ソウルイーターノット!

ソウルイーターノット!

大久保篤の『ソウルイーター』の番外編となる作品で、時間軸は『ソウルイーター』よりも以前のもの。『ソウルイーター』とは異なってシリアスな展開や戦闘シーンが少なく、ほのぼのとした学園生活をコメディタッチで描いている。「月刊少年ガンガン」2011年2月号から2014年12月号まで連載された作品。

正式名称
ソウルイーターノット!
ふりがな
そうるいーたーのっと
作者
ジャンル
ファンタジー
関連商品
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世界観

本作『ソウルイーターノット!』のコンセプトは「殺伐だけどウキウキライフ」で、女子中学生の春鳥つぐみが「死武専」と呼ばれる特殊な学校で送る学園生活をメインに描いている。また、『ソウルイーター』では描ききれなかった「死武専」やデス・シティーの世界観などが詳しく説明されており、本編で語られなかった世界観をより深く知ることができるようになっている。

あらすじ

第1巻

恋に恋する14歳の少女、春鳥つぐみは、緊張しながらアメリカのネバダ州に到着していた。日本からやって来た彼女の目的は、デス・シティーにある専門学校「死武専」に入学する事だった。ハルバードに変身できる「武器」であるものの、なかなか思ったように変身できない悩みを持ったつぐみは、武器としての力のコントロールを、死武専で身につけようとしていた。入学式が終わった死武専では新入生が集められ、武器をあやつる「職人」と武器がパートナーとなるよう指示が出される。誰とパートナーになるか迷うつぐみは、入学早々知り合った多々音めめと、アーニャ・ヘプバーンの二人から、パートナーになるよう迫られる。こうしてつぐみは、いずれはどちらかを自分のパートナー職人として選ばなければならないと悩みつつも、二人といっしょに死武専での学園生活をスタートする事になる。死武専には個性的な生徒が通っており、つぐみ達はさまざまな出会いを繰り返しながらも、三人で楽しい日常を過ごしていく。

第2巻

星茜からパートナーになるよう誘われた春鳥つぐみは、茜の事を気にするようになっていく。その日のつぐみ達のクラスは体力測定で、つぐみは茜がアーニャ・ヘプバーンを見ている事に気づく。茜の様子に戸惑いながらも、つぐみは自分とアーニャや多々音めめとの差に気づき、自信をなくしてしまう。しかし茜に励まされたつぐみは、目標がまだわからなくてもアーニャ達に負けないように、頑張っていく事を決意する。そんな中、つぐみ達の知らないところで道場破りに関する事件が起こり、死武専と長らく対立している魔女の暗躍が始まっていた。後日、つぐみ達は先輩のキム・ディールからアルバイトに誘われ、キムやジャクリーン・オー・ランタン・デュプレと共にプール掃除のアルバイトをする事になった。その掃除の最中、つぐみ達はジャクリーンがキムとコンビを組みたがっている事を知り、彼女の願いを叶えようと奮闘し始める。

第3巻

休日にデス・バザーに出かけた春鳥つぐみ達は、出店する先輩達にも遭遇し、初めてのバザーを満喫していた。しかし会場には悲鳴が響き渡り、そこには身体の一部を武器に変えて無差別に周りを襲う、エターナルフェザーの姿があった。楽しい時間は一気に惨劇に変わり、ショックを受けたつぐみは気を失ってしまう。後日、エターナルフェザーを心配するつぐみは、アーニャ・ヘプバーン多々音めめと共に、フランケン・シュタインの病院にお見舞いに向かう。退院したエターナルフェザーは、首に傷跡が残ったものの死武専女子寮に戻り、元気な姿を見せる。デス・バザーの悲劇から何日か経ち、死武専女子寮にはいつもの平和な日常が戻りつつあった。その後、つぐみ達は「課外授業発注票作成委員会」の活動を始める事になる。課外授業受付の仕事をする事になったつぐみ達は、おばちゃんに仕事を教わりながら、慣れない作業を少しずつこなしていく。発注票に関する作業をする中で、つぐみはEATの幅広い活動内容を知るのだった。

第4巻

デス・バザー事件から日が経つものの、事件とかかわりのあるシャウラ・ゴーゴンに関する調査はあまり進展せずにいた。その日の寝苦しい熱帯夜、春鳥つぐみアーニャ・ヘプバーンは、多々音めめが寝ぼけながら服を脱いだり、眠ったままで睡拳を使っているのに気づいて起こされる。アーニャは空手でめめに挑もうとし、深夜であるにもかかわらず、つぐみ達の部屋は騒がしくなってしまう。何とか二人を止めたつぐみは、そのまま二人に挟まれて寝苦しい夜を過ごす事になる。後日の夏期講習の授業で、武器に変身しようとするつぐみは、刃がまだない事をシド・バレットに指摘される。これを受けて夕方に一人でトレーニングに励むが、これといった成果は出ず、刃のない半人前のハルバードのままだった。つぐみは自分の実力のなさや武器としての頼りなさに悩むが、それを見ていためめとアーニャから、叱責と共に励ましの言葉を受ける。そしてアーニャとめめは、ハロウィンの日に実施される死武祭までに、パートナーをどちらにするか決めるよう、つぐみに迫るのだった。

第5巻

死武祭の日が迫る中、春鳥つぐみ達は着々と準備を進めていた。同時に、つぐみは迫る約束の日を目前にして、パートナーを決められずにいた。そんな中、つぐみのもとへ故郷の家族からの手紙が届く。それはつぐみが大切にしている愛犬のポチに関する報せだった。つぐみは手紙の内容にショックを受け、それをきっかけに多々音めめとケンカをしてしまう。三人の心が少しずつバラバラになっていく中で、デス・シティーには何者かの暗躍による、新たな危機が迫っていた。その夜、つぐみとアーニャ・ヘプバーンは眠ったまま部屋を出て、外出するめめの姿を目にする。こっそりとめめを尾行するつぐみとアーニャだったが、めめの行き先は死武専の「魔女対策本部」だった。めめはそのまま行方不明となってしまい、さらにシド・バレットが暗殺されてしまう。死武専に危険が迫る中でアーニャは急遽帰国する事になり、つぐみとも離れてしまう。一人になったつぐみが落ち込んだままでやって来た死武祭当日、死武専の生徒が突如暴走し、街の中でも騒ぎが発生する。混乱するデス・シティーでは、凶悪魔女シャウラ・ゴーゴンと死武専との決戦が始まるのだった。

メディアミックス

TVアニメ

2014年4月から同年7月まで、テレビ東京系列にて橋本昌和監督によるTVアニメが放送された。キャラクターデザインは小池智史、音楽は林ゆうき、橘麻美が担当している。またキャラクター作りの一環として、劇中で使用されている文字やイラストは、そのキャラクターの声を担当した声優が描いている。

webラジオ

TVアニメが始まった2014年4月に合わせて、インターネットラジオステーション「音泉」にて、春鳥つぐみ役の千菅春香とアーニャ・ヘプバーン役の早見沙織、さらに多々音めめ役の悠木碧がパーソナリティを務める「ソウルイーターノット!NOTりラジオ!」が放送された。早見と悠木はローテーションでの出演で、2週ごとに交代してパーソナリティを務めた。

ゲームアプリ

2014年12月、G-modeよりMobageに「ソウルイーター×ソウルイーターノット! ~殺伐?ウキウキ?カードバトル!~」というアプリがリリースされた。内容はプレイヤーが「武器」と「職人」を自由に組み合わせて戦わせるカードゲームとなっている。

登場人物・キャラクター

春鳥 つぐみ (はるどり つぐみ)

恋に恋する武器の少女。ハルバードに変身できる。年齢は14歳で、日本出身。口癖は「ガガントス」で、主にショックを受けた時に使う。武器の素質を持つ事以外は至って普通の少女で、運動や勉強もあまり得意ではない。また武器に変身する力をうまくコントロールできずにいたため、その方法を学ぶために死武専のNOTに入学する。当初は髪を下ろしていたが、入学時に出会ったマカ=アルバーンにあこがれを抱くようになり、マカの髪型を真似てツインテールに変えた。パートナーとなる職人ははっきり決まっておらず、授業などでは、友人となった多々音めめとアーニャ・ヘプバーンと共に行動している。めめとアーニャと共に、死武専生活に戸惑いながらも、三人で楽しい学園生活を送っている。少々臆病で優柔不断な性格だが、時おり熱い情熱を見せる。貧乳がコンプレックスの一つで、アーニャに「庶ッパイ」と言われたり、同じく貧乳に悩むマカからは「同志」と言われる。死武専入学後もうまく武器に変身できず、身体の一部だけが武器化する事もある。武器になれても刃がないなど、武器として半人前である事にしばしば悩んだり、自信をなくす事もある。日本の実家ではポチという柴犬を飼っており、武器であるが故に警戒され、あまり懐かれていないものの、大切に思っている。

多々音 めめ (たたね めめ)

死武専のNOTに入学した職人の少女。日本出身。春鳥つぐみ、アーニャ・ヘプバーンとはルームメイトになり、行動を共にするようになる。髪型は茶髪のセミロングで、ピンク色のリボンをしている。また、14歳でありながら、つぐみが羨むほどの豊満なバストの持ち主。おっとりしていて天然、友人思いの心優しい性格だが、非常に忘れっぽく、髪に付けているリボンの位置や自分の名前すら忘れる事がある。つぐみとアーニャとは、新入生歓迎会で男子に絡まれていたところを救われた事をきっかけに知り合った。非常に寝相が悪いうえに睡拳の使い手で、寝ているあいだでも格闘ができ、その腕前は空手を習っているアーニャが翻弄されるほど。実はシャウラ・ゴーゴンが洗脳した上で死武専に送り込んだスパイであり、記憶障害が起こりやすいのも、シャウラの魔法や暗示が関係している。夜になると寝たままでシャウラの使い魔とやり取りしたり、死武専の深部に侵入してデータを盗んだりしていた。もともとは成績優秀な少女であり、若くして数々のジュニアタイトルを保持するほどだったが、その優秀さをシャウラに利用されてしまう。ただしシャウラの暗示の影響で忘れっぽくなった事で、スパイであるという自覚はまったく持たずに過ごしていた。

アーニャ・ヘプバーン (あーにゃへぷばーん)

死武専のNOTに入学した職人の少女。髪型は金髪のロングヘア。春鳥つぐみ、多々音めめとはルームメイトになり、行動を共にするようになる。振る舞いはおしとやかで、お嬢様のような口調で話す。死武専に入学したのは、窮屈なお城の生活から逃れて外の世界を見るためであり、庶民の生活や習慣などには強いこだわりや興味を持っている。このため、入学時に出会ったつぐみを気に入り、「キング・オブ・庶民」と呼んで興味を持つようになる。つぐみとめめがなかよくしていると涙ぐむなど、つぐみには特別な感情を抱いている。しかしツンデレな性格が災いし、素直になれなかったり、意思に反した発言をしてしまう事がある。肌を露出する事に抵抗があり、DEATH BACKS CAFEの制服やブルマを着た時は恥ずかしがっていた。箱入り娘であるため少々世間知らずで、一般常識に疎い面があり、お小遣いを無駄遣いする事もある。アルバイトやデス・バザーなどをはじめ、庶民の生活やイベントなどには強いあこがれを抱いている。槍術や空手が得意だが、実戦経験はないため不意打ちやルールのないケンカは苦手。表向きはお嬢様のふりをしていたが、実は外国の王女であり、偽名を名乗って素性を隠した上で死武専に入学していた。身の安全を確保すべく、祖国によって手配された星茜とクレイ・サイズモアによって、ひそかに護衛・監視されていた。シド・バレット殺害事件の際には、祖国に急遽帰国させられる事になる。

星 茜 (ほし あかね)

死武専に通う職人の男子生徒。春鳥つぐみ達とは同期。クレイ・サイズモアとペアを組んでいる。NOTでありながら知識や戦闘経験などが豊富で、戦闘力も高い。「星族」と呼ばれる暗殺集団が使う古武術の道場に生まれ、暗殺術を身につけている。目つきの悪さを隠すために、普段はメガネをかけているが、目には星のような形の虹彩がある。つぐみの悩み相談を受けた際にパートナーになるよう誘ったり、アーニャ・ヘプバーンを気にしたりなど、行動や真意は謎が多い。実はクレイと共にEATに所属しているエリートで、死武専の中央情報局ではシド・バレット達と共にさまざまな任務に就いている。任務の一部にはシャウラ・ゴーゴンに関する調査も含まれており、シドの指示を受けながら秘密裏に動き続けていた。また、祖国を抜け出したアーニャを密かに護衛していた。つねに冷静で隙がないように見えるが、実はお化けが苦手で、お面をかぶったつぐみに驚かされた際は、ショックで硬直していた。

クレイ・サイズモア (くれいさいずもあ)

死武専に通う武器の男子生徒。春鳥つぐみ達とは同期。星茜とペアを組んでいる。黒い長剣に変身でき、NOTでありながら高い戦闘能力を持つ。実はNOTではなく、茜と共にEATに所属しており、死武専の中央情報局でシド・バレット達と共に、さまざまな任務に就いている。NOTのふりをするにあたって、普段はチャラついた軽い性格を装っているが、本来はまじめで常識人。また、諜報活動をしているにもかかわらず頭の回転は鈍く、噓がつけない性格で、茜に「諜報員に向いてない」としばしば言われている。一方で高い分析能力を有しており、シャウラ・ゴーゴンの調査にも役立てていた。任務の関係で授業に遅れた時は、茜から遅れた理由を、よく押しつけられている。

シド・バレット (しどばれっと)

死武専の教職員をしている褐色肌の男性。髪型は黒髪のドレッドヘアで、筋肉質な体にはタトゥーがあり、肩には「死」の文字がある。いつもリストバンドと白いバンダナを巻いている。「俺は○○な男だ」が口癖。死武専では春鳥つぐみ達をはじめとする、新入生の授業を担当している。元は死武専の卒業生で、在学中はなかなかパートナーが決まらずにいたが、現在の同僚でもあるミーラ・ナイグスとペアを組んでいる。実は死武専の中央情報局に所属しており、つぐみ達の知らないところでシャウラ・ゴーゴンをはじめとする魔女や、魔女に関する怪事件の調査を担当している。この調査では魔女対策本部の指揮官として、星茜とクレイ・サイズモアに指示を出しながら進めていた。教師としての能力も高く、生徒からの信頼も厚いが、目的を果たすために非情な作戦を実行する事もある。

カナ・アルタイル (かなあるたいる)

死武専に通う、不思議な雰囲気を纏った少女。猫耳フードつきのポンチョを着ており、いつもフードをかぶっている。死武専女子寮にて、入学してきたばかりの春鳥つぐみ達と出会う。死武専生としてはつぐみ達より先輩だが、年齢は9歳で、見た目も性格も子供っぽい。占いを趣味・特技としており、いつもタロットカードを持ち歩いている。愛用しているタロットカードの中には、「アホ」「ブタ」などタロット占いに存在しないカードも混ざっている。一見タロットカードを大切にしているように見えるが、雑巾やお金の代わりに使おうとするなど、しばしば奇妙な使い方をする。普段は無口で無表情だが、タロット占いの際は雄弁に語り出したり、占いを馬鹿にされた時は怒りを示す事がある。

エターナルフェザー

死武専に通う武器の女子生徒。入学して来たばかりの春鳥つぐみ達に、死武専女子寮を案内する。バタフライナイフに変身できる。長い黒髪を二つの三つ編みに結んでおり、メガネをかけている。心優しく、面倒見もいいが、男子生徒からはあまり女性と見られていない。ベトナム出身で本名は「ホアン・ティ・マイ」だが、死武専では同期のキム・ディールに勝手に付けられた「エターナルフェザー」という芸名を名乗っている。死武専の規則上2年は芸名を変えられないため、仕方なく名乗っているものの、顔を覆うほどに恥ずかしく思っている。これらの事情に加え、キムに騙されてセンスの悪い服を買わされた事もあり、キムの事は「女子寮の魔女」と呼んで恐れている。デス・バザーに出店して服を売っていたが、潜んでいたシャウラ・ゴーゴンの指輪にあやつられて腕を武器化し、周囲を襲った。シャウラの命令で自分の首を切りつけるものの、フランケン・シュタインの治療で命を取り留める。その後しばらくは入院していたが、デス・バザーでの出来事はまったく覚えていない。

ミザリー

「死武専女子寮」の寮長を務める女性。いつもは1階の寮長室にいる。常に笑顔で、見た目は優しい印象の人物。また、「フランダースの庶民」という小説の大ファンである。そのため、その主人公のイメージ像にぴったりな春鳥つぐみに対しては、声を荒げて性格の矯正をしようとしたり、寝込みを襲って自分好みに調教をしようとしたりするなど、少々異常な一面を見せる。

アーロン

「死武専」に通う「武器」の男子生徒。非常に寡黙だが、受け答え程度のコミュニケーションはとることができる。変身すると弓になるが、自分の意志に反して中途半端に変身してしまうことがあり、いつも保健室に連れていかれては、メデューサのお世話になっている。

レイド

「死武専」に通う「武器」の男子生徒。パートナーを決める際には「女相手にした方が何かと楽」という理由で女性のパートナーを探していた。多々音めめに目をつけて声をかけたが、春鳥つぐみとアーニャ・ヘプバーンによって倒された。変身した姿は短剣だが、頭だけを残した不完全なものとなる。

(はお)

「死武専」に通う「職人」の男子生徒。レイドと共に行動している。レイドが多々音めめをパートナーに誘った際、邪魔をしてきた春鳥つぐみをペチャパイ呼ばわりし、「お前は成長してもそのまま」と断言した。つぐみとアーニャ・ヘプバーンによって倒された。

キム・ディール (きむでぃーる)

死武専に通う職人の女子生徒。死武専女子寮では、素行の悪さから「女子寮の魔女」と呼ばれている。髪型はピンク色のショートカットで、ジャージを着ている。お金第一主義で、ほかの生徒から理不尽な理由で金銭を巻き上げているため、多くの生徒に恐れられている。ただし男子生徒からの人気は高く、中でもオックス・フォードは諦めずに何度もアタックしている。実はキム・ディールは偽名で、本名は「キミアール・ディール」。あだ名とは別に生まれも本物の魔女だが、周囲にはかたくなに隠しており、短髪にして男っぽい格好をする事で周囲との交流も避けていた。治癒をはじめとした魔法を使う事ができ、ケガをした子犬を治療した。その場面をジャクリーン・オー・ランタン・デュプレに偶然見られてしまうが、魔女である事を気にせずに受け入れるジャクリーンと友人になり、コンビを組むようになる。普段は強気で男っぽく振る舞っているものの、ファンシーな絵本を自作するなど、少女らしい趣味も持つ。

ジャクリーン・オー・ランタン・デュプレ

死武専に通う武器の女子生徒。EAT所属の優等生。凛々しい顔立ちで整ったブレザーを着用し、黒髪をおだんごにしている。愛称は「ジャッキー」。生まじめな性格で、キム・ディールには「堅物女」と呼ばれている。素行の悪さが目立つキムに何かと口出ししていたが、本音では彼女とコンビを組みたいと思っていた。自ら一人になろうとするキムを放っておけず気になっていたが、偶然キムが魔女である事を知り、持ち前の口の堅さで秘密を共有しつつ、コンビを組んで彼女を守ろうとするようになる。ランタン(魔角灯)に変身する事ができ、火の扱いもうまい。ただし照れたり気持ちが昂ぶった時などは、無意識に頭に点火してしまうため、夏場はキムに距離を置かれてしまう。

エリザベス・トンプソン (えりざべすとんぷそん)

保護観察中のトンプソン姉妹の姉。幼い頃にニューヨークのブルックリンに捨てられてから、数々の悪事を働いてパトリシア・シンプソンと共に生き抜いてきた。2人そろって「武器姉妹」とも呼ばれており、変身すると鉄砲になる。髪形はポニーテールで、髪が腰に達するほど長い。

パトリシア・トンプソン (ぱとりしあとんぷそん)

保護観察中のトンプソン姉妹の妹。幼い頃にニューヨークのブルックリンに捨てられてから、数々の悪事を働いてエリザベス・シンプソンと共に生き抜いてきた。2人そろって「武器姉妹」とも呼ばれており、変身すると鉄砲になる。髪の毛は姉よりも短く、肩につかない程度のショートカット。また、手先が器用で、暇な時に「DEATH BACKS CAFE」で、ナプキンをつなぎ合わせて龍のようなオブジェを作っていた。

マカ=アルバーン (まかあるばーん)

「死武専」に通う「職人」の女子生徒。鎌を専門に扱う。入学初日に階段で息を切らしていた春鳥つぐみに声をかけて励ましてくれた。つぐみの憧れの人物。学年では先輩にあたるが、年齢はつぐみよりひとつ下の13歳。デス・シティー生まれでデス・シティー育ちの「デスっ子」。時々言葉遣いが乱暴になる。

ソウル=イーター (そうるいーたー)

「死武専」に通う「武器」の男子生徒。名前は芸名で、他の生徒からはふざけた名前だと思われている。「魂の波長のコントロール」の授業で魔鎌に変身し、春鳥ことりら新入生の前で、マカ=アルバーンと共に息の合ったパフォーマンスを見せた。

フランケン・シュタイン (ふらんけんしゅたいん)

「死武専」お抱えの闇医者を務める男性。検死以外の仕事を持ち込まないという約束を、シド・バレットと交わしている。自分の身体を改造し、また、陰では死体を集めてゾンビ造りの実験を繰り返しているという噂が立つほどの変わり者。ちなみに、実際に自分の頭にネジを埋め込んでいるので、身体の改造を行っているというのは事実である。

ミーラ・ナイグス (みーらないぐす)

「死武専」の教員を務める女性。シド・バレットのパートナーで、褐色の肌に眼鏡をかけたクールビューティ。非常に深いスリットの入ったスカートを着用している。生徒に対しては基本的に命令口調でしゃべる男勝りなところがある。春鳥つぐみは「とってもカッコいい先生」と評している。

おばちゃん

「死武専」の課外授業受付を担当している女性。「死武専」の卒業生で、現役時はEATクラスに所属しており、いつでも戦う準備ができている。非常に筆圧が強く、ボールペンをよく折ってしまう。

オックス・フォード (おっくすふぉーど)

「死武専」に通う男子生徒。キム・ディールとエターナルフェザーの同期で、成績は学年トップのエリート。ほとんどの男子が性悪のキムから離れていくなか、一人しつこくアタックをし続けている。キムにお金を巻き上げられた春鳥つぐみに対しては、その金額と同額をアルバイトで稼いで渡し、「キムのことを恨まないでほしい」旨を伝えた。

ポチ

春鳥つぐみが日本で飼っているペットの犬。尻尾が丸まっており、柴犬のような容姿をしている。つぐみとその兄と共に野球をしたりする仲で、家族写真でも、つぐみがポチを抱きかかえるなど、家族の一員として大事にされている。しかし野性的な勘が働くのか、「武器」であるつぐみにはあまり懐かない。

アルフレッド

アーニャ・ヘプバーンに仕える執事の男性。「ロイヤル空手」という体術の使い手でもある。とても礼儀正しく、アーニャのことを「プリンセス」と呼んでいる。シャウラ・ゴーゴンに操られた人々がデス・シティーを襲っていた際には車の運転を担当し、少々荒いドライビングテクニックを披露して「映画の主人公のようだ」と自ら漏らしていた。

デス・ザ・キッド (ですざきっど)

トンプソン姉妹を拘束した「死武専」の要人。トンプソン姉妹からは嫌われてる様子で、アルバイトをちゃんとしているか、様子を見に来た際には、エリザベス・トンプソンに怒鳴られて帰らされていた。髪の毛に白い3本線が入っていて、瞳は黄金色。左右対称へのこだわりが強く、春鳥つぐみと初めて会った時は、ツインテールが左右対称になるように直していた。

シャウラ・ゴーゴン (しゃうらごーごん)

ゴーゴン三姉妹の三女の魔女。デス・シティー近くに潜伏しており、「死武専」に関わる事件の裏で暗躍していた。サソリの毒で相手を洗脳して操る術を心得ており、精神力の強い「死武専」の生徒ですら洗脳することが可能。

メデューサ

「死武専」に所属する女性養護教諭。戦闘や「武器」の暴走が多い「死武専」においては、非常に重要な役割を担っている。「DEATH BACKS CAFE」の常連で、店ではコーヒーを注文する。多々音めめからは「ホセ・メンドーサ」と間違われて呼ばれたことがある。

マスター

「DEATH BACKS CAFE」のオーナーを務める男性。アルバイトを雇う関係上、「死武専」の生徒たちと絡むことがあるが、基本的に優しく見守っている。口数が少なく笑顔も見せないが、アルバイトの子に手を出す輩がいれば凄んで追い払うなど、秘めた力は計り知れない。

星野 蒼 (ほしの あお)

「死武専」に通う「職人」の女子生徒。黒のロングヘアーに、両目には星型の虹彩が入っている。多々音めめとアーニャ・ヘプバーンが長らく不在にしていた際に、春鳥つぐみと共に練習をしていた。ハルバードの「鎌」部分を使うことを得意としている。

ジャスティン=ロウ

神父のような服を着用した金髪の男性。いつもヘッドホンをして大音量の音楽を流している。「退学なった者は爆音と共に現れる処刑人に捕まって拷問される」という、死武専の8不思議の正体。死武専内で春鳥つぐみ達と遭遇した際は、迷っていた彼女達を案内しようとしたものの、噂の処刑人と勘違いされて逃げられてしまう。

テスカ・トリポカ

クマの着ぐるみでつねに顔を隠している男性。「鏡に映る着ぐるみの男を見ると魂が引きずり込まれる」という、死武専8不思議の正体。NOTの生徒には知られておらず、鏡の前で春鳥つぐみ達と遭遇するものの、噂の着ぐるみと勘違いされて逃げられてしまう。

キリク・ルング

死武専に通う職人の少年。黒縁メガネをかけており、髪型は黒髪のドレッドヘアー。職人としては武闘派だが、筆記の成績は悪い。スポンサー契約をした上で活動しており、その収入の大半は国の復興支援として寄付している。ソウル=イーターと仲がいい。

道場破り (とれーたー)

路上でアーニャ・ヘプバーンを襲った謎の男性。自己流のカマキリ拳法(マンティス・ボクシング)を使う。過去の犯罪履歴がないうえに、道場破りをするような武道などの経験もなく、至って普通の善良であるにもかかわらず犯罪に走り、事件の容疑者として拘束される。急に人が変わっただけでなく、不眠という謎の異常性も持っていた。シド・バレットが身柄を引き取る事になったが、拘置所で何者かに殺害されてしまう。

伝書バット (でんしょばっと)

多々音めめが夜中にやり取りしている謎のコウモリ。専用のコウモリ笛で呼び出す事ができる。実はシャウラ・ゴーゴンの使い魔で、シャウラのスパイとなり、死武専の機密情報を盗んだめめから、情報や報告を受け取っていた。

ブラック☆スター

死武専に通う武器の少年。中務椿とペアを組んでいる。金次第で誰でも殺害する「星族」と呼ばれる暗殺の一族の生き残り。ケンカっ早いが明るくポジティブな性格。死武祭の騒動ではマカ=アルバーン達と共に、暴走者の鎮静化に参加していた。ソウル=イーターとつるんでいる事もある。

中務 椿 (なかつかさ つばき)

死武専に通う武器の少女。ブラック☆スターとペアを組んでいる。まじめで控えめな性格。鎖鎌などの暗器の姿に変身できる。春鳥つぐみや多々音めめと同じ日本出身で、めめとも古武術を通して何度か会っており、知り合い同士。しかし、忘れっぽいめめ本人には忘れられてしまっている。

ハーバー・ド・エクレール

死武専に通う武器の少年。オックス・フォードとペアを組んでいる。髪型は黒髪のオールバックで、頭の後ろに髪をまとめ、顔にはバイザーをしている。魔雷槍に変身できるが、オックスがいなくても放電などの攻撃ができる。つねにドライな性格。

集団・組織

星族 (ほしぞく)

プロの暗殺集団。金さえ払えば誰でも殺す。しかし、規律に従わず力を行使したために「死武専」に潰され、現在はその存在が抹消されている。星族は星茜の家が経営している道場の流派の分家にあたり、茜自身もその暗殺術の心得がある。

課外授業発注票作成委員会 (かがいじゅぎようはっちゅうひょうさくせいいいんかい)

「死武専」に存在する委員会のひとつ。春鳥つぐみ、多々音めめ、アーニャ・ヘプバーンらが所属。「課外授業受付」と呼ばれる場所で発注票の仕分け作業などを行っている。作業をする際には受付の制服を着用することが義務付けられている。

場所

死武専 (しぶせん)

春鳥つぐみ達が入学した、武器と職人のための専門学校。正式名称は「死神武器職人専門学校」。アメリカのネバダ州、デス・シティー内にあり、世界のヒーローやスターをはじめ、さまざまな分野で活躍している著名人を多く輩出している。規模の大きさや活動の幅広さなどから、「世界の警察」とも呼ばれている。世界中からさまざまな少年少女が入学しており、武器になる力を正しくコントロールできるよう教育したり、武器と職人を若い内から管理・育成する事を目的としている。ただし職人はキャリアアップやヒーローになるのを夢見て入学する者も多い。また入学時には、武器と職人がペアを組んでパートナーとなる決まりとなっている。生徒の9割は、つぐみ達が所属する非戦闘員のNOTだが、必要に応じて悪との戦闘に出るEATも存在する。EATの中には、キリク・ルングのようにスポンサー契約をしている者もいる。校舎の前には生徒の強靭な足腰を育てるための長い階段があるが、階段から見える景色は格別。また校舎内は機密を守るため、そして生徒の精神力を鍛えるために、複雑な迷路のようになっており、施設や設備も充実している。大きな食堂には世界中の料理に対応した種類豊富なメニューが揃っている。寮で暮らす生徒達には、週に一度はお小遣いが与えられているが、指定の店でアルバイトをする事もできる。また、デス・バザーにも生徒が出店する事も許可されている。多数の種類が用意されている制服は上下の組み合わせが自由で、私服登校も可能。

死武専女子寮 (しぶせんじょしりょう)

「死武専」の女子生徒が生活する寮。キッチンと洗面所こそ共同だが、綺麗なお城のようなデザイン。クキリタアルタの家具にマイセンの食器を完備しているなど設備はかなり整っている。そのため、民宿のようなところを期待していたアーニャ・ヘプバーンは、逆に不満を漏らしていた。

魔女対策本部 (まじょたいさくほんぶ)

魔女の正体を突き止めて秘密裏に平和に貢献している組織。「死武専」の地下に存在する。指揮は教員のシド・バレットが執っている。本部に所属する正確なメンバーの数は不明。狙撃に特化した組織「狙撃班」や、武装した機動隊のような組織も存在する。

学生食堂 (がくせいしょくどう)

「死武専」の生徒たちが食事をする食堂。各テーブルには割り箸が常備されている。メニューが豊富で、また世界中の料理が食べられるため、生徒は何を頼むか迷うほど。ちなみに最も安いメニューは、春鳥つぐみらが金欠の際に頼んだかけ蕎麦。

DEATH BACKS CAFE (ですばっくすかふぇ)

コーヒーショップ。金欠の春鳥つぐみらが、エターナルフェザーに勧められてアルバイトをしていた。「死武専」の生徒がよくアルバイトをしている店だが、来る客も「死武専」の関係者なのでそれを知っている者が多い。コーヒーの味が良く、星茜も「おいしい」と絶賛していたほど。

デス・シティー (ですしてぃー)

アメリカのネバダ州にある街。「死武専」はこの街のほぼ中央に位置する。世界中からさまざまな人が集まるので、それらの文化が融合した不思議な場所になっている。デス・シティー独自の名物料理には、デッドチキンやデッドステーキなどがあり、調理過程の説明にやたらと「死んだ」という言葉が盛り込まれている。

イベント・出来事

デス・バザー (ですばざー)

デスペイン広場で開かれたフリーマーケット。アーニャ・ヘプバーンの希望により、春鳥つぐみと多々音めめと共に訪れた。人を殺した刀を本人が売っていたり、マフィアのドンの命を奪った弾丸の薬きょうを売っているなど、少々物騒な物も出回っている。キム・ディールに騙されて買わされた酷いセンスの私服を売るため、エターナルフェザーも参加していた。

死武祭 (しぶさい)

EATクラス同士のケンカ大会。10月31日に「死武専」で街を巻き込んで行われる。大会で優勝すると、死神様という人物と直に話ができる権利をもらえる。この時期はデス・シティー全体もお祭りムード一色となり、店には多くのカボチャが飾られるようになる。

その他キーワード

武器 (ぶき)

武器に変身できる能力を持つ者のこと。「死武専」ではそのまま「武器」と呼ばれる。人気のある「武器」は、「職人」と共にスポンサー契約をして広告塔となることもある。なかには能力の制御ができずに人を傷つけてしまう者もいる。そのため、「武器」を恐れる人も少なくなく、差別されることもある。そこで、「死武専」ではその力をしっかり制御する術を教えている。

職人 (しょくにん)

「武器」を使って戦う戦士のこと。人気のある「職人」は、「武器」と共にスポンサー契約をして広告塔となることもある。「職人」が「死武専」に通う理由は「武器」とは異なりさまざまで、キャリア目的で通うものも少なくはない。

NOT (のっと)

「死武専」の進学コースのひとつ。正式名称は「Normally Overcome Target」。非戦闘員のためのクラス。何らかの理由で力を得てしまった者が、自分でその力をコントロールできるように指導することを目的とする。「死武専」の生徒の約9割がこのコースに進学している。

EAT (いーと)

「死武専」の進学コースのひとつ。正式名所は「Especially Advantaged Talent」。戦闘員のためのクラス。その力を使って犯罪者をはじめとしたさまざまな悪と戦うことを目的とする。「死武専」の生徒の約1割がこのコースに進学している。

死武専8不思議 (しぶせんはちふしぎ)

「死武専」に存在するという8つの不可解な言い伝えのこと。「死武専を退学になった生徒は、爆音と共に現れる処刑人につかまり、拷問され処刑される」「どこに逃げ隠れようと見つめている千里眼の女」「夜な夜なトイレを壊す眼帯の女」「女性にエッチな服を着せては喜ぶ変態男」「鏡に映る着ぐるみを被った男を見ると、魂が鏡の中に引きずりこまれる」などがある。 これ以外の3つは不明。

デッドチキン

デス・シティーの名物料理のひとつ。エターナルフェザーによると、「死んだチキンを死んだミルクに一日漬け込んだ後に、13種類の香辛料と小麦粉を衣につけ死んだ油で硬めに揚げた死んだチキン」とのこと。

デッドステーキ

デス・シティーの名物料理のひとつ。エターナルフェザーによると、「死んだビーフを一度死んだ冷蔵庫で凍らせてから塩コショウした後に、徹底的に焼き殺したビーフステーキ」とのこと。

デスっ子 (ですっこ)

デス・シティー生まれでデス・シティー育ちの人を指す言葉。州外からの入学生が多いデス・シティーで遣われる。マカ=アルバーンが該当する。たまに出る不良らしき汚い言葉遣いは「デスっ子言葉」と呼ばれ、デスっ子特有のしゃべり方とされている。

魔女 (まじょ)

この世界では珍しい魔法を使える者のこと。一般的には恐れられる存在となっている。人間よりも寿命が長く、100年以上生きている魔女も少なくはない。また、魔法以外に変身能力も備えており、それぞれ特定の動物に変身することができる。

睡拳 (すいけん)

睡眠状態で相手と戦う拳法のこと。多々音めめが使用する。目を瞑(つむ)った隙だらけの見た目とは裏腹に、寝返りを打つような投げや、床を転がるトリッキーな動きで相手を翻弄する。これを防御するには動きが読みにくく、攻撃もしにくいというのも特徴。

魂の共鳴 (たましいのきょうめい)

「職人」と「武器」が息を合わせ、お互いの気持ちを通わせること。この魂の共鳴により大技を繰り出すことができる。「職人」と「武器」が一心同体となり、魂の共鳴が可能になる。作中では、心を入れ替えて心身共に鍛えられたレイドと昊のコンビが、これを見せた。

ベース

ソウルイーター

デス・シティーに存在する専門学校死武専に通う武器と職人たちがデスサイズを目指し、日々、己を強化していく中で、世界を陥れる魔女や鬼神と戦う様を描く。 関連ページ:ソウルイーター

アニメ

ソウルイーターノット!

死神様が使う最強の武器を生み出すため作られた専門学校死武専。そこへ、日本から春鳥つぐみが武器として入学、職人である多々音めめとアーニャ・ヘプバーンに出会う。 なかなか思ったように武器へと変化できないと... 関連ページ:ソウルイーターノット!

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