訪問者

訪問者

少年が、母を殺した父と旅に出ることで、初めて父と心を通わす姿を叙情的に描いた父子の人間ドラマ。

正式名称
訪問者
ふりがな
ほうもんしゃ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
コミック文庫(女性)(小学館)
巻数
既刊1巻
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概要・あらすじ

愛する両親が不和になっていくのを感じていた9歳の少年オスカー・ライザーは、母ヘレーネ・ライザーの拳銃事故による死が、父グスタフ・ライザーによって殺害されたということに気付いていた。そんな中、グスタフと共に旅へ出たオスカーは、初めて父と心を通わす。同作者萩尾望都の作品『トーマの心臓』のメインキャラクターオスカー・ライザーの前日譚にあたる。

登場人物・キャラクター

オスカー・ライザー

9歳の少年。父グスタフ・ライザーは、二人きりの時は優しいが、家庭ではオスカーを無視していたが、母ヘレーネ・ライザーには溺愛して育てられた。音楽と絵画の習い事をしており、どちらの才能も高く評価されている。オスカー自身は両親共に愛しているが、二人の不和により、家庭に身の置き所がなく感じていた。 グスタフの殺人を知りながら、父を庇う。本作品『訪問者』は、同作者萩尾望都の『トーマの心臓』の前日譚にあたる。また、オスカーの名前とデザインを同一とするキャラクターは、『花嫁をひろった男』を初めとする萩尾望都初期作品群にゲストとして多く登場している。

グスタフ・ライザー

オスカー・ライザーの父親。写真家だが芸術性が高いためかあまり売れていない。放浪癖がある。趣味は料理と狩り。妻ヘレーネ・ライザーとの間に子供はできないという診断が病院から出ているにも関わらず、生まれたオスカーに対して、家庭では無視をするような態度を取っている。ヘレーネへの不信から不和が高まり、ついに別れ話の勢いでオスカーが学生時代の友人ルドルフ・ミュラーの子であると告白されたことから、反射的にヘレーネを射殺する。 大型犬のシュミットを飼っている。本作品『訪問者』の後日譚にあたる同作者萩尾望都の『トーマの心臓』にもオスカーの回想によって登場する。

へレーネ・ライザー

オスカー・ライザーの母親。商社に勤めている。夫グスタフ・ライザーとの間に子供はできないという診断が病院から出ているにも関わらず、放浪癖を持つ夫を家に引き止めたいと考え、子供を熱望するあまり、学生時代の友人であるルドルフ・ミュラーに理由を話して息子オスカーを授かる。しかしこれによってグスタフの不信が高まってしまい、次第に家庭不和となっていった。 別れ話を切り出した際に、ルドルフの名前を出してしまい、狩りから帰ったばかりで鉄砲を持っていたグスタフによって射殺される。本作品『訪問者』の後日譚にあたる同作者萩尾望都の『トーマの心臓』にもオスカーの回想によって登場する。

バッハマン

初老の男性刑事。オスカー・ライザーの母ヘレーネ・ライザーの死亡事故の現場検証を行いにきた。いくつかの状況や証言から、グスタフが殺人を犯したという確信を持つが、証拠があげられずにいる。

ルドルフ・ミュラー

グスタフ・ライザーとヘレーネ・ライザーの大学時代の友人。昔ヘレーネ・ライザーにプロポーズしたことがある。現在はシュロッターベッツギムナジウムの校長を務めている。本作品『訪問者』の後日譚にあたる同作者萩尾望都の『トーマの心臓』にも登場する。

書誌情報

訪問者 1巻 小学館〈コミック文庫(女性)〉

第1巻

(1995-08-10発行、 978-4091910141)

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