メルヘン王子グリム

メルヘン王子グリム

突如、自宅にメルヘン王国からやって来た王子が現われ、平凡な日常を壊されていく小学生の少年の様子をユーモラスに描いた童話ギャグ漫画。渡邉築にとって初めてコミックスが刊行された作品で、「週刊少年ジャンプ」2011年12号から30号にかけて連載された。

正式名称
メルヘン王子グリム
ふりがな
めるへんおうじぐりむ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

小学6年生の磯部達彦は、幼なじみでクラスメイトの白雪結衣に片想いをしつつも、平和な毎日を過ごしていた。しかし、ある日突然、メルヘン王国の第7王子であるグリムが現われ、自分の代わりにメルヘン王国の王子になってほしいと頼まれてしまう。達彦はこの依頼を断ったものの、誤ってメルヘン人化してしまう液体に触れてしまう。

このままではメルヘン人になってしまうと達彦は慌てるが、唯一助かる方法があると聞かされる。それは、好きな人と心からのキスをすること。つまり、達彦は結衣とキスをしなくてはならない。一方でグリムは、達彦をメルヘン王国の王子とするべく、達彦と結衣のキスを全力で阻止しようと試みるのだった。

登場人物・キャラクター

磯部 達彦 (いそべ たつひこ)

小学6年生の男子。パパとママの三人家族で、クラスメイトの白雪結衣に片想いをしている。結衣とは幼稚園からの幼なじみではあるものの、彼女の所属する事務所の妨害が厳しく、安易に近づけないため、遠くから熱い視線を送っている。突然自宅に現われたグリムから、メルヘン王国の王子になって欲しいと頼まれる。断っているものの引き下がってもらえず、グリムからは一方的に「イソッペ」と呼ばれて、つきまとわれている。 ちなみに、磯部達彦がメルヘン王国の王子候補として選ばれたのは、メルヘン王国にいる物知り鏡が「メルヘン力が高い」と語ったため。実際に、メルヘン力を測る計器を破壊してしまうほどのメルヘン力を有している。グリムと言い争っているうちに、誤って人間をメルヘン人化する液体に触れてしまう。 メルヘン人になるのを回避するために、好きな人、すなわち結衣とキスしなければならなくなった。ちなみにそのキスは、相手の心からのキスでなくてはならない。

グリム

メルヘン王国第7王子。普段はメルヘン王国に住んでいる。年齢は10万17歳で、金色の長髪を持つ美青年。兄にキャロルがいる。王子らしく白馬に乗っており、「メルヘーニュ」と挨拶をする。メルヘン王国の王子でありながら、ヤクザ映画など「アンメルヘン」と呼ばれるものが好きで、メルヘンを「反吐が出る」ほど嫌っている。そのため、物知り鏡からの情報を受け、メルヘン王国の王子になれるほどの逸材である磯部達彦に、自分に代わり王子になることをお願いをするために現れた。 「身体に悪いもの」がたくさん入っている人間界の食べ物が好きで、特にたこやきがお気に入り。メルヘン王国に伝わるグッズを使いこなす他、殴ったものにメルヘンな意思を持たせる必殺技「メルヘンパンチ」の使い手でもある。 達彦と白雪結衣が両想いになると、メルヘン王子を代わってもらえなくなるため、2人の恋を全力で邪魔する。のちにその姿のまま、小学生として達彦と白雪結衣と同じクラスに転入して来る。

白雪 結衣 (しらゆき ゆい)

小学6年生の女子。磯部達彦の幼なじみで、クラスメイトでもある。現役グラビアアイドルとしても活躍している。大人びた美貌と、小学生とは思えない抜群のスタイルを持ち、教育委員会が視察に来るほど。ツンデレな性格で、「アンタたちに○○するならば××するほうがマシ」という言葉を多用し、その際には「便器」や「賭博」といったアイドルらしからぬ単語を用いる。 車にひかれそうになったところを達彦に助けてもらい、以降は、達彦のことが少し気になっているような素振りを見せている。白雪結衣本人は女優になるまで恋愛はしないと宣言しているものの、達彦に接近する竹取かぐやに対して嫉妬心を抱くなど、複雑に心が揺れている状態にある。

村田 乙丸 (むらた おとまる)

小学6年生の男子。広島のヤクザの息子。磯部達彦らと同じクラスに転入して来た。男気溢れる性格で、困っている人を見掛けると、すぐに助けに入る。メルヘン人のことを知る人物で、相手がメルヘン人かどうか見分けることができる。そのため、クラスメイトの達彦がメルヘン人化しつつあることを、一目で見抜いた。ヤクザの父親が、かつてメルヘン王国にいた頃のグリムのもとで働いていたことがある。 父親が帰って来た時には、すっかりメルヘン化していたため、グリムに恨みを抱いている。同じクラスになった白雪結衣に一目惚れする。

竹取 かぐや (たけとり かぐや)

小学6年生の女子。磯部達彦らと同じ学校だが、クラスは異なる。かわいらしい容姿をしているだけでなく、運動も勉強もできる。多くのファンがいる白雪結衣を除けば、学校内で一番人気の女子。達彦に想いを寄せており、告白をする。実はかなりの変態であり、達彦の服を無理矢理脱がせて匂いを嗅ぐなど、常識の範疇を超えた行動を取る。

好沢 (すきざわ)

小学6年生の男子。磯部達彦のクラスメイト。白雪結衣の大ファン。彼女のプリントがされたTシャツを、恥ずかしげもなく学校に着てくるほどで、学校内では結衣親衛隊の隊長を務める。結衣を想うあまり、おかしな言動をすることがたびたびある。

桑田 晃一郎 (くわた こういちろう)

小学6年生の男子。磯部達彦のクラスメイト。金持ちでイケメン、成績優秀でスポーツ万能というパーフェクトな小学生。白雪結衣に片想いをしており、結衣と幼なじみの達彦を何かと目の敵にしている。ダンテと契約し、悪魔の力で結衣と両想いになろうと企む。

景山 鬼造 (かげやま おにぞう)

磯部達彦らが通う小学校で、教育指導を務める男性教師。写真集など学校に必要のないものを持ち込むと、バリカンで頭髪を剃る、という過激な指導を行っている。その理由は、自分がハゲており、ふさふさの髪がうらやましいから。なお、普段はカツラを装着している。

竹下 千恵 (たけした ちえ)

磯部達彦らのクラス担任の女性教師。とても若々しく、かわいらしい容姿をしている。普段は丁寧な言葉遣いをするが、パニックに陥ったり感動したりすると、博多弁のような方言が出てしまう。

ママ

磯部達彦の母親。いきなりやって来たグリムに圧倒されていたものの、彼が持っていたひょうたんで、一度メルヘン王国に飛ばされてからは、メルヘン王国の存在を認めている。一見常識人ではあるが、いきなり達彦の前で、堂々と下ネタを口にするなど、少々ずれたところがある。

物知り鏡 (ものしりかがみ)

メルヘン王国の図書館に存在している鏡。メルヘン王国で一番の物知り。ちなみに、顔だけが鏡になっており、首から下は全身タイツの人間の姿をしている。人間界のドスケベなものが好き。グリムから、賄賂として「人間界のドスケベな差し入れ」をもらい、グリムの代わりにメルヘン王国の王子になれそうな人間を探して、磯部達彦の存在を教えた。

キャロル

メルヘン王国の第6王子。グリムの兄。普段はメルヘン王国に住んでいる。グリムを溺愛しており、人間界での暮らしぶりを視察にやって来た。グリムの靴のサイズがアップしただけで、グリムの食事を作ってくれるママに感謝するなど、溺愛ぶりが常軌を逸している。メルヘン人らしく、何事にもメルヘンな考え方をするが、それを他人にも押し付ける癖がある。 これが、グリムがメルヘン嫌いになった一因にもなっている。

メルヘン王 (めるへんおう)

メルヘン王国の王様。グリムとキャロルの父親。メルヘン人ではあるものの、やや厳つい容姿をしている。グリムがヤクザ映画など「アンメルヘン」なものばかり好むため、頭を悩ませている。

ダンテ

地獄の王子。メルヘン王国のグリムに敵意を抱いている。人間界でグリムが生活をしていることを聞きつけ、邪魔をするためやって来た。首から上のない黒い馬に乗っているが、首の部分はわざわざ持ち歩いて行動している。ちなみにグリムとの因縁は、地獄で行われた武術大会に金目当てのグリムが参加し、ダンテの顎を外して優勝したことがきっかけ。 「華麗な経歴に傷をつけた」と、一方的に恨みを抱いている。

場所

メルヘン王国 (めるへんおうこく)

グリムの住む国。童話に出てくる御伽の国。グリムのような王子や妖精、小人たちが暮らしている。王族を含む住民たちは「メルヘン人」と呼ばれており、王子になれば願いは何でも叶う。しかし、グリムはメルヘンが嫌いで、王位を誰かに渡そうとしており、その候補者として磯部達彦が選ばれた。メルヘン王国へはグリムが所持している大きなひょうたんから出入りが可能で、初対面でママを吸い込み、「メルヘン王国はある」と言わせた。

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