イエス

イエス

新約聖書の『マルコ福音書』『ヨハネ福音書』をベースに、作者安彦良和自らの解釈を交えて、独自の視点からイエス・キリストの実像に迫った全編オールカラーの伝記漫画。

正式名称
イエス
ふりがな
いえす
作者
ジャンル
自伝・伝記
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登場人物・キャラクター

ヨシュア

ナザレのイエスと同じ名を持つ少年(「ヨシュア」はギリシャ読みで「イエス」となる)。父親がケガの後遺症により仕事のできない身体であるため、幼い頃から大工仕事をして、父親と妹のサラを養ってきた。バラバに命じられてイエスに近づくが、やがて彼の教えに傾倒。イエスに従ってエルサレムに向かうことになる。新約聖書に登場するイエス・キリストの「名前のない弟子」をもとに生み出された架空の人物。

ナザレのイエス

ガリラヤ出身のユダヤ人宗教者の男性。旧来のユダヤ教律法学者とは一線を画した独自の教えを説き、多くの者たちに慕われている。ユダヤ民族の危機に現れ、神の国を招来する「救世主(メシア)」ではないかと噂されている。一方で、偽予言者と非難する者も多く、さまざまなユダヤ教勢力から警戒される存在となっている。実在の人物、イエス・キリストがモデル。

サラ

ヨシュアの4歳年下の妹。母親がおらず、父親もケガの後遺症で働くことができないため、幼いながら家のことを一手に引き受けている。「何もしてはいけない日」とユダヤ教の戒律で定められている安息日に病で倒れ、助けを呼ぶことができずに死にかけるが、ナザレのイエスが治療を施したおかげで一命を取り留めた。この件を機に、ヨシュアはイエスに心酔することになる。

ペトロ

ナザレのイエスの一番弟子を自認する男性。漁師をしていたが、イエスの教えに感銘を受け、弟のアンデレとともにイエスの弟子になった。尊大で愚痴っぽく、何かと口数が多い。イエス一党の幹部格にして古参の弟子であることを鼻にかけており、イエスの寵愛を受けるマグダラのマリアに嫉妬している。新約聖書に登場する人物、ペトロがモデル。

イスカリオテのユダ

ナザレのイエスの弟子で、イエス一党の会計係をしている男性。人々の支持をイエスに集めるために、密かに食糧を買い集めて配るなど、頭の回転が早く抜け目がない。実は前ユダヤ教大祭司であるアンナスの命令で、イエスのことを探っているスパイ。イエスを殺害するよう、カヤパとアンナスに進言する。新約聖書に登場する人物、イスカリオテのユダがモデル。

バラバ

ヨシュアにナザレのイエスを探るように命じた隻眼の男性。対ローマ帝国強硬派の「熱心党(ゼロテ)」に属している。反ローマの戦いを起こすため、人々から「救世主(メシア)」とあがめられているイエスに、エルサレムのユダヤ人を束ねさせようと目論んでいる。新約聖書に登場する人物、バラバがモデル。

アゼル

ナザレのイエスと同郷のガリラヤ出身の男性。イエスを利用しようとするバラバの手の者。ガリラヤの神殿がローマ兵に荒らされたことを知らせ、イエスたちに反ローマの気運を植えつけようとした。イエスが狙いどおりに動かなかったため、彼のことを偽預言者とののしるが、皮肉にもエルサレムでイエスとともに磔刑に処されることになる。

マグダラのマリア

ナザレのイエスを慕う女性。イエスから格別の寵愛を受けており、ペトロら幹部格の弟子たちから白眼視されている。イエスへの想いは誰よりも強く、捕縛されたイエスを見捨ててほとんどの弟子が逃げるなか、最後まで彼の側に残る。新約聖書に登場する人物、マグダラのマリアがモデル。

マタイ

ガリラヤでローマ帝国の徴税人をしていた男性。ガリラヤ市民の恨みを買っており、放火されて家を失う。そんな彼にも分け隔てなく教えを説いたナザレのイエスに心打たれ、彼の弟子になる決意をする。新約聖書に登場する人物、マタイがモデル。

ベタニアのラザロ

ナザレのイエスの友人の男性。エルサレムでローマ兵の暴行を受けて重傷を負う。その時、死んだとみなされて墓に葬られるが、蘇生を果たす。これが、イエスが死者を蘇らせる奇跡を起こした、という評判の原因となった。ちなみにベタニアのラザロ自身もまた、イエスの力で生き返ったと信じている。新約聖書に登場する人物、ラザロがモデル。

ヤコブ、ヨハネ

ナザレのイエスに仕える兄弟。ヤコブが兄、ヨハネが弟。どちらも幹部格の弟子で、ペトロとともにイエスのタボル山行きに同行。イエスが山の頂でエリヤ、モーセら旧約聖書に登場する預言者たちと語り合う姿を目撃する。おべっか使いで、イエスが栄光の座についたら、自分たち兄弟を左右に座らせてほしいとねだり、イエスにたしなめられる。 新約聖書に登場する人物、ヤコブとヨハネの兄弟がモデル。

アンナス

先代のユダヤ教大祭司を務めた男性。人々の支持を集めるナザレのイエスを危険視しており、スパイとしてイスカリオテのユダを送り込む。しかし、イエスが本物の「救世主(メシア)」である可能性も捨てきれず、どのように扱うべきか対応に苦慮している。実在の人物、アンナスがモデル。

カヤパ

現在のユダヤ教大祭司。アンナスの娘婿。冷徹な男性で、ナザレのイエスが反ローマ勢力に利用され、ローマ帝国との和が乱れることを警戒。エルサレムに来たイエスを捕え、総督のピラトに、「神の子」を詐称した罪で処刑するよう求める。実在の人物、カヤパがモデル。

ピラト

ユダヤの地を間接統治しているローマ帝国のエルサレム総督。ナザレのイエスへの関心はほとんどなく、カヤパらの言うまま「神の子」を詐称する者として、イエスに死刑の判決を下す。その際、イエスに「もしもおまえがウソつきでなかったら、私は神の子を十字架にかけた男として歴史に残ってしまうわけだな」と皮肉を述べた。実在の人物、ピラトがモデル。

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