バラ色の聖戦

バラ色の聖戦

30歳の主婦がモデルを志し、様々な困難を克服して成功を掴んでいくさまを描いたモデル業界漫画。2011年にテレビドラマ化された。

正式名称
バラ色の聖戦
ふりがな
ばらいろのせいせん
作者
ジャンル
モデル
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概要・あらすじ

三木真琴は大阪に住む30歳の主婦。日々育児に忙殺されていたが、夫・三木敦司の浮気を目撃し、その浮気相手の結婚式に仲人代理で出るよう頼まれる。屈辱を感じながらもプライドから背筋を伸ばして仲人の務めを果たした真琴は、そのたたずまいで周囲を新婦以上に魅了した。雑誌の読者モデル企画に合格し、雑誌のグラビア掲載へのチャンスをつかむ。

だが、落選したモデルの中西紗良は真琴を逆恨みし、あらゆる手段を使ってのし上がると同時に、真琴を潰そうと画策する。さらには、妻は家庭の中で夫を支えるもの、という思想を持つ敦司の不理解も真琴には壁となって幾度も立ちはだかるのだった。それでも東京でモデル事務所・ウェイブエージェンシーに入った真琴は、失敗から一度は完全にモデルを辞めてしまうが、ついには敦司と離婚してモデル復帰を果たす。

登場人物・キャラクター

三木 真琴 (みき まこと)

大阪に住む30歳の主婦。6歳の娘と2歳の息子がおり、日々育児に忙殺されていた。仲人代理で出席した結婚式での姿を讃えられたことがきっかけで、雑誌・VENUSの読者モデル企画に挑戦。変わっていく自分自身に手ごたえを感じ、本格的なモデル業を志すようになった。身長は173cmで日常生活では大きいことをコンプレックスに感じていたが、モデルとしては高すぎることもなく、素材の良さを讃えられることも多い。 30歳からのデビューで経験とプロ意識が不足していることから失敗も多いが、素直さと前向きさで大きなチャンスをつかんでいく。芸名は「真琴」で、所属事務所は弱小のウェイブエージェンシー。家庭の問題で一時はモデルを辞めるが、仲の良かった先輩モデル・美鈴の死をきっかけに再起を決意。 敦司と離婚してモデル業を再開した。

三木 敦司 (みき あつし)

三木真琴の夫で35歳。銀行マンで、中途採用なことから新卒採用組にコンプレックスを抱いており、仕事に熱中している。妻は家庭内で全てをこなして夫を支えるべき、という固い信念を持っており、モデル業に興味を持つ真琴に良い顔をしていない。真琴がたびたび東京へ出向くなど本格的にモデル業へ身を入れるにつれて、露骨に拒否反応を示すようになる。 さらには、真琴のモデル活動が職場に知られたことで大きな取引の担当を逃し、真琴もモデルを辞めざるを得なくなった。やがてモデルを再開しようとする真琴から離婚を申し出られ、受諾。二人の子は真琴が引き取ることになったが、再婚して新しい妻と共に再度子どもたちを奪い返そうとしている。

田宮 茜子 (たみや あかねこ)

人気No.1のトップモデル。31歳。雑誌・VENUSの専属で、大手化粧品メーカー・美生館のイメージキャラクターも務める。三木真琴にモデルの魅力を意識させた人物。読者モデル企画に参加した頃の真琴たちには厳しい言葉を浴びせたが、モデルとして成長した真琴を認め、期待をかける。中西紗良とは元同期。

中西 紗良 (なかにし さら)

三木真琴と同じ読者モデル企画に応募し、意気投合した女性。28歳で既婚。企画では一番の成績だったが、直前でプロモデルの過去があったと発覚し、落選。発覚は真琴の密告ゆえと誤解し、真琴に強い恨みを抱く。スポンサーの副社長を誘惑して再び雑誌掲載を勝ち取るなど成功のためには手段を選ばず、真琴やウェイブエージェンシーへの妨害も欠かさない。 元は田宮茜子と同期で、モデルとして高い能力を持っていたが、常に茜子の陰に隠れてしまうことが挫折の原因。夫との仲は良好だったが、美生館の副社長と結婚するため離婚。新たな夫の後ろ盾で、トップモデルの地位を固めていく。幼少期から優秀な姉たちと比較され母の愛を受けておらず、成功して母に認められたいという意欲が強い。

川瀬 まどか (かわせ まどか)

モデル事務所ウェイブエージェンシーの女性社長。年齢不詳だが、三木真琴の見立てでは50過ぎ。最初に事務所を訪れた真琴に厳しい言葉をぶつけるが、根は思いやりのある人物で、真琴も含め5人しかいないモデルを厳しくも丁寧に育てようとする。自身もモデル出身で、主婦業との板挟みになって挫折した経験があり、真琴には目をかけている。 真琴がモデルを辞め、美鈴が急死し、さらに二人が辞めて残ったモデルが一人になった時には廃業を決意したが、復帰を決意した真琴に賭けて再起を目指す。

麻美 (まみ)

三木真琴の実妹でOL。姓(真琴の旧姓)は不詳。育児に追われていた頃の真琴を、女を捨てていると批判していた。独身だが自分は結婚しても綺麗でいたいと主張しており、モデルを始めた真琴を応援。夫・三木敦司との関係に悩む真琴にとって、家庭内で一番の味方となる。

真琴の母 (まことのはは)

三木真琴の実母。眼鏡をかけ小太りの、ごく普通の主婦。夫も健在。三木家の近所に住んでおり、時々訪問して家事を手伝ったり、幼い子どもらを預かったりして、真琴を助けている。モデルを志望する真琴と、それに反対する夫・三木敦司との衝突では真琴の肩を持とうともするが、普通の主婦として家庭に留まり安定した生活を送ってほしい、との思いもしばしば覗かせる。

美鈴 (みすず)

三木真琴が所属するモデル事務所・ウェイブエージェンシーの先輩モデル。北海道出身で実家は農業を営んでいる。朗らかな性格で、他のモデルが素人同然の真琴に批判的だった時も、率先して声をかけ仲良くしていた。モデルとしての実力は高く、黒田洋介のファッションショーでも真琴と共にオーディションで合格する。真琴がモデルを辞めた時もウェイブを引っ張ったが、父親思いなことが中西紗良の逆鱗に触れ、巧妙な追い落としを受ける。 一時はノイローゼと過食症に陥ったが、大阪で真琴と素人相手のレッスンをしたことで復調。しかし、本格的な復活を前に急死してしまう。

浅野 宏輝 (あさの こうき)

プロのカメラマン。気さくな好青年で、被写体の魅力を引き出すカメラマンとしてモデルたちの人気が高く、素人同然だった三木真琴の魅力をも存分に引き出してみせた。その後も真琴に期待しているが、順調な時は無言で見守り、失敗した時はそれとなく教え諭す程度の距離を保つ。川瀬まどかとは長年の友人で、田宮茜子や中西紗良とも旧知の仲。

桐嶋 信輝 (きりしま のぶてる)

大手化粧品メーカー・美生館の社長の息子で、同社の副社長。次期社長と目されている。自社製品が関わる雑誌の読者モデル企画に顔を出していたところを、中西紗良に注目される。紗良に誘惑され、三木真琴が載るはずだったグラビアの差し替えに協力する。さらに紗良と結婚し、モデル業の後ろ盾となることを約束するが、マザコンの気があり実母には逆らえないでいる。

黒田 洋介 (くろだ ようすけ)

世界的に注目されている新進気鋭の服飾デザイナー。ファッションショーのオーディションに立会い、中西紗良の陰謀で失敗作のドレスを着る事になった三木真琴がとっさに大胆なアレンジを見せたことで、真琴に注目する。ファッションショーの本番ではスポンサーの意向に押されて真琴を望むポジションに出せないでいたが、アクシデントにアドリブで対応した真琴を見てさらに評価を高めた。 一時モデルを辞めた真琴が復帰した時も、仕事取りに難航する真琴にカメラメーカーのCMオーディションを紹介している。

森下 ココナ (もりした ここな)

カメラメーカーのCMオーディションにおいて、三木真琴と競い合った女性モデル。大手事務所が力を入れて売り出そうとしており、オーディション前からクライアントに気に入られて採用は内定済みとの噂も立っていた。演技の表現力や発想力に優れており、複雑な課題にも自ら斬新な演技を組み立てることができる。真琴とは最後の二人となるまで競い合い、僅かな差で採用を逃すも、真琴を讃えて気持ちよく別れていった。

集団・組織

ウェイブエージェンシー

渋谷の古いマンションに居を構える、モデル事務所。社長は川瀬まどか。所属モデルは三木真琴を含めて5人という小規模な事務所だが、社長は一人一人を入念に見て指導している。モデルが1人だけになった時は廃業も検討されたが、真琴のモデル復帰を受け、社長の自宅を新事務所として再生する。

美生館 (びせいかん)

大手化粧品メーカー。新しいダイエット食品の販売を雑誌・「VENUS」の読者モデル企画と連動させ、三木真琴が本格的にモデルを志すきっかけとなった。また、この企画で副社長の桐嶋信輝が中西紗良と出会い、結婚のきっかけとなる。紗良にとっては大きな後ろ盾となったが、ブランドイメージとして高級感や清潔感が求められるため、新しい仕事への足かせとなることもあった。

その他キーワード

VENUS (びーなす)

女性向けのファッション雑誌。読者モデルの募集企画から、30歳前後の独身女性・主婦層をターゲットにしていると思われる。専属モデルとして人気No.1と言われる田宮茜子を据えており、掲載されることはモデルにとってかなりのステータスとなる。

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