赤いペガサス

赤いペガサス

実在するコースやレーサー、チームなどが登場するF1レースを題材にしたストーリー。主人公のケン・アカバが、仲間の事故死や、自らも重いハンディを背負いながらも、ライバルドライバーに競り勝っていく姿を描く。

正式名称
赤いペガサス
ふりがな
あかいぺがさす
作者
ジャンル
カーレース・ラリー
関連商品
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概要・あらすじ

天才ドライバーと讃えられたケン・アカバ(赤馬研)は、GTカー6時間耐久レースで善戦していたが、アクシデントにより車がコースアウト。近くにいた観客も含めて大事故となり、それ以降彼はレース界から遠ざかる。しかし、サンダーボルト・エンジニアリングチームが開発したF1マシンのSV009に、テスト走行のために乗ると、レーサーとしての血が再燃。

世界最高峰レースのF1でレーサー復帰する。そして、チームの同僚レーサーである、ロック・ベアードやメカニックたちと小さなトラブルを起こしながらも、新生チームを盛り立てていく。ニキ・ラウダやエマーソン・フィッティパルティ、マイク・アンドレッティといったライバルたちとの友情を交えつつ、過酷なF1GPで勝利をつかんでいく。

登場人物・キャラクター

赤馬 研 (あかば けん)

イギリス国籍の日系人。レースデビューしてわずか1年で、F5000のチャンピオンになり、GTカーレース6時間耐久戦でも、天才的な走りを見せる。だが、アクシデントによりコースアウトし、観客(6人死亡)を巻き込む大事故を起こした。以来、F1のロータスチームのメカニックになる。 だが、会田率いるF1の新チーム、サンダーボルト・エンジニアリングが開発したSV009に搭乗し、テスト走行に参加。会田からはメカニックとして誘いを受けていたが、これを機会にレーサーとして復帰する。なお、彼の乗るマシンには、真紅のペガサスがイニシャル・マークとして貼られている。 また、ケン・アカバは妹のユキと同様、ボンベイ・ブラッド(1952年にボンベイで発見された、昭和52年当時、世界で数人しか登録されていない血液)保有者。

ユキ・アカバ

ケン・アカバの妹。兄と同様のボンベイ・ブラッド(1952年にボンベイで発見された、昭和52年当時、世界で数人しか登録されていない血液)保有者。ケンが特殊な血液保有者なので、彼が事故を起こすと、輸血時には採血者としてユキがそばにいる必要がある。そのため、レース以外でも大半は兄のそばにいる。 また、血液銀行に採血する期間は、せめて1ヶ月は間隔をあけることが決められているが、ユキは医者に無理をいって、2~3週間ごとに採血し、血液を貯めている。また、ケンに何かあると、胸騒ぎを起こすことがある。元は、新聞記者で家庭欄の記事を担当していた。父親は貿易商で、母親が亡くなった後再婚。 そのため、10年前に父と兄妹は離れて暮らすようになった。

会田 (あいだ)

F1に初参加する新生チーム、サンダーボルト・エンジニアリングのオーナー。元レーサーで、過去のレースで事故を起こして以来、車イスで生活する。チームを立ち上げたときに、レースドライバーはロック・ベアードだけが確定していた。ドライバー候補は何人もいたが、会田は気に入らず、かつて天才ドライバーで、今はF1ロータスチームのメカニックだったケン・アカバに白羽の矢を立てる。 そして、メカニックとしてケンを招待しながら、テスト走行の名目で、新型マシンSV009に搭乗させ、彼のレーサー魂に火をつける。その結果、ケンはセカンド・ドライバーとして、レーサー復帰する。

ロック・ベアード

アメリカ人。F1に初参戦する、サンダーボルト・エンジニアリングチームのエース・パイロット。ケン・アカバとは同僚であり、ライバル。そのケンから、F1レーサー30名の中でも、十指に入る実力と認められている。ベアードの実家はアメリカの貧しい街で、自動車解体業を営んでいた。 16歳の時に、家の有り金を全部盗んで中古のストックカーを購入し、草レースに参加。レースで圧勝し、それをを見ていた大金持ちのバートンに気に入られ、スポンサーになってもらったのが、この世界に入ったきっかけ。フィアンセのリサも、同じ街の出身。だが、地元の第4戦アメリカGPで、ケンのスリップ事故に巻き込まれ、ベアードのマシンが炎上。 そのまま死亡する。

カール・モンティ

ベテランのF1レーサーで、自称サーキットの神様。世界チャンピオンは5回。優勝回数89回を誇る。酒好き。ケン・アカバからはモンティじいさんと呼ばれる。ロータス78に乗り、第1戦のアルゼンチンGPではプラクティス(予選)の第1セッションをトップで通過。だが、第2セッションで大スピンし、マシンといっしょに空中爆破して死去。 ケンに、アルゼンチンGPのコーナーの攻め方を伝授していた矢先の出来事だった。

マリオ・アンドレッティ

世界最速の男と呼ばれるF1レーサー。実在のマリオ・アンドレッティがモデル。ケン・アカバが整備が十分でないマシンに乗って、テスト走行中にコースアウトする。その際のケガによって、血液が不足。妹のユキだけでなく、アメリカの国立衛生研究所から血液を空輸してもらう。 その際、空港から病院までの公道をF1マシンに乗って、マリオが血液を運んだ。このときに乗ったF1マシンは、ジェームズ・ハントから借りたものだった。

エマーソン・フィッティパルティ

F1レーサーで、72年、74年のワールドチャンピオン。ブラジルの英雄と呼ばれる。実在のエマーソン・フィッティパルティがモデル。彼が乗るF1マシンのコパスカーFD04はブラジル産。第2戦のブラジルGPでは、プラクティス(予選)の第1セッションでフィッティパルティとケン・アカバの一騎打ちとなる。 だが、第2セッションで事故を起こし、大やけどを負う。それでも、医者団をピットに入れて無理矢理、決勝レースに出場。4位と健闘する。

集団・組織

サンダーボルト・エンジニアリング

『赤いペガサス』に登場するF1チーム。会田オーナーが率いる日本のチーム。アメリカの大手タバコメーカーのバートン社(社長バートン)がスポンサーにつき、独自開発したSV009マシンでF1に参戦した。エース・パイロットは、ロック・ベアード。セカンド・パイロットはケン・アカバ。 エンジン・メカニックは小原源三。ボディー・メカニックは菊地安彦。サスペンション・メカニックは石川一郎。チーフ・エンジニアはボブ・大友。チーフデザイナーはトム・カサハラ。ちなみに、マシンSV01とSV01改をデザインしたのが、このトム。

イベント・出来事

アルゼンチンGP (あるぜんちん・ぐらんぷり)

『赤いペガサス』に登場するF1GPレース。第1戦。ケン・アカバのレーサー復帰戦。サンダーボルト・エンジニアリングチームのデビュー戦でもある。チームが開発した新型マシンSV009のマシンセッティングがうまくいかず、予選落ちしてしまう。だが、その中でもケンは、カール・モンティ直伝のコース取りをうまく実行し、タイムを大幅に縮めている。 ただ、そのカール・モンティは、プラクティス(予選)で事故死している。優勝者はジェームズ・ハント。

ブラジルGP (ぶらじる・ぐらんぷり)

『赤いペガサス』に登場するF1GPレース。第2戦。プラクティス(予選)の第1セッションで、ケン・アカバが激走し、エマーソン・フィッティパルディとタイムで一騎打ちする。だが、エマーソンは第2セッションで事故を起こし、マシンが炎上。彼も大やけどをする。それでも、決勝レースには、ピットに医師団を控えさせて出場。 なんとか4位をもぎ取った。ケンはトップで走行中、ゴール直前で観客からの妨害があり、マシンをクラッシュさせてリタイア。優勝者はニキ・ラウダ。

南アフリカGP (みなみあふりか・ぐらんぷり)

『赤いペガサス』に登場するF1GPレース。第3戦。サンダーボルト・エンジニアリングチームのマシンが、SV009からSV01に変更して臨んだGPレース。摂氏36度でのプラクティス(予選)第1セッションで、ケン・アカバのマシンが前走マシンのオイルに足を取られてスピン。 そのままコースアウトして炎上した。マシンは大破し、2日後の決勝レース出場は危ぶまれたが、地元の黒人の混血青年たちが手伝ってくれたおかげで、決勝レースになんとか間に合う。ただ、マシンの調子は万全ではなく、決勝レースでもトップと2周遅れ。このとき、ケンは混血青年が教えてくれた雨の降る時期を信じ、途中からレインタイヤに替えて走行。 これがうまくいき、トップとの差を詰めていくが、もうすぐゴールというところで事故になりリタイヤする。優勝者はジョディ・シェクター。

アメリカGP (あめりか・ぐらんぷり)

『赤いペガサス』に登場するF1GPレース。第4戦。ケン・アカバのチームメートで、サンダーボルト・エンジニアリングのエースパイロット、ロック・ベアードの地元。チームスポンサーで、ベアードのスポンサーでもあるバートンが所有する仮設コースで、チームは新車SV01のテスト走行をする。 このGPの前夜祭で、ケンと和服のユキ・アカバが参加。また、ベアードも、フィアンセのリサを周囲に紹介する。決勝レースでは、ベアードとケンが上位を走り善戦。ゴールまであと18周というところで、トップのマリオ・アンドレッティと三つ巴になり、ケンがオイルに足をとられてスリップ。 ほかの2台を巻き込む大事故となる。結果、レッドフラッグが降られた時点でトップにいたケンが優勝。ベアードは事故死する。

その他キーワード

SV009

『赤いペガサス』に登場するF1マシン。サンダーボルト・エンジニアリングがF1参戦する際に投入された、新開発マシン。エンジンはフォード社製。DFV8気筒の3リッター。全重量600㎏。470馬力。最高時速は300キロオーバー。超一流の戦闘力を秘めたマシンと、ロック・ベアードは称賛していた。だが、レースを続けていくうちに空力抵抗に問題があることがわかり、F1GP第3戦南アフリカGPでは、新型マシンSV01を投入した。

SV01

『赤いペガサス』に登場するF1マシン。サンダーボルト・エンジニアリングチームがF1GPで走らせる2台目のマシン。SV009に比べてシンプルなボディ形状にし、問題のあった空力抵抗を緩和。乾燥重量575㎏で、最低重量ぎりぎりまで軽量化した。

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