ZERO

ZERO

ゼロの異名を持つ無倒無敗のボクサー、五島雅の生き様を綴ったスポーツ漫画。リング上でしか生きられない一人の男の、孤独と狂気にあふれた戦いを描く。

正式名称
ZERO
ふりがな
ぜろ
作者
ジャンル
ボクシング
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
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概要・あらすじ

ミドル級統一世界チャンピオンのボクサー、五島雅は無倒無敗の怪物。そのあまりの強さから、ゼロという異名を持ち、世界中のボクサーから尊敬と畏怖の念を抱かれていた。最強、ゆえに孤独。リング上でしか生きることの出来ない彼は、「永遠に壊れないおもちゃ」を欲していた。そんな五島の耳に、メキシコミドル級国内チャンピオンのトラビス・バルという選手の名が飛び込んでくる。

彼はトレーニング中にも関わらず、クルーザー級のスパーリングパートナーを殴り殺してしまったのだという。五島は、そんな狂気染みたトラビスの強さに惹かれ、彼との対戦を望むようになる。

登場人物・キャラクター

五島 雅 (ごしま みやび)

長身の男性ボクサー。ミドル級統一世界チャンピオン。デビュー以来、リング上で一度もダウンしたことがないことからゼロの名で呼ばれ、ボクシング界では畏敬の念を抱かれていた。30歳近くになってもその強さは衰えを知らず、五島打倒のため東洋チャンプとなった高田秋夫の挑戦をものともしなかった。 トレーナーの荒木には「リング上でしか生きることのできない」人間と言われており、今までの人生をボクシングのためだけにささげてきた。しかし、その異常ともとれる強さのあまり、共に戦える敵がおらず、リングの中でも孤独であった。そのため、「絶対に壊れないおもちゃ」を欲している。メキシコミドル級国内チャンピオンのトラビス・バルがクルーザー級のスパーリングパートナーを殺したとのうわさを聞いた彼は、次の世代にバトンを渡すため、そして「壊れないおもちゃ」を見つけるためにトラビスとの対戦を望むようになる。

荒木 (あらき)

白髪で老齢の男性。五島雅のトレーナーで、最大の理解者。幼い五島の才能を見抜き、統一世界ミドル級チャンピオンにまで育て上げた男。長い間手をかけてきた五島を息子のように大切に思っているが、時折五島の狂気に気圧されている。オーナーの栗原が、五島をただの商業的材料にしか思っていないのを不安視している。 五島を大事に思うあまり、最初はトラビス・バルに執着する五島に難色を示すが、彼の意思を尊重し、トラビス・バルとの試合をセッティングする。

トラビス・バル

褐色の肌と後ろに束ねた黒髪が特徴のメキシコ人ボクサー。ミドル級メキシコ国内チャンピオン。戦績は16戦16勝16KO。その強さは筋金入りで、クルーザー級のスパーリングパートナーを16オンスのグローブで殴り殺してしまうほど。普段はコーチに手なずけられ、メキシコ国民のため、そして家族のため、スポーツマンシップに乗っ取った完璧なボクシングをする。 だが、本質的には五島と同じリング上でしか生きることの出来ない人間であり、リミッターが外れると、相手が壊れるまで殴り続ける凶暴なプレースタイルへと変貌する。非常に優れた動体視力を持ち、五島のパンチを難なく避けてみせる。

高田 秋夫 (たかだ あきお)

24歳。五島雅と同じジムに通う金髪のミドル級ボクサー。ルックスが良く、対戦成績も上り調子のため、ただただ強いだけの五島とは異なる類の人気を博している。幼い頃に五島の強さに憧れて、ボクシングをはじめ、今まで五島だけを目標に据えてきた。30近い年齢になった五島をおじさんと呼び、自らの手で引退させようと対戦を心待ちにしていた。 東洋チャンピオンになったことで、念願叶った五島への挑戦権を手にする。しかし、試合開始後わずか1ラウンドでマットを舐め、五島との遠すぎる距離をはっきりと自覚した。

ペコ

子供のような顔つきをした五島雅の専属新聞記者。五島の頼みで単身メキシコへと渡り、トラビス・バルの視察を任された。五島との付き合いが長いだけあって、彼をよく分析しており、トラビスと五島が似た者同士であることを見抜いている。

栗原 (くりはら)

栗原商事の会長で、五島雅、荒木らが所属するジムのオーナー兼スポンサー。ボクシングの興行的側面ばかりを重要視するビジネスマン。話題づくりや金のためなら、五島が引退することも吝かではない様子で、その点に関して荒木には不信感を抱かれている。金の匂いに敏感で、ボクシングから競馬へと商材を移そうとしている様子も描写されている。

カーチス・ノートン

アメリカのボクサー。スタイルはアウトボクシング。48戦無敗45KO。スラム街の出身で、農園を持つことが夢。60歳になる母と、メアリーという名の妻がいる。五島雅と対戦し、7Rまで持ちこたえるものの、五島のリング上での狂気に圧倒され、あえなく敗北。この試合を期に引退を決意した。

ディック

スキンヘッドで褐色肌の男性。カーチス・ノートンのコーチ役。カーチスの強さを誰よりも信じているが、五島雅との対戦の際は、その勝利を危ぶんでいた。五島の猛攻に第7ラウンドまで持ちこたえたカーチスに対し、無事に家族の元へと帰れるよう促した。

アポロ

トラビス・バルのトレーナー。肉体的なトレーニングをするだけでなく、彼が暴走しないよう精神的な面でもコントロールをしている。彼の凶暴性、そして五島雅の剥き出しの狂気を知っているため、五島のペースに乗せられそうになるトラビスを必死に抑えようとするが、トラビス自身の意思を留めることは出来なかった。

(きむ)

高田秋夫のトレーナーをしている中国人男性。五島雅の強さを無意味で哀れと評し、彼のプレーは冷徹で残酷であると分析し、五島との対戦に執着する高田に懸念を抱いている。

書誌情報

ZERO 小学館〈ビッグ コミックス〉

(1995-08-07発行、 978-4091847348)

(1995-08-07発行、 978-4091847355)

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