SWAN

SWAN

一流バレリーナを目指し単身北海道から出てきた少女が、並みいる実力者たちにもまれながらもチャンスをつかみ、憧れの舞台に立つ。作中には実在のバレリーナや舞踊家、振付師、バレエ作品などが登場する。

正式名称
SWAN
ふりがな
すわん
作者
ジャンル
バレエ
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概要・あらすじ

ソビエトの舞踊家アレクセイ・セルゲイエフとマイヤ・プリセツカヤの日本公演を見た15歳の少女・聖真澄は、その感動のあまり、警備員を振り切ってマイヤ・プリセツカヤの前でブラック・スワンを舞う。その出来事がキッカケで東京のバレエスクールに通えることになり、数々の困難を乗り越え人間としてもバレリーナとしても成長していく。

やがて日本を代表するプリマドンナとして、世界各国の舞台へと飛翔する。

登場人物・キャラクター

聖 真澄 (ひじり ますみ)

北海道旭川出身の15歳、高校1年生。父親は彫刻家、母親はプリマ・バレリーナであり、自身もバレリーナを志している。15歳まで田舎のバレエ教室で学んでいたため、技術レベルはさほど高くないが、秘めたる才能とバレエを愛する気持ち、そしてここ一番の勝負強さでチャンスをつかみ、日本、ロシア、イギリス、アメリカなど、数々の舞台に立つ。

京極 小夜子 (きょうごく さよこ)

幼少期から高いバレエ教育を受け、将来を嘱望されたバレリーナ。高校生とは思えないテクニック、豊かな表現力、しなやかな肢体、美貌と優雅さを兼ね備え、まさにプリマになるために生まれてきたような女性。生粋のお嬢様育ちだが、バレエに対しては誰よりもストイック。日本初のモスクワボリショイ公演で舞台に立つが、オーロラ姫のバリエーションでアキレス腱を断裂。 以降は第一線を退き、リハビリに励みながら指導者としての道を歩む。

アレクセイ・セルゲイエフ (あれくせいせるげいえふ)

世界的にも人気・実力No.1を誇る、モスクワのボリショイバレエ団の花形ソリスト。真澄の才能を見出し、日本バレエ協会の依頼で国立バレエスクールの教官を務め、真澄の個人レッスンを受け持つ。真澄とは偶然の出会いであったが、実はかつて真澄の母親と因縁があった。

草壁 飛翔 (くさかべ ひしょう)

札幌出身。京極小夜子と同じ、鳳バレエ学校の出身で、コンクールでは常に1位をキープする天才ダンサー。様々な場面で悩み、打ちひしがれる真澄を、いつも優しく励まし勇気づけてくれる。真澄にとっては信頼できる先輩。京極小夜子にパートナーの申し出をする。

柳沢 葵 (やなぎさわ あおい)

草壁飛翔の親友でありライバル。コンクールでは草壁飛翔と優勝を争うが、実力が一歩及ばず、いつも2位に甘んじている。真澄の相手役として踊るうちに、真澄を好きになるが、自分では真澄の実力を引き出すパートナーになれないことを自覚し、身を引く。明るく社交的な性格で、柔らかく長い髪が特徴。

レオンハルト・フォン・クライスト (れおんはるとふぉんくらいすと)

ドイツ人と日本人のハーフで、ドイツ国籍。真澄の通う高校に転校してきた。13歳から3年間スクール・オブ・アメリカンに留学していた。一見冷めているように見えるが、バレエに対してはとても情熱的。東京国際コンクールで真澄と踊り、真澄を自分のパートナーにしたいと思うも、真澄の実力を引き出すために、悩み苦しむ真澄を突き放す。 クラシックバレエだけでなく、コンテポラリーダンスでもかなりの実力者。

ラリサ・マクシモーヴァ (らりさまくしもーゔぁ)

モスクワバレエ学校に所属し、ボリショイの天才少女と噂されるバレリーナ。勝ち気な性格で、初対面の相手にも率先して勝負を挑むような負けず嫌い。感情を激しく表現する情熱的な踊りを得意とし、真澄とはボリショイ公演のブラックスワンを競うほか、以降も度々ひとつの役を競うことに。リリアナ・マクシモーヴァとは、従兄弟同士。

リリアナ・マクシモーヴァ (りりあなまくしもーゔぁ)

ラリサの従姉妹で、父親はボリショイバレエ団を代表する人物のひとり。セルゲイエフとは小さい頃からの知り合い。生まれつき体が弱く15才になるまで生きられないと宣告されていた。そのため激しい稽古をすることができないが、それでもなお、人並み外れたテクニックと表現力をもつ。とくに彼女の「白鳥の湖」での繊細かつ完璧な踊りは、生まれながらの白鳥として世界的な評価を受けている。 従兄弟のラリサと行動をともにしていることが多いが、性格は正反対。優しくて謙虚。

青石 薫 (あおいし かおる)

真澄の1年後輩。元バレリーナの母親のもとで幼い頃からスパルタ教育を受けて育ち、国立バレエ学校の選抜テストをトップで合格する実力者。母親がかつて真澄の母親とライバルだったことを知り、真澄に対してもライバル心を露わにする。真澄に負けてからは、友人としてバレエ仲間として、真澄をサポートしてくれる。

シドニー・エクランド (しどにーえくらんど)

真澄の留学先であるイギリスロイヤルアカデミーの生徒。ボリショイ公演の候補者選びで真澄とラリサがブラック・スワンで競った際に、自分も審査して欲しいと、無礼を承知で割り込んできた。バレエにすべての情熱を注ぎ、地上10m、幅20cmの手すりの上で、ピルエット・アンドゥールを難なくこなしてしまう高度なテクニックを持つ。 バレエのためなら恋人も捨てるほど、ストイックにバレエに打ち込んでいる。イギリスロイヤルアカデミーでは真澄のルームメート。

ルシアン・スタンレー (るしあんすたんれー)

スクール・オブ・アメリカンの生徒。レオンがスクール・オブ・アメリカンに留学していたときに、ともににバレエに打ち込んだレオンの親友のひとり。愛称ルシィ。アメリカに留学し、慣れないモダンバレエの世界に戸惑い落ち込む真澄を支えているうちに、恋愛関係になる。脚の関節に悪性腫瘍を患い、治すためには脚の切断を宣告されるが、それを拒否。 徐々に症状が悪化していく。

エドワード・ルーカス (えどわーどるーかす)

スクール・オブ・アメリカンの生徒。レオンがスクール・オブ・アメリカンに留学していたときに、ともにバレエに打ち込んだレオンの親友のひとり。愛称エド。いつでも冷静に周囲に気を配り、仲間の変化を見逃さない。自暴自棄になって暴走するルシィを何度となく助けた。

フェルナンド・カルデナス (ふぇるなんどかるでなす)

キューバを代表するプリマ、アリシア・アロンソの秘蔵っ子といわれているバレエ・ダンサー。京極小夜子に憧れて来日し、真澄と出会う。指導者の指示を忠実に表現していた真澄に、自分の中の表現をもっと大事にするべきだとアドバイスし、以降の真澄のバレエに大きな影響を与える。

マーガレット・ブラウン (まーがれっとぶらうん)

長い間、同期のスザンヌ・ファレルの陰にいてチャンスをつかむことができなかったが、彼女がベルギーの20世紀バレエ団に移籍してようやく日の目を見ることに。しかし、間もなくしてスザンヌが帰国、現在はバランシンの助手をしている。 愛称マージ。

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