アライブ 最終進化的少年

地球外の存在によって、特殊な能力を得た人々が狂奔する姿を描いたSF作品。

正式名称
アライブ 最終進化的少年
ふりがな
あらいぶ さいしゅうしんかてきしょうねん
原作者
河島 正
作画
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
バトル
レーベル
講談社コミックス月刊マガジン(講談社)
巻数
全21巻
関連商品
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あらすじ

悪夢の1週間編(第1巻~第2巻)

幼少期に両親を亡くした高校生の叶太輔は、姉の叶陽子と東京で二人暮らしをしている。いじめられがちな親友の広瀬雄一を助け、幼なじみの落合恵とはケンカばかりの日々を過ごす太輔はある日、体の中になにかが入り込んだような謎の違和感を覚える。初めは気にせずにいた太輔であったが、その日の帰宅中に笑顔の少女が目の前に飛び降りて自殺する瞬間を目撃する。自殺した少女を一瞬「うらやましい」と思ってしまった太輔は奇妙に思うが、周囲の人が次々と自殺を図り、世界中で自殺者が相次ぐ事件に発展する。平和な日々を壊すこの謎の事件は、のちに「悪夢の一週間」と呼ばれるようになる。さらに学校では雄一をいじめていた四人の先輩が惨殺される事件も起こり、その場にいた雄一が犯人と疑われ警察に拘留される。数日後には雄一の母親も自殺し、彼は拘留が解かれて学校に戻るものの以前のような気弱で優しい姿はなく、人が変わったようになっていた。そんな中、雄一の激励パーティが開かれるが、雄一は恵を屋上に連れ出し、不思議な能力を身につけていた彼は太輔の前で恵を連れ去る。校庭で倒れていた太輔は病院で目覚め、陽子から雄一と恵が行方不明になった事を知らされる。雄一達を捜す中で由良匠に遭遇し、雄一が北に向かった事を知った太輔は、二人を追いかけて一人で旅立つ。さらにその旅の中で、太輔は自分にも不思議な能力が宿っていた事を悟る。こうして太輔は、「悪夢の一週間」の中で能力に目覚めた能力者のあいだで起こる事件や陰謀に巻き込まれていく。

北上の旅編(第3巻~第4巻)

落合恵を連れて消えた広瀬雄一を探して北へ向かう叶太輔は、道中のヒッチハイクでトラック運転手の吹石稜と知り合い、さらに凌を母親のように慕う孤独な少年の瀧沢勇太と出会う。勇太は母親が目の前で自殺した事でショックを受けて以来、凌を母親のように思っていたが、彼は「隔離」の能力を持った能力者でもあった。太輔と旅立つ事になった勇太は、能力者の自覚があまりない太輔に、力をあやつる方法を教える。そんな二人の前に、勝又重喜から差し向けられた刺客の森尾健一郎 が現れる。森尾は風の能力を持った能力者であり、太輔は彼との戦いの中で熱の能力を使いこなせるようになる。森尾の顔に火傷を負わせてその場を逃げ切った太輔と勇太は、車で通りかかった宇都宮芳照と宇都宮鈴に出会うが、彼らは父親の宇都宮芳勝から命を狙われていた。太輔達は芳照達を守ろうとするが、幻覚を見せる事ができる能力を持つ芳勝は、勇太に母親の幻覚を見せる。勇太は死んだはずの母親の幻に惑わされ、抜け殻のようになってしまう。

北海道編(第4巻~第6巻)

勝又重喜が探し求めるもの、それは「アクロの心臓」と呼ばれる謎多き存在であった。すべての能力者達を統括し、野望を成し遂げようとする勝又は、北海道を第一の活動拠点にする事を広瀬雄一達に告げる。一方、北への旅を続ける叶太輔瀧沢勇太は、勝又の仲間に楠悟を殺されて復讐に燃える少女の楠奈美を仲間に加える。フェリーに乗り込んだ三人は北海道を目指すが、途中で岡田剛に遭遇。契約を破った者を死に導く能力を持つ岡田は、無関係な少女と奈美を利用して、太輔の命を狙う。しかし、太輔の強い意志に奈美の心は大きく揺らぎ、太輔は大ケガをするものの命を取り留める。函館の病院に入院した太輔の病室には勝又が現れ、雄一と落合恵が生きている事と、次なる目的地が北海道にある湖である事を告げる。一方、「悪夢の一週間」の真相を追い求める雨宮今日子と岡田正志が、御館華音と遭遇していた。仲間達をすべて招集した勝又は、雄一が執着する恵を利用し、彼の能力をさらに覚醒させようとする。雄一が覚醒した事で勝又の計画はさらなる動きを見せ、彼らは目的のために動き出すのだった。数日後、太輔達は雄一達が起こしたと見られる事件の痕跡を追い、勝又達が向かっている湖を探し始める。ペンションに泊まった太輔達は宿泊者の麻生英雄と出会うが、勝又の仲間である麻生は能力で勇太を石化。怒りをたぎらせた太輔は、奈美と協力して麻生との戦いに挑む。

湖の戦い編(第7巻~第9巻)

叶太輔達は麻生英雄に導かれ、勝又重喜が狙う「アクロの心臓」が眠っている霊威の湖に到着する。そこには広瀬雄一落合恵の姿もあったが、雄一はすでに以前の彼ではなくなっていた。太輔のもとへ走って行く恵を見て孤独感を覚えた雄一は、強いショックを受ける。一方、アクロの心臓を目覚めさせ回収しようと目論む勝又は麻生を洗脳し、勝又の策略で能力者同士の激闘が開始される。湖周辺は異様なパワーを放ち、太輔をはじめとするその場の能力者達は、戦いを続ける中で次第に正気を失っていく。麻生や森尾健一郎との戦いの中で、過去のトラウマから生まれた自分の負の部分を認めてしまった太輔は、秘められていた真の能力を目覚めさせる。一方、勝又の策略で抜け殻のようになり空っぽの器となった雄一は、太輔の目の前で橘春花を殺害。さらに強大な太輔の力の影響を受け、アクロの心臓が湖の上に姿を現す。雄一の前に現れたアクロの心臓が御館華音に奪われ、彼女は能力を強化させるものの、その力に耐え切れずに命を落とす。雄一は黒く染まったアクロの心臓を取り込んで同化し、本能的にアクロの心臓に惹かれた者達は内なる欲求に飲み込まれて命を落としていく。さらに街では、アクロの心臓の影響で第2の集団自殺事件も発生していた。生き残った太輔は湖畔で雄一と対峙し、世界を無にしたいと願いながら暴走する彼を止めるべく、悲しい戦いを始めるのだった。

心臓の欠片編(第10巻~第12巻)

北海道の霊威の湖で「アクロの心臓」と合体し暴走した広瀬雄一と死闘を繰り広げた叶太輔は、火山の噴火のあと雄一と共に溶岩に沈んだ。ほかの能力者の多くも戦いの中で命を落とすが、その場にいた勝又重喜は姿を消し、落合恵も行方不明となる。事件から2年の月日が流れ、「悪夢の一週間」から始まった数々の怪事件は人々から忘れ去られようとしていた。太輔を失った瀧沢勇太は祖父母の家に引き取られ、楠奈美は実家に戻り、それぞれの新しい生活を送っていた。久しぶりに奈美と再会した勇太は、消滅したはずのアクロの心臓のかすかな鼓動を感じ取る。そんな中、勇太のクラスには謎の金髪少女、手塚葵が転校して来た。勇太は葵から太輔が生きている事を告げられ、奈美と共に葵の家族と出会う。一方、在日米軍が不穏な動きを開始する中、2年前の事件が忘れられない雨宮今日子は在日米軍の密告者と出会う。米軍は北海道から持ち出した「Living Rock(生きている岩)」と呼ばれる岩を利用した、極秘軍事プロジェクトを計画していた。その岩には、かつて太輔が雄一もろとも消滅させたはずのアクロの心臓が宿っていた。

アクロの心臓封印編(第12巻~第14巻)

手塚由紀恵とその一家に保護されていた叶太輔と再会を果たした瀧沢勇太楠奈美は、手塚伶達と共に横須賀基地に乗り込み、米軍からアクロの心臓を取り戻そうとする。しかしそこには、マクファーソンが率いる特殊部隊が待ち受けており、D4に倒された太輔達はすぐに捕獲される。しかし、雄一と同化しているアクロの心臓を目の前にした太輔の能力が共鳴し、彼のパワーが爆発。危機一髪で基地から逃げた太輔達だったが、肝心のアクロの心臓は米軍によって持ち去られてしまった。由紀恵達と一旦離れて行動する事になった太輔達はそれぞれの家に戻るが、太輔はアクロの心臓を止めて雄一を倒す日まで叶陽子のもとへ帰らないと決意し、奈美の実家に身を寄せる事になる。そんな中、太輔のもとにミケーレが訪れ、落合恵が生きている事を告げる。御霊を匿う勝又重喜は、米軍に持ち去られ日本を離れたアクロの心臓を狙い、新たな動きを見せる。勝又が送り込んだハンが米軍の船に侵入し、彼女によってアクロの心臓は船ごと海に沈められてしまった。その報せを受けた太輔達は由紀恵の招集を受けて再び集まり、アクロの心臓を追って南に向かう事となる。

絶海の弧島編(第14巻~第15巻)

アクロの心臓」が沈んだ南海付近の弧島に集まった手塚由紀恵と叶太輔達は、アクロの心臓の目覚めを感じながら、2度目の奪還・封印作戦に出る。アクロの心臓の目覚めには、そこに眠る広瀬雄一の復活の兆しもあったが、太輔はもう雄一には負けないと誓いながら行動を開始する。しかし、そこには勝又重喜の洗脳を受けたミケーレが現れ、太輔を捕縛しようと狙う。さらに太輔を心配する楠奈美のもとには、新たな刺客のルドガーも現れていた。銃撃され倒れた太輔の前には、マクファーソンが詩人を連れて現れ、詩人の能力で太輔をあやつろうと目論む。そこへ由良匠が奈美を連れて乱入し、マクファーソンが撤退した事で太輔は彼らの手を逃れる。だがその一方で、陽動のために行動していた手塚葵がD4に捕まってしまう。マクファーソンの要求を受け、彼らの人質となった葵を助けるべく、太輔は一人で米軍のもとへ向かい、マクファーソンと対峙する。一方、目を覚ました奈美は太輔が軍と対峙しているあいだに葵を助けようと、一人で侵入していた。葵が捕まった事で冷静さを失った由紀恵は、今まで使わずにいた能力をついに発現させる。

血戦プラットフォーム編(第15巻~第17巻)

アクロの心臓」を巡る戦いの舞台は、南海の米軍海上基地(プラットフォーム)に移る。手塚純と共にプラットフォームに乗り込んだ手塚由紀恵は、詩人の洗脳を受けた手塚葵の拒絶の言葉にショックを受ける。その一方で、プラットフォームに潜入していた由良匠とD2、楠奈美とD4の戦いも始まっていた。さらにマクファーソンと対峙した叶太輔は、今まで能力者以外には使うのをためらっていた自身の能力を発動させ、激戦を繰り広げる。広瀬雄一の復活と暴走を恐れる太輔は、これ以上の犠牲者を出さないためにアクロの心臓から手を引くよう、マクファーソンに訴えかける。一方、米軍に捕まった由紀恵は純と共にマクファーソンのもとへ向かい、さらにD4を倒した奈美も太輔達と合流。マクファーソンを追い詰めた由紀恵は、「心臓の欠片」の持ち主として、アクロの心臓を引き上げると宣言。その一方で、D2に撃たれて重症を負った由良は、海の底でアクロの心臓と接触。その影響でアクロの心臓は能力者達の前に姿を現し、太輔を「心臓の器」として同化させる事で御霊に抗おうとする由紀恵は、自らの心臓の欠片を太輔に差し出そうとする。そんな中、アクロの心臓を狙い続ける御霊が、落合恵と共にプラットフォームに向かっていた。

心臓の行方編(第18巻~第20巻)

アクロの心臓」を巡る死闘の末に手塚由紀恵が命を落とし、残された子供達は悲しみに暮れていた。それから数週間が経ったあとも、米軍と叶太輔達は、暴走の末に消えたアクロの心臓を追っていた。異形だったアクロの心臓は徐々にその形を整えていき、次第に広瀬雄一の姿へと変化していく。そんな中、詩人から「心臓の欠片」を奪った御霊と、彼女に付き添う落合恵 は太輔と再会。日本に戻った太輔は恵を家に帰そうとするものの、勝又重喜の洗脳を受けたままの彼女は、御霊のそばを離れようとしなかった。そんな中、行方不明になっていたアクロの心臓がニューヨークを無差別に襲撃し、米軍から隠されていたアクロの心臓の存在は世界中に知られ、その危険性を悟ったワスプ大統領も戦うと決意。さらにマクファーソンの調査で、アクロの心臓の次の行き先が東京である事も判明する。一方、恵や太輔達といっしょに過ごしていた御霊は太輔に心臓の欠片を与え、自身の秘密と真の目的を明らかにする。心臓の欠片を体内に宿すようになった太輔は、人々が抱える「負の心」に触れながら世界の現実にぶつかる。そんな中、ワスプ大統領がアクロの心臓への攻撃を宣言し、危険区域となった東京には避難勧告が出される。

東京の最終決戦編(第20巻~第21巻)

すべての他者の消滅を願い、「アクロの心臓」と「心臓の欠片」を取り込んだ広瀬雄一は、かつての友人達が集う場所、東京に降り立った。学校を訪れた雄一は叶太輔と再会し、雄一の気配を感じ取った落合恵もそこへ向かい、さらに瀧沢勇太楠奈美もその場に集結する。通常攻撃が無効化されるのを悟った米軍は核配備船舶を東京湾に接近させ、すべての人類の存続を賭けた最終決戦が始まるのだった。無差別な破壊行為を続ける雄一は、以前取り込んだ心臓の欠片の影響で手塚由紀恵に呼びかけられて心が揺らぐようになり、太輔達の前で苦悩するようになる。その頃、雄一と太輔達の戦いを静観していた勝又重喜の前には、彼を裏切ったルドガーが現れる。ルドガーの不意打ちで負傷した勝又は、雄一にアクロの心臓を託した本当の理由を語るのだった。

登場人物・キャラクター

叶 太輔 (かのう たいすけ)

東京で暮らす高校生男子。初登場時の年齢は16歳。幼い頃に両親を亡くし、親代わりとなった姉の叶陽子と二人暮らし。広瀬雄一、落合恵とは幼ななじみでとても仲がいい。恵とは口喧嘩が絶えないが、お互いに慕っている。ケンカは弱いが正義感が強く友人思いで、よくいじめられている親友の雄一の事をいつも助けている。素直で真っ直ぐな性格だが、頭より先に体が動くため周囲からはバカ呼ばわりされ、ケンカっ早いため他人との摩擦が起こりがち。ある日の授業中に、身体になにかが降りて来るような違和感を覚え、周囲に自殺者が多発する「悪夢の一週間」に巻き込まれる。事件の中で豹変した雄一が恵を連れて失踪したのを知り、二人を追って北へ向かう旅に出る中で、熱で物体を溶かす能力が宿っていた事を自覚するが、ほかの能力者とは異なり「仲間」を認識する事はできない。森尾健一郎との戦いなどを通して、次第に能力を使いこなせるようになっていく。触れた対象を細胞まで完全に破壊するほどの力を持ち、直接この能力で攻撃された傷は、常人より回復力が高い能力者でも自然回復が難しい。のちに本来の能力が細胞破壊と回復を司る強力な「再生と死滅」であり、熱の能力はあくまでサブ能力であると自覚する。単純で天然だが人懐っこく、面倒見もよく仲間思い。その一方で両親が亡くなったのは自分のせいだと罪悪感を抱え続け、それが能力覚醒へのきっかけにつながっている。

広瀬 雄一 (ひろせ ゆういち)

東京で暮らす高校生男子。叶太輔の幼なじみで親友。初登場時の年齢は16歳。太輔と同じマンションで、母親と二人暮らしをしている。落合恵とも幼ななじみで、彼女と太輔の三人で過ごす事が多く、恵に対しては密かに思いを寄せている。優しく穏やかで気弱な事から先輩にいじめられていたが、「悪夢の一週間」をきっかけに能力に目覚める。四人の先輩を惨殺し警察に拘留されるが、数日後に母親が自殺した事にショックを受ける。その際に捜査のふりをして近づいた勝又重喜の洗脳を受け、物体に一瞬で穴を空ける「無」と呼ばれる能力をあやつるようになった。学校に戻ったあとは性格が豹変して太輔の前で恵を連れ去り、勝又の一派に加わってからは太輔と敵対するようになる。当初は人を殺す事にためらいがあり、四人の先輩を殺した記憶も封じていたが、勝又の策略によって罪のない警官を殺した事で、能力を本格的に覚醒させる。昔から太輔や恵がいなければなにもできない無力な自分を不甲斐なく思っており、特にひたむきな強さを持つ太輔に対しては、強い劣等感を抱いている。霊威の湖で太輔と再会するが、さらに別人のようになっており、太輔に呼びかける橘春花に恵の姿を重ねて春花を殺害。勝又の策略どおり湖の上に現れた「アクロの心臓」と同化し太輔と対峙するが、アクロの心臓の力を得た事で勝又の洗脳が解けて強い自我と意志が芽生え、自分以外をすべて殺し、一人だけの世界を望むようになる。

落合 恵 (おちあい めぐみ)

女子高校生で、叶太輔と広瀬雄一の幼ななじみ。愛称は「メグ」。太輔とは口喧嘩が耐えないが、周囲と衝突しがちな彼を心配しつつ思いを寄せる。気が強く優しい性格で、精神的に脆いところや天然なところもある。昔からいじめられがちな雄一の事も気遣っていたが、彼に思いを寄せられている事には気づいていない。「悪夢の一週間」をきっかけに能力に目覚めた雄一によって連れ去られ、勝又重喜のもとで長らく軟禁状態となる。能力を持たないふつうの少女だが、勝又の洗脳を受け彼の一派と行動するようになった事で、能力者同士の戦いに巻き込まれるようになる。雄一の執着の対象であると同時に彼を「アクロの心臓」の器に養成するための存在として、勝又から重要視されている。勝又一派と共に北海道に渡り、霊威の湖の戦いで太輔と再会するものの、再び勝又に連行され消息不明となる。その後は勝又と彼が匿った御霊や、ミケーレとニューヨークのマンションに住みながらアルバイトをしていたが、アクロの心臓を求める御霊と共に南に渡り、太輔達と再会。太輔の事は覚えていたものの、勝又の洗脳から御霊のもとを離れる事は拒絶した。その後は米軍からも狙われるようになり、御霊や太輔達と共に雨宮今日子の家に身を寄せる。

楠 奈美 (くすのき なみ)

ストレートロングの黒髪の少女。初登場時は15歳の中学3年生。氷の爪と呼ばれる能力(ちから)を持つ。弟を能力者に殺されたことから、能力を持つ者を激しく憎んでいる。叶太輔と瀧沢勇太と旅を共にするようになる。当初は頑なに能力者達を殺すことに拘っていたが、太輔の行動に心を揺さぶられ、少しずつ変わり始める。

瀧沢 勇太 (たきざわ ゆうた)

初登場時は小学校3年生。広瀬雄一と落合恵を追う叶太輔と出会い、共に旅をするようになる。隔離と呼ばれる能力(ちから)を持ち、人や物などを空間から隔離できる。一旦隔離すると、その領域には空気や電波なども通さない。母親の自殺を目にしたことで能力が覚醒した。幼いながら冷静で、太輔に度々助言をする。親との間に酷い経験があり心に深い闇を抱え、密かに太輔を自分の居場所とも思い慕っている。

勝又 重喜 (かつまた しげき)

丸眼鏡をかけ無精髭を生やした男性。元は少年犯罪を担当する刑事だったが特殊な能力(ちから)に目覚め、同様に力を持つ者を仲間に引き入れて行く。ある計画を実行しようとしており、その脅威となる叶太輔を執拗に追い回す。広瀬雄一の心を開放して、太輔と対立させるきっかけを作った。

由良 匠 (ゆら たくみ)

蓬髪でつなぎ姿が特徴の男性。圧搾した空気が詰まったシャボン玉のような球体を操る能力(ちから)を持つ。勝又重喜配下で、叶太輔と初めに戦った能力者。独自の考えに基づいて行動し、勝又には完全に服従している訳ではない。戦いを通じて太輔を認めるようになる。

吹石 稜 (ふきいし りょう)

金髪のロングヘアーの男性。長距離トラックの運転手。広瀬雄一と落合恵を追って旅に出た叶太輔と出会った。物事に動じず、太輔を励ます。雨宮今日子達が取材に訪れた際、太輔の住所を知り、姉の叶陽子に彼の無事を伝える。それ以来陽子とは飲み仲間となった。

雨宮 今日子 (あめみや きょうこ)

ショートヘアーで眼鏡をかけた女性。週刊誌の記者。ゴシップやオカルトを扱う編集方針に反発し、世界中で起こった集団自殺事件の真相を追う。当初は叶太輔を容疑者と見做していた。能力(ちから)を持つ者同士の激しい戦いを目撃する。

森尾 健一郎 (もりお けんいちろう)

髪の長い青年。風と呼ぶ空気を自在に操る能力(ちから)を持つ。勝又重喜が仲間に引き入れた能力者の一人で、叶太輔達に襲い掛かる。太輔によって顔に傷をつけられ、恨みを抱いている。

叶 陽子 (かのう ようこ)

ロングヘアーの女性。叶太輔の姉。太輔が通う高校で保健室の先生をしている。交通事故で両親を亡くし、親に代わって太輔を育てた。そのためか逞しく気丈な性格。

御霊 (みたま)

勝又重喜達から「あの方」と呼ばれている存在。勝又達によって軟禁された落合恵によって育てられた。生まれて2年程で小学生程度の少女の姿になる。勝又達と行動を共にしていたが、後に恵と一緒に彼らの元を離れ、叶太輔と生活するようになる。

ミケーレ

勝又一派の男性。愛称は「ミッキー」。いつも笑顔で人あたりがよく、落合恵や勝又重喜たちと共に、マンションで暮らしている。日本語も話せるが、発音などはかなり適当。恵の頼みで贈り物を太輔に渡し、彼女が無事に生きていることを伝えた。「重力操作」の能力者で、物質の重量を操作し、重い岩なども軽々と持って投げることができる。また、狙った箇所を局所的に重力変化させることもできる。

ワスプ上院議員 (わすぷじょういんぎいん)

米国の政治家の中年男性。ワスプ大統領の夫。また、米軍所属時代はマクファーソンの上官で、現在も彼を私兵として雇っている。大佐に「アクロの心臓」軍事利用計画の責任者を命じる。アクロの心臓の存在や計画のことは米国政府にも秘匿していたが、プラットフォームの戦いでアクロの心臓が暴走したのをきっかけに知られてしまう。

丘田 くるみ (おかだ くるみ)

瀧沢勇太のクラスメイトの女子。ツインテールの髪型でメガネをかけており、小太りな体型をしている。勇太に片思いし、彼に近づく手塚葵に敵対心を抱く。のちに勇太が消えたことで一時的に痩せて美少女になるが、勇太が学校に戻ったあとは元の体型に戻った。

橘 春花 (たちばな はるか)

叶太輔たちが泊まった北海道のライダーハウス兼レストランの娘。愛称は「ハル」。少々おっちょこちょいだが明るく優しい性格の道産子少女で、ふだんは両親の店を手伝っている。愛馬の「アオ」が行方不明になり気を落としていたが、のちに楠奈美たちの力を借りてアオを救出した。霊威の湖の戦いでは能力に支配されていた太輔に呼びかけて制止するも、広瀬雄一によって殺害される。

三咲 清光 (みさき きよみつ)

叶太輔が旅中で出会った、生まれつき目が不自由な男性。ふだんは神社で猫と遊んでいる落ち着いた老人だが、触れることで相手の過去と未来を見通せる千里眼のような能力を持った能力者。しかし、三咲清光自身の過去と未来を見てショックを受けてからは自分の能力を嫌い、あまり使わないようにしている。太輔に頼まれて能力を使い、彼の未来について重要な事を告げる。太輔の未来を心配していたが、第2の集団自殺の際に「アクロの心臓」に触れて階段から転落死した。

手塚 杏 (てづか あんず)

手塚由紀恵の長女。年齢は16歳。能力者ではないが、FIBを振り抜けるほどの凄腕のハッカー。インターネットやゲームを好み、部屋に引きこもりがちな堕落した生活を送っている。雨宮今日子たちと協力しながら、裏方として家族をサポートしている。

長谷川 論 (はせがわ ろん)

麻生英雄と行動している能力者の少年。能力は「液体化」で、全身をスライムのような液状に変化させることができる。寂しさから人に遊んでもらおうとする。元は孤児院に住んでいたが幼くして能力に目覚めたため、麻生と共に勝又一派の一員となった。一見気弱で不思議な少年だが、洞察力は鋭い。麻生を慕って勝又重喜の野望に協力していたが、霊威の湖の戦いで勝又に洗脳された麻生を見て勝又に逆らうようになり、岡田剛と戦う。事件後は雨宮今日子に保護され、彼女の取材や調査を手伝っている。

御館 華音 (みたち かのん)

勝又一派の能力者の女性。現在は容姿端麗だが、昔は地味な見た目と肌荒れから、学校では陰湿ないじめを受けていた。このため岡田剛と同様、見た目にコンプレックスを持っており、彼との仲は険悪の関係。能力は「音波」で、主に金属類を爆発させることができる。この能力で楠悟を気まぐれに焼死させており、楠奈美の復讐の対象となっている。性格は非常に自己中心的で情緒不安定。能力覚醒の反動から、無邪気で残虐な一面が表出するようになり、つねに自分が一番であることにこだわっている。あらゆる価値観を超越した存在になるために、アクロの心臓を体内に取り込むが器が小さすぎて受け入れられず、内なる欲求に飲み込まれて死亡する。

手塚 伶 (てづか れい)

手塚由紀恵の長男。年齢は28歳。天然パーマの愛煙家で、サラサラの髪にあこがれている。長男として弟妹たちをまとめ上げ、実行面のリーダーとして叶太輔たちに協力しながら、アクロの心臓を巡る戦いに参戦する。母親の由紀恵への助力は惜しまないものの、昔から家を空けて放浪していた彼女には複雑な感情を抱いている。手塚純や手塚葵と異なり能力を持たないふつうの人間だが、英語が堪能で銃も扱える。また、由紀恵に代わって弟妹たちの面倒を見ていため、料理や家事も得意。

D2 (でぃーつー)

マクファーソンの部下で、米軍特殊部隊の一員の男性。本名は「カール・アドラー」。女好きの美青年で飄々としているが、任務の際は容赦がない。能力者ではないがプロ意識が高く、特に遠距離狙撃手としては非常に優秀。好物はシナモンコーヒー。のちの米軍海上基地に乗り込んだ由良匠との戦闘中、彼の能力で全身を爆破され死亡した。

小田 正志 (おだ まさし)

週刊誌の記者をしている男性。雨宮今日子の後輩。女好きでいい加減な性格に見えるが、仕事は優秀にこなす。美人や巨乳の女性にはめっぽう弱い。「悪夢の一週間」以降は今日子に振り回されながら、事件の真相を追っている。叶太輔たちを追う中で、愛車を2台も失う。

岡田 剛 (おかだ ごう)

勝又一派の能力者の男性。太った体型で、アニメグッズなどを好むオタクで、外見に酷くコンプレックスを抱いている。勝又一派であるもののメンバーとの仲は悪く、特に御館華音とは険悪な関係。昔は優しい少年だったが、人間特有の欺瞞や醜悪さに触れたある出来事をきっかけに、性格が歪んでしまう。「死神の約束」と呼ばれる能力を持ち、相手と約束(契約)を交わし、その約束を破った者をすぐに殺す。これにより死んだ者は外傷もないため、心臓発作で死んだようにしか見えない。約束を交わした対象者には死神のような姿をした少女が取り憑くが、対象者以外には、その少女の姿が見えない。また、能力者相手には使えない。北海道へ向かう途中で叶太輔に遭遇し、彼を偽善者と呼び恨んでいる。

詩人 (しじん)

「心臓の欠片」を持つ能力者の青年。保身のために米軍の収容所に自ら入っている。人と話すのを好まず、男性恐怖症で女性としか話したがらない。本名は「ダン・フリードキン」。ハンが収容所を襲撃した際にマクファーソンによって外に連れ出され、以降は彼の特殊部隊と行動を共にしている。能力は「洗脳・操作」で、触れた相手を洗脳することができる。心臓の欠片の持ち主の一人として、御霊とアクロの心臓をつなぐ礎となる役割を持つ。心臓の欠片の持ち主として役割を果たしたあとは御霊に殺される運命であることを自覚し、未来をあきらめ怯えるように生きている。プラットフォームの戦いのあとは、御霊に心臓の欠片を奪われて死亡した。

楠 悟 (くすのき さとる)

楠奈美の弟。生まれつき心臓が弱く、激しい運動をすると発作を起こす。奈美の誕生日にプレゼントを渡そうとしていたが、彼女とケンカをした際に御館華音に偶然ぶつかり、華音の気まぐれで爆発させられた車の炎に巻き込まれ焼死した。この出来事が、奈美が能力者を強く恨むきっかけとなっている。

マクファーソン

米軍特殊部隊を率いる男性。階級は一等軍曹。幼少期に父親の虐待を受けていたため、鼻が削げたようになくなっている。日本で「アクロの心臓」を警護する特殊任務に就き、密告者とつながっていた雨宮今日子を狙う。合理主義を徹底し、任務遂行のためには手段を厭わない冷酷な一面がある。のちに大佐に代わって計画の指揮官となり、詩人を収容施設から連れ出し、南海に沈んだアクロの心臓奪還のために動く叶太輔を捕らえて詩人の力であやつろうとする。由良匠の乱入で作戦には失敗するも手塚葵を人質に太輔を米軍海上基地に呼び出し、乗り込んだ太輔たちと交戦するが、手塚由紀恵に追い詰められて敗北。浮上したアクロの心臓の暴走で崩れた建物から、D4をかばって重体になる。意識を取り戻すが、治療の際にカイル・ホーナーの提案で鼻を付けられた。その後はアクロの心臓の危険を強く認識し、「密告者クレイ」を名乗って雨宮今日子に米軍の情報を流すようになる。

ワスプ大統領 (わすぷだいとうりょう)

米大統領を務める色黒の中年女性。つねに米国と人類の利益のために行動している。夫のワスプ上院議員やマクファーソンを通して「アクロの心臓」の危険性を知り、米国と人類の未来のために戦うことを決意。アクロの心臓の次の出現地が東京であることを知り、軍を差し向ける。

D4 (でぃーふぉー)

マクファーソンの部下で、米軍特殊部隊の一員の女性。見た目は少女のようだが動体視力と瞬発力に優れ、能力者とも互角以上に戦う。高い戦闘能力を持つ一方で、不器用で精神面では脆く未熟な面もある。横須賀米軍基地に侵入した叶太輔たちと戦い、捕獲する。本名は「エマ」で、ある国の元大使館の娘でもある。故郷でテロリストに襲撃された際に瓦礫の中に一人で生き残っていたところを、マクファーソンに助けられた過去を持ち、強い恩義を感じている。幼少期から体にいっさい傷を追ったことがなく、今までの任務も無傷のままでこなして来たが、楠奈美と戦闘中に初めて傷を負う。のちに奈美と再戦するが、彼女の予想外の戦法の前に敗れる。

大佐 (たいさ)

米海軍大佐の男性。「アクロの心臓」軍事利用計画の責任者を務める。ワスプ上院議員と親密な関係にあり、マクファーソンからは軍人より政治家に近いと評されている。不安定で暴走しやすいアクロの心臓とそれを狙う能力者たちには手を焼いており、彼らに振り回され、一時はワスプ上院議員によって指揮官を外される。のちに指揮官に復帰し、東京に出現したアクロの心臓への核ミサイル攻撃を命じられる。

宇都宮 芳照 (うつのみや よしてる)

叶太輔が北へ向かう途中で遭遇した青年。宇都宮芳勝の息子で、母親が自殺してからは妹の宇都宮鈴と共に父親から命を狙われており、鈴を守りながら車で逃亡の旅を続けている。芳勝の能力で作られた幻覚に惑わされ命の危機に陥るが、太輔と瀧沢勇太に救われる。

宇都宮 鈴 (うつのみや りん)

宇都宮芳照の妹。兄の芳照と共に、父親の宇都宮芳勝から命を狙われている。芳照に連れられて車で逃亡の旅をしているが、芳照には旅行だと言われているため、芳勝に命を狙われている自覚はない。また芳勝のことは今でも優しい父親だと慕っており、彼の持つ幻覚の能力も「素敵なものを見せてくれる魔法」だと思っている。芳勝の能力で作られた幻覚に惑わされ命の危機に陥るが、太輔と瀧沢勇太に救われる。

ルドガー

勝又一派の能力者の男性。黒いローブをまとい虚ろな目をしており、「生きる意味」を探し求めている。能力は「能力転写(鏡)」で、相手の姿や能力を鏡のようにコピーして戦う。勝又重喜の洗脳を受け、ミケーレと共に「アクロの心臓」を狙って楠奈美と対峙するも作戦に失敗。のちに再び勝又の洗脳を受けてアクロの心臓の回収に向かうが、自分やミケーレが勝又の捨て駒であったと自覚し、勝又のもとを去った。

カイル・ホーナー

米軍の軍用開発チームに所属する博士の男性。「ホーナー博士」と呼ばれている。「アクロの心臓」や能力者に強い興味を持つ、知的好奇心旺盛なマッドサイエンティスト。人柄もファッションも奇抜だが科学者としては天賦の才を持ち、米軍から重宝されている。アクロの心臓を軍用兵器として開発するための米軍の研究に協力し、その本質に迫っている。好物はプリン。

D3 (でぃーすりー)

マクファーソンの部下で、米軍特殊部隊の一員の男性。強面でスキンヘッドの巨漢で、爆破工作や爆発物処理を担当している。のちにハンに体を乗っ取られてしまう。

手塚 由紀恵 (てづか ゆきえ)

手塚葵の母親。年齢不詳で、葵を含め七人の子供がいるが、それぞれ父親も国籍も異なっている。記憶喪失になった叶太輔を保護し、夫の一人にもらったトレーラーを拠点としながら、危険視している「アクロの心臓」を封印するために活動している。勝又重喜と同様、「心臓の欠片」の持ち主で他人の悩みや後悔などといった、心の負の部分を見ることができる。また、心臓の欠片を持つ一人として、アクロの心臓を呼び覚ます役目を持っている。温厚な性格の美女だが、心臓の欠片を受けて能力者となる前は母親としての自覚がなく、子供を放置して家を空けては世界を放浪するなど、自由奔放で身勝手な性格だった。太輔たちがアクロの心臓奪還に失敗したあとは一旦解散したが、アクロの心臓が海底に沈んだのを知り、再び太輔たちを召集し南海へ向かう。能力は「洗脳・操作」で、頭部に触れた相手を洗脳しあやつることができる。長らく能力を使用していなかったが、プラットフォームの戦いで捕らわれた葵を助けるべく、米軍の兵士たちを能力で洗脳し、マクファーソンを追い詰める。太輔がアクロの心臓と同化するのを望んでいたが、復活した広瀬雄一に殺害されて心臓の欠片も奪われる。

ハン

勝又一派の能力者の女性。能力は「人体遷移」で、他者の体に乗り移ることができる。元は舞台女優で陽気な性格の美人であったが、能力を繰り返し使ったことで元の体はなくなっている。勝又重喜の命令により米軍の船に侵入し、船を爆破させて「アクロの心臓」を海に沈める。その後はD3の体に遷移し、スパイとしてマクファーソンたちと行動する。体を乗っ取った相手の知識や思考などは読み取れるが、無意識下の行動や癖などを真似ることはできない。この事からマクファーソンに正体を見抜かれ、詩人の収容施設を爆破した際に銃殺された。

手塚 純 (てづか じゅん)

手塚由紀恵の次男。年齢は27歳。人見知りが激しく挙動不審なスキンヘッドの男性で、能力の「電撃」は停電なども引き起こせる。精神修養を理由にアジア圏で何年か山籠りしていたため体術に優れ、叶太輔にも指南していた。由紀恵を慕うマザコンで、ほかの女性には興味がない。手塚伶と共に太輔たちに協力しながら、アクロの心臓封印のために行動する。

宇都宮 芳勝 (うつのみや よしかつ)

宇都宮芳照と宇都宮鈴の父親。勝又重喜とは警察学校の同期。能力者の一人で、当初は宇都宮芳勝自身の能力を「支配」だと偽っていたが、真の能力は相手の心の中を覗いて幻を見せる「幻覚」。勝又たちによって起こされる変革でいつか戦争が起こり、それによって家族が死ぬのを恐れて、家族を死に導こうとしている。これにより芳照と鈴を追って命を狙うも、叶太輔たちに阻止されて自殺した。

手塚 葵 (てづか あおい)

メガネをかけた金髪碧眼の少女。北海道の事件から2年後に瀧沢勇太のクラスに転校して来た。手塚由紀恵の次女で、年齢は10歳。気が強く負けず嫌いな性格で、兄たちに置いていかれることを嫌う。しばらくは勇太を監視していたが、叶太輔が生きていることを彼に告げ、学校から姿を消す。能力は「スピード」で、勇太の隔離能力から逃げられるほどの俊足と、横須賀から高速道路を走って移動するなど強靭な体力を持つ。自分たちを放任していた由紀恵には複雑な感情を持ち、反抗的な態度を取っているが、彼女からもらったスニーカーを大切にしている。太輔のことは「太兄」と呼んで慕っている。プラットフォームの戦いでは米軍に捕らわれて詩人の洗脳を受けた状態で、母親の由紀恵を拒絶。由紀恵の死後はしばらく感情が閉ざされたように放心状態になっていたが、勇太が見つけて来たスニーカーを見て、由紀恵の死を実感し号泣した。

麻生 英雄 (あそう ひでお)

叶太輔が北海道で遭遇した、牧師を務める男性。勝又一派の能力者で、触れた相手を石化させる能力を持つ。人あたりがよく穏やかな性格だが、「贖罪と魂の安らぎ」と称して他人を容赦なく殺害する冷酷さを持つ。武術の心得があり、能力覚醒によって向上した身体能力を活かした戦い方をする。太輔たちに敗れたあとは戦意をなくし、彼らを霊威の湖へと導く。湖の戦いでは勝又重喜の洗脳を受け太輔と戦うが、内なる欲求に飲まれて自らの能力で死亡した。

イベント・出来事

悪夢の一週間 (あくむのいっしゅうかん)

謎の集団自殺が1週間も続いた事件。日本以外でも同様の集団自殺が発生し、全世界で10万人以上もの自殺者が出た。当初は宗教団体によるものと考えられていたが、専門家などからは「自殺ウイルス」と呼ばれる、自殺を促すウイルスに感染したことで発生したと推測されている。しかし実際はウイルスではなく、宇宙から飛来した異星人の精神体が人間の精神に取り憑いたことで、集団自殺が起こっていた。この精神体に取り憑かれても自殺せずに生き残った者が能力に覚醒して能力者となり、のちに数々の変死事件を起こした。

場所

霊威の湖 (れいいのみずうみ)

北海道にある湖。勝又重喜たちの目的地。一見、静かで美しい湖だが、底には「アクロの心臓」が眠っている。叶太輔と勝又一派の激闘の場所となる。湖周辺は大気に異様な破道を放っており、その場にいる人間の正気を妨げる効果もある。

その他キーワード

アクロの心臓 (あくろのしんぞう)

御霊や勝又重喜達が追い求める存在。能力(ちから)を持つ者をより強大にすることができるとされている。ただし適合する者は限られ、認められなかった者は消滅する。

能力 (ちから)

「自殺ウイルス」と呼ばれる飛来物によって得られる特殊な能力。多くの感染者は幸福感のまま自殺に至るが、ある特徴を持った者だけが生き残り、この能力が備わる。人によってその能力は様々だが、その強さや特徴は心の状態に起因している。叶太輔は物体を溶かす力を身に付けた。

内なる欲求 (うちなるよっきゅう)

「アクロの心臓」に触れた能力者が自身の過去やトラウマに吸い込まれ、「心の穴」に吸い込まれるように自らの能力で命を落とすこと。また、第2の自殺騒動の原因ともなっている。

心臓の欠片 (しんぞうのかけら)

「アクロの心臓」と関係する謎の物質。「悪夢の一週間」で精神体と共に地球に飛来し、勝又重喜をはじめとするごく一部の能力者の体内に宿っている。アクロの心臓よりも一回り小さい、光を放つ丸い結晶のような姿をしている。これを宿す能力者は通常の能力のほかにも、他人のトラウマや後悔など「心の負の部分」が見える力を持ち、相手に近づいた時に前触れもなく強制的に見えてしまう。のちに手塚由紀恵の心臓の欠片は広瀬雄一が奪い、詩人の心臓の欠片は御霊が奪ったのち、叶太輔に授けられた。

能力者 (のうりょくしゃ)

「悪夢の一週間」の中で自殺せずに生き残った者のうち、能力に覚醒した人間の総称。能力者ならではの身体的特徴として、目の奥に暗く淀んだ穴のようなものがある。叶太輔の熱をあやつる能力をはじめ、それぞれがさまざまな能力を持っており、さらに身体能力や回復力も飛躍的に上がっている。能力者同士がお互いを呼び合う時は「仲間」という呼称を使い、「仲間」同士であればお互いの大まかな位置を把握できる。能力の覚醒には罪悪感や劣等感によって生じた「心の穴」が不可欠で、能力者はいずれも過去のトラウマなどにより生じた大きな心の穴と、深い負の感情を抱えている。また、本能的に「アクロの心臓」に惹かれる性質を持つ。

クレジット

原作

河島 正

書誌情報

アライブ 最終進化的少年 全21巻 講談社〈講談社コミックス月刊マガジン〉 完結

第1巻

(2003年11月15日発行、 978-4063339147)

第2巻

(2003年12月16日発行、 978-4063339178)

第3巻

(2004年6月17日発行、 978-4063339369)

第4巻

(2004年10月15日発行、 978-4063709605)

第5巻

(2005年2月17日発行、 978-4063709766)

第6巻

(2005年6月17日発行、 978-4063709964)

第7巻

(2005年10月17日発行、 978-4063710137)

第8巻

(2006年2月17日発行、 978-4063710298)

第9巻

(2006年6月16日発行、 978-4063710502)

第10巻

(2006年10月17日発行、 978-4063710649)

第11巻

(2007年2月16日発行、 978-4063710809)

第12巻

(2007年6月15日発行、 978-4063710946)

第13巻

(2007年10月17日発行、 978-4063711141)

第14巻

(2008年2月15日発行、 978-4063711288)

第15巻

(2008年6月17日発行、 978-4063711554)

第16巻

(2008年10月17日発行、 978-4063711622)

第17巻

(2009年2月17日発行、 978-4063711820)

第18巻

(2009年6月17日発行、 978-4063711981)

第19巻

(2009年10月16日発行、 978-4063712117)

第20巻

(2010年2月17日発行、 978-4063712292)

第21巻

(2010年5月17日発行、 978-4063712391)

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