ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア

大森藤ノの同名小説のコミカライズ作品で、作者の矢樹貴にとってはデビュー作にあたる。『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の外伝であり、本編でサブキャラクターだったアイズ・ヴァレンシュタインが主人公となっている。また、同じロキ・ファミリアの冒険者たちを初めとする多くのキャラクターの群像劇としての側面も持ち、地下迷宮での冒険や、その謎を巡る戦いが描かれる。2017年、TOKYO MX他で『ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝』のタイトルでTVアニメ化もされている。

正式名称
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア
ふりがな
だんじょんにであいをもとめるのはまちがっているだろうかがいでん そーど おらとりあ
原作者
大森 藤ノ
漫画
ジャンル
ファンタジー
レーベル
ガンガンコミックスJOKER(スクウェア・エニックス)
巻数
既刊27巻
関連商品
Amazon 楽天

世界観

ヒューマンやエルフ、ドワーフなど多くの種族が暮らすファンタジー世界において、モンスターを産み出す唯一の場所「地下迷宮」と、その周辺に築かれた街「オラリオ」を舞台としている。オラリオには多くの「神」が暮らしており、それぞれの神々を中心にした「ファミリア」と呼ばれる組織が存在する。各ファミリアは冒険や生産活動など、それぞれの営みに従事している。冒険者の能力は、「ステイタス」と呼ばれる各種数値によって表され、中でも最も重要なのは「Lv.(レベル)」である。オラリオ最強の冒険者であるオッタルでもLv.7と、基本的にレベルを上げるのは非常に困難であり、数値を1つでも上げることは大きな意味がある。鍛冶師(スミス)などの生産職においても同様で、レベルによって能力が大幅に向上する。そのため、職人であっても通常は冒険者とともに地下迷宮に挑み、レベル上げに勤んでおり、高位の職人ともなれば、並の冒険者をゆうに凌ぐ戦闘能力を持っている。地下迷宮は階層構造になっており、まったくモンスターの出現しない安全地帯もあれば、「迷宮の孤王」と称される強大なモンスターが数か月周期で出現する階などもある。

あらすじ

第1巻

アイズ・ヴァレンシュタインと、その仲間であるロキ・ファミリアは、地下迷宮の深層攻略を目指す「遠征」を行っていた。しかし深層階で、強酸によって武器や防具を溶かす能力を持った新種のモンスターに遭遇し、総員撤退することになる。その途中、多くのミノタウロスが出現する「怪物の宴(モンスターパーティー)」が発生。逃げ惑うミノタウロスの群れが未熟な冒険者のいる上層階へと向かってしまい、ロキ・ファミリアはその討伐に大わらわとなる。そんな中、アイズは5階層でミノタウロスに襲われていた新人冒険者の少年を助けるが、その少年はアイズの顔を見て、真っ赤になって逃げ出してしまう。その時のアイズには知る由もなかったが、これがアイズとベル・クラネルの最初の出会いであった。

第2巻

遠征から全員無事に生還したことを祝し、ロキ・ファミリアは酒場で祝杯を挙げる。その場でベート・ローガが、5階層でミノタウロスに襲われていたベル・クラネルを侮辱する言葉を口にするが、偶然にも同じ店内にいたベルは、居たたまれなくなってその場から逃げていく。アイズ・ヴァレンシュタインはベートの態度に冷たい怒りを感じると同時に、ベルに対して居心地の悪い感情を覚える。その後、街中で「調教(テイム)」されていたはずのモンスターたちが逃げ出して暴れるという事件が起こり、アイズらはその討伐でさらなる手柄を立てることとなる。

第3巻

ロキ・ファミリアのメンバー数人で地下迷宮に資金稼ぎに向かうことになり、アイズ・ヴァレンシュタインもそれに参加した。ところが、安全地帯であるはずのリヴィラの街で、アイズたちは殺人事件に巻き込まれてしまう。被害者がかなり腕の立つ冒険者であることから、犯人は、それよりさらに強大な力を持った存在であると推測された。どうにか犯人の女、レヴィスを捕捉することに成功したアイズであったが、そのレヴィスから「お前がアリアか」と言われ、大きなショックを受ける。

第4巻

アリアとはアイズ・ヴァレンシュタインの母親の名であるが、その事実はトップシークレットとなっており、ロキ・ファミリアの中でもごく限られたメンバーしか知らないはずのことだった。アイズと互角に渡り合う力量を示した後、ロキ・ファミリアの増援がやって来たためレヴィスは逃走し、結局、その真意は分からずじまいとなる。自分の力に限界を感じたアイズは、修行を兼ねて単身でのウダイオスの討伐という難事業に挑み、激戦の末、どうにかそれを成し遂げるのだった。

第5巻

ウダイオスを倒した帰りの浅い階層で、アイズ・ヴァレンシュタインベル・クラネルと再会する。リヴェリア・リヨス・アールヴの差し金で、気絶しているベルに「膝枕」を敢行するアイズであったが、目を覚ましたベルは驚きのあまり脱兎の如く逃げ去り、アイズを落ち込ませ、リヴェリアを苦笑させるのであった。その後、ギルドの冒険者アドバイザーであるエイナ・チュールから、ベルが危機に陥っているという情報を伝えられたアイズは、その救援に向かう。救援自体はあっけなく解決したが、今度は素顔を隠した謎の人物から依頼を受け、24階層で大量発生したモンスターの排除というクエストを受ける。こうして、アイズはリヴィラの街で合流したヘルメス・ファミリアの面々とともに、24階層に向かうことになった。また、アイズに対する援軍として、レフィーヤ・ウィリディスベート・ローガフィルヴィスらもその後を追う。やがて24階に辿り着いたアイズたちは、そこで脈動する生きた巨壁を目撃する。

第6巻

魔法で巨壁を破って進入したところ、その中は迷路になっていた。食人花が出現し、戦闘になる中、突如として展開された壁によりパーティーは分断され、アイズ・ヴァレンシュタインは孤立。そして、アイズの前にはレヴィスが姿を現すのだった。自分はアリアではないと訴えるアイズに対して、レヴィスはそんなはずはないと主張し、結局会話は平行線のまま、2人は戦闘に突入する。一方、分断されたヘルメス・ファミリアの面々は、自らを「闇派閥の残党」であると称する、自爆攻撃を敢行する集団と戦闘になる。正体不明の仮面の男も登場し、ヘルメス・ファミリアの団員たちは1人、また1人と倒れていく。そんな中、ようやく一行に追いついたベート・ローガレフィーヤ・ウィリディスフィルヴィスの3人が救援に現われる。

第7巻

謎の仮面の男はベート・ローガの蹴撃によって仮面を砕かれ、その正体が数年前に死んだはずの賞金首「白髪鬼」ことオリヴァス・アクトであったことが判明する。自分は人とモンスターの異種混成であると語るオリヴァスだが、結局戦闘に破れ、レヴィスによって殺害される。アイズ・ヴァレンシュタインとベートがレヴィスとの戦いにかかりきりになる中、ヘルメス・ファミリアレフィーヤ・ウィリディスは膨大な数の食人花に包囲される。絶体絶命かと思われた状況で、レフィーヤが、自分が範囲攻撃魔法で敵を薙ぎ払うから、魔法を詠唱する間、自分を守るように指示。ヘルメス・ファミリアの団員たちは、文字通り命を捧げてレフィーヤを守り抜き、レフィーヤは敵を駆逐した。それと同時に、アイズもレヴィスに深手を負わせることに成功する。

第8巻

レヴィスは多くの謎を残したまま逃走し、アイズ・ヴァレンシュタインらは生き残りをまとめて撤収する道を選ばざるを得なかった。去り際にレヴィスは「59階層に行け」という言葉を残していたため、アイズの進言もあって、ロキ・ファミリアは未踏の領域である59階層を目指す大規模な遠征に乗り出すことになる。遠征には準備期間が必要であるため、アイズは久々にまとまった休暇を得ることになった。その矢先、ベル・クラネルとまた再会し、ようやく言葉を交わし合える関係となったアイズは、ベルの常人離れした成長速度に対する関心もあり、短期間ながら剣技を教えることになる。一方、その事実を知って面白くないのは、アイズに深い憧憬を抱いているレフィーヤ・ウィリディスである。レフィーヤは自分もアイズから何か習いたいと言い出し、剣士と魔導士という関係ではあるが、アイズはレフィーヤが並行詠唱を習得するための訓練に協力することになるのだった。

第9巻

遠征を開始したアイズ・ヴァレンシュタインの前に突如として立ちはだかったのは、最強の冒険者として知られる「猛者」オッタルであった。自分でさえまったく歯が立たないオッタルの力量にアイズは驚愕するが、そこにロキ・ファミリアの面々が続々と駆け付け、状況不利を悟ったオッタルは去って行く。その後、アイズはベル・クラネルがミノタウロスと戦っているところに遭遇。だが、割って入ろうとするアイズを制したベルは、格上のモンスターであるミノタウロスを1人で倒すことに成功し、場に居並んだ人々を驚嘆させるのだった。そして遠征隊は、「竜の壺」の異名を持つ52階層に到達する。そこは、58階層に坐する巨大な龍のヴァルガング・ドラゴンの砲撃が階層を突き破って襲い来る、地獄のような領域であった。

原作

大森藤ノの小説『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』が、シリーズ全体のベースに当たる本編となる。本作『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア』は、その外伝であり、同じく大森藤ノの手による同名小説が原作となっている。

コラボレーション

チェインクロニクル3

2017年の10月10日から19日にかけ、SEGAのスマートフォン向けオンラインカードバトルRPG『チェインクロニクル3』とのコラボレーションが行われ、同ゲーム内にアイズ・ヴァレンシュタインフィン・ディムナリヴェリア・リヨス・アールヴらがレアキャラクターとして登場した。

オルタナティブガールズ

2017年4月30日から5月19日にかけ、サイバーエージェントのVR対応ゲームアプリ『オルタナティブガールズ』とのコラボレーションが行われた。同ゲームのキャラクターの着せ替えコスチュームとして『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア』のキャラクターの衣装が登場したり、同じく同ゲームのキャラクターたちが「オラリオ」に迷い込んで冒険するイベントなどが行われた。

ウチの姫さまがいちばんカワイイ

2017年9月16日から10月7日にかけ、サイバーエージェントのスマートフォン向け弾丸アクションRPG『ウチの姫さまがいちばんカワイイ』とのコラボレーションで、全プレイヤー向けログインボーナスとして、ボイス付きでアイズ・ヴァレンシュタインが登場するなどのキャンペーンが行われた。

明神カフェ

東京・秋葉原のBistro Entertainment(ビストロエンターテインメント)カフェ「明神カフェ」において、2017年8月の2日から14日にかけて、TVアニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』並びに『ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝』とのコラボレーション企画が開催され、コラボメニューやキャラクターイメージドリンクが提供された。

メディアミックス

TVアニメ

TOKYO MX他で2017年4月から7月にかけて『ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝』のタイトルで、本作『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア』のTVアニメ版が全12話で放映された。監督は鈴木洋平が務め、アイズ・ヴァレンシュタイン役を大西沙織、レフィーヤ・ウィリディス役を木村珠莉、ティオネ・ヒリュテ役を高橋未奈美が演じている。

WEBラジオ

TVアニメ『ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝』の放送に合わせ、「音泉」で、2017年3月31日から7月28日まで、毎週金曜日に『ラジオ「ソード・オラトリア」~魔導士とアマゾネス~』が配信された。パーソナリティーは、レフィーヤ・ウィリディス役の木村珠莉と、ティオネ・ヒリュテ役の高橋未奈美が務めた。

登場人物・キャラクター

アイズ・ヴァレンシュタイン (あいずゔぁれんしゅたいん)

ロキ・ファミリア所属の冒険者の少女。種族はヒューマンで、二つ名は「剣姫」。その戦闘狂的性向を恐れられ、「戦姫」ともあだ名される。愛用の武器は「デスペレート」という名の、不壊属性を付与された、決して壊れることのない片手剣。エアリエルという魔法を使うことができ、これを利用した必殺技「リル・ラファーガ」を得意とする。 ただひたすらに自らの力の向上を求める、ストイックでひたむきな生き様の持ち主。一方で男女関係の機微にはさっぱり疎く、はたからは誰の目にも明らかな、ベル・クラネルが自分に向ける好意にすら気付いていない。レヴィスからは「アリア」と呼ばれているが、それはアイズ・ヴァレンシュタインの母親の名であり、なぜレヴィスがそう呼ぶのかは不明である。 ヘスティアは「ヴァレン何某」という呼び方を使っている。

レフィーヤ・ウィリディス (れふぃーやうぃりでぃす)

ロキ・ファミリア所属の女性冒険者。種族はエルフであるため、外見は若いが年齢不詳。二つ名は「千の妖精(サウザンドエルフ)」。「召喚魔法(サモン・バースト)」という極めてレアな魔法の使い手である魔導士であり、高いポテンシャルを誇る。しかし、冒険者としての経験はまだ浅く、レフィーヤ・ウィリディス自身は自分の能力に不甲斐なさを感じている。 のちに、アイズ・ヴァレンシュタインとフィルヴィスの協力のもと、訓練の末に並行詠唱を使えるようになる。アイズに対して、強い憧れの感情を抱いている。

ティオネ・ヒリュテ (てぃおねひりゅて)

ロキ・ファミリア所属の冒険者の少女。種族はアマゾネスで、二つ名は「怒蛇」。ティオナ・ヒリュテの双子の姉。キレると手が付けられなくなる性格の持ち主で、素手でも強いが、さまざまな武器を操る。またフィン・ディムナを一方的に熱愛しており、フィンと結婚するのは自分であると日々主張して、フィンを困惑させ、周囲を恐れさせている。

ティオナ・ヒリュテ (てぃおなひりゅて)

ロキ・ファミリア所属の冒険者の少女。種族はアマゾネスで、二つ名は「大切断」。ティオネ・ヒリュテの双子の妹。「大双刀(ウルガ)」という、アマゾネスでなければ扱うことのできない、オーダーメイドの巨大な両刃双剣を好んで用いる。

フィン・ディムナ (ふぃんでぃむな)

ロキ・ファミリアの団長を務める男性の冒険者。種族は小人族(パルゥム)で、二つ名は「勇者」。小柄な少年のような外見をしているが、それは種族の特性によるものであり、実際の年齢は40歳前後。衰退している小人族の旗印となる、という壮大な野望のもと、長年にわたって地下迷宮に挑み続けている。

ベート・ローガ (べーとろーが)

ロキ・ファミリア所属の冒険者の若者。種族は狼人(ウェアウルフ)で、二つ名は「凶狼」。魔法を吸収して力に変える白銀の長靴「フロスヴィルト」を愛用し、足技主体で戦う。口が悪く、特に下位の冒険者に対して、しばしば見下したような言動を取る。

リヴェリア・リヨス・アールヴ (りゔぇりありよすあーるゔ)

ロキ・ファミリア所属の女性冒険者。種族はエルフであるため、外見は若いが年齢不詳。二つ名は「九魔姫」。オラリオ最強の魔導士であり、強大な攻撃魔法を操り、また並行詠唱を自在に使いこなす。エルフらしく高潔な性格で、種族同士で仲が悪いガレス・ランドロックとはかつては犬猿の仲であったが、今は信頼関係を築いている。

ガレス・ランドロック (がれすらんどろっく)

ロキ・ファミリア所属の壮年の男性冒険者。種族はドワーフで、二つ名は「重傑」。かつては種族同士で仲が悪いリヴェリア・リヨス・アールヴと喧嘩ばかりしていたが、今は信頼関係を築いており、いかなる時も沈着冷静なロキ・ファミリアのまとめ役となっている。

ロキ

ロキ・ファミリアの主神である女神。外見はスレンダーな少女のような姿をしており、関西弁風の喋り方をする。やたらと女好きで、セクハラ発言が大好き。アイズ・ヴァレンシュタインと2人きりになる時などは常に警戒されている。根は団員想いの優しい性格で、また他の神々の陰謀の雰囲気を察知することに長けているなど、切れ者でもある。

アスフィ・アル・アンドロメダ (あすふぃあるあんどろめだ)

ヘルメス・ファミリアで団長を務めている若い女性の魔道具作製者(アイテムメイカー)。種族はヒューマンで、二つ名は「万能者」。さまざまな秘薬やマジックアイテムなどを発明し、オラリオに名を馳せている。冒険者としても優れた戦闘能力、そして指導力を持ち、ヘルメス・ファミリアを統率している。

フィルヴィス

ディオニュソス・ファミリアで団長を務めている女性の冒険者。種族はエルフであるため、外見は若いが年齢不詳。二つ名は不明だが、27階層の悪夢と呼ばれる事件の生き残りとなって以来、パーティーを組んだ相手が何らかの理由で死亡する、ということを繰り返した。そのため、「死妖精」と呼ばれて、同じファミリアの団員からも恐れられ疎まれている。 並行詠唱の使い手であり、「魔法剣士」に分類される珍しい戦闘スタイルを持つ。「ディオ・グレイル」という防御障壁を展開する魔法を使える。

エイナ・チュール (えいなちゅーる)

ギルドの冒険者アドバイザーをしている若いエルフの女性。ベル・クラネルの担当で、ベルのことを気にかけており、ベルが何らかのトラブルに巻き込まれた際、それに対する救援をアイズ・ヴァレンシュタインに求めた。

レヴィス

リヴィラの街で発生した殺人事件の犯人。若い女性の姿をしているが、その正体は異種混成と呼ばれるモンスターと人との融合体であり、年齢などは不明である。アイズ・ヴァレンシュタインとも互角に渡り合える、強大な戦闘能力を持つ。正体が分からなかった頃は、外見上の特徴と、食人花を使役していた事実から、便宜的に「赤髪の調教師」と呼ばれていたが、実際には調教師ではない。 「アリア」なる存在について何かを知っている様子だが、詳細は不明。

オリヴァス・アクト (おりゔぁすあくと)

かつて「白髪鬼」の二つ名で知られた賞金首。男性であるが種族、年齢は不詳。6年前に「27階層の悪夢」と呼ばれる事件を主導した。その後、討伐隊に追い詰められ、モンスターに食い殺されたものと思われていた。実は異種混成と呼ばれる存在となって、生き延びていたことが判明する。その後、レヴィスによって殺害された。

ウダイオス

「白宮殿(ホワイトパレス)」と呼ばれる深層階の「階層主」である強大なモンスター。またの名を「白宮殿の黒き骸王」と呼ばれる、漆黒の巨大なスケルトンであり、腰から下は地中に埋まった姿をしている。スパルトイと呼ばれる人間大のスケルトンを無数使役する。通常は腕利きの冒険者が数十人がかりで倒すような大物であるが、アイズ・ヴァレンシュタインは一対一でウダイオスに戦いを挑んでこれを倒し、それによりLv.5からLv.6へとレベルアップを遂げた。

椿・コルブランド (つばきこるぶらんど)

ヘファイストス・ファミリアで団長を務めている若い女性の鍛冶師(スミス)。種族はハーフドワーフで、左目に眼帯をしており、二つ名は「単眼の巨師」。冒険が本業ではないとはいえ、冒険者としても非常に高い能力を持つ。ロキ・ファミリアの59階を目指した遠征に際し、連作《ローラン》を用意し、そして自らも遠征に参加する。ベート・ローガの愛用する銀靴「フロスヴィルト」の製作者でもある。

オッタル

フレイヤ・ファミリアで団長を務めている獣人の男性冒険者。頭に獣のような耳がある。年齢は不詳。オラリオでもただ1人しかいない最高の「Lv.7」で、都市最強の冒険者。巨躯であるが敏捷で、巨大な剣を軽々と操り、全力のアイズ・ヴァレンシュタインさえも翻弄する力を持つ。

ヘスティア

ヘスティア・ファミリアの主神である女神。外見は小柄で、グラマラスな少女のような姿をしている。ベル・クラネルを溺愛しており、ベルとの距離を徐々に詰めていくアイズ・ヴァレンシュタインに対し激しい嫉妬の火花を散らす。普段はジャガ丸くんという食べ物の店と、鍛冶屋の店員をかけもちしている。

ベル・クラネル (べるくらねる)

ヘスティア・ファミリア所属の冒険者の少年。本作の原作にあたる『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の主人公。種族はヒューマンで、「ファイアボルト」という無詠唱攻撃魔法の使い手。アイズ・ヴァレンシュタインに恋愛感情を抱いているが、アプローチする勇気はからきしなく、顔を合わせるたびに全力で逃走し、アイズを困惑させていた。 のちに一時的にだが、アイズに師事することになる。

集団・組織

ロキ・ファミリア (ろきふぁみりあ)

オラリオでも最強の一角をなすファミリア。アイズ・ヴァレンシュタインらが所属する。最古参のメンバーは、団長であるフィン・ディムナ、ガレス・ランドロック、リヴェリア・リヨス・アールヴの3人。シンボルマークは道化師。

ヘルメス・ファミリア (へるめすふぁみりあ)

アスフィ・アル・アンドロメダを団長とする組織。人数が多く、かなりの戦力を誇っている。主神であるヘルメスの方針で、本来はすべて公開するべき団員のレベルアップをギルドに秘匿しており、外部にはあまり実態が知られていない。

ギルド

オラリオの運営や管理を担う巨大組織。ウラノスを主神に戴いているが、ファミリアではなく、少なくとも表向きでは武力は持たないということになっている。地下迷宮に関するさまざまな情報を集約して管理したり、駆け出し冒険者のサポートをしたりと、その機能は多岐にわたる。

闇派閥 (いゔぁるす)

邪神を崇拝する過激派集団。秩序を嫌い混沌を望み、数々の悪行を引き起こしてきたが、その中でも特に凄惨なものとして知られるのが、6年前に発生した「27階層の悪夢」と呼ばれる事件である。事件の後、闇派閥に与する神々とそのファミリアはすべて討伐された、と考えられていた。のちにヘルメス・ファミリアが地下迷宮で闇派閥の残党と呼ばれる集団と遭遇することになる。

場所

地下迷宮 (だんじょん)

多くのことが謎に包まれている地下迷宮。いつからあるのか、誰が作ったのか、あるいはなぜあるのか、そして最深部はどうなっているのか、一切が不明。階層構造を持ち、多くのモンスターが存在するが、基本的に彼らは「迷宮の壁などから自然に生まれて」出現する。また、迷宮の壁などを破壊しても、一定時間で再生する。これらのことから、「地下迷宮は生きている」といわれている。 なお、破壊された壁が自然再生している間はモンスターが出現しないため、冒険者たちはそれを利用して休息を取る。

迷宮の楽園 (あんだーりぞーと)

地下迷宮の18階層のこと。基本的に階全体がモンスターを産出しない「安全地帯」となっており、「迷宮の楽園(アンダーリゾート)」の名で呼ばれている。時間周期で光量を変える水晶が多量にあるため、独自の朝・昼・夜が存在する。また、この階層には「リヴィラの街」が存在する。なお、18階層より下層にも安全地帯の階層は存在する。

リヴィラの街 (りゔぃらのまち)

地下迷宮の第18階層、「迷宮の楽園(アンダーリゾート)」の中にある、古くからの宿場町。冒険者たちが築いたもの宿を営むもの、道具を売るもの、モンスターからのドロップアイテムを買い取って証文を発行するものなど、各々が商売に励んでいる。一般の商人は原則的におらず、街にいるほとんどが、ある程度以上腕の立つ冒険者である。 現在、リヴィラの街を取り仕切っているのは、ボールス・エルダーという、眼帯をした中年の男性冒険者。モンスターの出現しない階層にあるとはいえ、異常事態(イレギュラー)の発生によって街が壊滅したり放棄されたりといったことは日常茶飯事であり、創建から現在までに三百数十回壊滅して、そのたびに再建されている。

オラリオ

広大な市域を持つ「迷宮都市」。地下迷宮に挑む冒険者たちのための簡易施設から始まり、長い年月を経て成長を遂げた。現在、地下迷宮の真上には摩天楼施設(バベル)という巨塔が建造されている。そこにウラノスという神がおり、モンスターの脅威がオラリオの外部に及ばないよう守護している。

黄昏の館 (たそがれのやかた)

オラリオにある、ロキ・ファミリアの本拠(ホーム)。城というべき威容を誇っている。大食堂や、シャワー付きの大浴場などもあり、ロキ・ファミリアのメンバーは、オラリオにいる時は基本的にここで起居している。アイズ・ヴァレンシュタインの私室もこの中にあるが、最低限の調度しかなく殺風景。

イベント・出来事

27階層の悪夢 (にじゅうななかいそうのあくむ)

6年前に起きた事件。その頃まだ活動していた、オリヴァス・アクト率いる闇派閥が主導したもの。当時の有力パーティーを27階層に集め、故意に大量発生させたモンスターとの間での大混戦を引き起こし、現場は地獄絵図と化した。フィルヴィスは、その数少ない生き残りの1人である。

その他キーワード

エアリエル

アイズ・ヴァレンシュタインが唯一使用することのできる魔法。「風」と表記することもある。詠唱は非常に短く、「テンペスト(目覚めよ)」の一言だけ。直接的な破壊力はないが、武器や防具に風をまとわせて、さまざまな補助的効果を及ぼす。アイズの必殺技「リル・ラファーガ」は、エアリエルの力を推力に変換し、敵に突進するという応用技である。

アリア(精霊)

古い英雄譚に登場する精霊の名。精霊とは神の分身であり、数百年に及ぶ寿命、エルフ族を超える魔力、そして「奇跡」と呼ばれる力の行使者であるとされる。アリアは『迷宮神聖譚ダンジョン・オラトリア』などの物語に登場し、さまざまな活躍をする。アイズ・ヴァレンシュタインの母親の名も「アリア」であるが、精霊には子を生(な)す能力はないとされており、両者の間に関係があるのかどうかなどは謎。 また、レヴィスはアイズのことを「アリア」と呼ぶが、その意味するところも不明である。

召喚魔法 (さもんばーすと)

エルフの魔導士、レフィーヤ・ウィリディスが用いる魔法。魔法を召喚する魔法であり、「同胞であるエルフの魔法であり、詠唱とその効果を完全に把握している」という条件のもと、「魔法2つ分の詠唱時間と精神力」を費やすことにより、事実上、ありとあらゆる魔法の詠唱が可能になるという、極めて貴重なレアマジック。レフィーヤの二つ名「千の妖精」は、この能力にちなんで付けられている。

魔導士 (まどうし)

魔法による攻撃や支援を専門とする職種。強敵や多数の敵との戦いにおいて、攻撃の要となる高い火力を持った存在であるが、並行詠唱を使えるごく一部の冒険者を除いて、攻撃魔法の発動には、一定時間足を止める必要がある。そして一般的に、威力の高い魔法には、威力に比例して長い詠唱が求められる。従って、前衛職が敵を食い止め、その間に魔導士が魔法を詠唱して敵を一掃する、というのがパーティー戦における基本的な戦い方である。 なお、魔導士といえども使える魔法は1人3種類までと決まっており、レフィーヤ・ウィリディスのような特殊な能力を持つ例外を除き、高位の魔導士であっても、その制約に縛られる。

宝玉 (ほうぎょく)

モンスターの胎児のようなものが封じられた半透明の球体。レヴィスは「たね」と呼んでいる。複数存在する。中の「胎児」が食人花に寄生すると、その食人花は「巨大花」に変貌する。レヴィスら異種混成たちが重要なアイテムとして扱っているが、詳細は不明である。

異種混成 (はいぶりっど)

人とモンスターとが融合し、その2つの力を兼ね備えた存在。オリヴァス・アクトとレヴィスの2名が確認されている。オリヴァスが「彼女」と呼ぶ謎の存在の「眷属」であるといわれる。しかし、高い戦闘能力を持つこと、そして同じ眷族にあたる食人花を使役する能力を持つこと以外、詳細は謎に包まれている。

食人花 (ゔぃおらす)

巨大な花のような姿をしたモンスター。「巨大花(ヴィスクム)」と呼ばれる上位種から生み出される。巨大花は人間と植物が融合したような姿の超巨大モンスターである。なお、通常のモンスターは地下迷宮の壁から発生するので、食人花の発生機序は極めてイレギュラーなものである。オリヴァス・アクトによれば「彼女」なる存在の眷属であるというが、詳細は不明。

迷宮の孤王 (もんすたーれっくす)

特定の階層、特定の場所にのみ現れる強大なモンスター。他のモンスターと違い、一度倒されると、個体によって若干の差はあるが、数か月に及ぶ一定の時間が経たないと再出現しないという法則がある。17階層の「ゴライアス」、深層階を守る「ウダイオス」などが知られる。「迷宮の孤王」が正式な名称であるが、実際にはほとんどの冒険者が「階層主」と呼んでいる。

強化種 (きょうかしゅ)

次々に他のモンスターを喰らい、強化を続けた個体。通常はモンスター同士で争うことはないが、ごくまれに他のモンスターの持つ核「魔石」の味を覚えてしまう個体が出現し、これが強化種となる。中でも有名な個体に、上級の冒険者を50人ほども返り討ちにした末、最後はオッタルが率いるフレイヤ・ファミリアによって討伐された「血塗れのトロール」と呼ばれた強化種がいる。

並行詠唱 (へいこうえいしょう)

移動しながら魔法を詠唱する技術。「火薬の大樽を担いで火の海を走る」に等しい、極めて危険で難易度の高い技術であり、実践できる者は滅多にいない。リヴェリア・リヨス・アールヴやフィルヴィスなどが可能とする。通常、魔法の詠唱には集中力が求められるため、停止した状態で行うが、並行詠唱の使い手はその特例となる存在である。

連作《ローラン》 (しりーずろーらん)

「不壊属性(デュランダル)」を持つ、決して壊れることのない5振りの武器。51階層以降に、強酸で装備などを溶かしてしまう巨大な芋虫のようなモンスターが存在することを知ったロキ・ファミリアが、オラリオ最高の鍛冶集団であるヘファイストス・ファミリアに製作を依頼した。

開錠薬 (すていたすしーふ)

通常、ステイタスは各個人の背中に記されているが、重要な情報であるため、「神の錠(ロック)」によって不可視の状態にされていることが多い。それを解除して視認できるようにするもの。その性質上、高価で貴重、かつ非合法なアイテムである。

クレジット

原作

キャラクター原案

, はいむら きよたか

ベース

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (だんじょんにであいをもとめるのはまちがっているだろうか)

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大森藤ノの小説『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー』のコミカライズ作品。元冒険者のエルフ、リュー・リオンを主人公としている。迷宮都市、オラリ... 関連ページ:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー

書誌情報

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア 27巻 スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックスJOKER〉

第22巻

(2022-07-22発行、 978-4757580329)

第23巻

(2023-01-25発行、 978-4757583528)

第24巻

(2023-01-25発行、 978-4757583535)

第25巻

(2023-06-12発行、 978-4757586208)

第26巻

(2023-11-25発行、 978-4757589148)

第27巻

(2024-03-22発行、 978-4757591134)

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