概要・あらすじ
バーに勤める真保僚太郎(マホ)は、深夜、男に絡まれているところを助けたことがきっかけで、同じマンションに住む広津藤子と知り合う。シンパシーを感じた2人は交友を深め、マホが買い込んで放置したままの食材で藤子が食事を作り、一緒に食べるというスタイルが次第に定着していく。こうして交友を深めながら、2人は日々の生活の中で、さまざまな憂いを抱えて生きる人々と出会っていく。
2人は互いの存在に、居心地の良さを感じていくのだった。
登場人物・キャラクター
真保 僚太郎 (まほ りょうたろう)
通称「マホ」。バー「ARTHUR」で働くニューハーフ。さっぱりした性格のようであり、実は結構思い悩むタイプ。世間が作った枠組みに違和感を感じており、日常に感じる自分の周辺の様々な雑音に疲れがちだが、感性の似た広津藤子の存在によって救われている。
広津 藤子 (こうづ ふじこ)
真保僚太郎(マホ)と同じマンションに住んでいる女の子で、マホに一目ぼれする。大学生だが、別の大学に入りなおすために、夜間のビル清掃アルバイトをしながら勉強をしている受験生。実は有名評論家の娘だが、家庭内不和に疲れて独立した。だがこの事実は親にとって不名誉なことであるため、世間的には海外に留学したとされている。
大桐 (おおぎり)
広津藤子が実家にいたころにお見合いをした相手。社会的には有能な人物であるが、プライドが極端に高い。自分に対していつでも従順な態度でいるよう藤子に求めたため、その圧迫的な態度が藤子と合わず婚約は成らなかった。藤子側から断られたことに釈然とせず、逆恨みをしている。真保僚太郎(マホ)が藤子と一緒にいる姿を見たことから、マホをストーカーのごとくつけまわす。
ココ
真保僚太郎(マホ)と同じバーに勤めるニューハーフ。いつも恋に真剣で、女性としての居場所を求めている。公園で赤ちゃんを拾い、懸命に世話をすることで母性に目覚める。これがきっかけで、いろいろな国の言語を学び、世界中の恵まれない子供たちのお母さんになるという大きな夢を持つこととなる。
まちこちゃん
父親はギャンブルにのめりこみ、母親は病気がちだったため、将来を悲観して発作的に母親から公園に捨てられた女の赤ちゃん。偶然にもニューハーフのココに拾われて「まちこちゃん」と名付けられる。数日の間、ココに娘として世話をされるが、後に無事、本当の両親のもとに戻される。