重機人間ユンボル

重機人間ユンボル

ゲンバ―大王の襲撃により国を失ったドヴォークの姫リベッタと、国に仕えていた重騎士バル・クロウの、国を再建するための戦いを描いたメカファンタジーアクション漫画。本作に登場する人名、地名、アイテム名のほとんどは、「工事」に関係した用語がモチーフになっている。本作は連載10回で終了したが、後に掲載誌を替え、設定を変更し、『ユンボル-JUNBOR-』のタイトルで再び連載された。

正式名称
重機人間ユンボル
ふりがな
じゅうきにんげんゆんぼる
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

大災害により崩壊した世界を復興させるべく、数多くの工事戦士たちが活躍した大工事時代。そんな中、ゲンバー・ダイオードという強大な「工事力」を持った工事戦士が反乱を起こし、多くの国を次々と支配下に治めていった。ゲンバーの襲撃は大陸の大部分に及び、支配下に置かれた土地はゲンバー帝国と呼ばれるようになった。そして時はワールド・ザンド3002年。

ゲンバーの侵略の手はドヴォーク国に及んだ。国に仕える重騎士バル・クロウ及びドヴォーク重騎士団は必死に抵抗するも、ゲンバーの圧倒的な工事力、そして仲間のロッド・ボリングの裏切りによって全滅。ドヴォークもゲンバーの手に落ちてしまう。資源は搾取され、国も人の心も荒み、5年の月日が流れた。

今やゲンバー領となったドヴォーク国の片隅、バーラックにある研究所で、一人の男が目覚めた。それは5年前に死んだはずのバル・クロウだった。クローン技術で再生、改造強化された重機人間ユンボルとして蘇った彼は、強大な力を手に入れたが、それをまだコントロールできず、しかも身体は5歳児の状態だった。

登場人物・キャラクター

バル・クロウ (ばるくろう)

元ドヴォーク重騎士団隊長。ワールドザンド3002年、地震被災地の復興工事の最中、ゲンバー大王の襲撃、部下の裏切りにあい死亡。そして5年後、改造クローン人間の重機人間ユンボルとして蘇る。この時、身体の成長は5年分しか行われていないため、大人の記憶は持っているが、身体は子供という、非常にアンバランスな状態での再生となった。 祖国の荒んだ現状にショックを受けたバルは、自身の復活に尽力してくれたリベッタ姫と共に、ゲンバー大王打倒と、祖国ドヴォークの再建のため、ユンボルとしての力を使うことを誓う。能力のモチーフは油圧ショベル。

リベッタ・グンテ・ヘルメート・ドヴォーク (りべったぐんてへるめーとどゔぉーく)

元ドヴォーク国のプリンセス。ゲンバー大王襲撃の際に、偶然居合わせたDr.ドカルトに助けられ、以後、彼の助手を務めながら潜伏生活を続ける。その中でバル・クロウを重機人間ユンボルとして復活させるべく尽力。5年後、バルの身体はまだ子供の状態ではあるものの、蘇生させることに成功する。 まだ能力をコントロールできない彼を導き、祖国ドヴォーク再建のために動き出す。

ニッパー・トーラス (にっぱーとーらす)

元ドヴォーク重騎士団の新人工事戦士。幼い頃に会ったバル・クロウに憧れ、努力して入団するも、その初日にゲンバー大王の襲撃に遭うという不運に見舞われる。惨劇から生き残ったものの、以後はゲンバー領となったバーラックのバーで飲んだくれのニート同然の日々。復活したバル・クロウに喝を入れられ、渋々奮起することになる。 元々アースムーバー操縦の腕がピカイチだったため、ドヴォーク再建の大きな力の一つとなる。

ゲンバー・ダイオード (げんばーだいおーど)

ワールドザンドの約半分を占める世界一の大国ゲンバー帝国のトップに立つ男。元々は大災害後の世界を復興させるため、各地を転々としていた工事戦士だったが、高い技術力を独占し続ける各国の協調性の無さを憂い、自身の理想の工事を実現するため、各国を次々襲撃、傘下に収めていった。一工事戦士であった彼が、ここまでの大事業を成し得たのは、裏にDr.ドカルトの存在があったからで、ゲンバー大王こそ重機人間ユンボルの第1号だった。 能力のモチーフは、世界最大の自走車輌、バケット・ホイール・エクスカベータ。

ロード・ドカルト (ろーどどかると)

通称「博士番長」。リーゼントのように突き出た前頭部、長い髪とヒゲが特徴の老人。バル・クロウ復活の時点ですでに亡くなっている。医学、工学等、あらゆる分野の学問に長けた天才博士で、重機人間ユンボルの生みの親。ゲンバー大王の台頭、ドヴォークの壊滅等、ワールドザンドで起こっているきな臭い出来事の陰には常に彼の姿があった。

チュー・ブライン (ちゅーぶらいん)

ドヴォーク領の片隅、バーラックにあるバー「TRONICA」のマスター。表向きは面倒見のいいバーのオヤジだが、正体は「重機マスター」の異名を持つ元ドヴォーク重騎士団総隊長。リベッタ姫のために密かに行動する。

ドリル

ゲンバー大王の意に沿わない私的工事をしたロッド・ボリングを処刑するためにやってきたユンボル。通称「アースオーガのドリル」。能力のモチーフはアースオーガ。長髪の少年の姿をしている。その場に居合わせたバル・クロウと対決し、圧倒的な実力差で叩きのめす。また、見た目に似合わぬ明晰な頭脳と言動をしており、それを見たリベッタ姫は彼の正体にある疑惑を持つ。

バイス・バーベンダー (ばいすばーべんだー)

ツメシオに潜入したバル・クロウ一行を襲ってきたユンボル。痩せた少年の姿をしており、目の周りのクマと、大きな前歯が特徴。通称「グラップルのバイス」。能力のモチーフは重機のアタッチメントの一種であるグラップル。リベッタ姫がDr.ドカルトの下で生活していた際に出会っている。

ロッド・ボリング (ろっどぼりんぐ)

元ドヴォーク重騎士団の一人。仲間を裏切り、ゲンバー大王側に寝返った。現在はゲンバー領バーラックの監督官。ゲンバー大王から授かった巨大アースムーバーのバルバスターを操り、地元住民を虐げている。しかし、ユンボルとして復活したバル・クロウと対決する際の私的工事が原因で、ドリルに処刑される。

場所

ユデンの園 (ゆでんのその)

『重機人間ユンボル』に登場する地名。ワールドザンドの南極に位置する大陸で、無限エネルギーが眠ると噂される場所。実態は1000年前の大災害を引き起こした禁断のエネルギーを封印している場所で、8つの国が鍵を持ち、お互いに管理、監視していた。現在はあまりの汚染のため、人類は立ち入ることができない。

ワールドザンド

この作品での全世界のこと。1000年前に世界規模の大災害が起こり、人類は滅亡の危機を迎えるが、それを乗り越え、「大工事時代」と呼ばれる復興が盛んな時期を迎えるまでに至る。その最中、ゲンバー・ダイオードという工事戦士が反乱を起こし、各国を次々と支配下に置いていった。そしてワールドザンド3007年現在では、ゲンバー帝国はワールドザンドの約半分を占めるまでの強大な帝国へと成長していた。

ドヴォーク

バル・クロウ、リベッタ姫、ニッパー・トーラスらの祖国。リベッタ姫の父であるタビル王によって治められていたが、ワールドザンド3002年にゲンバー大王の襲撃に遭い、陥落。以後はゲンバー帝国の一部となる。

その他キーワード

アースムーバー

作品世界での一般的な重機で、そのほとんどが人型で無限軌道の足を持ち、自立しての作業をすることができる。小型から超巨大なものまで、大きさは様々。臆病でニート体質なニッパー・トーラスがドヴォーク重騎士団に入れたのも、アースムーバーの運転技術を極めたからであった。

重機人間ユンボル (じゅうきにんげんゆんぼる)

『重機人間ユンボル』に登場する用語。ショベルの俗称「ユンボ」が語源。Dr.ドカルトによって改造、強化された人間で、作品中には13体のユンボルが登場する。各々異なった「重機」の能力を持っており、手や足をショベルやドリルなどに変形させて活躍する。Dr.ドカルトがユンボルを開発した目的は、汚染のため人類では到達できないユデンの園への潜入、工事を可能にするためであった。

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