戦線スパイクヒルズ

戦線スパイクヒルズ

天才的なスリの技術を持つ高校生ノムラノブオが、ある計画に加担していく過程を描いた作品。原田宗典の小説『平成トム・ソーヤー』を改題してコミカライズした。

正式名称
戦線スパイクヒルズ
ふりがな
せんせんすぱいくひるず
原作者
原田 宗典
漫画
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

1991年。高校生のノムラノブオは天才的なスリの技術を持ち、自分は特別な人間だと考えて勉強にも身を入れていなかった。ある日、電車の中でスリをしていたところを、同じ高校に通うスウガク(蕪木次郎)に見られてしまう。スウガクはある「計画」をノブオに持ち掛ける。スウガクの知り合いの女子高生キクチも加わり、人生を変えるかもしれない計画が実行に移される。

登場人物・キャラクター

ノムラ ノブオ

都立新西高校3年生の男子。一見ごく平凡な高校生で、他人に対しては敬語で話している。だが、天才的なスリの腕を持つ。その能力ゆえに自分は「くだらない世界の流れから抜け出た特別な人間」だと確信し、勉強にも身を入れていなかった。母親と2人暮らしだが、母は新興宗教の光向会にはまり込んで、事ある毎にその教義を振りかざし、家庭は居心地の悪い場所になっている。 電車の中でスリをしていたところを、同じ学校のスウガク(蕪木次郎)に目撃されたことが縁で、彼の「計画」に関わるようになる。同じく「計画」に参加したキクチと付き合うようになり、惚れ込んでいる。のちに、歌舞伎町でラブホテルを経営している千波チサトからスリの特訓を受け、神業とも呼べるほどの腕に到達する。

蕪木 次郎 (かぶらぎ じろう)

都立新西高校3年生。眼鏡をかけた鋭い目つきの男子。数学だけはやけにできるため、「スウガク」と渾名されている。また自身も本名で呼ばれることは好まない。義父、義兄と暮らしているが、彼らとの折り合いは悪い。学校では目立たないが、妙な噂ばかりをたてられている。年上の女性が好きで、ホストクラブでアルバイトをしている。同じ学年のノムラノブオがスリをしている現場を見て、知り合いのキクチから聞いた話を基にした、ある「計画」を彼に持ちかける。 ノブオ、キクチと共に千波チサトの手助けを得て、計画の実行に乗り出す。

キクチ

髪を染めた少女。スウガク(蕪木次郎)とは中学時代からの知り合いで、私立の女子高に通っている。可愛らしい容姿で男子に人気があるが、掴みどころのない部分がある。しつこく言い寄ってくる島田浩一から聞いた話をスウガクにしゃべったことから、ある計画が始まる。計画にノムラノブオが加わってからは彼と付き合うようになった。 家庭では母親と一人暮らしだが、身勝手な母から常に叱責され、壁にかけたトム・ソーヤーとハックルベリー・フィンが描かれた絵を慰めにしている。

千波 チサト (せんなみ ちさと)

ラブホテル・ニューちさとを経営している。神業とも呼べるスリの腕を持つ老年の女性。ノムラノブオがスリをしているところを見かけ、ホテル兼自宅に招き入れ、彼を諭す。その後、ノブオがスウガク(蕪木次郎)、キクチと組んで進めている「計画」に自らも関わり、ノブオに自らの持つスリの技術を伝授する。

泰典 (やすのり)

冷たい目をした逆立った髪の男性。ヤクザ組織・シマコウ商事配下の男。九州のヤクザ組織にいたが、揉め事を起こし東京に流れて来た。本来の年齢は50歳を過ぎているが、青年のような容姿をしている。高いスリの技術はノムラノブオを上回る。元は千波チサトと縁があった。

島田 浩一 (しまだ こういち)

荒んだ風貌の男子高校生。父親はヤクザの島田幸吉。キクチに彼女になるようしつこく言い寄っていた。キクチがノムラノブオと付き合うようになってからは、ノブオに激しい憎しみを向けるようになる。

島田 幸吉 (しまだ こうきち)

シマコウ商事代表取締役社長。会社組織としているが、実態はヤクザ。名門私大早慶大学の入試問題を裏ルートで入手し、金儲けをしようと画策している。

髙橋 (たかはし)

都立新西高校3年生。スウガク(蕪木次郎)とは同じクラス。ノムラノブオと同じ塾に通っている。カッパに似ているため、密かにカッパと呼ばれている。よくノムラに食べ物をたかっている。勉強に追い立てられる毎日を愚痴っている。

ノムラノブオの母 (のむらのぶおのはは)

ノムラノブオの母。眼鏡をかけた神経質そうな女性。光向会という新興宗教に入信しており、事ある毎にその教義をノブオに押し付けてくる。

由紀子 (ゆきこ)

スウガク(蕪木次郎)が中学生だった頃の保健教師の女性。スウガクに舌を噛み切られたと噂されている。スウガクがアルバイトをしているホストクラブに入り、彼と再会する。

スウガクの義父 (すうがくのちち)

スウガク(蕪木次郎)の義父。元はスウガクの父が経営する会社に勤めていたが、スウガクの父が亡くなると彼の母と結婚し、会社と家を手に入れた。スウガクの母が亡くなった後は、彼を冷たく扱っている。

スウガクの義兄 (すうがくのあに)

髪を染めたヤンキー風の男性。スウガク(蕪木次郎)の義兄。父が数学の母と結婚したが、義母が亡くなった後はスウガクを「他人」と呼んで毛嫌いし、日常的に彼に暴言を吐いたり暴力を振るったりしている。

ハンミ電気商会の主人

髭を生やした怪しげな中年男性。たどたどしい日本語を話し、秋葉原の薄汚れたビルの奥でハンミ電気商会を経営している。スウガク(蕪木次郎)から依頼されて特注の盗聴器を作るが、引き渡しの段階で高額な請求をふっかける。

ゴブドウ

祈祷師のような装束を着た男性。ノムラノブオの母が入信している新興宗教・光向会の幹部。ノブオの母に頼まれて、度々家にやって来る。シマコウ商事代表取締役社長・島田幸吉とは密かに繋がっている。

馬橋 (まばし)

都立新西高校の教師。ノムラノブオの進路指導を担当している男性。ノブオが志望を私立の名門早慶大学一本に絞ると聞き、呆気に取られる。

クレジット

原作

原田 宗典

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