なスケベな性格の男子中学生。夜の公園で乱暴しようとした女の子から渡されたチラシを見て、「デートダイヤル魔界塾」という女性を派遣する店に電話をする。待ち合わせ場所に現れた美しい年上の女性と連れ立って、ホテルへと入った。

(つかさ)

エピソード「コレクター」に登場する。蝶集めが趣味で、自室に大量の蝶の標本をコレクションしている男性。無力な蝶を潰して殺すことに快感を感じる危険な一面を持つ。都会における蝶収集に限界を感じ、海外産の生きている幼虫を通販で輸入。人間のような顔のある奇怪な幼虫にアイラと名付けていた。

灯無 炎羅 (あかりなし えんら)

エピソード「炎羅シリーズ」に登場する。女子高生の霊能力者で、テレビにも出演している有名人。強大な霊能力を持ち、学校の下駄箱には、連日オカルト現象に苦しむ依頼者から相談の手紙が寄せられている。オカルト方面の知識も非常に豊富で、悪霊払祓いの際には、魔物退治の必殺アイテムである霊弾ヨーヨーを武器として自在に操るなど、戦闘能力も高い。 かなりの近眼で、対象をじっくり調べる時には眼鏡をかける。

お竜 (おりゅう)

エピソード「婦警さん」に登場する。花魁のような格好をしたうら若き女性。その正体は、犯罪の増加に対応するため、重犯罪の主犯となる悪ガキを抹殺する使命を帯びて、過去に遡って来たタイムパトロールの一員。交番の横に拠点となる番屋を勝手に作るなど、かなり強引なタイプ。未来の世界で連続殺人犯となる星乃斗一郎を殺害しようと、ショック銃や刃物が仕込まれた十手で、斗一郎に襲い掛かっていた。

年上の女性

エピソード「年上の女」に登場する。「デートダイヤル魔界塾」という、女性を派遣する風俗店に勤務する女性。パンキッシュな格好をしたグラマラスな美女で、店に電話をしてきた慎二との待ち合わせ場所に現れた。その正体は、壮健な男子の体に卵を植え付けて繁殖する魔物の一種。

アイラ

エピソード「コレクター」に登場する。司が海外から通販で輸入した、人間の女性のような顔が付いた、子犬ほどの大きさの奇妙な蝶の幼虫。司によってアイラと名付けられた。野菜を丸ごと食べるなど、非常に食欲が旺盛。成長に伴い、肉も食べるようになる。

九杉 あまね (くすぎ あまね)

エピソード「炎羅シリーズ」に登場する。灯無炎羅の従妹の女子高生。炎羅の立会人兼マネージャー的な役割を果たす。彼女に寄せられた相談の手紙を確認し、受けるべき依頼を選んでいた。本人はごく普通の人間なので霊能力はなく、相談者のもとに炎羅と一緒に出向いた際は、さまざまなアクシデントに見舞われていた。

ママ

エピソード「炎羅シリーズ」に登場する。灯無炎羅の母親で、丘の上にある「灯無治療院」で開業医をしている。同性の九杉あまねですら、会った時に思わず緊張してしまうほどスタイルのいい美女。炎羅と同じく霊能力を持ち主で、霊障に見舞われた人物に、自身が作った特殊な治療薬を処方することもあった。

パパ

エピソード「炎羅シリーズ」に登場する。灯無炎羅の父親。ママとは別居中で、西の丘の上にある大きな屋敷に住んでいる。温厚な性格をしているが、日々怪しげな研究に没頭するマッドサイエンティスト。ママからはインチキ科学者扱いされている。死んだ者を蘇らせる「反魂術」の実験を行っていた。

利根川 三郎 (とねがわ さぶろう)

エピソード「炎羅シリーズ」に登場する。大金持ちの中年男性。飼っていたウンピョウの生まれ変わりである、化け物となった女豹にとり憑かれてしまい、自宅のリビングに監禁されていた。女豹をなんとかしてもらおうと、灯無炎羅に連絡を取る。

所長 (しょちょう)

エピソード「炎羅シリーズ」に登場する。植物園の所長を務める恰幅のいい中年男性。世界中のあらゆる観葉植物を集めており、人間のような姿をした特殊な植物・「曼陀羅木」が増殖を続けることに困り果て、灯無炎羅に相談を持ちかけていた。

薩摩 剣五郎

エピソード「炎羅シリーズ」に登場する。大きな屋敷に住んでいる老齢の男性。剥製集めを趣味にしており、屋敷のコレクション部屋には、数多くの悪趣味な剥製が置いてある。ヨーロッパから仕入れたケンタウロスの剥製が、夜な夜な暴れることに頭を悩まし、灯無炎羅に連絡する。

その他キーワード

霊弾ヨーヨー (れいだんよーよー)

エピソード「炎羅シリーズ」に登場する。灯無炎羅が所持している、魔物退治の際に使う特殊なヨーヨー。その正体は大きな貝の魔物だが、炎羅が魔力をコントロールしており、一介の使い魔として扱っている。炎羅のコントロールを離れた際に暴走し、多数の女生徒を長い触手を使って捕食していた。

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