とかげ

とかげ

交通事故で亡くなった女子高生の体に、不死の呪いがかけられた魂とかげが憑依してしまう。女子高生を姉のように慕っていた少年はとかげの依となり、不死の魂を狙う者たちとの争いに巻き込まれていく。「月刊コミックZERO-SUM」にて平成18年3月号から平成19年10月号にかけて掲載された。

正式名称
とかげ
ふりがな
とかげ
作者
ジャンル
和風ファンタジー
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概要・あらすじ

宮本忍武は、幼い頃から姉のように慕っていた近所に住む女子高生の夕佳を交通事故で亡くしてしまう。だが葬儀の最中、死んだはずの夕佳の遺体が動いている姿を目撃し、気を失ってしまう。翌日目を覚ました忍武の前に現れたのは、夕佳の体に憑依した、不死の呪いがかけられた死霊であるとかげだった。夕佳の死を受け入れられないままとかげのとなってしまった忍武は、そのことに戸惑いながらもとかげの不思議な魅力と過去に惹かれていく。

しかし、とかげといることにより、忍武は不死であるとかげの肉を狙う者や、とかげの存在を排除しようとする者との闘いに巻き込まれていく。

登場人物・キャラクター

とかげ

八百年前に神を喰った罰で不死の呪いをかけられてしまった死霊。胸にあるトカゲの入れ墨のような痣がとかげの魂であり、不死の呪いをかけられている。転生を許されず、使えなくなった死体から新しい死体へと宿を移しながら久遠の時を生き続けている。交通事故で死んだ夕佳の体に乗り移り、自身に呪いをかけた術者の生まれ変わりを探している。 女子高生の体に入っているが、元は醜い見た目の男性だったため、依である宮本忍武の霊力を吸うと男性に変体する。

宮本 忍武 (みやもと しのぶ)

祖父が住職を務める寺で暮らす中学生の少年。両親の離婚や海外での仕事などの事情で6歳から和尚と共に暮らしている。幼い頃から霊感が強かったが、それが嫌で霊的な事柄全般に嫌悪感を抱いている。交通事故で亡くなった夕佳は、姉のように慕っていたが初恋の相手でもあった。夕佳の顔と体で横柄な態度や言動を繰り返すとかげに反発していたが、彼の依となり彼の過去を知るうちに少しずつ心を許していく。

夕佳 (ゆうか)

宮本忍武の近所に住む女子高生。17歳の若さで交通事故に巻き込まれ亡くなってしまう。母子家庭で育ち、忍武のことを弟のように可愛がっており、学校嫌いな忍武を家まで迎えに行っていた。しかし、事故当日、寝坊をしてしまい忍武を迎えに行けなかったことが遺恨となって、忍武を依にしてしまう。

和尚 (おしょう)

宮本忍武の祖父で寺の住職。とかげの正体や伝説を知りながら彼を匿っている。孫である忍武を霊的なものから守るため寺に結界を張り巡らせており、自身も霊力を持つ。見ただけでとかげのサイズに合った服や下着を用意したり、過去にドスでわき腹を刺された経験があるなど得体の知れない人物。

俊慧 (しゅんけい)

和尚の弟子。修行中のところを寺が忙しいという理由で和尚に呼び戻されたが、本当はとかげの監視と宮本忍武を守ることを目的として帰ってきた。大男で坊主頭にピアス、全身に入れ墨が入っているなんともチャラい見た目だが、7年前はヒョロっとした眼鏡をかけた真面目な風貌だった。霊感はまったくなく、主に力仕事を担当している。

(さかき)

環境省総合環境政策局第三種特殊災害対策本部の部長。常に胸元の開いたスーツを着ているスタイルのいい美女で、国の霊的治安を守るべくとかげを捕獲しようとしている。特殊災害対策本部は殆ど女子で構成されているが、それは榊の趣味である。好きなものはかわいい女の子。嫌いなものは毛深い男と耳に穴を開けている男、そして仕事のできないメガネ。

栗山 (くりやま)

環境省総合環境政策局第三種特殊災害対策本部の役人で榊の部下。真ん中わけのオールバックにメガネをかけた男性で、代々続く神社を営む家庭に育ったため式神を操れる。圧倒的に女性が強い特殊災害対策本部では唯一の男性で、主な仕事は榊のサンドバッグになることや運転手、女子社員のお茶くみなど。

榛木 (はるき)

ちとせの父親で医師。特効薬のない遺伝性の疾患で妻を亡くしたが、娘も同じ病で陽性の反応が出てしまう。医師として妻を救えなかったことを悔やんでおり、患者である老婆から不死であるとかげの伝説を聞きつけ、娘の命を救うために、とかげの血肉を狙っている。

ちとせ

榛木の娘。特効薬のない遺伝性の疾患で母親を亡くし、自身も同じ病にかかっている少女。霊感が強く母親を連れて行った霊的存在を「黒いひとたち」と呼んでおり、彼らと会話をすることが可能。そのおかげでとかげの居場所をつきとめた。

鹿島 光緒 (かしま みつお)

宮本忍武のクラスに編入してきた同級生。自ら霊感があると語り、同じ霊感を持つ忍武に付きまとい家にまで押しかける。とかげの存在に気づいており、家にいるはずの女性について忍武にしつこく問いただす。首筋に産まれつきの痣がある。

(かずら)

とかげの双子の姉で、山奥の村で祖父と2人暮らしをしていた。双子の弟であるとかげが醜い容姿で産まれ、人里離れた岩屋の奥に捨てられていたためしょっちゅう会いに行っていた。だが飢饉に見舞われた村を助けるため、山神に捧げられる巫女として神降ろしを行うことになる。

その他キーワード

死霊 (しりょう)

死の呪いがかかったこの世にあらざる者。あるはずのない魂が存在するとは、飽和状態に無理やり何かを詰め込むことであり、当然その場所にはひずみが生じ霊脈が乱れて連鎖的に霊障を引き起こす。そのため、国の霊的治安を守るべく環境省に特殊災害対策本部が設立された。

(より)

とかげが憑依する体の持ち主が生前に遺恨を残した相手のこと。憑依した直後はとかげも力が弱っているため、最後に遺恨を残した相手の側でしか活動できなくなり、依である人物から霊力を貰い続けないと、その体は腐ってしまう。

神降ろし (かみおろし)

大昔に山奥の村で飢饉が起きた際、雨乞いのために行われる禁じられた秘祭。巫女に神を降ろし人外の存在とさせる儀式のことだが、神降ろしを行った巫女は神に近い存在となり、儀式が終わると山神への生贄として捧げられる。

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