パタリロ!

パタリロ!

マリネラ王国の少年国王パタリロ・ド・マリネール8世は、天才的な頭脳と異常なまでの身体能力を持ちながらも、他人をおちょくることが大好きなトラブルメーカー。腐れ縁ができてしまったMI6のジャック・バルバロッサ・バンコランや、お付きのタマネギ部隊たちを始めとした周囲の人物は、毎回パタリロの暴走に巻き込まれていく。例外はあるが、基本的に1話完結の読みきり形式。回によってオカルト、ミステリー、スパイ組織もの、少年愛、SFなど多岐にわたる分野の要素があることが特徴。また、落語の引用が多い。キャラクターの設定を時代劇風に置き換えた回も相当数あるが、時代劇版の設定は一貫しておらず、様々なパターンを持つ。

正式名称
パタリロ!
ふりがな
ぱたりろ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
ギャグ・コメディ
レーベル
花とゆめコミックス(白泉社)
巻数
既刊104巻
関連商品
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概要・あらすじ

イギリスの情報部MI6のジャック・バルバロッサ・バンコラン少佐は、訪英したマリネラ王国の王子パタリロ・ド・マリネール8世のボディガードを命じられる。謀略によるパタリロ暗殺を防いだバンコランだったが、それ以上にパタリロの「いい性格」に圧倒されてしまう。ダイヤモンド産出国で、小国ながら豊かなマリネラ王国は、謎の組織国際ダイヤモンド輸出機構に狙われていた。

その存在を掴んだバンコランは、パタリロの父ヒギンズ3世崩御により、国王に即位することになったパタリロによって戴冠式に呼ばれ、パタリロと共に謎の組織の陰謀を暴く。

登場人物・キャラクター

主人公

マリネラ王国の少年国王。(初登場時は王子だが2話『墓に咲くバラ』で即位)10歳。誕生日は4月1日。白髪で、ふくよかな体型。容姿に関しては周囲の人々から「つぶれ肉まん」と呼ばれるようなものであるが、本人... 関連ページ:パタリロ・ド・マリネール8世

ジャック・バルバロッサ・バンコラン

イギリス情報局秘密情報部MI6所属の少佐。凄腕のエージェントで、部員や上司、女王陛下からも厚い信頼を得ている。殺人許可証を持つダブルオー要員であり、敵対勢力からもその能力を恐れられ、「死神がスポンサーについている」との噂が立つほど。愛銃はワルサーPPK。27歳。 シガーを愛好するヘビースモーカー。長い黒髪に天然のアイシャドウを持つ美貌。パタリロとは、職業上ボディガードを依頼されたことから始まった腐れ縁的な関係で、パタリロのいいおちょくり相手としてターゲット化されているが、お互いの行動をよく理解しているため、「いいコンビ」と評されることも多い。「美少年殺し(びしょうねんキラー)」の異名を取るプレイボーイの同性愛者で、行き逢う美少年たちを次々と虜にしてきた。 ストライクゾーンは16歳~19歳で、文化系のおとなしげな美少年が好みだが、基本的に選り好みがきつく、容姿性格育ちのすべてが整っていることを求める。国際ダイヤモンド機構の殺し屋であった少年マライヒとロンドンのマンションで同棲しており、人生の伴侶として彼を大切にしている。 マライヒとの間に一子フィガロ・バンコランがいる。フィガロは天界の実験によって同性間で生まれた子供であり、予期せぬマライヒの妊娠に通常ないほど悩んだバンコランだったが、生まれてからはフィガロを溺愛する子煩悩な父親となった。 しかしそうしてパートナーや息子を得、自身彼らを愛しているにも関わらず、生来の浮気性であるため、隙さえあれば浮気をしてしまう。少年時代、母親に借金の方に売られた過去があり、そのためか女性を恋愛相手とすることに強い嫌悪感を示す。母に対しては愛憎半ばするところが大きく、普段は母につけられたバルバロッサというミドルネームは名乗らず、ジャック・バンコランとだけ名乗っている。 女性自体に興味が無く、MI6の女性職員も目に入っていないような状態だがm、パタリロの母親エトランジュだけは例外にあたるようで、恋愛でこそないが好意的な行動を取ることが多い。特殊能力として、非常に強い眼力を持ち、相手を半催眠状態にして惹きつけたり、威圧によって動けなくしたりすることもできる。 現実主義者で、SFやオカルト的なものを信じない。麻薬によって信頼していた人間の精神を破壊されてしまったため、麻薬組織に対しては他の犯罪にもまして容赦がない。

マライヒ

ジャック・バンコランの情人でありパートナーの美少年。18歳。長い金髪の巻き毛で片目を隠している。国際ダイヤモンド機構に所属する殺し屋としてバンコランに出会い、戦いに敗れた後、愛し合うようになり、ロンドンにあるバンコランのマンションで同棲するようになった。 その高い戦闘能力や頭脳を生かし、バンコランのMI6の仕事に協力することも多い。一度の流産の後、天界の実験によりバンコランの子供であるフィガロ・バンコランを帝王切開で出産。元は貴族の嫡男であったが幼い頃両親を亡くし、顧問弁護士によってドイツのギムナジウムに入れられてしまう。 そこで恋人だと思っていた先輩から性的虐待を受け、ショックを受け逃げ出したところを、国際ダイヤモンド機構№2だったデュラン・ド=ラーケン伯爵に拾われた。始めは身の回りの世話をさせつつ愛人の一人として面倒を見るだけのつもりだったラーケンだったが、マライヒの反射神経のよさに気付き、暗殺者としての特訓を開始。 特にナイフ術と格闘術に優れた才能を開花させる。パタリロとは、バンコランとの関係を通して行き来するようになった。バンコラン同様パタリロにとっては良いおちょくり相手となってしまうが、時にパタリロをも超える推理能力を持つことから、パタリロの裏をかいて一杯食わせることもある。 また、悩みの相談にパタリロを訪ねてくることも多く、そういった意味ではよき友人と言えるかもしれない。料理が上手く、世話女房気質が高い。すさまじいヤキモチ焼きで、浮気性のバンコランにはたびたび鉄拳制裁を食らわしている。宝石と毛皮に目がなく、自分の美しさを保つことに余念がない。ウエストが56cmであるにも関わらず、太りすぎを心配してダイエットをしようとするほど。 異母妹がスイスにいるが、妹はマライヒの存在を知らない。首筋に本人も知らない間にラーケンに彫られた隠し彫りの刺青がある。

アーサー・ヒューイット

アメリカ中央情報局CIAのエージェント。(初登場時は国際刑事警察機構の特別捜査官を名乗っていた)ジャック・バンコランの知人。バンコランに匹敵する凄腕の持ち主で、特に狙撃に関しては超一流。だが筋金入りのロリコンで、可愛い幼女が任務に絡むとミスをしたり、暴走してしまうこともしばしば。 またノースダコタ州の田舎出身で、昔それをネタにいじめられた経験からCIAの書類でコロラド出身という経歴詐称を行っており、これらをネタにパタリロに脅された挙句、よいおちょくり相手の一人となってしまう。ノースダコタ州名物べったら漬けを作るのが得意。

フィガロ・バンコラン

男同士のジャック・バンコランとマライヒの間に生まれた子供。その正体は天使長ミカエル。天界において来るべき天変地異で人口が激減した際、同性カップルにも子供を授けるという実験を行った際、テストケースとして自ら赤ん坊に憑依して地上に降臨した。ミカエルが憑依していることもあり、生後わずか1か月で1歳児並の体格と6歳児並の頭脳を持っていた。 しかし異常に気付いているのはパタリロだけで、両親を含め周囲の人間は記憶操作等をされているためフィガロの力に気付いてはいない。TVゲームが大好きで、出かける時も携帯機でゲームをしている。

イヨマンテ・サンダース

。イギリス情報局秘密情報部MI6の部長。ジャック・バンコラン少佐の上司。いつもパイプ煙草をふかしている。業務のほとんどはバンコランを始めとした部下たちがこなしており、判子を押す程度の仕事しかしていない。現役当時は早撃ちの名手として知られ、「稲妻のイヨマンテ」と呼ばれていたが、早く撃つだけで狙いは滅茶苦茶だった。 無能な行動ゆえにパタリロとバンコランを困らせることが多い。

警察長官 (けいさつちょうかん)

マリネラ王国の警察長官。パタリロのお付のようなことをしていた時期は、パタリロの良いおちょくり相手の一人だった。その後、牢に幽閉され、タマネギ部隊に見張られながらひたすら書類仕事をさせられるようになり、妻子にも会えない状態になってしまう。しかしそれは敵を欺く偽りの姿で、長官の本当の仕事は、マリネラ王国の防諜をメインとしたスパイ組織、文化広報局の長官だった。 タマネギ部隊同様、いざという時はメイクを落として素顔で任務にあたる。αランダムの持つ加速装置の機密を守るなど、スパイ間の戦いで活躍していたことが後にわかる。

ミハイル

S国情報部の大立者である敏腕エージェント。通称「氷のミハイル」。毒を塗ったダートを得意武器とする。体温を零下32度まで下げるという特殊能力があり、本人曰く零下100度でも全裸で生活できるほどだという。ただし意識的に温度低下を行わなければいけないため、眠ってしまうと体温が元に戻ってしまう。 バンコランやヒューイットたちとは職業上対立関係にあるが、利害や仕事が絡まなければその限りではなく、妊娠しているマライヒの命を救ったこともある。趣味はポーカー。

デュモン

犯罪の芸術家と言われる青年。依頼を受けて殺人を行うが、その際必ず密室状態にし、殺人手法をわからないようにするというこだわりを持っている。各国を代表したパタリロから暗殺依頼を受け、南アを混乱に陥れようとしていたゾミン大統領を訪英時に暗殺。しかしマライヒによって謎を解かれてしまったデュモンは、マライヒに執着を見せるようになる。

ザカーリ

アメリカで一番有能と言われる天才占い師。タロットカードを用いて未来を見通すことができ、占いを外したことはない。全身が非常に過敏。自分のことを占ってはいけないのが占い師の鉄則であるため、偶然行き会ったパタリロに騙されて占いを金儲けのために使わされてしまったことも。ロンドンを訪れたところ、MI6にある事件の参考人として召喚され、バンコランに出会う。 バンコランに恋をし、一時は彼を手に入れるために自分のことを占おうとまでするが、バンコランがマライヒを選ぶことがわかり、身を引いた。

スカンキー

パタリロのライバル的存在のロボット工学者。パタリロと一緒に西ドイツのロボット工学研究所でロボット作りの勉強をしていた。パタリロの作ったプラズマXのテクノロジーを探るため、スクン1という少女型ロボットを送り込んできた。それに失敗しスクン1がプラズマXを守って死んでしまうと、次は開発中のαランダムの知能回路をすり替えてプラズマXとパタリロの命を狙ったが、これも失敗。 手下のロボットを使って銀行強盗をしていたことがわかり、パタリロとタマネギ部隊によって国際刑事警察機構に引き渡される。

キーン・バンコラン

ジャック・バンコランの叔父。ジャック・バンコランよりもさらに強力な眼力の持ち主。ニューヨークのダイヤモンド街で勢力を拡大し始めたことから、パタリロと対立。かつて世界を放浪する冒険家だった時、オーストラリアでダイヤモンド鉱山を発見し、開発のために兄であるジャック・バンコランの父から預かっていた財産を使おうとしたが断られ、ジャック・バンコランの父と、その事実を知ったバンコラン家の執事とジャック・バンコランの愛犬を殺害した過去を持つ。 パタリロのタイムワープ能力によって、この過去が判明し、ジャック・バンコランとも敵対関係に。一時はマライヒを誘拐するなど、有利に事を進めていたが、バルカン半島にある砦に立てこもっての決戦でジャック・バンコランとマライヒ、ゴドー=オブライエンことマキアヴェリ・ド・ラーケン、そしてパタリロの組んだチームに敗れる。

バット

ロンドンにあるニューハーフカフェー「東カリマンタン」のママ。元国際ダイヤモンド機構の情報収集のスペシャリストで、バットは当時のコードネームで、本名はモス=マクドナルド。当然、同じ組織に属していたマライヒとは知り合いで、ロンドンに店を出してからは友人付き合いをするようになった。 国際ダイヤモンド機構壊滅後、趣味と実益を兼ねてフランスのニューハーフカフェージブラルタルで働き始め、あっという間に売れっ子になった。その功績を認められ、ロンドン支店「東カリマンタン」の支店長を任せられた。10代の頃に結婚しており、亡き妻との間に一人息子のミランダがいるが、女装させて娘として育てている。 基本的に物怖じしないパタリロが特別に恐れるオカマの親玉的な存在であるため、パタリロにとっては天敵のようなものなのだが、バット本人はお金持ちのパタリロが上客になることを望んでいる節がある。

エトランジュ

パタリロの母親。32歳。北欧の貴族の血を引く令嬢で、パリ留学中にヒギンズ3世に見初められ、マリネラ王国王妃となる。歳は離れているが、とても仲睦まじい夫婦だった。そのためヒギンズ3世の死にショックを受け、元々身体が弱かったこともあり、スイスのサナトリウムで療養をしている。 初めて会ったジャック・バンコランが、パタリロの義理の母親かと尋ねるほどの美女。デュラン・ド=ラーケンは従兄弟で幼馴染だった。赤ん坊の頃から異常なまでの知能と理解を絶する言動のパタリロを心配し、マリネラ王国の有能な軍人を集めタマネギ部隊を結成させる。行動を共にするうち、バンコランに恋心を抱く。

デュラン・ド=ラーケン

国際ダイヤモンド機構の№2で、伯爵。パタリロの母エトランジュの従兄弟で幼馴染。ラーケンは母方の姓で、以前はデュラン・ド=コンチネンタルという名前だった。貧乏貴族だったコンチネンタル家に嫌気が差して家出をし、国際ダイヤモンド機構の幹部にまでのし上がる。 幼いマライヒを拾い、暗殺術を仕込む傍ら愛人として育ててきた。マリネラ王国のダイヤモンド利権を狙い、パタリロの命を狙う。エトランジュを誘拐し人質とするが、ジャック・バンコランに追い詰められ、決闘を挑むもエトランジュの手によって命を落とす。

マキアヴェリ=ド=ラーケン

デュラン・ド=ラーケンの弟。兄に瓜二つな顔立ち。そのため、兄の生前は兄の影となり情報収集をしていた。別名ゴドー=オブライエン、通称「白紙のゴドー」呼ばれる産業スパイをしていた時期もあったが、足を洗い経済問題専門の私立探偵となった。ジャック・バンコランに雇われ、キーン・バンコランの組織を探り、壊滅に導いた。 剣の腕も高い。黄金の輝きのみに執着を見せるといった美意識のある守銭奴。兄の死後爵位を継ぎ、伯爵となったと思われる。

電磁人間プラズマX (でんじにんげんぷらずまえっくす)

『パタリロ!』に登場する人型ロボット。パタリロが開発した人型自動採石装置。月面のダイヤモンドを集めるために作られた。人間大の大きさだが30万馬力を誇り、空中を自在に飛び、地面の掘削も可能。高度な軍事用加速装置を搭載しており、目、腕からビームを発射できる。腕からのビームは大口径のレーザー砲に匹敵する威力を持つ。 水中でも潜航艇の10倍のスピードで自由に移動できる。燃料はプルトニウム。料理や裁縫も上手い。心優しく、穏やかで、自己犠牲的な性格。言葉を話すことはできないが、身振りなどの感情表現が豊かなため、意思疎通に困ることはない。ただ、国語能力にはやや難があり、自分の名前を「ズラプマX」と書いていたこともあった。

アフロ18 (あふろえいてぃーん)

『パタリロ!』に登場する人型ロボット。パタリロが思春期を迎えたらしいプラズマXの恋人として作成した女性型ロボット。腕からビームを発射できる。面食いで、当初はプラズマXよりも美形のタマネギ部隊の方に気をとられていたが、やがてプラズマXの優しさを理解し、夫婦となる。プララ、αランダムの母親としてわがままなプララに手を焼きつつも愛情深く二人を育てた。 しかしピョートル大帝の手先に娘を人質にとられたブラント博士の開発したカビマルスXを植え付けられ、死亡。最期を看取ったブラント博士によって、優しさを司る回路の一部が回収され、後にエレクトラ=マンドラに引き継がれた。

プララ

『パタリロ!』に登場する人型ロボット。パタリロがスカンキーの作成したスクン1の知能回路の一部を流用して作成した少女型ロボット。当初は赤ん坊型のボディで作られたが、知能回路の成長に従い、少女型のボディに回路を移された。オカッパの額部分に「P」の文字があり、そこからビームを発射することができる。 二千馬力。わがままで気が強いところもあるが、基本的に心優しい性格。

αランダム (あるふぁらんだむ)

『パタリロ!』に登場する人型ロボット。パタリロがプララが寂しくないようにと作った少年型ロボット。プララより後に作られたが、兄となる。スカンキーによって知能回路をすり替えられていたため、結果的にプララとは二人ともスカンキー製の知能回路を元に動く実の兄妹となった。スカンキーによってつけられた自爆装置をパタリロに外してもらい、プラズマXとアフロ18の子として育てられる。 五千馬力。プラズマXのものよりもかなり簡略化された加速装置が搭載されており、それをKGBに狙われたこともあった。

エレクトロ=マンドラ

『パタリロ!』に登場する人型ロボット。パタリロのロボット製作の師匠であるブラント博士が作成した女性型ロボット。アフロ18の死後、プラズマXの後妻として迎えた。パタリロに精神的ダメージを与えんとするピョートル大帝の陰謀により、娘を人質に取られたブラント博士が、猜疑心の強く嫉妬深い性格になる図面を渡されて作ったため、特にプララにきつくあたる。 事件解決後、ブラント博士の手によりアフロ18の優しさを残した回路を移植され、よき母親として蘇えった。

間者猫 (かんじゃねこ)

パタリロの友人で、二足歩行する黒猫。スーパーキャットの兄。世界を股にかけるフリーランスのエージェント。またあるときは狙撃屋として、あるときは破壊工作員として、依頼達成率100%を誇る凄腕。報酬はスイス銀行の口座にカツオブシで支払われる。しかし世界的な不況で次第にフリーには仕事が回ってこなくなり、ポン引きをして生活をするようになっていたところをスーパーキャットに見つかり、同情したパタリロにより世界的犯罪者デュモン逮捕の依頼を持ちかけられ、その仕事によって一旦は自信を取り戻す。 だが不況には勝てず、日本で行き倒れてしまったところを整体師の先生に拾われ、身体を治してもらったことをきっかけに整体師の道を志す。 しかし整体の才能は全く無く、患者を次々に破壊してしまったことからパタリロによって武道整体という格闘技の使い手として世界異種格闘技王者決定戦に出場させられてしまう。酒癖の悪さから不真面目に施術するようになり、逆に整体としてはまともな技術を身につけてしまったことから大会では準優勝に。 マリネラ王国の鉱山で治療師として働くようになった。後にその傍らロンドンで格闘技の道場を開き、エージェントとしての仕事も再開している。

スーパーキャット

パタリロの友人で、二足歩行する猫。間者猫の弟。空飛ぶマントを羽織っており、その力によって空中を自在に飛び回る。パタリロがマントの成分を分析してフライングスーツを作成し、アーサー・ヒューイットに無理やり着せたこともあった。幼い頃流星に乗って地球に漂着し、父猫と母猫に拾われて育てられた。 その時はスーパーパワーを有していたが、その力が意図は無くとも他猫に害を及ぼすことを危惧した父猫により、流星のかけらを飲まされ、スーパーパワーを封印されていた。ある事件をきっかけにそのことを思い出し、流星のかけらを吐き出すことでスーパーパワーを取り戻す。機関車並みの力と弾丸をも跳ね返す強靭な身体に生まれ変わり、活躍を繰り返す。 アメリカ合衆国大統領認定のスーパーヒーローとして、どこにでも出入りでき、どんな組織の応援も強制的に要請できるAAAの身分証明書を手に入れ、政府からの報奨金で豪華な生活をするようになった。

ヒギンズ3世 (ひぎんずさんせい)

パタリロの父親。前マリネラ王国国王。2話『墓に咲くバラ』において崩御したため、作中の描写は伝聞であることが多い。享年恐らく55歳。元々心臓が弱かったのにも関わらず、テレビゲームに熱中したため心不全で死去。生前は凡庸な雰囲気の君主であったと見られていたが、発言に重みのある聞き上手な「隠れ名君」であり、凡庸さは意図的に装ったものであることがわかる。 趣味は絵画。世界各国に隠し子が数人いる。コンピュータープログラミングによる時限式メッセージを仕込むなど、様々な能力を隠し持っていた模様。エトランジュとは歳が離れてはいるものの、仲睦まじい夫婦だった。

三河屋 (みかわや)

マリネラ王国ロンドン大使館の近くにある雑貨屋の店員である青年。帽子を被っていて、顔は隠れている。御用聞きとしてロンドン大使館に出入りしていた。ケチなパタリロに苦しめられるタマネギ部隊の大使館員や、金銭を巻き上げられた近所の子供たちに同情し、パタリロからお金を取り戻す計画を立て、見事成功させる。 後に真相を知ったパタリロによってタマネギ部隊にスカウトされ、青年となったパタリロの右腕として活躍することになる人物。

タマネギ1号 (たまねぎいちごう)

パタリロに仕えるタマネギ部隊の1号隊員。最年長の42歳。エトランジュの命によりタマネギ部隊を結成した最初の6人の一人で、元は陸軍将校だった。マリネラ王国の国政や経済をも動かすタマネギ部隊の重鎮として、時にパタリロを諌めるような行動を取ることも。下着はふんどしを使用している。

タマネギ44号 (たまねぎよんじゅうよんごう)

パタリロに仕えるタマネギ部隊の隊員。「霊感青年」というあだ名の通り、霊能力を持ち、霊的存在の感知や除霊を行うことができる。オカルト的な事件が起こるたびにパタリロによって呼び出されるが、大体非番の時であることが多く、素顔で参上する。非番時の呼び出しが繰り返されることに不満を述べたことから、何度か海外のマイナーな大使館に左遷させられたことも。

マリネラ王国 (まりねらおうこく)

バミューダ三角水域の真ん中に存在する島国国家。人口10万人。季節は一年を通して常春。建国1800年に及ぶ古い国家で、代々マリネール王家が世襲制で君臨している。内閣や国会が存在していることから、形式上立憲君主制の国家だが、王権が非常に強力であるため、実質的にはマリネール王家による専制が敷かれているものと見られる。 ダイヤモンド鉱山から産出される工業用、宝飾用のダイヤモンドの製造販売が国家の基本収入源となっている。近年ダイヤモンドの産出量が減少傾向にあったことから、温暖な気候を売りにした観光業にも力を入れるようになった。島国であるため、食料等の自給は低く、輸入に頼った体制となっている。 課税制度が無く、国民の基本収入は高水準。小国ながら核ミサイルを保有しており、陸海空三軍の装備はパタリロ自らは開発にあたった超兵器が配備されているなど、かなり強力なもの。通貨単位はマリネラで、1マリネラは約1ドル。マリネラの下の単位はマラネリで、1マラネリは約1セント。国家は落語の出囃子に酷似している。 国技は相撲だった時期もあったが、現在はリリアン。

集団・組織

タマネギ部隊 (たまねぎぶたい)

『パタリロ!』に登場する組織。パタリロに仕える特殊部隊。マリネラ王国全軍から集められた優秀な人材で構成されており、パタリロの身辺警護をはじめ、政務の補佐を行う。結成のきっかけは、パタリロが生まれて2ヶ月目、すでに異常な言動と知能の発達を見せるパタリロを心配した母エトランジュによって、マリネラ王国軍の中でも優秀な6人が集められたことだった。 その6人が相談して作ったのがこのタマネギ部隊で、最古参のタマネギ1号~タマネギ6号は、部隊の重鎮として機密を共有していることが多い。物語が進行するにつれ、職務は多岐に渡るようになり、宮殿におけるパタリロの世話や宮殿の清掃などを始めとした雑務から、内閣と手を組んでの政府運営、各国に派遣される大使館員、軍部の統率や様々な技術の研究開発なども手がけるようになる。 人数も次第に多くなっていたことから、隊員数の上限は400名となった。内100名が宮殿勤務、100名はマリネラ王国軍に出向、残り半数は海外勤務となっている。身長175cm以上であること、虫歯がないこと、学力、体力ともに優れていること、美貌を有していることなど、隊員の選抜条件は厳しい。 隊員となった者には制服とタマネギ型のカツラ、メガネ、菱形の口(当初はソフトビニール製だったが、後に形状記憶ラバーとなった)が支給される。給料は極端に安く、一般企業の日当が年収に相当するほど。薄給、パタリロによる奴隷的酷使など悪条件の重なる部隊だが、国内ではエリートの象徴として憧れの職業とされている。 派生組織として、タマネギ部隊の候補生が入る予備軍ネギボーズ部隊、各国に清掃業者として派遣され、情報収集活動を行う黒タマネギ部隊、黒タマネギ部隊の予備軍グレータマネギ部隊、各予備軍から選抜された10代の少年で構成され、各国要人の愛人となって情報収集にあたる紫タマネギ部隊、国内においてパタリロの悪口を言う者や儲け話などを探る影タマネギ部隊などが存在する。

国際ダイヤモンド輸出機構 (こくさいだいやもんどゆしゅつきこう)

『パタリロ!』に登場する組織。世界中のダイヤモンド販売網を一手に仕切り、ダイヤの値を勝手につり上げて私服を肥やそうとしていた。ダイヤモンド産出国であるマリネラ王国も市場を押さえられていることから仕方なく加盟していたが、パタリロは父ヒギンズ3世存命時から組織の不透明性を訴え、脱退を薦めていた。そして自身の即位と共に脱退。 以降独自ルートでのダイヤモンド販売を計るが、それが国際ダイヤモンド輸出機構に対する敵対行為とみなされ、幾人もの刺客が送り込まれることとなる。

場所

東カリマンタン (ひがしかりまんたん)

『パタリロ!』に登場するクラブ。ロンドンにあるニューハーフカフェー。店長であるママはバット。母体となっているのは、フランスにある一流ニューハーフカフェー「ジブラルタル」。ニューハーフ以前に、砂トカゲと人間のハーフや、外宇宙で作られた生体兵器、悪魔憑きなど、とにかくモンスターそのものとしか形容のしようがない「お姉さま」方が揃っており、出される酒や料理も、「クルミ3個で4万円」などかなりひどいぼったくり的な代物であるにも関わらず、業界では超一流の店として、数々の名士に評価されている。

アニメ

パタリロ!

常春の国、マリネラの国王パタリロ。ダイヤモンド産業で潤うこの国は、国際謀略に絶えずまきこまれていた。パタリロ自身の、面白そうなことやトラブルに首を突っ込みたがる性格に、周囲の人間はいつも振り回されっぱ... 関連ページ:パタリロ!

書誌情報

パタリロ! 104巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉

第1巻

(1979-10-20発行、 978-4592111719)

第104巻

(2022-06-20発行、 978-4592220046)

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