DRAGON QUEST―ダイの大冒険―

DRAGON QUEST―ダイの大冒険―

大ヒットゲーム『ドラゴンクエスト』の世界観をもとに、友情や努力といった少年漫画らしい要素を丁寧に盛り込んだオリジナルストーリーを展開。原案・原作を三条陸、作画を稲田浩司がそれぞれ担当する。勇気の心をもって多くの人々を救う勇者としての素質を見い出された、正義の心を持つ少年・ダイ。彼とその仲間たちは、世界の平和を脅かす魔王ハドラーの軍勢に立ち向かう中で、時には敵対する魔族とも心を通わせながら、勇者として、そして1人の人間として大きく成長を遂げていく。集英社「週刊少年ジャンプ」1989年第45号から1996年52号まで連載。1991年10月テレビアニメ化。2020年10月に再アニメ化。

正式名称
DRAGON QUEST―ダイの大冒険―
ふりがな
どらごん くえすと だいのだいぼうけん
原作者
三条 陸
作者
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
レーベル
ジャンプコミックス(集英社) / 愛蔵版コミックス(集英社)
関連商品
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世界観

世界観は堀井雄二の監修のもとTVゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズをベースにして作られており、ゲームに出て来るアイテムやモンスター、用語が本作『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』にも登場する。ただし物語の舞台となる世界や登場人物は本作オリジナルのもので、物語の流れそのものはゲーム本編とは関係がない。また「レベルが上がると魔法を覚える」や「敵が1ターンで複数行動する」「ボスからは逃げられない」などのゲーム的なシステムを、アレンジして漫画的に表現している。一方で、本作に登場する技や魔法は本作オリジナルのものも多く、それらの技や魔法の一部は、のちに発売された『ドラゴンクエスト』シリーズにも活かされている。

作品が描かれた背景

監修の堀井雄二はゲームでやった内容を再び漫画にするのは意味がなく、また当時まだ発売されていなかった『ドラゴンクエストⅣ』のストーリーを漫画にすると、ゲームの楽しみを半減させてしまうと考えていた。そのため堀井雄二は漫画とゲームは別物だと考え、『ドラゴンクエスト』シリーズをやった事がある人も、漫画で初めて『ドラゴンクエスト』シリーズに触れる人も同じく楽しめる内容にしようと、あえて世界観のみを活かし、ゲームのものとはまったく違うストーリーを作ったと語っている。『ドラゴンクエスト』シリーズの主人公はプレイヤー(遊ぶ人自身)だが、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』は、もしかしたらいたかもしれない「もう一人の勇者」として、主人公のダイが生まれたとされている。

あらすじ

勇者の家庭教師(第1巻)

デルムリン島でモンスターに育てられたダイは、勇者にあこがれるわんぱく小僧。魔法の勉強をさぼっては親代わりのブラスに叱られる日々を送っていたが、ある日、「ニセ勇者一行」に襲われ、ゴメちゃんをさらわれてしまう。そしてロモス王への献上品となったゴメちゃんを救いに来たダイは偽勇者達を倒し、その勇姿を見たロモス王から真の勇者として称えられた。その後も、その評判を聞きつけたレオナを、邪悪な人間達の悪巧みから救ううちに、ダイは少しずつ勇者として成長していくが、そんなある日、デルムリン島に異変が起きる。魔王の復活によってモンスターは凶暴化し、デルムリン島のモンスターも影響を受けたのだ。島の仲間を見捨てる事のできないダイだったが、そこにアバン=デ=ジニュアール3世ポップが現れ、ダイと島のモンスターを危機から救うのだった。勇者を育て上げる家庭教師であるアバンはダイの希望もあり、彼を勇者として徹底して鍛える。アバンの特訓によってメキメキと実力を伸ばすダイだったが、そこに復活した魔王ハドラーが現れる。

ダイの旅立ち(第2巻)

アバン=デ=ジニュアール3世は、実は魔王ハドラーを打倒した勇者であった。自らを倒したアバンへの復讐に燃える魔王ハドラーは、倒される前よりも強く、邪悪な存在となっていた。それはより大きな力を持つ大魔王バーンの計らいによるものだと、魔王ハドラーは語り、アバン達は新たな巨悪の出現に戦慄する。力を消耗しきったアバンは、最後の手段でダイポップに「鋼鉄変化呪文(アストロン)」をかけ、命と引き換えに放つ「自己犠牲呪文(メガンテ)」を魔王ハドラーに放つ。しかし魔王ハドラーは、大きなダメージこそ負ったものの生きており、ダイ達に襲い掛かる。絶体絶命の窮地であったがアバンの遺志を受け継いだダイは秘められた力を解放し、その力で魔王ハドラーを撃退する事に成功する。そしてダイとポップは大魔王打倒を目指して、旅に出るのだった。

獣王クロコダイン(第3巻~第4巻)

旅に出たダイポップは、「魔の森」と呼ばれる森で迷っていた。迷子の子供を助け、マァムと出会った一行であったが、その直後に魔王軍の獣王、クロコダインが新たな刺客として立ち塞がる。圧倒的なパワーを持つクロコダインに苦戦する一行だったが、マァムとポップ、ダイの三人が力を合わせる事でこれを退ける事に成功する。しかし時同じくしてデルムリン島に、ザボエラの魔の手が忍び寄る。ザボエラはブラスをさらい、邪悪な魔力で洗脳したあと、再戦に燃えるクロコダインを唆(そそのか)し、ブラスとダイを戦わせようと画策する。ロモス王国を襲うクロコダインに戦いを挑んだダイはまんまとその策にはまり、絶体絶命の危機に陥ってしまう。しかし、臆病者ながら勇気を振り絞ったポップの献身の策によってブラスを救う事ができ、ダイはクロコダインを打ち破るのだった。ロモス国王から褒美をもらったダイとポップはマァムを仲間に加え、レオナのいるパプニカ王国を目指す。しかしそこに待ち受けていたのは同じアバンの使徒でありながら、敵に寝返った不死騎団長のヒュンケルだった。

不死騎団長ヒュンケル(第5巻)

ダイは、剣の達人なうえに魔法の効かない、「鎧の魔剣」をあやつるヒュンケルに追い詰められる。しかしそこにクロコダインが乱入し、ダイをかばう。ダイとポップの生き様に感化されたクロコダインは魔王軍を裏切り、彼らを助けに駆けつけたのだった。クロコダインの助けによって逃げおおせたダイとポップは、囚われの身になったマァムを救うためにもヒュンケルとの再戦を誓う。ダイはポップの秘策によって新たに「電撃呪文(ライデイン)」を身につけ、ヒュンケルとの再戦に挑むが、力及ばず倒れてしまう。しかし、そこに囚われの身だったマァムが「魂の貝殻」を見つけた事で状況は一変する。ヒュンケルは「魂の貝殻」を通じて父親の遺言を聞き、真実を知る。そして土壇場で新たな力、魔法剣に目覚めたダイに完膚なきまでに負ける事で、ヒュンケルは自らの過ちを認めるのだった。しかしそこに新たな敵のフレイザードが現れ、負けたヒュンケル諸共、すべてを溶岩の海に沈めようとする。ヒュンケルはダイ達を身を呈して守り、溶岩の海に姿を消していくのだった。

氷炎将軍フレイザード(第6巻~第8巻)

ヒュンケルに助けられたダイ達は、偶然出会ったエイミの案内で、レオナのいる「バルジ島」を目指す事となった。エイミの乗って来た気球に乗ってバルジ島に向かう一行だったが、丁度その時、レオナのいる塔がフレイザードの強襲を受けてしまう。レオナの危機に駆けつけたダイは、今までの経験もあり、フレイザード相手に五分の戦いを繰り広げるが、フレイザードの作り出した「氷炎結界呪法」によってその力の大半を封じられる。レオナを人質に取られてしまったが、このままでは勝ち目がないと悟ったマァムはダイ達を逃がし、反撃の機会を窺うのだった。そして一行の窮地を助けたマトリフの助言を受けて特訓をしたダイとポップはそれぞれ実力を伸ばし、フレイザードとの再戦に挑む。しかしそこには魔王ハドラー、ザボエラ、ミストバーンと魔王軍の幹部が待ち受けていた。圧倒的な戦力差になす術がないと思われたが、そこにクロコダインとヒュンケルが助太刀として現れる。二人の助けによって氷炎結界呪法を破り、特訓によって空裂斬を会得した事で真のアバンストラッシュを完成させ、ダイは今度こそフレイザードに勝利を収める。

竜の騎士(第8巻~第10巻)

レオナを助けた一行は、それぞれ思い思いの行動を取っていた。力を磨くため特訓するダイポップ、力不足を痛感し、武闘家になるための修行の旅に出たマァム、魔王軍時代の過ちを償おうとするヒュンケルクロコダインと、それぞれが自分にできる最善を模索していた。その中でマトリフはダイの秘められた力が古文書に記された「竜の騎士」のものであると知る。新たな武器を求めている際に偶然出会ったナバラの案内に従って、ダイは「竜の騎士」の伝説が残る神秘の国「テラン」へと向かう。「竜の騎士の神殿」にたどり着いたダイだったが、そこに現れたのは同じ「竜の騎士」でありながら魔王軍に与(くみ)するバランであった。ダイを息子と呼び、自らのもとに来るように諭すバランは、抵抗するダイをその圧倒的な力でねじ伏せる。しかしそれでもダイは、仲間を信じて立ち向かう。バランは圧倒的な力にも屈しないダイの根源を絶つため、ダイの記憶を奪い、その力を封じるのだった。

竜騎衆(第10巻~第11巻)

バランダイを取り戻すため竜騎衆を呼び出し、万全の体制を整える。ダイが記憶を失って戦えない状況で、ポップはダイを守るため逃げたふりをしながら、竜騎衆の前に立ち塞がる。多勢に無勢の状況で死の一歩手前まで追い込まれるポップだったが、応援に駆けつけたヒュンケルの助けもあり、ガンダンディーとボラホーンを打ち倒す。しかし残ったラーハルトは別格の力を持ち、ヒュンケルの「鎧の魔剣」と同種の「鎧の魔槍」を用いて彼を圧倒する。類稀な技量を持つラーハルトに圧されるヒュンケルだったが、ダイとバランの過去をラーハルトから聞き、彼らのためにも負けられないと奮起。死中の中に勝利の鍵を見つけ出し、ラーハルトを降す事に成功する。そしてラーハルトはヒュンケルの健闘を称え、自らの遺志と「鎧の魔槍」を彼に託し、静かに息を引き取るのだった。

竜魔人バラン(第11巻~第12巻)

ポップの真意を知ったレオナクロコダインは、ダイを守るためバランを相手に、自らの身を省みない捨て身の時間稼ぎを行っていた。血を流し、命を削る時間稼ぎは実り、竜騎衆を倒したヒュンケルとポップが駆けつける。仲間を信じる人間の姿を見たバランはそれでも人間の心を否定し、遂には「竜魔人」と呼ばれる最強の力を解放する。攻撃力、防御力、魔力、あらゆる力が大きく上がったバランにポップ達はなす術もなくやられてしまう。ポップはダイを守るため、自らの命を引き換えにした「自己犠牲呪文(メガンテ)」を放つ。目の前でポップが散った事で、ダイは失われた記憶を呼び覚まし、仲間を守るため「竜の騎士」の力を完全に引き出す。強力な力と力のぶつかり合いを行うダイとバランであったが、バランはダイと仲間達の絆の前に遂に敗れる。「人の心」に完膚なきまで叩き潰されたと悟ったバランは、「竜の騎士」の力でポップを蘇生させ、ダイの前から去っていくのだった。

ロモス武術大会(第13巻~第14巻)

「竜の騎士」の力に完全に目覚めたダイだったが、その力を十全に振るえる武器がなく困り果てていた。ダイが使っても壊れない武器を探していた一行は、ロモス王国で行われる武術大会の優勝商品「覇者の剣」の存在を知る。急遽ロモスに向かったダイとポップは、そこで武術大会に参加するマァムと再会する。武闘家として実力を伸ばしたマァムは次々と参加者を打ち倒し、決勝戦への切符を手にする。しかし武術大会は、ロモス王国に潜り込んでいたザムザの罠で、マァムら武闘家は囚われの身になってしまう。ダイは「竜の騎士」の力を使ってザムザを追い詰めるものの、「超魔生物」の力を発揮したザムザに逆襲される。危機に陥った一行であったが、チウの勇気を見せた行動とマァムが修行で身につけた新しい力「閃華裂光拳」によって逆転し、最後の力を振り絞ったダイの一太刀によってザムザを倒す事に成功する。しかし「覇者の剣」はザムザによってすでに運び出されており、武器探しは振り出しに戻ってしまうのだった。

鬼岩城(第15巻~第16巻)

ダイの武器探しをしていた一行はメルルの占いを聞き、ポップの故郷「ランカークス]に向かう事となった。彼らはそこでポップの家族の紹介でロン・ベルクと出会い、ダイを気に入ったロンから剣を作る約束を取り付ける。ダイが幼い頃、ロモス国王からもらった「覇者の冠」を材料に、ロンとダイが武器作りを始めるが、そのタイミングでミストバーンが鬼岩城を動かし、パプニカ王国に侵攻する。武器作りで手を離せないダイを残してポップ達はパプニカに急行する。「世界会議(サミット)」が開かれている事もあり、世界各国の艦隊が鬼岩城に攻撃するが効果がなく、圧倒的な鬼岩城のパワーと魔影軍団の大軍によってパプニカは蹂躙されてしまう。ポップやヒュンケルもミストバーンを相手に善戦するが、その強大な力に一歩一歩追い詰められる。劣勢に立たされる一行であったが、みんなの懸命の時間稼ぎが功を奏し、ダイの剣を完成させたダイが遂に到着。地上最強の剣の力を使ってダイは鬼岩城を破壊、ミストバーンも退ける。しかし、激情に駆られたポップは逃げた敵を深追いし、孤立してしまうのだった。

死の大地(第17巻~第19巻)

逃げ出したミストバーンとキルバーンを追いかけ、「死の大地」にたどり着いたポップであったが、それは仲間からポップを孤立させるための罠だった。消耗した状態で強大な敵と戦う事となったポップは、駆けつけたダイの助けもあり九死に一生を得る。しかし、そこに新たな力を手にした超魔生物ハドラーが現れ、圧倒的な力を持つハドラーと引き分けとなったダイは行方不明となってしまう。ポップは仲間達にその事を知らせ、自らもダイ発見のために奔走し、氷山の中に半死半生状態のダイを見つける。しかしそこに現れる新たな敵、ハドラー親衛騎団、そして遂に謎のベールに包まれた大魔王バーンも姿を現し、魔王軍との戦いは新たな局面を迎えるのだった。そしてダイ達は新たな敵に対抗するために、それぞれ特訓をして新たな力を身につける。そして人類はその力を結集し、遂に魔王軍への反撃の狼煙を上げる。チームワークを駆使して戦うハドラー親衛騎団に、ダイ達も仲間達の力を結集して戦い優勢に立つが、そこに超魔生物ハドラーの幻影が現れ、ダイ達を決戦の地へと招く。

竜の騎士散る(第20巻~第22巻)

みんなに隠れて「死の大地」の探索に出かけたチウゴメちゃん達は意外な活躍を果たし、敵の本拠地であるバーンパレスへ続く扉を見つける。そんなチウを心配して駆けつけたヒュンケルクロコダインは偶然、チウを手助けしたバランと出会うのだった。ヒュンケルの自らの負傷を省みない決死の説得に胸を打たれたバランは、大魔王バーンを倒すまでの束の間共に戦う事を約束する。ダイとも素直になれない不器用さを見せつつも父親として接するバランは、ポップ達が敵を引き付けているあいだにダイと二人でバーンパレスを目指す。道中、立ち塞がったフェンブレンを倒した二人は、遂に大魔王の居城へと踏み込み、超魔生物ハドラーと対峙するのだった。しかしそれは大魔王バーンの張り巡らした巧妙な罠で、超魔生物ハドラーに埋め込まれた爆弾「黒の核晶」の所為で二人は満足に戦えなくなってしまう。何とか「黒の核晶」を無効化しようとするバランとダイであったが、乱入したミストバーンの真の力によって爆発。バランは己のすべての力を振り絞ってダイを守るが、その命を散らしてしまうのだった。

大魔宮での決戦(第22巻~第23巻)

超魔生物ハドラーに埋め込まれた「黒の核晶」の爆発が「死の大地」を吹き飛ばし、その地下に隠されていた大魔王バーンの居城「バーンパレス」は、その真の姿を白日のもとにさらす。爆発から何とか逃れたポップ達も、空中要塞へと変貌したバーンパレスに偶然入り込むのに成功し、バランに守られたダイと合流する。そしてダイとバランの親子としての最期の別れを見届けた一行は、遂に大魔王バーンと対峙するのだった。次元違いの圧倒的な力を見せつける大魔王バーンに仲間は一人、また一人と倒れていく。そしてダイも自らの剣を折られ、大魔王の圧倒的な力を前に絶望し、遂に膝を屈してしまうのだった。逃げる事もできず、ただ殺されるのみとなったダイと仲間達であったが、意外にもそこに超魔生物ハドラーが力を貸し、逃げ出す事に成功する。「黒の核晶」の謀略でダイとの決闘を汚された超魔生物ハドラーは大魔王バーンに反旗を翻して戦う。ダイとの戦いに消耗した大魔王バーンに対して優位に戦う超魔生物ハドラーであったが、ザボエラの罠に絡め取られて敗北。ブロックの犠牲と引き換えに、超魔生物ハドラーは撤退するのだった。

決戦前夜(第24巻)

大魔王バーンはバーンパレスで世界各地を攻撃し始め、さらに捕らえたヒュンケルクロコダインの処刑を明後日に行うと人類に宣言する。人類はそんな状況の中、大魔王バーンに対抗するため、最後の力を結集しつつあった。しかしダイは父親を失い、圧倒的な力になす術もなく敗北を喫した事で心が折れ、逃げ出してしまう。しかし頼りになる仲間であるポップの言葉によって奮起し、もう一度戦う意志を持つのだった。そしてカール王国の女王のフローラはアバン=デ=ジニュアール3世の残した「アバンのしるし」を使い、伝説の破邪呪文ミナカトールによってバーンパレスの動きを封じる事を提案する。五人の「アバンの使徒」と五つの「アバンのしるし」が必要なため、フローラは自らがアバンより預かった「アバンのしるし」を、アバンなら使徒に選んだであろうレオナに託す。レオナはそれを快諾し、破邪呪文の眠る「破邪の洞窟」に挑む。決戦までの短い時間の中で、それぞれが自分にできる最善を目指すが、その中でポップは己の心の弱い部分に直面し、大きな重圧の中、人知れず苦悩する。

大破邪呪文(第25巻~第26巻)

レオナがミナカトールを手に入れまでの僅かなあいだに、ダイも新たな技を身につける。また駆けつけたロン・ベルクによって復活したダイの剣に加え、それぞれ新たな武器を手にし、決戦の準備を整える。そして遂に一行はヒュンケルクロコダインの処刑場へと乗り込み、二人を助け出すのだった。土壇場で新たな力に目覚めたヒュンケル、人に力を貸す事を決めたロンの助けもあり、ダイ達はミナカトールの発動準備を始める。それぞれの魂に応じて輝き出す「アバンのしるし」であったが、苦悩するポップは「アバンのしるし」を光らせる事ができなかった。重圧の中、心が折れるポップであったが、敵の攻撃からメルルにかばわれた事で自分の心をさらけ出し、「アバンのしるし」を光らせるのだった。5つの光が揃った事で発動するミナカトールは、バーンパレスの動きを封じ、侵入を阻む結界を無効化する。そしてダイ達は大魔王と戦うため、再びバーンパレスに乗り込む。しかしそこでダイ達を待ち受けていたのは、ダイとの決着を求める超魔生物ハドラーと、それに付き従うハドラー親衛騎団だった。

宿敵(第27巻~第28巻)

超魔生物ハドラーの覚悟を慮ったダイは、超魔生物ハドラーとの一騎打ちを受け入れる。仲間達もそれぞれハドラー親衛騎団と一騎打ちを繰り広げる中、ダイは持てるすべてを使ってハドラーと戦う。戦いは苛烈を極めたが、ダイが新たに生み出した「アバンストラッシュX(クロス)」、そして父親のバランと師のアバン=デ=ジニュアール3世、二人から受け継いだ力を合わせて生み出した「ギガストラッシュ」によって、ダイは超魔生物ハドラーを打ち破る。ダイに感謝の言葉を伝え、この世を去ろうとした超魔生物ハドラーであったが、そこにキルバーンの卑劣な罠が襲い掛かる。罠に巻き込まれたダイとポップを守るため、最後の力を振り絞る超魔生物ハドラーは、そこで自分のかつての宿敵であるアバンの姿を見る。魔王ハドラーとの戦いで死んでいたと思われていたアバンは、実は密かに生き延び、最後の戦いに向けて準備をしていたのだった。アバンが新たに身につけた力によってダイとポップは救われ、超魔生物ハドラーもかつての宿敵、アバンに看取られながら、彼の腕の中で息を引き取る。

それぞれの死闘(第29巻~第30巻)

新たな力「破邪の秘法」を身につけたアバン=デ=ジニュアール3世の導きで、バーンパレスの奥に足を踏み入れるダイ達だったが、丁度その頃、地上では死闘が繰り広げられていた。ミストバーンに見捨てられたザボエラが超魔ゾンビを作り出し、ミナカトールの魔法陣を破壊しようとしていたのだ。超魔ゾンビに苦戦するロン・ベルク達であったが、ノヴァの生き様に心動かされたロンが、自らの両腕と引き換えに超魔ゾンビを破壊する。そしてクロコダインは、命乞いしながら奇襲しようとしたザボエラに、引導を渡すのだった。

また一方、ヒュンケルは仲間達を送り出すため、バーンパレスで多くの敵の足止めを行っていた。しかし、そこに現れるハドラー親衛騎団のヒム(兵士)。死の淵から蘇り、新たな力を手にしたヒム(プロモーション)は周囲の敵を一掃し、ヒュンケルと一騎打ちを繰り広げる。ヒュンケルの命を賭けた一撃に負けたヒムだったが、そこに乱入したバーンパレスの守護者の力に危機に陥ってしまう。ヒムを守るため瀕死の体を押して戦うヒュンケルであったが、そこに復活したラーハルトが駆けつけ、二人を救う。

双竜紋(第31巻)

遂に大魔王バーンのいる「天魔の塔」の目前にたどり着いた一行は、最後の大幹部であるミストバーン、そしてアバン=デ=ジニュアール3世への雪辱に燃えるキルバーンと戦う。しかしそこにヒュンケルより使命と「鎧の魔槍」を返してもらったラーハルトが応援に駆けつけ、ダイ達を手助けする。大魔王を倒せるのは勇者の一太刀のみと判断した仲間達は、身を挺して強敵達と戦い、ダイを無傷で大魔王のもとへと送り出すのだった。そして「天魔の塔」のたどり着くダイとレオナであったが、そこでパーンパレスの動力である魔力炉の暴走に巻き込まれてしまう。大魔王バーンにとっても予期せぬアクシデントに巻き込まれ、ダイは命を散らすかと思われたが、父親より受け継いだ「竜の騎士」の紋章が覚醒。自らの持つ紋章と合わせた「双竜紋」の力で危機を乗り切り、ダイは自らの力を大きく成長させた。

ミストバーンの正体(第32巻~第33巻)

「双竜紋」に目覚めたダイは真の「竜の騎士」として覚醒し、その力を大きく向上させて大魔王バーンとも互角の戦いを繰り広げる。一方、ダイを送り出すためキルバーンとミストバーンの足止めを行っていた仲間達は、それぞれ激戦を繰り広げていた。強力な闘気を持つヒム(プロモーション)が合流し、その捨て身の攻撃によってミストバーンを戦闘不能に追い込むが、ミストバーンは遂に真の姿を現して牙を剝く。自らを大魔王バーンをも超える最強と語るミストバーンは、その言葉に恥じない絶大な力と不可解な不死身性を見せつける。そして長いあいだ、ミストバーンに接して来たヒュンケルと、「凍れる時間の秘法」を知るブロキーナは、その正体と不死身のからくりに気づく。そしてキルバーンを倒して応援に駆けつけたアバン=デ=ジニュアール3世の推理によって、ミストバーンの秘密が暴かれるのだった。

真なる大魔王(第34巻~第35巻)

ミストバーンの正体は、真なる大魔王バーンの肉体を預けられたガス生命体だった。ダイに苦戦する大魔王バーンは、ミストバーンに自らの肉体を返すように告げ、大魔王バーンは最強の肉体と魔力を合わせ持つ真・大魔王バーンとして降臨する。ダイは自らの最強技であるギガストラッシュを繰り出すが、大魔王バーンは「天地魔闘の構え」で難なく撃退し、ダイは大きく負傷してしまう。さらなる追撃にピンチに陥るダイであったが、ミストバーンを倒し、駆けつけた仲間達にかろうじて救われるのだった。しかし仲間達も次々と天地魔闘の構えに敗れ、脱落して行ってしまう。ラーハルトとヒム(プロモーション)の命を賭けた猛攻、そして己の感情を殺して冷静に大魔王バーンを観察していたポップによって、天地魔闘の構えの弱点が見抜かれる。そしてポップの秘策によって天地魔闘の構えは破られ、ダイの刃は大魔王バーンに届く。大きくダメージを受け、追い詰められた大魔王バーンであったが、なお、余裕を崩さず、自らの企みを語り出すのだった。

閃光のように(第36巻)

真・大魔王バーンは世界中に配置した6つの「黒の核晶」によって六芒星を作り、その力で地上を吹き飛ばそうとしていた。今からでは世界中に散らばった黒の核晶を止める事はできないため、さしものダイポップも悲嘆に暮れる。しかしそこに目覚めたメルルを通じて、地上の人々の声がダイとポップに届く。あきらめずに黒の核晶を止めようとする人々に奮起され、ダイ達も立ち上がる。絶望的な状況でもなおあきらめない人間達に真・大魔王バーンは不気味さを感じ、ついに余裕の態度を崩れさせる。さらにはあり得ない奇跡が起きた事で動揺するが、その奇跡を引き起こしていたゴメちゃんの正体を看破し、叩き潰すのだった。しかしゴメちゃんは友達であるダイに、別れの言葉と共に最後の奇跡を贈り、ついに世界中の人々の心が一つになる。そして、かつてダイを襲った「ニセ勇者」一行が世界の危機を知り、最後の「黒の核晶」に駆けつけて爆発を止めるのだった。ここに至り、真・大魔王バーンは「人間の絆」に負けを認めるが、それでもその闘志を衰えさせる事はなかった。こうしてダイと真・大魔王バーンの戦いは、最終局面を迎える。

愛する地上よ(第37巻)

未だ力を残す真・大魔王バーンに対抗するため、ダイは最後の手段である「竜魔人」の力に思い至る。人を捨てる「竜魔人」の力を恐れるダイであったが、仲間達を守るためその力を解放する決心をするのだった。竜魔人と化したダイの圧倒的な力におされる真・大魔王バーンは自らも覚悟を決め、力の源である「鬼眼」の力を解放し、鬼眼王バーンとして最強最後の姿を顕現させる。そして竜魔人と鬼眼王、人知を超えた者達の頂上決戦はクライマックスを迎える。

コラボレーション

スマートフォン用ゲームアプリ『星のドラゴンクエスト』

2016年12月14日、本作『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』と、スマートフォン用ゲームアプリ『星のドラゴンクエスト』とのコラボレーション企画が発表された。企画は前編、中編、後編の三つに別れて実施され、期間中は『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』に登場した武器やキャラクターが、『星のドラゴンクエスト』に登場した。イベント終了後も2018年1月9日には「最終決戦!鬼眼王バーン」と新たにコラボイベントを実施している。

スマートフォン用ゲームアプリ『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』

2017年3月31日にはTVゲーム『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズとのコラボレーション第1弾として、同じくスクウェア・エニックスより配信されているiOS、Android用スマートフォン用ゲームソフト『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』ともコラボレーションされた。『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』はモンスターを育てて遊ぶゲームであるため、コラボレーションイベントでは『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』に登場した敵キャラクターやモンスターを仲間にしたりする事ができた。また続く2017年4月5日には、『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズとのコラボレーション第2弾として、2017年2月9日にスクウェア・エニックスより発売されたニンテンドー3DS用ゲームソフト『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3 プロフェッショナル』とコラボレーションし、配信アップデートで『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の登場キャラクターが仲間にできるモンスターとして追加された。

メディアミックス

TVアニメ

東映動画(東映アニメーション)で製作され、1991年10月17日から1992年9月24日までTBS系列で放映された。アニメの製作にはTVゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの音楽を手がけたすぎやまこういちも音楽担当のスタッフとして加わり、主題歌の作曲・編曲などを手がけている。

TVアニメ(2020年版)

2020年に再アニメ化。10月3日からテレビ東京系列にて放映。2022年10月までの2年間、全100話が放送された。同時期に原作単行本も「新装彩録版」が発売され、「月刊Vジャンプ」で外伝作品『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王』の連載もスタートした。

劇場版アニメ

東映アニメフェアで劇場版アニメも製作されている。第1作目の『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』は1991年7月20日に公開され、第9回ゴールデングロス賞優秀銀賞を受賞した。第2作目の『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 起ちあがれ!!アバンの使徒』は1992年3月7日に、第3作目の『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 ぶちやぶれ!!新生6大将軍』は1992年7月11日にそれぞれ公開された。

登場人物・キャラクター

ダイ

デルムリン島でモンスターに育てられた少年。「勇者」になるのを夢見る純粋な子供だったが、のちにアバン=デ=ジニュアール3世に才能を見出され、彼の指導によって秘められた才能を大きく開花させていく。しかし、修行の最中に起きた魔王ハドラーの襲撃によってアバンが死んだため、当初はアバンの技を完璧に身につけていなかった。魔法を使うのが苦手だったがのちに克服。また類稀な戦闘センスを持ち、「アバンストラッシュ」を得意技にするほか、「魔法剣」や「ギガストラッシュ」など新たな技を編み出している。難破船から助けられた赤ん坊で、その出自には謎が多いが、実は「竜の騎士」であるバランの実子で、本名は「ディーノ」。自らの出自を知って以降は、その力を急速に使いこなし始めているが、自らのアイデンティティに悩み、バランに対しても複雑な感情を抱いている。ポップとは島を出てからいっしょに行動しており、当初はポップに見捨てられるなどの行動もあったが、次第に無二の親友兼相棒として確かな絆で結ばれていく。

アバン=デ=ジニュアール3世 (あばん=で=じにゅあーるさんせい)

各地で勇者の家庭教師を営む、眼鏡をかけた青年。ユーモアに富んだ陽気な性格をしているが、非常に博学多才な人物で剣にも魔法にも造詣が深く、独自の「アバン流殺法」を編み出している。また「アバンのしるし」をはじめ「魔弾銃(まだんがん)」や「ゴールドフェザー」など、ダイ達を手助けするアイテムを数多く発明・製作している。パプニカ王国の依頼でデルムリン島を訪れ、ダイにさまざまな事を教えた。実は15年前、魔王ハドラーを倒した勇者。復活した魔王ハドラーがデルムリン島に襲来して来た際に、ダイとポップに正体を明かし、彼らを守るため「自己犠牲呪文(メガンテ)」を使って壮絶な最期を遂げた。しかし実は、フローラからもらった「カールのまもり」で九死に一命を得ており、ダイとポップの旅立ちを秘かに見守っていた。その後は二人の成長を邪魔しないように、自らを鍛えなおすべく破邪の洞窟を探索していた。前人未到の150層まで踏破し、洞窟で得た「破邪の秘法」を携え、大魔王との最終決戦に駆けつける。大魔王バーンからは地上一の切れ者として警戒されており、彼の復活には大魔王バーンも驚いていた。

ポップ

アバン=デ=ジニュアール3世の弟子。魔法使いの少年。武器屋の息子であったが、たまたま村を訪れたアバンにあこがれ、弟子入りした。アバンが死亡したあとは、ダイと共に大魔王を倒す旅に出た。魔法使いとして才能はあるが、まだまだ未熟な面が目立つお調子者で、強い者を前にすると尻込みしてしまう。実際に何度かダイを見捨てて逃げてしまったが、似た境遇のまぞっぽに諭され、強敵と立ち向かう勇気を奮い立たせるようになる。ダイ達のパーティの中では最も小心者だが、それゆえに誰よりも恐れつつも立ち向かう「勇気」を示した。のちにマトリフの特訓を受け、実力を伸ばすと共に、魔法使いとしての戦い方、そしてメドローアを伝授される。精神面も成長したポップは、多彩な魔法を駆使しつつパーティを導く参謀としての役目も負い、ダイにとってなくてはならない相棒となった。そのため成長度合いでいえば、「勇者」であるダイ以上とも評される。最終決戦では「賢者の力」に目覚めたが、師に倣って自らを「大魔道士」と名乗っている。マァムの事を強く意識している。

マァム

ダイやポップと共に魔王軍と戦う勇敢な少女。表向きは勝ち気で男まさりな性格だが、その本質は他者を気遣い慈しむことのできる母性にあふれている。アバンの使徒のひとりでもあり、呪文が装填された弾丸を撃ちだす魔弾銃と、回復呪文を駆使する僧侶戦士として仲間をサポートしていく。 だが、魔王軍との戦いの中で自身の力不足を感じ取った彼女は、武術の達人である拳聖ブロキーナに弟子入りし、武闘家に転職。パーティーを一時離脱するも、さらなる力を身につけ仲間の大きな助けとなった。

クロコダイン

獣タイプのモンスターを統べる魔王軍・百獣魔団の軍団長。獣王と呼ばれ恐れられている。ワニのような容貌の獣人で、凄まじい剛力と鋼のように強靭な肉体、そして不死身とも賞される圧倒的な生命力を併せ持つ。卑怯な行いを嫌う実直な誇り高き武人であり、魔王軍の尖兵としてダイたちに立ちはだかるが、彼らの勇気や友情に心打たれ、後に頼れる仲間としてダイたちのパーティーに加わった。

ヒュンケル

魔王軍不死騎団の軍団長としてアンデット系モンスターを統べる魔剣戦士。身寄りのない幼少時代に、心優しいモンスターに拾われ育てられたという、ダイと非常に似た境遇を持つ。育ての親であるモンスターがアバンに討たれたと思い込んでおり、彼に弟子入りしながら敵を討つ機会を窺っていた。 そのような経緯もあってアバンの使徒の高弟であり、さらに人間でありながら魔王軍に与し、ダイたちの前に立ちはだかる。だが、後にそれが誤解であったことを知り、本当の仇であった魔王ハドラーを討つため、ダイたちの仲間に加わった。ハドラー討伐後もダイたちの頼れる兄弟子として、一歩先を行きながら彼らをサポートしていく。

レオナ

多くの賢者を抱えるパプニカ王国の若き王女。人々を惹きつける高いカリスマ性に、他者を許すことのできる寛容さ、そして真っ直ぐな正義の心を併せ持っており、若くして王としての高い資質を垣間見せる。かつてデルムリン島を訪れた際、ダイに窮地を救われており、それ以来彼とは友人として親交を温めていた。 賢者としてはまだ未熟ではあるものの、すでにいくつかの高位の回復呪文を使うことができる。女王の立場からは人々を導く旗印として、賢者の卵としてはダイたちの後方支援役として、魔王軍の戦いに身を投じた。

メルル

古の神話や伝承に通じる小国・テラン王国に住む占い師の少女。その未来予知にも迫る卓越した占いの力で、ダイたちの進むべき道を指し示した。普段は内気で物静かな女の子だがポップのことを慕っており、彼に関わることなら思いがけない行動力を発揮することもしばしば。

ゴメちゃん

非常に珍しい「ゴールデンメタルスライム」と呼ばれるモンスター。デルムリン島でダイの友達として平和に暮らしていたが、その珍しさから人々に狙われる事もあった。大魔王バーンを倒すための旅に出たダイの荷物にまぎれて付いて行った。「ピィ」と鳴いて感情を表現し、人間の言葉をしゃべる事はできないが、人間の言葉は理解しているようで、受け答えはきちんと行う。またポップは一度死に掛けた時、ゴメちゃんに呼びかけられた。まともに戦う能力はないが、不思議な能力を持っており、ゴメちゃんの周囲では不思議な事がよく起こる。のちにチウともなかよくなり、「獣王遊撃隊」の2番目の隊員に任命された。その正体は神々の遺産である「神の涙」と呼ばれる生きたアイテム。対象の願いを叶えるという非常に強力な力を持ち、幼い頃に偶然、出会ったダイの「友達がほしい」という願いを叶え、ゴールデンメタルスライムの姿をとったものだった。ダイ達の旅のあいだも密かに仲間達の危機を救う願いを叶え、窮地を救っていた。

ブラス

ダイの育ての親であるきめんどうしと呼ばれる種族のモンスター。かつてデルムリン島に流れ着いた赤子のダイを保護し、心優しい少年として立派に育て上げた。島では長老のような立場にあり、少々口うるさいもののダイや島のモンスターたちから敬愛されている。

チウ

ねずみの姿をした獣人の武闘家。もとは魔王にあやつられる邪悪なモンスターだったが、ブロキーナに懲らしめられ、邪悪な意志を跳ね返せるほど鍛えられた。そのためブロキーナの一番弟子を自称し、マァムには兄弟子として振る舞った。かなりのお調子者で楽天的な言動が目立つが、実はかなりの努力家で、もともと話せなかった人間の言葉も苦労して勉強して覚えた。また仲間を決して見捨てないまっすぐな性格をしており、ポップにも感心されている。努力しているため相応の実力を持つが、手足のリーチが短いため当てるのも一苦労している。そのため、のちに敵に高速で体当たりをする「窮鼠包包拳(きゅうそくるくるけん)」という技を生み出した。のちにクロコダインの特訓を手伝った際に、お礼としてもらった「獣王の笛」を使って「獣王遊撃隊」を結成した。クロコダインを「先代」として新たな獣王を勝手に名乗り、着々と仲間を増やしていく。お調子者ながら仲間思いで器の大きいチウを意外にも隊員は慕っており、要所要所で意外な活躍を見せている。

魔王ハドラー (まおうはどらー)

魔王軍六大軍団を束ねる魔軍司令。かつて世界を滅ぼそうとしてアバン=デ=ジニュアール3世に敗れた邪悪な魔王で、大魔王バーンに忠誠を誓う事で新たな力と肉体を与えられて復活した。デルムリン島に現れ、アバンと壮絶な戦いを繰り広げ、ダイ達の目の前でアバンの命を奪った。その際にダイの目覚めた「竜の騎士」の力を目の当たりにしたため、以降ダイ達の存在を強く意識している。極大呪文すらあやつる強大な魔力と強靭な肉体を持ち、大魔王バーンの暗黒闘気によって死んでも復活する特性を持つ。残虐非道な性格をしているが、卑劣な罠などの使用は嫌う。この部分は敵であるアバンやポップですら認めていたが、のちに出世欲と保身に目がくらみ、ダイが「竜の騎士」である事を大魔王バーンにすら秘密にし、ダイ達をだまし討ちしたりしている。この事は魔王ハドラー自身にとっても自身の情けなさを痛感する出来事で、追い詰められた魔王ハドラーはこれをきっかけにして慢心を捨て、精神的に大きく成長した。そして勝利への執着から自らの身体を「超魔生物」へと改造し、超魔生物ハドラーとなった。

大魔王バーン (だいまおうばーん)

「魔界の神」とも呼ばれる、魔王軍の頂点に立つ存在。その正体は秘密のベールに包まれており、当初は魔王ハドラーですらその姿を直接見る事は叶わず、幕越しに命を受けていた。人知を超えた超魔力と軍団長すら敬服する強大なカリスマ性を持ち、暗黒に包まれた魔界に太陽をもたらすべく地上侵攻を開始した。その正体は老人の姿をした魔族の男性。自らを枯れ木のような老人と揶揄するが、超魔生物ハドラーですらその存在感に圧倒された。数千年以上生き、非常にスケールの大きい視野を持ち、人間、魔族を老獪に翻弄する。見た目に反してその戦闘力も高く、最下級火炎呪文(メラ)ですらポップの最上級火炎呪文(メラゾーマ)を超える威力を持つ。またロン・ベルクに作らせた「光魔の杖」を手にすると、史上最強の力を得るとされる。「竜の騎士」としての力を完全に覚醒させたダイですら手玉に取る圧倒的な力を見せ付けたが、「双竜紋」を得たダイには敗北。己の真の姿である真・大魔王バーンの姿を解放した。

バラン

ドラゴン系のモンスターのいる魔王軍・超竜魔団を束ねる超竜軍団長。精悍な顔つきの中年男性で、曲者揃いの魔王軍の中でクロコダインと並ぶ武人としてヒュンケルから一目置かれていた。その戦闘能力は魔王軍の軍団長の中でも頭一つ抜けて高いとされ、大魔王バーンにすら匹敵するとされている。そのため魔王ハドラーからは己の地位を脅かす存在として警戒されている。その正体はダイの実の父親で、当代の「竜の騎士」。かつては「竜の騎士」の使命に従って大魔王バーンに匹敵する巨悪・冥竜王ヴェルザーと戦い、これを討ち果たす。その後、ヴェルザーとの戦いで負った傷で倒れいているところをソアラに拾われ、彼女と愛を育んだ。しばらくは幸せな生活をしていたが、魔王軍の者と疑われ、ソアラも人間の攻撃からバランをかばって死亡。この一件で人間に絶望し、以後は大魔王バーンに力を貸すようになった。ダイの事を知ってからは息子を取り戻すべく行動したが、その肝心のダイに拒絶され、さらに自らが否定した人間の絆に敗北してしまう。その後は魔王軍を離反したが、今更意向を変える気はなく、ダイとは別の道を歩むと宣言した。

ロン・ベルク

魔界で名を馳せた伝説の鍛冶師。ヒュンケルの「鎧の魔剣」やラーハルトの「鎧の魔槍」を作った人物とされ、かつては大魔王バーンのもとにいたが、現在はポップの故郷であるランカークスの村のはずれで隠遁生活を送っている。最強の剣を探すダイとポップが、ポップの父親の紹介で出会った。非常に感情の波が激しい気難しい人物で、当初はダイ達の言葉を歯牙にもかけない態度を取っていたが、ダイが「真魔剛竜剣」を折った話を聞いて興奮し、彼らに力を貸す約束をした。その後、約束通りダイのためだけの最強剣「ダイの剣」を鍛え上げた。自分の仕事に誇りを持ち、妥協しない職人気質な性格をしている。また、それと同時に武器を使う側にも同じくらい厳しい人物で、ダイが剣を傷つけられた際には未熟者と断じ、彼らに稽古をつけている。実は魔界一と呼ばれるほどの剣豪で、ダイとヒュンケル二人を軽くあしらう剣の腕を持つ。鍛冶師の道を歩んでいるのも、自らの本気に耐えうる剣を作るためで、数百年かけて「星皇剣(せいおうけん)」と呼ばれる剣を作っている。最終決戦ではダイと仲間達のために新たな武具を作って駆けつけている。

エイミ

パプニカ王国の「三賢者」の一人である女性。スタイルのいい理知的な美女で、ダイ達をパプニカの王城跡で発見し、彼らをバルジ島へと案内した。のちにヒュンケルの姿に恋心を抱くようになり、彼が負傷した際には付きっ切りで看病した。また負傷を押して戦いに行こうとするヒュンケルを止めるため、「鎧の魔槍」を隠したり、彼に告白したりしたが、ヒュンケルを止める事は叶わず、彼からもあきらめるように言われた。しかしそれでも彼への思いをあきらめきれず、ヒュンケルと共にどこまでも歩いていく覚悟を固めた。エイミの思いはヒュンケルにも届いており、のちに敵に囚われの身になったヒュンケルはエイミの言葉を思い出して活力を得る事となった。またエイミのヒュンケルを一途に思う姿は、マァムにも大きな影響を与えた。

へろへろ

「ニセ勇者」パーティの戦士。ゴリラのような顔つきをした男性で、金にがめつい性格をしている。ニセ勇者パーティの中では、人のいい性格がわざわいして貧乏くじを引くのが多い模様。特技は料理、炊事、洗濯で、パーティの中で雑用をする事も多い。

アポロ

パプニカ王国の「三賢者」の一人である男性。利発な雰囲気を持つ青年で、ほかの三賢者や兵士達をまとめる立場にある。「メラゾーマ」や「フバーハ」など攻防にスキのない魔法を習得しており、魔王軍とも勇敢に戦った。

ボラホーン

竜騎衆の一人で、トドのような姿の獣人。「海戦騎」の異名を持つ戦士。クロコダイン並みの巨体と怪力を誇る。口から猛吹雪を放つ「凍てつく息(コールドブレス)」を放ち、敵が凍りづけになったところを、愛用の錨のような武器で粉砕する攻撃を得意とするが、ヒュンケルにはどちらの攻撃も通じず一蹴された。その後、死んだものと思われていたが実は生きており、身動きが取れないポップを人質に取ってヒュンケルを殺そうとした。しかし卑劣な戦い方がラーハルトの逆鱗に触れ、彼の魔槍で頭を貫かれて絶命した。その後、実は秘かにバランによって遺体を回収され、竜の血を与えられたが蘇生しなかった模様。

ずるぼん

「ニセ勇者」パーティの僧侶。豊満なスタイルをした女性だが、けばけばしい雰囲気を持つ。演技派で、ダイが出会った当初は本性を隠し、清楚でやさしい女性を演じてゴメちゃんのもとへ案内させた。悪事が露見したあとは、パーティに本物の勇者を目指すよう宣言したが、結果的にやっている事は火事場泥棒の真似事だった。

ソアラ

ダイの母親。慈愛に満ちた美しい女性だったが、現在はすでに故人。若かりし頃に偶然傷ついたバランを見つけて介抱し、そのまま恋に落ちた。しかし実はソアラはアルキード王国の王女であり、周囲からの妬みからバランは魔王軍の生き残りと疑いをかけられ、仲を引き裂かれてしまう。その後、駆け落ちしてダイを生み、森で平和な生活を送っていたが、父親である国王に見つかった事でその幸せも終わりを告げる。夫であるバランが自分をたぶらかした魔物として処刑される事に我慢ができず、彼を守って死亡してしまった。彼女の死はバランを凶行に走らせる大きな原因となり、実際にアルキード王国はその後、激情に駆られたバランによって灰燼に帰している。

キルバーン

「死神」の異名を持つ黒い道化師のような姿をしたモンスター。使い魔の「ピロロ」とよく行動を共にしている。飄々とした雰囲気を持ち、魔王軍の中でもミストバーンと並んで謎が多い。大魔王バーンの側近で大魔王から勅命を受けて行動する事が多いため、魔王ハドラー達ですらその真意は知らずにいる。名の由来は「バーンを殺す」で、実は数百年前に大魔王バーンと魔界を二分する冥竜王ヴェルザーから送られて来た協力者兼刺客。名目上は協力者だがチャンスがあれば大魔王バーンを殺すつもりで、大魔王バーン本人からもそれを承知で部下に迎え入れられている。対極の性格ながらもミストバーンとは気が合い、長いあいだ、親友として付き合っていた。武器である「死神の笛」をはじめ仕掛けがある特殊な武器を体中に隠し持っており、暗殺や隠密行動を得意とする。また敵を罠にはめてあざ笑うのを何より好む残忍な性格をしており、大魔王バーンは残忍さではキルバーンが魔界一と評した。

ブロック

ハドラー親衛騎団の「城兵」。巨大な鎧をまとった兵士の姿をしており、ハドラー親衛騎団随一の巨体と怪力を誇る。話す事はできないが仲間を思う意思は人一倍で、危険なメドローアの攻撃からも身を削って仲間達を守っている。鈍重な見た目をしているが、実は「キャスリング」と呼ばれる隠された能力を持つ。この能力を発動すると鎧の中から細身の身体の本体が現れ、高速移動して仲間をかばう事が可能となる。超魔生物ハドラーが大魔王バーンに反旗を翻した際にこの技を使い、超魔生物ハドラーと仲間達を無事に逃がしている。ただしブロックは代わりに大魔王バーンの攻撃を受ける事となり、最後に初めて仲間達に「ハドラー様を頼む」という言葉を発し、この世を去った。

まぞっほ

「ニセ勇者」パーティの魔法使い。ちょび髭を生やし、飄々とした雰囲気を持つ中年の男性で、非常に狡賢い性格をしている。実はマトリフとは同じ師に師事しており、マトリフは兄弟子にあたる。かつては正義の魔法使いを目指したものの、修行の辛さや敵の怖さなどにより正念場で逃げ出してしまう心の弱さを克服できずに夜逃げ。その後は転がり落ちるように現在の小悪党に成り下がってしまったが、若い頃の自分にそっくりなポップを見て過去を思い出し、クロコダインからダイを見捨てて逃げ出したポップを諭した。彼とポップのやり取りは非常に短かったものの、ポップの精神的な成長に絶大な影響を与えた。最終決戦ではでろりんと共に世界を救う鍵となり、人生の最大の正念場で勇気を振り絞り、本物の正義の魔法使いになった。

鬼眼王バーン (きがんおうばーん)

自らの力の源である「鬼眼」を自身に上乗せし、進化した真・大魔王バーン。その姿は「鬼岩城」にそっくりで、巨人のような大きな身体に真・大魔王バーンの身体が額の部分にくっついている姿となっている。あくまで真の姿は真・大魔王バーンの姿で、大魔王バーンにとってもこの姿は人の姿を捨て、魔獣に成り果てる正真正銘の奥の手だった。「竜魔人」となったダイに対抗するためこの姿となり、ダイと激闘を繰り広げた。

ヒム(兵士)

ハドラー親衛騎団の「兵士」。直情的ながら正々堂々とした性格をしており、公平な勝負をするために、あえてダイ達に自らの弱点である核の場所を教えたりした。その様からハドラー親衛騎団の中では、最も超魔生物ハドラーの武人気質を受け継いだとされている。格闘戦を得意とし、拳に火炎呪文(メラゾーマ)の熱を伝導させる「超熱拳(ヒートナックル)」を得意技とする。ヒュンケルと戦って以降、彼を宿敵として定めており、最終決戦でも彼と一騎打ちを繰り広げた。しかし新たな力を覚醒させたヒュンケルには手も足も出ず、一方的に心臓の核を砕かれ、死亡する。その後、末期の中で散っていく主君や仲間達の声を聞き、新たな命を得てヒム(プロモーション)へと生まれ変わった。

ヒム(プロモーション)

一度死んで復活したヒム(兵士)。禁呪法で生み出された生命体は術者と命を共にするが、死の淵で慟哭をあげたヒムは、一つの命として生まれ変わった。その姿は兵士だった時代よりも有機的なものとなり、超魔生物ハドラーから受け継いだ銀髪の髪をたなびかせている。ヒュンケルは超魔生物ハドラー達の遺志がもたらした奇跡で、ヒムが昇格(プロモーション)した姿だと推測している。一つの生命体として確立したため、闘気をあやつる事ができるようになり、攻撃力も速さも上がり、兵士の時代では天敵だったアバン流の「空」の技も通用しなくなっている。またオリハルコン製の体は健在であるため、闘気を籠めた拳で殴る「闘気拳(オーラナックル)」は必殺の威力を誇る。一方、命を得たためケガをすると痛みを感じるなど、感覚にも変化が訪れている模様。主君と仲間達の無念を晴らすべく、ヒュンケルと一騎打ちを行ったが敗北。その後はヒュンケルに命を助けられた事もあり、ダイ達に合流する。チウに気に入られ、半ば無理矢理「獣王遊撃隊」の12番目の隊員として加入させられたが、文句を言いつつもチウを「隊長」と呼んで付き合っている。

ガンダンディー

竜騎衆の一人で、鳥のような姿の獣人。「空戦騎」の異名を持つ戦士。「ルード」という名のスカイドラゴンとは兄弟同然の仲で、つねに行動を共にし、かわいがっている。体力や魔法力を奪う特別な羽と細身の剣を武器にして戦う剣士で、その敵の消耗を強いる戦い方にポップは苦戦したが、応援に駆けつけたヒュンケルの攻撃と意地を見せたポップの底力に敗れた。その後、実は秘かにバランによって遺体を回収され、竜の血を与えられたが蘇生しなかった模様。

フレイザード

炎や氷をあやつるモンスターのいる魔王軍・氷炎魔団を束ねる氷炎魔団長。「氷炎将軍」の異名を名乗り、右半身が氷の岩、左半身が炎の岩でできたエネルギー岩石生命体となっている。炎のような暴力性と氷のような冷徹さを併せ持つとされる。「戦うのが好きなのではなく、勝つ事が好きだ」と豪語し、手段を問わず手柄を立てる事を何よりも優先する。得意技は「五指爆炎弾(フィンガー・フレア・ボムズ)」。五指の指それぞれでメラゾーマを発生させ同時に放つ技で、非常に強力な威力を誇る。奥の手として、自らの体を爆発させて無数の岩の姿となって敵を攻撃する「弾岩爆花散(だんがんばっかざん)」という技もあるが、使うだけでも命を削るほど消耗するため基本的に使いたがらない。魔王ハドラーの禁呪法によって誕生したが、生まれて1年足らずなため自分の中に確固たる歴史がなく、手柄を得る事で空っぽな自分を満たそうとしている。そのため功名心は人一倍高く、手柄を得るためなら自身を犠牲する事も厭わない。胸に付けた「暴魔のメダル」はその証ともいえ、命の次に大切にしている。

ザボエラ

魔法を得意とするモンスターのいる魔王軍・妖魔士団を束ねる妖魔士団長。「妖魔司教」の異名を持つ小柄な老爺で、魔王軍の中で最も狡猾な性格をしているとされている。自分以外の存在は利用するための駒としか考えておらず、実の息子であるザムザにすら一片の愛情も向けていない。強い者に取り入って自らの権益を拡大する事しか頭になく、クロコダインに邪悪な罠を持ちかけたり、バランに取り入ろうとしたり、蝙蝠のような暗躍を続けていた。のちに魔王ハドラーの頼みを受け入れ、彼を超魔生物ハドラーへと改造したが、その後の独断専行を咎められて投獄されたのを、恩を仇で返されたと憤怒。最悪なタイミングで超魔生物ハドラーを裏切り、大魔王バーンに取り入った。その後は大魔王バーンを助けた功績で「魔軍司令補佐」の地位に就くが、ミストバーンからはその醜悪な性根を侮蔑されていた。実際、最終決戦でピンチに陥った際はミストバーンを捨て駒にしようとしたが、それを見抜いていたミストバーンに逆に捨て駒にされるという、因果応報な結末を迎える。

ザムザ

妖魔士団に所属する魔族の青年。ザボエラの息子で、「妖魔学士」の異名を持つ。年齢は182歳。人間の姿に化けてロモス王国に潜り込み、邪魔になる武闘家を超魔生物の実験体にするためさらおうと画策していた。未完成ながら自らも超魔生物に改造済みで、超魔生物に変身すると、さまざまなモンスターの特徴を併せ持つ巨大な姿へとなる。強力な身体能力と驚異的な再生能力を持ち、非常に高い戦闘能力を誇る。実は父親に認められない事が強いコンプレックスとなっており、認められたい一心でザボエラの手足となって動いていた。それは今際の際でも変わらず、己の研究のすべてが詰まったデータをザボエラのもとに飛ばしている。ザムザの、報われないと知りつつも父親の愛を一心に求める姿を見て、ダイは一種の共感を感じていた。

シグマ

ハドラー親衛騎団の「騎士」。チェスの騎士の駒をそのまま象(かたど)った馬頭の騎士で、冷静沈着とした、優れた判断能力を持つ。素早い身のこなしに、魔法使いにとって天敵ともいえる魔法反射能力を持つ盾「シャハルの鏡」を持つ。また右腕は手首の部分から着脱可能で、右腕を取り外す事で爆裂呪文(イオ)の爆発力を直接相手にぶつける「ライトニングバスター」という技を放てる。この技は極大爆裂呪文(イオナズン)級の破壊力を持つが、射程が短いため至近距離から撃たねばならない。バーンパレスの戦いでもポップの事を侮らずに好敵手として認め、最後まで油断せず戦った。戦いに敗れるもののポップの健闘を称え、自らの武器である「シャハルの鏡」をポップに託している。この「シャハルの鏡」はのちにポップの窮地を救う大きな力となった。

フローラ

カール王国の女王。品のある妙齢の女性で、若かりし頃は魔王ハドラーと戦うアバン=デ=ジニュアール3世を信じて支え続け、彼に淡い思いを抱いていた。大魔王バーンに敗れたポップ達を手助けし、魔王軍を破るための策として「ミナカトール」の存在を教えた。美しく賢明な女性で、レオナにとってはあこがれの存在。「ミナカトール」習得の際には、レオナ達のサポートをしたほか、最終決戦でも「ミナカトール」の魔法陣を守るため指揮官として奮戦した。実は若かりし頃、魔王ハドラーとの決戦に赴くアバンから「アバンのしるし」を贈られた際に、王家の宝である「カールのまもり」を渡していた。フローラは知らなかったが、これがアバンの命を守る大きな役割を果たした。アバンの事は詳細は知らなかったが死んだと思っており、のちに再会した際には驚きのあまり気絶してしまった。

フェンブレン

ハドラー親衛騎団の「僧正」。全身が鋭利な刃物で構成されており、両手が剣の形となっている。ハドラー親衛騎団の中では超魔生物ハドラーの最も残忍な気質を受け継いでおり、弱者を痛めつける事に喜びを感じる。ただしフレイザードと違って最低限の協調性は持っており、普段は仲間達に合わせた行動を心がけている。真空呪文(バギ)を得意とし、高速回転しながら敵に突っ込み、両手の剣で切り裂く「ツインソードピニング」という必殺技を持っている。バランによって両目をつぶされ、それ以降、バランへの復讐に燃えていた。その執念は主君である超魔生物ハドラーへの忠誠心以上で、親衛騎団の証であるエンブレムを外し、単独で戦いを挑むほどだったが、ダイとバランのタッグには敵わず敗れ去った。

でろりん

「ニセ勇者」パーティのリーダー。「勇者」の名を騙った黒髪の青年で、おとなしいモンスターを襲ったり、ロモス国王への献上品として珍しいゴメちゃんをさらって報奨金を得ようとしたり、非常に欲深い性格をしている。しかし小悪党ながらその実力は本物で、デルムリン島の魔物達を一方的に倒すほどだった。ゴメちゃんを救いに来たダイに敗れた事で悪事が露見した。その後は魔王ハドラーの復活で再び魔物が凶悪化した事もあり、心を入れ替えて本物の勇者を目指したと言っているが、実際にやっている事は火事場泥棒紛いの事ばかりだった。各地の戦いが激しいものになったため、紆余曲折の末、魔王軍に滅ぼされて誰もいないオーザム王国の跡地に流れ着いて生活していた。しかし最終決戦では、その時と場所を超えたダイとでろりんの数奇な運命が、世界を救う鍵となった。

マトリフ

アバン=デ=ジニュアール3世と共に魔王ハドラーと戦った魔法使いの老人。攻撃呪文も回復呪文もあやつる「賢者」の力を持つが、本人はこの呼ばれ方を嫌い、「大魔道士」を自称する。その呼称に違わない世界最強の呪文使いだが偏屈な性格をしており、厭世的な態度をダイ達にも取っている。パプニカ王家の危機にも立ち上がらず、僻地の洞窟で隠遁生活を送っていたが、これは過去に望まぬ権力闘争に巻き込まれ、人間に愛想を尽かしているからだった。たまたま近くで危機に陥っていたダイ達を気まぐれで助けたあと、自分に啖呵を切ったダイにアバンの面影を見て、彼らに力を貸す気になる。また魔法使いの先達としてポップの師匠となり、彼に呪文の使い方や魔法使いの在り方を徹底して叩き込む。その特訓は厳しいものであったが、メキメキと伸ばすポップの才能を認めている。実は過去の戦いで禁呪法紛いの呪文を乱用したため寿命を縮めており、最近は年もあり身体を弱めている。それでも未来のために、弱った身体を押してポップにメドローアを伝授した。

マリン

パプニカ王国の「三賢者」の一人である女性。エイミの姉で、ショートカットの髪型をしている。エイミがヒュンケルに気があるのを見抜いており、彼女がヒュンケルのもとに足しげく通うのをからかった。フレイザードとの戦いで負傷してしまったが、のちに助け出されたレオナの回復呪文によって治療されている。

ブロキーナ

アバン=デ=ジニュアール3世と共に魔王ハドラーと戦った武闘家の老人。サングラスをかけた小柄な老人で、「武神流拳法」という独自の武術を編み出し、その道では「武術の神様」や「拳聖」の名で呼ばれているほど有名。チウに修行を課したり、「閃華裂光拳」や「猛虎破砕拳」など数々の強力な技をマァムに伝授したりしていた。ひょうきんな性格をしており、よく出鱈目な病気の名前を言っては仮病を使い、人を煙に巻く。布をかぶってお化けの格好をする「ゴーストくん」の変装を気に入っており、この変装をしてロモス武術大会に参加していた。また最終決戦の際はいつの間にか、お化けのモンスター「ゴーストくん」として「獣王遊撃隊」に潜り込んでおり、正体はバレバレだったが最後まで「ゴーストくん」として戦った。年のため体力は低下しているが、長年鍛えた武術の腕は神業ともいうべきもので、真の力を発揮したミストバーンとも互角に渡り合った。

ノヴァ

「北の勇者]の異名を持つ少年。氷の魔法と闘気をあやつる剣技「闘気剣」の使い手で、異名に恥じない確かな実力を持つが、勇者として称えられた事で増長し、高慢な性格をしている。しかしハドラー親衛騎団との戦いで手も足もできずに負け、その際にダイ達の戦いを見た事で少しずつ意識が変わり、のちにダイとの交流を経て「勇者とはみんなに勇気を沸きおこさせる者」という事に気づいた。そのため最終決戦では「ミナカトール」の発動陣を守るため、自らの命を引き換えにする「生命の剣」を振るい、周囲の人を鼓舞しようとした。その生き様がロン・ベルクの心を動かし、地上での戦いでは勝利に導く大きな貢献を果たした。戦いのあとはロンの生き様を尊敬し、腕を負傷した彼の代わりに鍛冶を行うべく鍛冶師として弟子入りした。

ミストバーン

実体のない影やガスのモンスターのいる魔王軍・魔影軍団を束ねる魔影軍団長。「魔影参謀」の異名を持つが、非常に謎の多い存在。普段はローブをかぶり、その素顔は暗闇で隠されており、口を開くのは数十年に一度といわれるほど寡黙な性格をしている。暗黒闘気の達人で、ヒュンケルは彼から暗黒闘気の手ほどきを受けたため、もう一人の師というべき存在となっている。実は大魔王バーンの側近で、ほかの軍団長とは別種の役割を与えられた存在。その正体は実体のない暗黒闘気でできたガス状のモンスターで、取り憑いた人間を意のままにあやつる能力を持ち、普段は眼を閉じた長髪の美丈夫に取り憑いている。実はこの肉体は大魔王バーンの真の肉体であり、ミストバーンは大魔王バーンから「凍れる時間の秘法」で封印された肉体を守る役割を任されていた。ミストバーンという名前も「影(ミスト)のバーン」が由来となっており、普段しゃべらずに素顔を見せないようにしているのも、大魔王バーンの秘密を守るためだった。強い者には敵味方を問わず敬意を表す性格をしており、超魔生物ハドラーやヒュンケルの事を気に入っている。

ラーハルト

竜騎衆の一人で、影のある魔族の青年。「陸戦騎」の異名を持つ凄腕の戦士で、地を駆けるその速度はヒュンケルですら捕らえられないほど。またロン・ベルクによって作られた「鎧の魔槍」を持ち、魔槍から真空波を放つ「ハーケンディストール」は必殺の威力を誇る。実は魔族と人間のハーフで、幼少期は人間から迫害されていた。その際にバランに助けられた過去を持つため、バランの憎悪を深く理解し、忠誠心はかなり高い。仲間であろうと卑怯な手段を使うものには容赦がなく、ボラホーンが人質を取った際には自らの手で粛清している。ヒュンケルとの一騎打ちに敗れたあと、彼に諭され、自らの遺志と「鎧の魔槍」をヒュンケルに託した。その後、実は秘かにバランによって遺体を回収され、竜の血を与えられ蘇生された。遺された手紙からバランの遺志を引き継ぎ、最終決戦ではダイの応援として駆けつけた。その際にヒュンケルから「鎧の魔槍」を返却されている。

超魔生物ハドラー (ちょうませいぶつはどらー)

魔王ハドラーが宿敵であるダイに打ち勝つため、地位も名誉も命も捨てて純粋に強さを追い求めた事で、自らの殻を打ち破って成長した姿。超魔生物へと改造され、巨大な角や鎧のような物で体中が覆われている。性格も大きく変化しており、魔王ハドラーの時にあった精神的な驕りが存在せず、武人然とした高潔な存在になっている。戦闘能力も大幅に向上しており、必殺技である暗黒闘気を炎にしてオリハルコン製の剣「覇者の剣」にまとわせる「超魔爆炎覇(ちょうまばくえんは)」は、バランの「ギガブレイク」に匹敵する威力がある。しかしその身体には、大魔王バーンが密かに「黒の核晶」を埋め込んでおり、大魔王バーンの謀(はかりごと)によってダイやバラン諸共殺されかけてしまう。その戦いのあとは、己のすべてを賭けた戦いを汚された事に激昂し、大魔王バーンに反旗を翻した。最終決戦ではハドラー親衛騎団と共にダイとその仲間達に戦いを挑み、ダイとの激しい一騎打ちの末に敗北した。最期は一騎打ちに横槍を入れたキルバーンからダイとポップを守り、復活したアバン=デ=ジニュアール3世の腕の中で安らかに息を引き取った。

アルビナス

ハドラー親衛騎団の「女王」。ハドラー親衛騎団の中で唯一、女性の姿をしているが、本人はあくまで駒で、性別はないと言っている。超魔生物ハドラーの右腕としてハドラー親衛騎団を統括する役割を与えられており、戦場では冷静沈着な判断能力で仲間達の指揮を担当している。超魔生物ハドラーへの忠誠心はハドラー親衛騎団の中で最も高いが、それゆえに冷酷な判断や独断を取る事もあり、その部分は当の超魔生物ハドラーからも苦言を呈されている。極大閃熱呪文(ベギラゴン)を無数の針状にして、全身から発する「ニードルサウザンド」を得意技とする。さらに普段はマントで身体を覆っているが、これを解放する事で、ハドラー親衛騎団でも最速の機動力を発揮する事が可能となる。またこの状態ならば、「ニードルサウザンド」を逆に一点に集中して放つ「サウザンドボール」を使用できる。本人は女性である事を否定していたが、アルビナスが超魔生物ハドラーに向ける感情は「愛」そのものであったとマァムは語る。

真・大魔王バーン (しんだいまおうばーん)

ミストバーンに預けていた青年の肉体と、老人の姿をしていた大魔王バーンが合体した姿。大魔王バーンは永遠に近しい命を得るべく、自分の本来の身体に「凍れる時間の秘法」を使用して封印し、その身体を自在にあやつれる特性を持つミストバーンに預けていた。最強の肉体と魔力が合わさった事で絶大な力を持ち、自らが生み出した最強の「天地魔闘の構え」によってあらゆる敵を粉砕する。ただしこの肉体を使うためには「凍れる時間の秘法」を解かなければならず、再び秘法を掛けるためには「数百年置きに起こる皆既日食」を待たなければいけない。長大な寿命を誇る魔族であるが、この肉体を使うと少なからず有限の寿命を消費するため、真・大魔王バーンにとっても本来の肉体を使うのは相応のデメリットが存在する。額に存在する第3の眼は「鬼眼」と呼ばれ、真・大魔王バーンの力の源となっている。この眼の魔力を対象に与える事で強制的に進化させる事も可能。最終決戦では真・大魔王バーンは最後の手段として「鬼眼」の力を自身に上乗せし、鬼眼王バーンへと進化した。

集団・組織

アバンの使徒 (あばんのしと)

アバン=デ=ジニュアール3世の教えを受け、卒業生の証である「アバンのしるし」を授かった者達の総称。一人一人が秘める優秀な才能をアバン直々に磨かれており、魔王軍にとって最も大きな障害となっている。現在いるのはヒュンケル、マァム、ポップ、ダイとなっている。のちにミナカトール発動に「五人目のアバンの使徒」が必要になった際に、フローラはアバンが生きていたら選んだであろうとレオナを選び、アバンから預かっていた五つ目の「アバンのしるし」を渡した。「アバンのしるし」はただのアクセサリーではなく、「輝聖石」と呼ばれる貴重な石をジニュアール家にのみ伝わる秘伝で加工しており、聖なる力を高めて邪を祓い、さほど強くないが所有者を災いから守り、力を高める効果があるとされている。またミナカトールを発動させる際にも、「アバンのしるし」は媒介として重要な役割を果たした。

六大軍団 (ろくだいぐんだん)

『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の設定。モンスターの種族や性質にあわせて、魔王軍は百獣魔団、不死騎団、氷炎魔団、妖魔士団、魔影軍団、超竜軍団という6つの軍団に分類されており、その総称を六大軍団と呼ぶ。各軍団にはモンスターたちを束ねる軍団長が1人ずつ存在しており、魔軍司令となった魔王ハドラーの指揮下に置かれている。 後にダイたちの仲間となったクロコダインやヒュンケルは、かつて六大軍団で軍団長を務めていた。

ハドラー親衛騎団 (はどらーしんえいきだん)

超魔生物ハドラーが生み出した自らの親衛隊。大魔王バーンより下賜されたオリハルコン製のチェスの駒に、超魔生物ハドラーが禁呪法を使って生み出した金属生命体で、1体1体が強固なオリハルコンの性質を持ち、非常に強力な戦闘能力を持つ。金属生命体であるため頭に穴が開いても死ぬ事はないが、心臓の部分にある核を破壊されると死亡する。無機物に生命を吹き込む魔法は術者の精神面の影響が強く出るとされ、魔王ハドラーの時に同じ呪文で生み出されたフレイザードは邪悪な性格をしていたが、「ハドラー親衛騎団」は武人として一皮剝けた超魔生物ハドラーが作ったため、それぞれが仲間意識が強く、非常に優秀な戦士となっている。そのため功名心に眼を奪われたフレイザードにはなかったチームワークを駆使した戦法も使い、ダイ達にとって恐ろしい敵でありながら、同時に対等に認め合う好敵手となっている。超魔生物ハドラーへの忠誠心も高く、超魔生物ハドラーが大魔王バーンと袂を分かったあとも彼に忠誠を誓い、行動を共にしている。

竜騎衆 (りゅうきしゅう)

バランの誇る最強の配下。それぞれが陸・海・空の竜をあやつる最強の「竜使い(ドラゴンライダー)」で、バランとこの三人が揃った際の戦闘力は想像を絶するといわれる。竜騎衆はもともと魔王軍ではなく「竜の騎士」直属の配下で、普段は方々に散ってそれぞれ過ごしている。竜騎衆を呼ぶには三色のかがり火を焚く事が必要とされ、バランはアルゴ岬でかがり火を焚いて呼び出した。

獣王遊撃隊 (じゅうおうゆうげきたい)

チウが結成したモンスターによるチーム。「獣王の笛」をもらったチウが、その力を使ってモンスターを仲間にし、着々とその数を増やしていった。隊員第1号は空を飛ぶモンスターであるパピラスの「パピィ」で、チウは名前のないモンスターにはそれぞれ名前を付けている。ゴメちゃんも隊員第2号として獣王遊撃隊に参加している。最終決戦では隊員を10名まで増やし、さらにお化けのモンスター「ゴーストくん」に扮したブロキーナも紛れ込んでいた。またバーンパレスで、チウはヒム(プロモーション)の事を気に入り、半ば強制的に加入させている。

場所

デルムリン島 (でるむりんとう)

人間たちから怪物島と呼ばれ恐れられている小さな島だが、魔王ハドラーの支配から解放された心優しいモンスターたちが穏やかに暮らしている。赤ん坊の頃、この島に流れつき育てられたダイにとっての故郷。

破邪の洞窟 (はじゃのどうくつ)

カール王国に存在する不気味なダンジョン。人間の神が邪悪な力に対抗するため、すべての呪文を収めたとされる場所で、各層一つに付き一つ呪文を覚える事ができ、ダンジョンの深層に潜れば潜るほど強力な呪文を身につける事ができる。ただし身に合わぬ力を身につけさせないため、その攻略は非常に困難なものであるとされ、屈強な冒険者でも生還は難しく、洞窟を攻略する者は少ない。ミナカトールを習得するため、レオナが25階を目指して挑んだ。またアバン=デ=ジニュアール3世はデルムリン島での死闘のあと、新たな力を手にするため密かに破邪の洞窟の深層を探索していた。最終決戦までの3か月のあいだにアバンは150層付近まで潜っていたが、50層以降はめぼしい呪文はほとんどなく、それ以降は挑戦者の知恵が試される事が多くなったという。その中でアバンは破邪呪文の威力を増幅する「破邪の秘法」を発見し、その力を携えて最終決戦に馳せ参じた。

鬼岩城 (きがんじょう)

魔王軍の拠点。鬼の顔のような飾りが特徴的な岩城で、その所在地は極秘とされている。実は移動可能な要塞で、当初はギルドメイン山脈の中央部にあったが、ヒュンケルとクロコダインが寝返ったあとは、所在を暴かれるのを嫌って移動している。パプニカ王国で「世界会議」が行われる際には、魔王ハドラーの意向を受けたミストバーンに動かされ、その岩の巨人ともいうべき巨体でパプニカ王国に襲い掛かった。当初は岩で覆われていたが戦いの中で岩が剝がれ落ち、巨大な人型の城ともいうべきその姿をあらわにした。城自体の防御力も高く、各国の艦隊による総攻撃を受けても、城本体はほとんどダメージを受けていたなかったが、ダイの剣を完成させたダイによって破壊された。実は大魔王バーンが、己のすべての力を解放した鬼眼王バーンとしての姿を思い描いて形にしたものだった、と大魔王バーン本人によって語られた。そのため「鬼岩城」と「鬼眼王バーン」の姿は非常に酷似している。

バーンパレス

大魔王バーンの居城。人がまったくいない大陸「死の大地」に隠されていた空中要塞で、地上部分が「黒の核晶」の余波で破壊された事で姿を現した。不死鳥を模した壮麗な白亜の城で、その全長は3キロに及ぶほど巨大となっている。大魔王バーンはこのバーンパレスのほぼ中央にある「天魔の塔」を主城としている。また大魔王バーンの超魔力によってバーンパレス全体に結界が張られており、外からの進入はもちろん、内部からの脱出も容易ではなく、バーンパレスが高空度を漂う事もあり難攻不落の要塞となっている。「ピラァ・オブ・バーン」という巨大な杭のような兵器を内蔵し、これを空から落とすだけでも甚大な被害をもたらす。

その他キーワード

光魔の杖 (こうまのつえ)

ロン・ベルクが大魔王バーンのために作り出した武器。魔力を攻撃力に変換するという機構を持ち、使用する際には先端に魔力の刃が生まれる。超魔力を持つ大魔王バーンが振るえば、オリハルコンすら切り裂く無類の切れ味を誇る。ロンはこれを作った事で大魔王バーンに評価されたが、ロン自身では武器の出来そのものはいいとは思っていないため、この評価に失望している。実際に、大魔王バーンが持つ事で史上最強ともいえる武器となるが、使っていると無尽蔵に魔力を消耗するため、使えば使うほど武器の切れ味もどんどん鈍っていってしまう弱点を持つ。

真魔剛竜剣 (しんまごうりゅうけん)

竜の騎士が振るう地上最強の剣。神々が作ったとされるオリハルコン製の剣で、竜を模した飾りが柄にほどこされている。竜の騎士の全力にも耐えられる頑強さを持ち、「竜闘気」を乗せた一太刀は驚異的な破壊力を誇る。ダイとの戦いで一度は折れたが、自己修復する能力を持ち、のちに完全に修復されている。当初はバランの愛剣として振るわれていたが、彼の死亡後は行方不明となっていた。最終決戦では父親の「竜の紋章」を受け継いだダイのもとに忽然として現れ、彼と共に最後の戦いに挑んだ。

ダイの剣 (だいのつるぎ)

ロン・ベルクがダイのためだけに作ったオリハルコン製の剣。ダイが幼い頃にロモス王からもらった「覇者の冠」が材料に使われており、剣そのものがダイと共に戦う一つの生命を持っている。余りに強力な力を秘めた剣なため、剣の意思自身が自らの力を封じており、真に必要な時以外は鞘から抜く事もできない。また剣とダイは一心同体であるため、ダイが死んだ場合は剣も死に、剣の鍔にある宝玉が光を失うとされている。戦いの中で何度か破損しているが、小さな傷程度なら時間をかければ自力で修復できるとされる。ロンの最高傑作で、最強の金属を使って作った地上最強の剣であるため、ロンであってもこれ以上の強化はできないとされたが、のちにロンは魔法を増幅する能力を持つ特製の「鞘」を作り、間接的な形で剣を強化している。これによってダイは最強の必殺技「ギガストラッシュ」を編み出した。

オリハルコン

神々が作ったとされる銀色に輝く金属。非常に頑強で、魔法の影響をほとんど受けない最強の金属だとされており、真魔剛竜剣など伝説の武具の材料として使われている。人間には非常に僅かな量が神々より分けられており、それらは「覇者の剣」や「覇者の冠」といった武具になっている。また大魔王バーンはオリハルコン製のチェスの駒を持っており、これを超魔生物ハドラーに下賜している。超魔生物ハドラーはこのチェスの駒を使ってハドラー親衛騎団を生み出した。

獣王の笛 (じゅうおうのふえ)

クロコダインが特訓に付き合ってくれたお礼にチウに渡したアイテム。かつて魔王軍に所属する前に、クロコダインが自らの配下となるモンスターを増やすのに使っていたアイテムで、この笛を吹くとモンスターが寄って来て、倒すと仲間にする事ができる。チウはこれを使って仲間を増やし、自らが隊長を務め「獣王遊撃隊」を結成した。なおこの笛を使って倒したモンスターは、魔王による邪悪な魔力の影響からも解放されるらしく、チウの仲間となったモンスターは彼と共に敵と戦っている。

黒の核晶 (くろのこあ)

魔界の超兵器。「黒魔晶」と呼ばれる魔力を無尽蔵に吸収する性質を持つ鉱物に、呪法を施して作り出した兵器で、上限知らずの破壊力を持つ。その威力はかつて冥竜王ヴェルザーが使った際に、自らの大陸ごと吹き飛ばしたほどで、当のヴェルザーや魔界に住む魔族ですら恐れる悪夢の兵器となっている。大魔王バーンは地上破壊作戦のために利用しており、秘かに魔王ハドラーの体に埋め込んでいた。またバーンパレスで、世界各国を攻撃した際に放った兵器「ピラァ・オブ・バーン」に搭載しており、大魔王バーンは「ピラァ・オブ・バーン」で世界の6か所に黒の核晶を配置して「六芒魔法陣」を構築し、魔法陣で威力を増幅した状態で爆発させようと目論んでいた。実は性質上凍らせると爆発できない弱点があり、最終決戦では爆発を阻止するため世界中の人が黒の核晶を凍らせようと奔走した。

ミナカトール

伝説の大破邪呪文。テランの古文書に記されていた破邪呪文の上位とされる呪文で、光の五芒星で邪悪な力を祓う結界を作り出し、その中では邪悪な力を持つ者は活動を停止させられるとされている。空を自在に移動し、結界で侵入者を阻むバーンパレスの能力を封じるため、フローラが提案した。習得するためには「破邪の洞窟」の25層で試練を受ける必要があり、レオナが自らの「正義」を示した事で習得した。発動には「アバンのしるし」を持った五人のアバンの使徒が必要とされ、それぞれの「アバンのしるし」が魂の色に光る事で光の五芒星が完成し、ミナカトールが発動する。魂の色はそれぞれ「正義」「慈愛」「闘志」「勇気」を表すとされ、残り一つは古文書の文字がかすれて不明となっている。完全に発動したミナカトールはバーンパレスの結界を消し去り、魔物達の力を弱める事に成功したが、大魔王バーンや超魔生物ハドラーにはほとんど影響をもたらす事はなかった。

獣王会心撃 (じゅうおうかいしんげき)

クロコダインの必殺技。片腕に集中した全闘気を竜巻のような渦にして対象に放つ技で、闘気の乱気流に巻き込まれた相手は、体中をズタズタに引き裂かれて吹き飛ばされる。当初は「獣王痛恨撃」という技名であったが、ダイ達の仲間になった際に改名している。のちにバルジ島の大渦の中で特訓する事で、両腕からそれぞれ逆回転する闘気の渦を放つ「獣王激烈掌(じゅうおうげきれつしょう)」を編み出した。

凍れる時間の秘法 (こおれるときのひほう)

「数百年置きに起こる皆既日食」の時のみ使用できる大呪法。対象の時間を永遠に止める呪法で、時間を止められた相手はいかなる攻撃も効かなくなるため、「鋼鉄変化呪文(アストロン)」と非常に似た性質を持つが、「鋼鉄変化呪文(アストロン)」が身を守る呪文に対して、こちらは対象を封印する事を目的とした呪法となっている。使いこなすのが非常に難しい呪法で、未熟な者が使うと自らに跳ね返り、対象といっしょに時間が止まってしまう。また掛かりが甘いと短期間で自然に封印が解けてしまう。アバン=デ=ジニュアール3世が魔王ハドラーに使った際も、力量が足りなかったため自分も巻き込まれ、1年ほどで自然に効果が切れてしまっている。大魔王バーンはこの術の性質に着目し、自らの真の肉体を皆既日食が来る度に封じ続ける事で永遠の命を得ている。また封じられた大魔王バーンの真の肉体は、メドローア以外のあらゆる攻撃が効かない状態となっており、ミストバーンは自らの特性を利用してこれをあやつる事で、無敵にも近い存在になっている。

グランドクルス

アバン=デ=ジニュアール3世が編み出した技。自らの生命エネルギーを光の闘気に変換し、それを十字状の武器を使って放つ技で、圧倒的な威力を誇る。一方で制御の難しい技でもあり、生命力を消耗しすぎると自らの命を削る自爆技になるという側面を持つ。ヒュンケルは剣が使えなくなった際の切り札としてこの技を伝授され、激闘の中で技を磨き、完全に制御するに至った。その様は技を生み出したアバン本人をして神がかりと言われるほどだった。のちにヒム(プロモーション)が見よう見真似で行い、両腕を失いながらも発動させている。

氷炎結界呪法 (ひょうえんけっかいじゅほう)

フレイザードが得意とする伝説の禁呪法。炎の岩でできた「炎魔塔(えんまとう)」と氷の岩でできた「氷魔塔(ひょうまとう)」をフレイザードを挟んで作り出し、その二つとフレイザードの核を作用させる事で結界を構築する事ができる。この結界内ではフレイザード以外の存在はその力を5分の1まで落とし、呪文を使う事も不可能となる。

ギガストラッシュ

ダイが新たに生み出した剣技。父親であるバランの必殺技「ギガブレイク」と師であるアバン=デ=ジニュアール3世より伝授された「アバンストラッシュ」を組み合わせた最強の必殺技で、超魔生物ハドラーのこん身の「超魔爆炎覇」を打ち破った。ダイの必殺技の中でも圧倒的な威力を誇るが、ダイ自身がギガデインを唱える事ができないため、ロン・ベルクの作ったダイの剣の特別製の鞘があって初めて放つ事が可能となる。鞘を使って魔法を増幅するのには少し時間が必要となるため、この技は即座に放てないのが弱点となっている。

魔法剣 (まほうけん)

ダイが新たに生み出した剣技。剣でも魔法でも敵わないヒュンケルとの戦いで、「両方を合わせたら勝てるのではないか」という思いつきで生まれた。思いつき事態は非常に単純だが、剣と魔法を同時に使うのは非常に難易度が高く、「人間業ではない」とヒュンケルに称された。ダイはメラと大地斬を組み合わせた「火炎大地斬」、ライデインとアバンストラッシュを組み合わせた「ライデインスラッシュ」などを生み出している。実は「魔法剣」は竜の騎士の技で、バランも使用可能。バランの得意とする「ギガブレイク」は圧倒的な威力を誇る。のちにダイは父親の技と師の技を組み合わせた「ギガストラッシュ」を編み出している。

天地魔闘の構え (てんちまとうのかまえ)

真・大魔王バーンの必殺技。攻撃を意味する「天」、防御を意味する「地」、魔力を意味する「魔」で構成された技で、独特の構えをする事で攻撃、防御、魔法の三つの超必殺技を一瞬で繰り出す事ができる。その本質はカウンター技で、対象の攻撃が強力であればあるほどより大きな力となって跳ね返される必殺の構えとなっており、真・大魔王バーンはこの奥義で数々の強敵をほふっている。ただしカウンター技であるため「受け」の姿勢が必要で、自分の方から攻撃ができないという弱点が存在する。また三つの超必殺技を同時に行うのは真・大魔王バーンにとっても多大な負担となるため、ほんのわずかだが使用後にはスキが生まれてしまう。

閃華裂光拳 (せんかれっこうけん)

ブロキーナが編み出した武神流最大奥義。その正体は、武神流拳法で対象に攻撃した瞬間に、「過剰回復呪文(マホイミ)」を使う事で対象の生体組織を破壊する非常に恐ろしい技。水を与えすぎると草木が枯れるように、この奥義を喰らうと過剰回復によって細胞組織そのものが死滅するため、普通の方法では傷を再生する事が不可能となっている。そのため、驚異的な再生能力を持つ超魔生物に対して特に強い効果を発揮した。対生物としては非常に強力な必殺技だが、非生物には効果がなく、消耗が激しいなど難点も存在する。

アバンストラッシュ

アバン=デ=ジニュアール3世が編み出した技。光の闘気を斬撃にして敵に放つ必殺技。「大地を斬り海を斬り空を斬り、そして全てを斬る技」といわれる技で、その言葉どおり、地の技「大地斬」、海の技「海波斬」、空の技「空裂斬」を極めた事で放つ事ができるとされている。ダイ達は当初、アバンが教える最中に死亡した事もあり、空の技を極めておらず、形だけが似通った不完全なアバンストラッシュしか撃てなかったが、のちに空の技を完璧にマスターし、真のアバンストラッシュを会得している。またダイは剣で放ったが、アバンは槍や弓でも放てるようにそれぞれの技を開発している。実際にヒュンケルはのちに槍版の地、海、空の技を会得している。ダイは文字が読めなかったため気づかなかったが、アバンストラッシュの記された「アバンの書」には、アバンストラッシュは実は2種類存在すると説明されている。連射性と射程に優れる「A(アロー)」、威力に優れる「B(ブレイク)」があり、のちにダイはこの2つを組み合わせて新たに「アバンストラッシュX(クロス)」を編み出した。

メドローア

マトリフが編み出した最強の極大呪文。その正体は「火系呪文(メラ)」と「氷系呪文(ヒャド)」という、真逆のベクトルで熱エネルギーをあやつる魔法を両手で同時に発動し、それを融合させる事で対象を消滅させる極光を生み出す魔法。当たれば相手がどんな物質であろうと一瞬で消滅させる凶悪な呪文だが、両手で同時に魔法を発動し、さらにバランスよくそれらを制御しなければいけないため「センスのない奴には一生できない」と言われるほど習得難易度は高い。実際に制御を少し間違うだけで、火系呪文で火傷したりするため非常に危険な技となっている。当たればいかなる物質でも消滅させるが、魔法による防御は可能。実際にポップはこの呪文を習得する際に、マトリフのメドローアを同じ呪文を使って相殺している。またどれだけ威力が高くても魔法には変わらないため、魔法反射の能力を持つ「シャハルの鏡」や「呪文返し(マホカンタ)」の呪文は天敵となっている。

竜魔人 (りゅうまじん)

竜の騎士の最強戦闘形態(マックスバトルフォーム)。人と竜と魔の力を限界まで引き出した事で肉体には大きな変化が訪れ、バランは額の「竜の紋章」も大きくなり、体に翼と角が生え、人型の竜ともいえる姿になっている。自分でもセーブできないほどの圧倒的な力を振るう事ができる反面、闘争本能が極大まで増幅されるため目につく物すべてを攻撃してしまう危険性を持つ。また、この形態でのみ放つ事ができる「竜闘気」を圧縮して撃ち出す秘呪文「ドルオーラ」は、国一つを吹き飛ばすほどの絶大な威力を誇る。

竜の騎士 (どらごんのきし)

人の心と竜の力、それに魔族の魔力を併せ持った究極の戦士。額に竜の形をした紋章を持つ。争いの調停者として人、竜、魔の神が力を合わせて生み出したとされ、世界のバランスを崩す者が現れた際にはそれを排除し、世の均衡を守るのが役目とされている。攻撃も魔法も生半可なものならすべてを防ぐ「竜闘気(ドラゴニックオーラ)」、紋章から光線を放つ「紋章閃」、人間には不可能な剣と魔法の同時行使による「魔法剣」と、その戦闘力は絶大となっている。竜の騎士の証である竜の紋章には歴代の騎士達の戦いの記憶が宿っており、それを利用する事で高い順応力と対応力も備えている。さらに奥の手として「竜魔人」の能力を持つ。本来、竜の騎士は死ぬと聖母竜(マザードラゴン)に魂を回収され、新たな竜の騎士に生まれ変わるとされるが、その中でダイは竜の騎士であるバランと人間とのあいだに生まれた唯一の例外。一つの時代に二人の竜の騎士がいたが、のちにバランが死亡した際にその紋章はダイに受け継がれ、史上初の二つの竜の紋章「双竜紋」を持つ竜の騎士が誕生した。

超魔生物 (ちょうませいぶつ)

ザボエラとザムザが作り出した究極の生物兵器。竜魔人の姿を参考にしており、さまざまなモンスターの長所を取り入れて大幅に力を強化し、最終的には竜の騎士を超える超魔生物を生み出す事を目的としている。未完成状態のザムザですら圧倒的な身体能力と驚異的な再生能力を持ち、ダイ達を苦しめた。のちに魔王ハドラーも勝利への執念から自らの身体を超魔生物へと改造している。ザムザの超魔生物は魔族から超魔生物に変身する際に、魔法が使えなくなるという欠点が存在したが、魔王ハドラーは魔族の身体を捨てるのと引き換えにこの欠点を克服し、より強力な超魔生物ハドラーになっている。

超魔ゾンビ (ちょうまぞんび)

ザボエラが開発した超魔生物の改良型。仲間であるはずのモンスターに細工を施し、その死体を継ぎ接ぎして作り出す。そしてザボエラが完成した超魔ゾンビに乗り込んで動かすため、「魔族から変身すると魔法が使えなくなる」や「閃華裂光拳を喰らうと再生能力が使えなくなる」などの超魔生物の欠点をほぼ克服している。クロコダインを超えるパワーに、数多くの兵士の攻撃をくらっても止まらない防御力を誇るが、その余りに倫理を外れた設計思想に、敵味方を問わず嫌悪感を抱かれた。

クレジット

原作

監修

堀井 雄二

関連

ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王 (どらごんくえすと だいのだいぼうけん ゆうしゃあばんとごくえんのまおう)

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ドラゴンクエスト・ダイの大冒険

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書誌情報

DRAGON QUEST―ダイの大冒険― 1巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(1990-03-15発行、 978-4088710716)

ドラゴンクエスト ダイの大冒険 新装彩録版 1巻 集英社〈愛蔵版コミックス〉

第1巻

(2020-10-02発行、 978-4087925609)

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