メトロポリス

メトロポリス

太陽に人工の黒点を作り、地球に混乱をまねくレッド公爵。黒点からの放射線はネズミやアリを巨大化させ、人造人間ミッチイ誕生のきっかけとなる。ロボットを労働力にして毒ガスを作る死の商人レッド党と戦うヒゲオヤジとケン一。両性具有テーマもはらんだ、手塚治虫初期SF3部作の一つ。

正式名称
メトロポリス
ふりがな
めとろぽりす
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
KADOKAWA
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概要・あらすじ

チャールズ・ロートン博士が研究していた、人造細胞は、突如現れた太陽の黒点からの放射線のおかげで完成する。レッド公爵は、チャールズ・ロートン博士に強要して人造人間ミッチイを作り出す。怪力を持ち、空を飛び、男にも女にもなれるミッチイは、一旦はレッド党の目を逃れ、チャールズ・ロートン博士の子どもとして過ごしていたが、レッド党に見つかり、自分の出生の秘密を知ると、レッド党の労働力として苦役を強いられていたロボット人造苦力(じんぞうクーリー)たちとともに、人間にたいする反乱を起こす。

登場人物・キャラクター

ミッチイ

レッド公爵に強要されチャールズ・ロートン博士が生み出した人造人間。その姿はローマのエンゼル像をモデルにしている。怪力を持ち、深呼吸すると空を飛べ、喉のボタンを押すと男にも女にも変身できる。

チャールズ・ロートン博士 (ちゃーるずろーとんはかせ)

人造細胞を作り出そうとしてかなわず、あきらめかけた時、突如現れた太陽の黒点のよる放射線で細胞が活性化して、人造細胞を作り出すことに成功。レッド公爵に脅されて人造人間ミッチイを生み出すが、火事で研究成果もろとも焼け死んだと見せかけ、密かにミッチイを子どもとして育てる。

ヒゲオヤジ

日本の私立探偵。ケン一少年のおじ。レッド党の基地に潜入し秘密を探る。警察に潜入したレッド公爵の変装を見破る。

ケン一 (けんいち)

日本の私立探偵ヒゲオヤジの甥。ヒゲオヤジが引き取ったミッチイとともに学校へ通う。人間に復讐を始めたミッチイを説得しようと、柔道の技で立ち向かう。

ノタアリン

メトロポリスの警視総監。レッド公爵を逮捕しようとして逆に捕えられ、レッド党の船に乗せられる。

ガニマール警部 (がにまーるけいぶ)

パリーからやってきた警部だが、しばしばレッド公爵に手玉にとられる。警視総監ノタアリンとともにレッド党に誘拐される。

シャーロック・ホームズ

ロンドンの名探偵。実は、レッド公爵が警察の動きを探るために変装していた。

ヨークシャー・ベル博士 (よーくしゃーべるはかせ)

科学者。世界中に巨大ネズミやハチ、ミミズなどが出現した原因を太陽の黒点による放射線の影響であることを解説。進みすぎた人間の科学が自分自身を滅ぼすことになると警告する。

エンミイ

貧しい花売り娘。ならず者の姉と二人暮らし。車に轢かれそうになったところをミッチイにたすけtられる。

レッド公爵 (れっどこうしゃく)

科学者で原子力時代のナポレオンを自負し、レッド党を率い、地下工場で人造苦力(じんぞうクーリー)を使って、毒ガスを作ったり、引力遮断物質オモテニウムを使って太陽に人工黒点を作る。人造細胞を開発したチャールズ・ロートン博士に、人造人間ミッチイを作るように強要した。 大きな鼻が特徴。

人造苦力 (じんぞうくーりー)

『メトロポリス』に登場するロボット。レッド公爵が作った奴隷ロボット。電気塔と呼ばれる装置によって命を吹き込まれ、レッド公爵に逆らうとすぐに壊されてしまう。ミッチイとともに人間に対して反乱を起こす。

フイフイ

『メトロポリス』に登場するロボット。レッド公爵が作った奴隷ロボット人造苦力(じんぞうクーリー)の1体。レッド党に潜入したヒゲオヤジに奴隷として働かされている自分たちの苦境を訴える。

集団・組織

レッド党 (れっどとう)

『メトロポリス』に登場する組織。レッド公爵率いる秘密組織。地下工場で人造苦力(じんぞうクーリー)を使い、人間の大脳を破壊してケダモノのようにしてしまう毒ガストロンガスを作ったり、引力遮断物質オモテニウムを使って太陽に人工黒点を作る。「まぼろしの死の商人」と呼ばれる。

場所

メトロポリス

近未来の人々が暮らす大都市。科学の力が際限なく発達し文明の絶頂期にある。科学を悪用する組織が台頭してきており、街は警戒態勢をとっている。

長靴島 (ながぐつじま)

『メトロポリス』に登場する島。科学者で死の商人、レッド公爵が引力遮断物質オモテニウムを使って太陽に黒点を作り出す装置を作った島。長靴の形をしている。黒点によってもたらされる放射線の影響で巨大アリが発生し島のレッド党員たちは全滅する。

その他キーワード

トロンガス

『メトロポリス』に登場する毒ガス。レッド公爵率いる秘密組織レッド党によって作られた人間の大脳を破壊してケダモノのようにしてしまう毒ガス。

オモテニウム

『メトロポリス』に登場する物質。レッド公爵率いる秘密組織レッド党によって作られた引力遮断物質。また、レッド公爵が太陽に黒点を作り出す目的で長靴島に作った装置の名。太陽と地球の間に浮かぶ宇宙塵を太陽に飛び込ませることで人工的に黒点を作り出す。

人工黒点 (じんこうこくてん)

『メトロポリス』に登場する太陽の現象。科学者で死の商人、レッド公爵が長靴島で引力遮断物質オモテニウムを使って作り出した太陽の黒点。その目的は地表の温度を上げて南極の氷を溶かし、そこにレッド党の本部を作ることである。黒点から出る放射線の影響で巨大ネズミ、人食いバッタなどが出現する。

書誌情報

メトロポリス KADOKAWA

(2001-04-27発行、 978-4048533706)

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