もーれつア太郎

もーれつア太郎

東京下町を舞台に、八百屋を切り盛りする主人公・ア太郎とその子分デコっ八、死んで幽霊になったア太郎の父・×五郎、野っ原に住むニャロメやべし、ケムンパスなど多彩なキャラクターが繰り広げる人情ギャグコメディ。赤塚不二夫の他作品『おそ松くん』『天才バカボン』などのキャラクターがしばしばゲスト出演するのも特長。赤塚不二夫の代表作の一つで、特に不屈の猫ニャロメは、連載当時盛んだった学生運動のシンボルとして祀り上げられた。派生作品に『ギャグ+ギャグ もーれつア太郎外伝』、『ア太郎番外 花のデコッ八』シリーズがある。

正式名称
もーれつア太郎
ふりがな
もーれつあたろう
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

東京の下町が舞台。母を亡くし、父と2人暮らしをしているア太郎は、少年ながら稼業の八百屋をテキパキと切り盛りしている。一方父の×五郎は、占いに凝り、八卦見で街角に立つが全く当たらず商売にならない。おまけにお人好しで人に騙されては八百屋のお金に手を出してしまうようなダメおやじ。それでも心優しい×五郎のことをア太郎は大好きだった。

そんなある日、×五郎は子どもが木に引っかけてしまった風船を取ろうとして木から転落し死んでしまう。悲しみ途方に暮れるア太郎だったが、父の死後一週間、一人で店を頑張ろうと決意していたところに×五郎が幽霊になって帰ってくる。

登場人物・キャラクター

ア太郎 (あたろう)

小学生ながら稼業の八百屋「八百×」を切り盛りする少年。デコっ八の親分。義理人情に厚く威勢の良い江戸っ子気質。算数は苦手だが、野菜の勘定ならスラスラできる。まじめで商売熱心なので、熊五郎のおかみさんをはじめ、町内の奥さん連中の熱烈な支持を得ている。

デコっ八 (でこっぱち)

ア太郎の子分でありブタ松の親分でもある。石より硬い広いおでこが特徴。スキー場近くの宿屋の息子。旅行に来たア太郎のスキーテクニックに驚き(本当は幽霊になった×五郎がア太郎を引っ張っていた)、子分になることを決意。東京へ行き、「八百×」の店員となる。親分・ア太郎に一途な思いを寄せる一本気な男。 情にもろくケンカにもめっぽう強いため女の子にもモテる。

×五郎 (ばつごろう)

ア太郎の父親。稼業の八百屋をほったらかしで、占いに凝り、店のお金を使い込んでしまうダメおやじ。子どもが木にひっかけてしまった風船を取ろうとして転落死する。天国に行くものの、天国の役所に×五郎の名前が見当たらず、現世に戻るが自分の体は焼かれてしまったため、幽霊としてア太郎と暮らす。 ×五郎の姿や声はア太郎にしか認識できないが、意識のない人や動物には乗り移って他の人と話すことができる。ちなみに×五郎の名は、父が役所に届けるときに酔っぱらっていて、「八」を「×」と書いてしまったため。

熊五郎 (くまごろう)

鉢巻と腹巻、髭面の大工。働き者だが酒癖が悪く、飲むと乱暴を働く。

熊さんのおかみさん (くまさんのおかみさん)

大工の熊五郎の妻。ア太郎の熱烈なファンで、「八百×」以外の野菜は食べないのはもちろん、ア太郎以外から買うことさえ避けるほど。

神さま (かみさま)

天国に退屈して度々×五郎のところに遊びに来る。見かけは中年おやじだが少年のような心を持っており悪戯が大好き。身体を持たない×五郎をかわいそうに思い、人形の体を作ってあげる優しさもある。

神さまの助手 (かみさまのじょしゅ)

神さまについて度々×五郎のもとに遊びに来る。ア太郎と同じぐらいの年恰好。修行中の身で、変身に失敗したりする。

ガンモ

落語家のような恰好をした少年。女の子にモテるデコっ八に焼きもちを焼き、ア太郎とデコっ八の仲を引き裂こうとする。赤塚不二夫の『ひみつのアッコちゃん』からのゲストキャラ。

ハタ坊 (はたぼう)

頭に日の丸の旗を突き刺した少年。「~だジョー」が口癖。ア太郎のクラスメイト。赤塚不二夫の『おそ松くん』からのゲストキャラ。

六つ子 (むつご)

おそ松を長男とする六つ子。ハタ坊と一緒に夜回りをしていて、銀行強盗に囚われたア太郎と×五郎を発見。イヤミも交えて強盗を倒し、ア太郎たちを助ける。他の役柄でも本作の随所に登場する、赤塚不二夫『おそ松くん』からのゲストキャラ。

イヤミ

おそ松くんら六つ子の隣に住む小説家の先生。夜回りしていた六つ子たちと一緒に、銀行強盗に捕まったア太郎と×五郎を助ける。他の役柄でも本作の随所に登場する、赤塚不二夫『おそ松くん』からのゲストキャラ。

ブタ松 (ぶたまつ)

元暴力団のボス。ア太郎と喧嘩をして家出したデコっ八を子分にするが、やがて立場が逆転、デコっ八の子分になる。デコっ八のアイデアで、野菜くずでブタを育てる養豚場を作るが、ブタたちが可愛くなりこれらを子分にしブタ松一家を名乗る。ココロのボスとは、同じ女性を好きになるなど、なにかにつけてライバル関係にある。

ココロのボス

子分2人を引き連れたギャングのボス。45歳。タヌキのような顔をしてしっぽを持つ。「~のココロ」が口癖。「ハアーポックン、ポックン」や「クーダラナイ、クーダラナイ」など独特の言い回しが多い。短気ですぐにピストルをぶっ放すが、子供や花が大好き。偶然見つけたヒヨコをピヨ子ちゃんと名付けて自分の子供として可愛がる。 少年時代はお城暮らしで「ココ郎」という名前があったが、父の偽札作りがバレて、一文無しになった。また戦争中は特攻隊員だった。ブタ松とは、同じ女性を好きになるなど、なにかにつけてライバル関係になる。

コプンAとコプンB (こぷんえーとこぷんびー)

ココロのボスの子分の2人。ノッポとチビの凸凹コンビ。気まぐれなココロのボスに振り回されながら懸命に尽くす。

ピヨ子 (ぴよこ)

『もーれつア太郎』に登場するヒヨコ。ココロのボスに拾われ、わが子のように愛されるヒヨコ。散髪屋に行ってからはオカッパ頭になった。勉強のためにアメリカ留学する。

ブタの子分たち (ぶたのこぶんたち)

ブタ松一家の子分たち。親分のためなら命も投げ出す義理人情に厚いブタたち。トン次郎やブー五、ブ太郎などそれぞれに名前がある。

ブスタング

ブタ松一家の子分のブタたちに拾われブタ松の子分になった二足歩行の変な顔の馬。ほめられると人を殴るヘンな癖がある。ちなみにけなされると殴る上に馬糞をくらわす。

松代 (まつよ)

ブタ松の妹。スラリと背の高い美人。ココロのボスのことが好きになりラブレターを送る。お嫁さんになる決意をするが、ココロのボスにしっぽがあることに気づき結婚を諦める。

ニャロメ

『もーれつア太郎』に登場する猫。「ニャロメ」が口癖の野良猫で二足歩行をするほか、人間の言葉を話す。昭和16年7月17日生まれの28歳で、生まれた当時、「ニャロメ」となく珍しい猫として新聞に載った。原っぱでべしやケムンパスと一緒に住む。人間のお嫁さんをもらうことが夢で女の子を見るとすぐに「おれと結婚しろニャロメ!!」と叫ぶ。 人間不信からか、ひがみっぽい乱暴者だが仲間思いの一面もある。いじめられ、騙され続けても不屈の精神で反抗する姿が人気を呼び、当時の学生運動のシンボルにもなった。

ケムンパス

ニャロメやべしと原っぱに住んでいる新種の毛虫で言葉を話す。「~でやんす」が口癖。一人称は「小生」。ニャロメにひどい目にあわされることが多い。作中、度々食べられたり、潰されたりするが、のちのエピソードで何事もなかったように登場する。

福笑い院長 (ふくわらいいんちょう)

福笑い病院の院長。目の玉がぶらんと垂れ下がったものすごく変な顔をした整形外科医。恋に破れては八つ当たりで患者を変な顔にしてしまう。

黒ネコのタンゴロー (くろねこのたんごろー)

『もーれつア太郎』に登場するキャラクター。ニャロメにそっくりな黒猫。九州出身。母親を人間に殺され、その復讐のために北海道を目指している。人間を憎み、手当たり次第に噛みつきものを奪う。

べし

『もーれつア太郎』に登場するキャラクター。ニャロメやケムンパスと原っぱに住むカエル。線のように細い手足とヒゲが特徴。「~べし」が口癖で、「子どもは国の宝だべし」など、格言めいた短い言葉を吐く。ピヨ子に恋心を抱くが、嫌われて失恋する。

おまわりさん

妻子があり、貧乏暮らしのため落し物をネコババするなど金に汚い。すぐにピストルをぶっ放す物騒な警官。赤塚不二夫『天才バカボン』に登場する目ン玉つながりのお巡りさんと同じ容姿をしている。

場所

八百× (やおばつ)

ア太郎が経営する八百屋。父・×五郎の死後はデコっ八と2人で切り盛りする。ア太郎やデコっ八の人気が高く、店は繁盛している模様。

アニメ

もーれつア太郎(第2期)

主人公のア太郎は父の×五郎が死んだため、家業の八百屋「八百×」を引き継ぐ。ア太郎はデコッ八やココロのボス、ニャロメといった仲間たちとともに様々な珍事件を巻き起こしながら、明るくたくましく生きていく。 関連ページ:もーれつア太郎(第2期)

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