アメリカン・パイ

アメリカン・パイ

生と死を真正面からとらえたヒューマンドラマ。不治の病にかかり家出をした少女リューと、彼女を見守りながらも、リューの魂を救うために歌を歌わせようとするグラン・パとの、感動の物語。後にマドンナがカバーして有名になった曲、ドン・マクリーンの『アメリカン・パイ』をモチーフにしている。月刊『プリンセス』誌上で1976年2月号に全編、3月号に後編が掲載された。2003年には、宝塚歌劇団により舞台化もされた。

正式名称
アメリカン・パイ
ふりがな
あめりかん ぱい
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

アメリカ・フロリダのライブハウスでバンド活動をしているグラン・パのアパートに、1人の浮浪児が転がり込んできた。リューと名乗る少女は、いつもドン・マクリーンの『アメリカン・パイ』を無気力に口ずさみ、自分のことは何も語ろうとしない。ためしに舞台で歌を歌わせてみたら、未成熟だが人の心をつかむ純粋な歌声で、観客を熱狂させた。

やがて、話を聞きつけたリューの両親がフランスから迎えに来た。リューはボルドーの大きなぶどう園の娘で、病のために余命がいくばくもなく、家出をしていたのだった。グラン・パは、リューをフランスに戻すよりも、生を全うするためにこのまま歌わせたいという。

登場人物・キャラクター

リュシェンヌ・クレー (りゅしぇんぬくれー)

そばかすだらけで、一見、少年のような少女。実はボルドーの大きなぶどう園の一人娘だが、不治の病にかかり、世界中から医師を呼んだが治らず、家族に気を使わせる自分がイヤで家出をした。海外を9か月放浪し、マイアミでグラン・パに拾われる。人を惹きつける純粋な歌声を持つ。

グラン・パ (ぐらんぱ)

アメリカ・フロリダのライブハウス『あなぐら』でバンド活動をしている男性。作曲、ギター演奏、ボーカルをこなすが、顔が不細工なので人気はない。面倒見がよく、世話好き。浮浪児だと思ったリューを拾い、身上を知ってからも世話をし、見守り続ける。12歳で親と死に別れ、祖母に育てられたが、祖母も他界したため1人暮らしになった。 ガレージの上の安下宿に住む。

ローダ

アメリカ・フロリダのライブハウス『あなぐら』の受付係。黒髪をアップに結い上げた美人で、グラン・パに片思いされている。しばしばリューとグラン・パの面倒を見てくれる。

ウィースバード先生 (うぃーすばーどせんせい)

ワシントン在住の医師。1年前、クレー夫妻にフランス・ボルドーまで呼ばれ、リューの診察をしたことがある。マイアミにバカンスに来ているときに、偶然、リューと再会し、クレー夫妻を呼ぶ。人がいい性格で、その後もリューのことを遠巻きに見守り続ける。

ジャクスン

アメリカ・フロリダのライブハウス『ジャンスン・プレイ』のオーナー。グラン・パとは小学生時代からの友人。やり手で、見込みのありそうな若いミュージシャンを引っ張ってくる。リューの歌声の評判を聞き、『あなぐら』から引っ張り、病気のことを知らないまま、将来は大物シンガーに育てたいと思っている。

クレー夫妻 (くれーふさい)

リューの両親。フランス・ボルドーで大きなぶどう畑を経営している。1人娘のリューことリュシェンヌが不治の病にかかったため、世界中から高名な医師を呼んだ。その中のひとりであるウィースバード先生から、家出をしたリューが見つかったと連絡をもらい、マイアミに飛ぶ。しかし、このまま歌わせておきたいと言うグラン・パに、「歌があの子を救えますか?」と詰め寄るが、グラン・パの説得に納得してフランスに帰る。

SHARE
EC
Amazon
logo