白鳥麗子でございます!

白鳥麗子でございます!

プライドが高く、高飛車で見栄っ張りなお嬢様・白鳥麗子が、麗子に健気な想いを抱く真っ正直な青年・秋本哲也との幸せを掴むまでの、波瀾万丈な同棲生活を描いたラブコメディ。金持ちと一般人、美人とブスのギャップを徹底的に茶化しつつ、ステイタスや外見に囚われない真実の愛を掴む、麗子の心の成長が軸になっている。1989年、第13回講談社漫画賞少女部門受賞作品。続編の『新・白鳥麗子でございます!』も発表されているが、未完。

正式名称
白鳥麗子でございます!
ふりがな
しらとりれいこでございます
作者
ジャンル
ラブコメ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

伊豆下田の裕福な家庭で生まれ育った白鳥麗子は、超美人で高飛車なお嬢様。高校生の時、片思いをしていた秋本哲也に告白されたのにも関わらず、見栄っ張りな性格が災いして不本意ながら振ってしまったことを後悔し、東京の大学に進学した哲也を追って上京。しかし天より高いプライドが邪魔をして、素直に気持ちを伝えることができない。

哲也は、思わせぶりな態度を取りながらも、肝心な所で好意を否定する麗子の気持ちを掴みきれず、二人はすれ違ってしまう。同級生の京子の取りなしで、ようやく麗子の本意を知った哲也は、見合い結婚のため田舎に帰った麗子を迎えに行き、東京で同棲生活をスタートさせる。

ところがそれは、初心で世間知らず、おまけに思い込みが激しい麗子が巻き起こす、波瀾万丈な生活の始まりだった。

登場人物・キャラクター

白鳥 麗子

伊豆下田にある白鳥建設の社長令嬢で、19歳無職。誰もが羨む美貌の持ち主で、本人も美人であることを非常に誇りに思っており、他人に対して高飛車な態度を取る。秋本哲也に純粋で一途な想いを寄せていたが、周囲に美人のくせに理想が低いと思われたくないという見栄を張って、哲也の告白を無下にしてしまう。 その事を後悔し、進学のため上京した哲也の後を追って東京で独り暮らしを始めた。お手伝いさんがいる豪邸育ちのため、家事の才能は皆無。思い込みが激しく世間知らずのため、噂話や雑誌記事の内容を鵜呑みにしてしまい、突拍子もない行動に出ては騒ぎを巻き起こす。

秋本 哲也

N大学芸術学部所属の大学生で、東京・江古田の風呂なしアパートに住んでいる。白鳥麗子の想い人で、幼稚園の頃からの幼なじみ。嘘がつけない真っ直ぐな性格をしており、同級生が麗子を「ブス」と言っていじめる中、唯一「かわいい」と発言し、麗子を調子づかせる原因を作っていた。 高校生の時に麗子に告白して振られているが、それでも好意を抱き続けている。しかし恋愛の機微に疎く、麗子の乙女チックな思考を勘違いして機嫌を損ねることも多い。高校・大学とバスケットボール部に所属しているが、万年補欠。しかし何事も一途に努力するため、男女問わず慕われている。本人に自覚はないが、女性が放っておかないモテ体質。

京子

白鳥麗子と秋本哲也の高校時代からの同級生で、高飛車で見栄っ張りな麗子の性格を知り尽くした、よき理解者。秘かに哲也に想いを寄せていたため、哲也が麗子に告白した時にわざと悪口を言い、二人の仲を邪魔した。高校卒業後、哲也と同じN大学に進学。 コンパで偶然麗子と再会して焦り、強引な手段で哲也に近づくが、結局振られてしまう。失恋で自棄になっていた所を麗子に諭され、二人の仲を取り持つ行動に出る。その後、哲也と同じバスケットボール部の高田に告白され、交際を始める。

高田

秋本哲也の友人で、N大学芸術学部の大学生であり、バスケットボール部の部員。大学の講義中に、哲也の隣に座っていた白鳥麗子に目を止め、声をかける。麗子の態度から哲也への好意をいち早く見抜き、京子との仲を取り持ってもらう替わりに、哲也との仲を取り持つと麗子に持ちかけた。 女好きで、やらせてくれる女なら誰でも良いらしいが、京子と付き合い始めてからは自重している。哲也とは同じバイトをするほど仲が良く、麗子に振り回されている哲也を応援し、時には恋人の京子と共に、二人の仲を取り持つこともある。

里子

秋本哲也と同じN大の大学生で、バスケットボール部のマネージャー。哲也に好意を持っており、バスケット日本リーグ戦のチケットを持って哲也の部屋の前で待っていた時に、白鳥麗子と対面する。お人好しで泣き虫な、男から見ると放っておけないタイプの女性で、一時は哲也もふらついてしまう。 試合で初めて正選手に選ばれ、熱をおして出場した哲也が交代させられそうになった時、自らが丸坊主になっても哲也を出場させ続けようとした麗子の深い愛に敗北感を抱き、身を引く。

かきつばたあやめ

そば屋のバイトで出前を届けに来た白鳥麗子と、初対面から張り合っている大学生のお嬢様。同棲していた恋人・トオルと麗子のデート現場を目撃し、自宅マンションからトオルを追い出す。麗子の金持ち美人オーラにも気圧されない勝ち気な性格のせいか、自他共に認める麗子のライバル。 そのため、事あるごとに呼び出されては、当て馬のような扱いを受けている。

トオル

白鳥麗子と張り合うお嬢様・かきつばたあやめの恋人。しかしその実態は、あやめの財力で養われていた、ヒモ同然の浮気性な男。麗子との浮気未遂現場をあやめに見つかり、マンションを追い出されてしまう。その後、麗子に不幸な身の上話を聞かせて同情を誘い、麗子の住むそば屋の2階に転がり込むが、貧乏と禁欲生活に耐えかねて去って行った。

順子

秋本哲也が、上京後に付き合っていた女性。高校卒業後すぐに結婚することが夢だったため、大学生になったばかりの哲也と付き合うのが切なくなり、自ら別れを切り出していた。白鳥麗子とのプラトニックな同棲生活に悩む哲也と偶然再会し、本心を打ち明け、よりを戻そうとする。一途でいじらしく、かわいらしい女性で、麗子を好きだという哲也の気持ちを汲み、身を引く。

コーチ

秋本哲也が所属する、N大学芸術学部バスケットボール部のコーチ。美人の奥さんと、せっちゃんという娘がいる。ヤクザのような風体で、やや乱暴な性格をしているが、部員からは慕われている。

秋本哲也が家庭教師のバイトで受け持った生徒で、16歳の女子高校生。哲也の恋人の座を狙っており、白鳥麗子を慕うふりをして無理難題な要求を叶えてもらうなど、ずる賢い手段で哲也と麗子の仲を裂こうとする。掃除や洗濯、料理など家事も一通りこなし、優しく女の子らしい性格で、麗子とは正反対の普通さにほだされた哲也と交際を始めることに成功する。

うずまき

白鳥麗子の実家で働いている、お手伝いさん。幼少期から麗子の面倒を見ており、麗子のためを思って行動する優しい性格をしている。婚約者・善慈道わたると8月6日に結婚式を行う予定だったが、その幸せを嫉む麗子がわざと同日に開催した、くつずれ完治祝賀パーティーに律儀に出席。 しかし自分の行動を恥じた麗子に連れられ、無事結婚式を行う。

集団・組織

白鳥建設

『白鳥麗子でございます!』に登場する会社。白鳥麗子の父が経営する、建設会社。使用人が何十人もいる豪邸に住み、金持ちを鼻に掛けている態度を取っていることから、悪徳会社と陰口を叩かれており、秋本哲也の祖父や父が、息子と麗子の交際に反対したほど。台風などで崖崩れが起き、県道が不通になった際には、白鳥建設がその補修工事を行っている。

場所

伊豆・下田

白鳥麗子の出身地。東京駅から新幹線こだまに乗って熱海駅で降り、伊豆急行に乗り換えて約150分で到着する、近場の避暑地。夏には海水浴客が大勢訪れ、海岸は幸せなカップルで賑わう。秋本哲也に振られた麗子が、腹いせにサメの背びれを身につけて海水浴場で泳ぎ、幸せカップルを破局の渦に叩き込んだこともある。

その他キーワード

神田川

『白鳥麗子でございます!』の主人公白鳥麗子が、銭湯で秋本哲也が出てくるのを待つ間に口ずさんでいた、昭和の名曲。貧乏ながらも、寄り添い合って生きる若い男女の幸せを歌った内容で、自分の境遇を歌に重ねた麗子が、幸せに酔いしれるために好んでいた。

SHARE
EC
Amazon
logo