キリングバイツ

キリングバイツ

現代日本を舞台に、獣と化して特異な能力を持つ存在「獣人」が闘う競技「牙闘(キリングバイツ)」を描くアクション漫画。獣人たちの能力の基となる動物の生態に関して、詳しい解説が作中に挿入される。「月刊ヒーローズ」2014年1月号より連載。単行本6巻までが第一部で、7巻からは、2年後を舞台に新たな展開となった。2018年1月テレビアニメ化。

正式名称
キリングバイツ
ふりがな
きりんぐばいつ
原作者
村田 真哉
作画
ジャンル
バトル
関連商品
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世界観

舞台は現代の日本。現代の最新遺伝子強化手術により、自らの意思で「獣化」できる「獣人」が存在する世界観。日本経済は4大財閥によって牛耳られており、彼らは権力争いのために、手持ちの獣人を駒として闘わせる代理戦争「牙闘」を秘密裏に行なっている。

あらすじ

平凡な大学生の野本裕也は、バイト仲間にナンパ協力をするため呼び出された。しかし彼らの目的は女子を車で拉致する性犯罪だった。だが彼らがさらった女子高生は獣のように変化する謎の存在であった。野本は獣人と化す少女・宇崎瞳と出会って、現代日本で4大財閥の間で秘密裏に行なわれている賭け事「牙闘」を知り、ヒトミへの出資者という立場で、彼女の闘いを見届けることとなる。

メディアミックス

テレビアニメ

2018年テレビアニメ化。1月5日よりMBS、TBSほかにて放送。アニメーション制作はライデンフィルム。主人公の宇崎瞳を雨宮天、野本裕也を羽多野渉が演じる。

テレビゲーム

フィールズ株式会社より、PlayStation4用とPlayStation Vita用ソフトとして対戦アクションゲームが発売予定。

登場人物・キャラクター

宇崎 瞳 (うざき ひとみ)

「蜜獾(ラーテル)」の呼び名を持つ獣闘士。外見はショートカットの可愛い女子高生だが、その性格は強気で自分勝手。自分の保護者的存在である祠堂零一に対してだけは従順で素直に接する。ラーテルとはイタチの仲間の動物で、小型だが凶暴な性質で、ライオン等の大型動物にも憶さず立ち向かう、地上最強の小型哺乳類である。 ヒトミは獣化すると、ヒト型を保ったまま、頭に獣の耳が生えて爪が鋭くなり、手足や背中に毛が生える。尻尾も生える。ラーテルの如く硬い毛皮で驚異的な耐久力を誇る。その防御力を盾にして、長く鋭い爪による「蜜獾斬(スラッシュ)」でカウンター攻撃を行なって敵を倒す。牙闘未参加だったが、いきなり最強の獣闘士「獅子(レオ)」を負かし、関係者の注目の的となる。 石田財閥の臨時雇いとして、牙闘獣獄刹に参加することとなった。

野本 裕也 (のもと ゆうや)

大学2年生の男子。長野県出身。優柔不断な性格で周囲に流されやすい。平凡な大学生活を送っていたが、バイト仲間の犯罪計画に巻き込まれたことがきっかけで、ヒトミと出会い、獣人や牙闘の存在を知る羽目に。ヒトミの出資者となったため、牙闘を巡る攻防に巻き込まれてゆくこととなる。

祠堂 零一 (しどう れいいち)

メガネに髭面の中年男性。牙闘管理局長。人間を獣人と化す遺伝子強化手術の研究者。局長に就任した途端に獣化手術の規制をゆるめたため、獣人の研究成果の証明に牙闘を私物化している、との疑問を財閥関係者から持たれ、不信がられている。

篠崎 舞 (しのざき まい)

牙闘管理局の局員。長髪をポニーテールでまとめたメガネの女性。理知的な雰囲気を醸し出している。ところが、牙闘獣獄刹司会進行で獣人同士のバトルが始まった際には、豹変してハイテンションで解説を行なう。本人は獣人ではないようだが、高い戦闘能力を持ち、祠堂零一の身の回りを守る忠実な部下。

岡島 壱之助 (おかじま いちのすけ)

石田財閥に所属する獣闘士。相撲取りのような巨漢の九州男児。外見に反し、礼儀正しく優しい性格。石田財閥の夫人に家族を救ってもらった恩義から、熱い忠誠を誓っている。「河馬(ヒポポタマス)」の呼び名を持ち、獣化すると、頭部が完全にカバと化す。野生のカバさながらの猛スピードと攻撃力を持つ。

稲葉 初 (いなば うい)

石田財閥に所属する獣闘士。外見は地味な女子。「兎(ラビ)」の呼び名を持つ。獣化するとウサギの耳が生え、手足も獣と化す。穴掘りが得意。攻撃力は皆無だが、逃げ足の速さはピカイチ。勉強も運動も不得意なドン臭い性格で、獣人としても弱いと自覚している。チームプレイで補い合えば良い、と岡島壱之助に説得され、牙闘獣獄刹に参加した。

中西 大河 (なかにし たいが)

八菱財閥に所属する獣闘士。エルザの兄。「虎(ティガ)」の呼び名を持つ。獣化すると、ヒト型を保ったまま手足に毛が生え、動物の耳や尻尾が生える。世界最大の猫科猛獣である虎さながらの圧倒的な強さを誇り、ライバルとして肩を並べるのは「獅子(レオ)」ぐらいのものである。

中西 獲座 (なかにし えるざ)

八菱財閥に所属する獣闘士。ツインテールでややギャル風の可愛い女子高生。「狩猟豹(チータ)」の呼び名を持つ。獣化すると、ヒト型を保ったまま手足に毛が生え、チーターの耳や尻尾が生える。地上最速の肉食動物の力を持つため、超絶なスピードと攻撃力を誇る。財閥に無所属で、彗星の如く出現したヒトミに興味を持ち、彼女に接触してきた。 必要な部位だけを獣化させて体力の消耗を防ぐ「部分獣化」をヒトミに教えた。ややブラコン気味であり、兄の中西大河を「お兄」と呼び、絶大な信頼を寄せている。

六条 香織 (りくじょう かおり)

八菱財閥に所属する獣闘士。「麝香猫(シベット)」の呼び名を持つ。帽子をかぶった大人の色気あふれる女性。獣化すると、ヒト型を保ったまま手足に毛が生え、尻尾も生える。催淫フェロモン「シベット」を散布する能力「霊猫包香(シベトンラップ)」で周囲の者の獣欲をあおり、戦闘力を失わせる。

三門 陽湖 (みつかど ようこ)

三門財閥会長・三門陽参の孫娘。長い黒髪のストレートヘアが特徴的な美少女。生まれついてのお嬢様であり、物腰は気品あふれるが、その分プライドが高く高慢。祖父を尊敬しており、由緒正しい牙闘の私物化を企む祠堂零一を敵視している。また、勝つために手段を選ばない獣闘士の下品な振る舞いにも、嫌悪感をあらわす。 祠堂に取り込まれて、何か良からぬ事に加担しているらしい祖父の心を取り戻すため、牙闘獣獄刹にプレイヤーとして参加し、優勝に強い意欲を燃やす。

獅子 (れお)

三門財閥に所属する獣闘士。通常時は黒髪美形の男性。獣化すると、頭部がライオンそのものと化し、肩から腕にかけて凄まじい筋肉となる。その強さは圧倒的で、ライバルとして互角なのは「虎(ティガ)」ぐらいのもの。しかし牙闘初参加のヒトミに負けを喫し、その時の負傷が原因で、牙闘獣獄刹には不参加となった。

ジェロム 本郷 (じぇろむ ほんごう)

三門財閥に所属する獣闘士。元々は最強幕下力士と呼ばれ、将来を期待された日系フランス人の相撲取りだった。八百長の妄想に囚われた相撲ファンが刃物で襲ってきたのを撃退、殺してしまったため、角界を引退。己の常人離れした能力を存分にふるえる世界を求めて獣人と化した。「熊(ベア)」の呼び名を持ち、最強の攻撃力を持つ「熊掌(ベアパーム)」を繰り出す。

矢部 正太 (やべ しょうた)

三門財閥に所属する獣闘士。「巨猩羅(ゴリラ)」の呼び名を持つ。外見はメガネをかけた小柄な少年だが、獣化すると、肩から腕にかけてゴリラと化し、その自然界最強の腕力で敵を倒す。いじめられっ子だった過去を払拭するため、獣人と化した経緯があるらしい。

城戸 剛 (きど たけし)

三門財閥に所属する獣闘士。フードを目深にかぶり、素顔の見えない筋骨隆々の男性。自然崇拝主義者であり、普段は寡黙で温厚だが、自然に害をなす者には容赦しない。いったん攻撃のスイッチが入ると、もう止まらない。以前参加した牙闘で、あまりに凄惨な試合をしたために出場停止処分を受けていた。三門チームの切り札として牙闘獣獄刹に召喚された。 「穿山甲(パンゴリン)」の呼び名を持つ。獣化すると、センザンコウの刃物のように鋭いウロコを全身にまとわせ、高い防御力と攻撃力を同時に持つ全身凶器となる。幼い頃に母と別れたため、辛い人生を歩んできたようである。

椎名 竜次 (しいな りゅうじ)

角供財閥に所属する獣闘士。凶悪な目つきの男性。関東最強の暴走族「麗腑帝愛(レプティア)」の創立者。「鰐(クロコダイル)」の呼び名を持ち、獣化すると、頭部が完全にワニそのものと化し、全身がウロコで覆われる。その巨大で強靭なアゴであらゆるものを噛み砕く。誕生以来二億年以上も、生存競争を生き抜いてきたワニの高い免疫能力を持つため、傷の回復がとても速い。

大沼 電 (おおぬま でん)

角供財閥に所属する獣闘士。髪を逆立てた三白眼の男性。椎名竜次の暴走族のメンバーで、彼を兄貴と崇めている。「壷舞螺(コブラ)」の呼び名を持つ。部分獣化すると下半身がヘビとなり、敵をがんじがらめに締め付ける。嗜虐的で好色な性格を持ち、「蜜獾(ラーテル)」への興味も肉体的なそれである。完全獣化すると頭部が巨大なコブラとなり、怪物そのものの外見と化す。 霧状の毒を散布し、目標の動きを封じる「壷舞螺毒霧(コブラミスト)」という技も持つ。

風間 楓 (かざま かえで)

角供財閥に所属する獣闘士。黒髪ショートヘアの女性。もともとは香港マフィアの用心棒だった。現在の表の身分は角供生命社長秘書。「守宮(ゲッコー)」の呼び名を持つ。「分子間力超吸着掌(ファンデルスラップ)」という特技は、ヤモリが掌に生えた無数の剛毛で分子間力を利用し、壁などに吸着する力に由来し、敵を吸い付けて自由を奪い、至近距離から攻撃する。 手足を様々な場所に吸い付ける三次元的な攻撃で相手を翻弄することも。部分獣化すると、手足がヤモリと化し尻尾が生える。完全獣化すると、頭部もヤモリそのものと化すが、美意識に反するため、積極的には使いたがらない。

山荒 (らうでぃ)

ヤマアラシ型の獣人。ふだんの姿は長髪の若い女性。獣化すると、全身が鋭く長い針で覆われる。その針を敵に向けて一斉に発射する「山荒嵐(ラウディストーム)」という必殺技を持つ。

避役 (かめれおん)

角供財閥に所属する獣闘士たちによる暗殺集団。その名の通り、全員がカメレオンの能力を持つ獣人。大きな眼で広い視野を持ち、皮膚を変色させて周囲に溶け込み、鋭い爪と長い尾で樹上を移動。動物界最速スピードを誇る舌で目標を屠る。まさに天然のスナイパーといえる。

戌井 純 (いぬい ぴゅあ)

第2部より登場。15歳のショートカットの女の子。性格は単純でやや天然ボケ。1歳にして両親に捨てられ、児童養護施設で育つ。天涯孤独で内気な性格ゆえ他人となじまず、施設で飼われていたビーグル犬「ヌヌーピ」とだけ会話をして生きていた。5歳の時に事故で瀕死となるが、祠堂零一によって、当時非合法だった獣化手術を受け、一命を取り留める。 獣人となった後、獣闘士の王者となるため、獣化特区へとやって来た。獣人としての呼び名は「媚戌(ビーグル)」。見た目は可愛く、とても強そうには見えないが、ビーグル犬は本来は狩猟犬であるため、豊富な体力と貪欲な捕食性を持つ。

黒居 佑 (くろい たすく)

第2部より登場。獣闘士登録を目指す獣人。右頬にタトゥー、唇ピアスといった過激な外見の女子。「牙魔猫(タスマニアデビル)」の呼び名を持つ。背筋の凍るような恐ろしい唸り声「魔唸(デアグロル)」で相手を威嚇し動きを封じ、強力な牙と顎の力で攻撃を仕掛けてくる。本人の性格もいたって好戦的。

場所

獣化特区 (じゅうかとっく)

獣化法で定められた獣人に関する様々な規制緩和を実施するため設置された特別自治区。場所は東京湾内の人工島。そこでは牙闘が、合法的な獣人格闘イベントとして開催されている。エンターテイメント化した牙闘の獣闘士として登録され、大金を得るため、この特区には多くの獣人たちが集う。

その他キーワード

獣人 (じゅうじん)

最新の遺伝子強化手術により、野獣の能力を得た人間のこと。通常時の外見はふつうの人間と変わりないが、「獣化」することにより戦闘形態へと変化する。ヒトのDNAに含まれるあらゆる動物の遺伝情報の中から、その人間に最も近い動物の因子を抽出して強化するため、本人と獣化する動物の気質はよく似ている。牙闘に参加する獣人たちは、自らを「獣闘士(ブルート)」と称する。

牙闘 (きりんぐばいつ)

現在の日本経済を支配している4大財閥同士が、財界での発言権を賭けておこなう代理戦争のこと。過去、その時代ごとに最強とされる者達が選ばれ、殺し合いを重ねてきた。現在の参加者は全員「獣人」となっている。

財閥 (ざいばつ)

400年以上前から続く世界最古の豪商の一族。現在の日本経済は「三門(みつかど)」「八菱(やつびし)」「角供(すみとも)」「石田(いしだ)」の4つに支配されている。獣闘士は4大財閥のいずれかに所属するのが通例。財閥が所有する獣闘士が、そのまま財閥間の力関係を表わしており、一番の強者は三門、二番手に甘んじているのが八菱、はぐれ者を擁して漁夫の利を狙うのが角供、最も資金力に乏しいのが石田、となっている。

牙闘獣獄刹 (きりんぐばいつですとろいやる)

各財閥代表の獣人が、3人1組で生き残りを賭けて闘うサバイバル・マッチのこと。一対一の対戦による通常の牙闘とは異なる。会場全体を区切ったマス目にプレイヤーが獣闘士を駒として配置し、同じマス目で獣闘士が出会った際に戦闘が開始される。勝利条件は、他の3チーム全ての獣闘士が死亡または戦闘不能になった時のみ、という過酷な形式。 今回はフィリピン海の無人島・炎諦島(ほていじま)で開催される。

獣化法 (じゅうかほう)

正式名称は「特定遺伝子組換規制改革法案」。表向きは作物の品種改良に関する規制緩和だが、実体は「獣化手術」の合憲合法化にある。この法案が可決すれば獣化ビジネスは拡大し、莫大な経済効果が見込まれる。そこに生じる利権を巡って、4大財閥は互いに暗躍している。

クレジット

原作

村田 真哉

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