カブのイサキ

カブのイサキ

地面が10倍のサイズになった世界。人々は移動の際、足代わりに飛行機を使うようになっていた。イサキは「パイパー・スーパーカブ」を操縦し、広い世界を飛び回る。架空の神奈川県を中心とした地名が多く登場。飛行機で飛び回りながら、自らの価値観に疑問を抱く少年の成長を描く。

正式名称
カブのイサキ
ふりがな
かぶのいさき
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

地面がなぜか10倍になり、一番近い町からでも100kmは離れているこの世界。町にはほとんど明かりがなく、どこにもかしこも田舎と化した。16歳以上になると移動の際、足代わりに飛行機を確保するようになるこの世界で、イサキは近所のシロさんに借りた名機「パイパー・スーパーカブ」を操縦する。空を飛び回っていると、炎の山のように燃える高さ3333mの東京タワーや、飛行機よりはるかに大きいフキの葉など、自然界があらゆるものを自分のものとして取り込んでしまった世界が見える。

世界観測機構の巨大な船が空を飛び、標高5000mの高原に町がある、不思議な光景を見るイサキ。ある日彼は、商売だけではなく空を飛ぶことを楽しんでいる同年代のサヨリと出会い、親交を深める。

イサキサヨリカジカは、巨大化した富士山を見るために、知らない世界へと飛び始める。

登場人物・キャラクター

イサキ

大きく広がった世界を、シロに借りた飛行機「パイパー・スーパーカブ」で飛び回っている少年。食品加工工場「かめ水産食品加工」で働いている。幼なじみのカジカと共に飛んで、シロの店の運送の手伝いをしている。飛び回るうちにサヨリなど新しい顔ぶれに出会い、飛行機と自分のあり方を考えるようになる。

カジカ

イサキに飛行機を貸し出しているシロの、妹にあたる小学生の少女。イサキの4歳下の幼なじみで、共に飛行機に乗って、道案内をしたり、操縦を代わったりしている。元気な性格で、運動神経は抜群。ショートカットで顔にそばかすがある。いつもイサキのことが気になって仕方なく、そわそわとついてまわっている。 最初はサヨリと仲違いし続けるが、共に旅に出たことで仲良くなっていく。

シロ

イサキに飛行機「パイパー・スーパーカブ」を貸している、眼が細い、酒好きの女性。カジカの姉。「硝子屋用品店シロ」の店主。運送屋として、様々な食物を地方から買い取っては、イサキの手を借りて他の場所に運ぶこともしている。商売はしているものの、仕事そのものに関心を持たず、飛行機には基本遊ぶために乗っている。 風に乗るように、時にエンジンをとめながら飛行機を操縦することができる。一部の飛行機乗りには有名な人物。

サヨリ

連絡機「ピッツ」に乗って、書類や貴重品を配って回る女性。木更津の小さな飛行場のオーナー。シロに強く憧れている。トイレが近い体質で、もらしそうになって飛行機のスピードを上げることがやたら多い。最初は仲間同士でも楽しんで飛んでいたが、仕事にしていくうちにみながギスギスしていくため、大手会社の従業員になることを嫌っている。 同じように楽しんで飛んでいるイサキに出会い、惹かれていく。

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