獣医ドリトル

獣医ドリトル

腕は良いが、守銭奴で極悪非道と悪評の獣医鳥取健一。彼にペットの治療を依頼した飼い主たちは、動物と暮らすことの責任を認識し、いつの間にか自分の心も成長させてしまう。基本的に一話完結型。原作夏緑、作画ちくやまきよし。

正式名称
獣医ドリトル
ふりがな
じゅういどりとる
作画
原作
ジャンル
動物・ペット
関連商品
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概要・あらすじ

上京して就職活動が惨敗していたあすかは、自分と同じ名前の競争馬アスカミライに出会い、レースで負ける姿に自分の姿を重ねていた。そんなアスカミライが競技中にケガをしてしまい、安楽死から守るために鳥取動物病院を訪れたあすかだったが、鳥取という獣医に高額な医療費を請求されてしまう。そのまま住み込みで働きながら借金を返す事を決意するのだが、その冷血獣医の天才的治療は、ペットだけでなく人間の心も癒していくことに気づいてしまう。

登場人物・キャラクター

鳥取 健一 (とっとり けんいち)

天才獣医師。動物の声なき訴えを聞ける名医として有名だが、その一方で高額な医療費を請求する冷酷非道な男としても悪評高い。獣医はビジネスであるというポリシーを持っており、怪我した野良犬を連れてきた子供であっても、お金が払えなければ容赦なく突き返す。遠慮のない発言で敵を作りやすい性格だが、動物に対しては常に優しい態度を見せる。 治療の腕だけでなく人間の本質を見抜く力も優れており、飼い主たちが抱える悩みや不安を見逃さず、様々な方法で解決に導こうとする。本当は優しくお節介な性格であるという周囲の言葉を否定し、あくまでも他人には冷たく接しようとする。身体がずば抜けて大きく、そこいらの強盗やヤクザには負けない戦闘力も兼ね備えている。

多島 あすか (たじま あすか)

主人公ドリトルのパートナー。鳥取動物病院で働く動物看護士。就職活動連敗中に、自分と同じ名前で成績の悪い競争馬アスカミライに出会う。怪我をしたアスカミライを安楽死から守るため訪れたのが鳥取動物病院なのだが、高額な医療費を請求されるも支払えず、そのまま住み込みで働くことに。 厳しいドリトルにこき使われながらも、本人は動物を救う仕事に生きがいを感じている。動物や患者さんに対して思いやりがあり、冷血な態度をとるドリトルをフォローする存在でもある。治療費の払えない子供たちに代わって医療費を肩代わりするなど、純粋でお節介すぎる部分がある。動物看護士としての腕は優秀で、他の動物病院からスカウトが来るほどである。 本人はドリトルに惹かれているが、自分では釣り合わないと思い諦めている。

花菱 優 (はなびし まさる)

主人公ドリトルの同志。大学時代、ドリトルと共に富沢教授の下で学んでいたが、優秀なドリトルとは正反対に、不器用で腕は悪く、自らを赤点獣医と称している。全ての動物を平等に救いたいという強い信念があり、「獣医はビジネス」というドリトルに対抗して「医は仁術」を主張している。 技術がない分、爽やかなルックスを利用してテレビ番組に出演しては動物の事を知ってもらう努力をしている。難しい治療のほとんどをドリトルに頼んでいる。学生時代、心を閉ざしていたドリトルを手懐けるほどの人間力があり、発想力や経営力においてもずば抜けた才能を持っている。花菱に対するドリトルの評価は極めて高いが、会えば喧嘩ばかりしている。 ドリトルのあだ名の名付け親。

宗谷 華子 (そうや はなこ)

主人公ドリトルの後輩獣医。関東獣医大学を首席で卒業し、現在は大型動物専攻の獣医として動物園パラダイスズーで勤務している。大型動物の治療の事で、ドリトルに難題な相談を持ち掛けてくる。ドリトルと同じくらい遠慮がなくキツイ性格だが、動物の事になると涙を流すほど優しい性格。 責任感が強く、シングルマザーになっても子供をおんぶしながら仕事に励んでいる。

富沢 旅雄 (とみざわ たびお)

主人公ドリトルの恩師。関東獣医大学の教授でかつてドリトルや花菱たちを教えていた。現在は、ドリトルや別府の影響で獣医を目指している白野や兼子を教える。一見いい加減な性格だが、彼の教えは確実にドリトルや花菱、宗谷に受け継がれていおり、業界では名の知れた権威者。 ドリトル不在の鳥取動物病院の代診を引き受けることが度々ある。大型動物臨床が専門。

別府 (べっぷ)

主人公ドリトルが尊敬する獣医師。富沢の大学の大先輩にあたり、現在もベテラン獣医師として働いている。富沢の教え子であるドリトルのことを「坊ちゃん」と呼んでおり、敵なしのドリトルが唯一扱いに困る存在である。針やマッサージなど、東洋医学を用いた日本独自の動物医療を築いた第一人者である。 完全に病気を治すことより、「癒す」ことが大事だと説く。普段は穏やかな性格だが、ドリトルに頼られても厳しい態度で突き返したり、わずかなヒントを与えるだけで、あくまで自分で答えを見つけさせようとする。

不動 ルミ (ふどう るみ)

花菱アニマルホスピタル専属のカリスマトリマー。奇抜な髪型に派手なファッションが特徴。病院内で「サロン・ド・ルミ」という店を出している。はじめ、斬新なカットで動物たちに個性を与えるトリマーとして人気に火が付いたが、トリミングも病気予防の一つというドリトルの教えにより、自分が上辺しか見ていなかった事に気づく。 それからはしっかり勉強するようになり、花菱と共にテレビでその知識を披露している。厳しいが優しいドリトルに惚れていたが、のちに院長である花菱に想いを寄せる。

長谷川 (はせがわ)

ゴッドハンド花菱哲の後継者。元々は花菱の商売敵であるエンペラー動物病院で働いていたが、院長である土門大蔵のやり方に納得できず反発し、クビになったところを花菱に拾われた。獣医としての志は高く、勉強熱心で腕がいいので、最終的に花菱動物病院に移り後継者としての修業を積んでいる。

土門 勇蔵 (どもん ゆうぞう)

主人公ドリトルの同志。父である土門大蔵から、エンペラー動物病院東京本院の院長を引き継いだ。終末医療の専門家だが、安楽死は手術リスク回避の手段とだと主張する父の大蔵とは異なり、安楽死は動物を苦痛から救う最終手段であると考えている。リハビリや医療費の問題から逃れるため安楽死を頼む飼い主が多い事から、動物を救いたい自分の気持ちを押し殺し、心に闇を抱えている。 敵対していたドリトルと関わっていく内に、命が持つ奇跡を信じ始め、徐々に友情心が芽生えてくる。弟順平を母親代わりに育ててきた。多島に惚れてからはお酒も辞め、性格も丸くなった。

土門 大蔵 (どもん たいぞう)

主人公ドリトルを陥れようとす人物。エンペラー動物病院グループの総院長。表向きは、ペットや飼い主に理解の深い人間として振舞っているが、実際は事業拡大の事しか考えておらず、コスト削減を重視したぞんざいな治療ばかり行っている。安楽死の権威でありながら、安楽死を手術リスク回避のための手段としか思っていない。 初めは知名度の高い花菱を陥れようとしていたが、事あるごとにドリトルに邪魔されてしまう。それ以降、ドリトルを失脚させようと様々な罠を仕掛けるようになる。

由利 英 (ゆり すぐる)

富沢の天敵。有名な鳥類学者で、ノーベル医学生理学賞の候補としても何度か選ばれている。富沢とは、湾岸戦争直後のペルシア湾で共に海鳥救護にあたった仲だが、考え方の相違が原因で富沢を目の敵にするようになった。ドリトルの勧めで、井蛙をツボカビ病防衛プロジェクトに迎え入れる。

井蛙 翔 (せいあ かける)

ドリトルに人生を変えられた人物。両生類に関してずば抜けた知識をもっており、由利の下でツボカビ病防衛プロジェクトのエースとして活躍している。元々無職で、鳥取動物病院や由利のブログ荒らしをしていたが、ドリトルにその才能を認められ、由利の下で働くように仕向けられた。世界的両生類学者として講演やテレビにも引っ張りだこ。 ドリトルもその知識を頼りにしており、講演にも頻繁に足を運んでいる。特にカエルが好きで、フラクガエルに似ているとの理由から宗谷に好意を持つ。

水戸 順平 (みと じゅんぺい)

土門勇蔵の実弟。関東獣医大学に通っている。本当は野生生物や絶滅危惧種の保護に興味があるものの、兄が安楽死や延命治療で苦しむ姿を見て育ったので、自分が獣医になって代わってあげたいと思っている。父親が事業拡大で多大な恨みを買っているため、誘拐などを心配した兄の言いつけで別の姓を名乗り、護身術も教わった。 父や兄の敵だと思っていたドリトルに徐々に心を開いていき、進路についても相談するようになった。白野や兼子と共に鳥取動物病院でバイトしている。

白野 晴彦 (しらの はるひこ)

主人公ドリトルに憧れる学生。人間を信用できずグレていた時、猫の治療で鳥取動物病院を訪れた。住み込みでバイトする事を条件に猫を診てもらう事になったのだが、ドリトルに厳しくしごかれる内に心も改まり、仕事にやりがいを感じるようになる。ドリトルを心から尊敬し、同じ獣医を目指す事になった。 現在は関東獣医大学に通いながら鳥取動物病院でバイトをしている。ドリトルからは今だいガキ呼ばわりされ口喧嘩が絶えない。多島に惚れている。

餌指 風斗 (えさし ふうと)

主人公ドリトルに影響を受けた人物。有名になりたいという理由で、動物園でライオンの檻に入っていたところドリトルに救出される。大きなことをして有名になることばかり考えていたが、名誉や地位にこだわらず自分の仕事を真剣にやるドリトルを見て、祖父の餌店を継ぐことを決意。ドレッドの頭をバッサリカットしお客さんに信頼される店主となった。 鳥取動物病院もお得意さんである。

富山 (とやま)

鳥取動物病院に薬を卸している。文系出身でありながら医薬品会社の営業に就職したので、人一倍勉強家。後輩で10歳年上の薬師寺が薬学部出身なこともあり、たまに自分と比べて自信をなくすことがある。やはり動物を救いたい気持ちが強く、仕事に対する情熱は熱い。困難があっても時間通り薬を届けきるという熱意も強く、最初はバカにされていた薬師寺からも尊敬されるようになった。

薬師寺 (やくしじ)

富山の後輩。薬学部を卒業し製薬会社に3年勤務したあと、フリーター生活を経て富山のいる会社に就職した。最初は文系出身で10歳年下の富山を見下していたが、動物を救いたいという熱い想いや仕事に対する真すぐな姿勢に心を打たれ尊敬するようになる。「富山センパイ」と呼んで懐いている。

集団・組織

鳥取動物病院 (とっとりどうぶつびょういん)

『獣医ドリトル』に登場する組織。主人公ドリトルが経営する動物病院。ドリトルが大学在学中に手に入れたもので、もともとは人間の病院であった。多島が来るまではドリトル一人で全てをやっていたが、現在は白野や兼井、順平もバイトで雇っている。供血犬を3匹飼っている。

場所

花菱アニマルホスピタル (はなびしあにまるほすぴたる)

花菱が経営する動物病院。院長も専属トリマーもテレビに出演しているので、とにかく知名度が高い。ペットホテルも充実し、オリジナルペットフードやグッズなども豊富。

エンペラー動物病院 (えんぺらーどうぶつびょういん)

土門大蔵が経営する動物病院。知名度の高い花菱アニマルホスピタルの目の前に建て、客が流れてくるのを目的にしている。安くて早い治療を売りにしているが、実際はコスト削減だけをめざしたぞんざいな治療しかしていない。院長が勇蔵に代わってからは、花菱たちと協力し合った医療を提供している。

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