AT Lady!

AT Lady!

「A・Tレディ」と呼ばれる、警視庁が開発したロボット婦警を中心に描くドタバタギャグ漫画。オリジナルのメカやロボットも多数登場する。岡野剛が「のむら剛」名義で執筆した作品。「週刊少年ジャンプ」1988年33号、1989年52号から1990年11号にかけてと、1988年オータムスペシャル、1989年スプリングスペシャルに掲載された。

正式名称
AT Lady!
ふりがな
おーとまてぃっく れでぃ
作者
ジャンル
アンドロイド・人造人間
関連商品
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あらすじ

7万馬力・7号登場!(第1巻)

年々、科学的・組織的になる東京の犯罪に対応するため、警視庁はロボット刑事の開発を決定した。それによって7体のロボット婦警さん「A・Tレディ」が造り出され、活躍する。そして、7体目となるA・Tレディ 7号が誕生した。単3電池2本で7万馬力ものパワーを誇る彼女だったが、余った部品で作られた廃品利用のロボットであるためか、とんでもない常識知らずのドジっ子だった。彼女のせいで警視庁のビルが倒壊するなど、大変な被害も発生するものの、彼女の活躍によって解決する事件もあるのだった。

美しき暗殺者!(第2巻)

ロボットギャング団を率いる悪の首領にして、自称天才科学者、松戸狂授の手によって、新物質「ポンポコニウム」を頭脳に組み込んだ究極の悪のロボット、ブラッディ・ミサが誕生する。頭脳に組み込まれた新物質「ポンポコニウム」によって、相手のロボットの行動を100%の正確さで予知できるという強敵だった。しかし、ブラッディ・ミサはA・Tレディ 7号の生みの親である春田警部にベタ惚れ。春田警部とA・Tレディ 7号の仲のよさをねたんだブラッディ・ミサは、A・Tレディ 7号への攻撃を開始する。

登場人物・キャラクター

A・Tレディ 7号 (おーとまてぃっくれでぃななごう)

警視庁が開発した7体目のロボット婦警。茶色のロングストレートヘアにヘアバンドを付け、幼い顔立ちをした、見た目の年齢は14歳程度の少女。「A・T」とはAutomatic(機械じかけ)、Tec(刑事)の略。誕生時は全裸であり、製作者の春田警部に服を着せてもらった。動力源は、へそを押すと開く腹部にはめる単3のウルトラスーパーアルカリ電池2本で、7万馬力ものパワーを誇る。 余った部品で作られた廃品利用のロボットであるためか、なぜか特撮の知識はあるものの、生まれたばかりの赤子のように一般常識はまったく持たない。身長は157センチ、体重は47キロ、スリーサイズはB80・W57・H82。製造年月日は2001年3月7日、星座は魚座。制服の色はエナメルホワイト。 能力は7万馬力の怪力のみで、最大出力にすると警視庁のビルを持ち上げるほどの力を出せる。ハイパワー、ハイスピード、ハイジャンプの3つのモード切り替えが可能で、ハイスピードモードに切り替えると時速777キロで走ることができる。ただし、ひどい方向オンチで、日比谷公園に行こうとして南極へ行ったこともある。 また、たった一晩で、自分専用パトカーとして「あさぼらけ号」という、実物大のミニ四駆を造る上げるという意外な才能もある。性格はとんまでほがらかでお人よし。A・Tレディ 1号からは、「先天性脳不足症怪力娘」とまで言われる。警ら課で働いているが、遊ぶことが仕事だと思っている。尊敬する人物は、自分を作ってくれた春田警部。 よく読む雑誌は「少年ジャンプ」と「コロコロコミック」。

春田警部 (はるたけいぶ)

警視庁ロボット課の主任を務める警部。本名は「春田純一」。ボサボサの長髪で、サングラスをかけ、くわえタバコ、黒いシャツという姿の男性。年齢は27歳。身長は187センチ、体重は75キロ。星座は乙女座で、血液型はA型。IQ600という天才で、A・Tレディ 1号からA・Tレディ 7号を製造した。高校を卒業後、渡米してヒッピー生活を送っていたが、マサチューセッツ工科大学で掃除夫のバイトをしながら、独学でロボット工学を学んだ。 帰国後、警官になり、とんとん拍子に出世するが、A・Tレディ 7号が警視庁のビルを破壊した責任を負って、その修理費を支払うために、300年間ただ働きすることになっている。

A・Tレディ 1号 (おーとまてぃっくれでぃいちごう)

警視庁が開発した1体目のロボット婦警。金髪のロングヘアで、左の目尻にホクロがあり、真っ赤なルージュを塗ったセクシーなお姉さんタイプ。身長は178センチ、スリーサイズはB96・W60・H92。製造年月日は2000年4月1日、星座は牡羊座。制服の色はゴールド。電磁ロッドの追加装備を持ち、100万ボルトの高圧電流を発する能力を持つ。 おもに少年課を担当し、多少ヒステリックなところがある。美少年が大好き。趣味は犯罪者をムチでしばくこと。よく読む雑誌はファッション雑誌と「June」。搭乗するマシンは、1号専用GTサイドカー「皇(すめらぎ)号」。

A・Tレディ 2号 (おーとまてぃっくれでぃにごう)

警視庁が開発した2体目のロボット婦警。緑色のロングヘアで、眼鏡をかけたインテリ派。身長は168センチ、スリーサイズはB80・W55・H82。製造年月日は2000年6月2日、星座は双子座。制服の色はブルーグリーン。刑事総務課で活躍している。スーパーコンピューターを内蔵し、あらゆるデータを記憶している。性格は冷静沈着で、論理的思考の持ち主。 趣味は情報収集で、尊敬する人はアルバート・アインシュタインとMr.スポック。よく読む雑誌は、「Newton」や「Quark」といった科学雑誌。搭乗するマシンは、2号専用移動司令車「魁(さきがけ)号」。

A・Tレディ 3号 (おーとまてぃっくれでぃさんごう)

警視庁が開発した3体目のロボット婦警。黒髪に赤のメッシュが入ったワイルドなヘアスタイルの、アクティブなお姉さんタイプ。暴力団専門の捜査第4課で活躍する。身長は182センチ、スリーサイズはB92・W60・H90。製造年月日は2000年7月3日、星座は蟹座。制服の色はイタリアンレッド。熱核ジェットエンジンを内蔵しており、空を飛べる。 性格は豪快でいいかげんで、けんかっ早い。趣味はケンカとプロレス観戦。尊敬する人は力道山とシルヴェスター・スタローン。よく読む雑誌は「ゴング」などのプロレス雑誌。搭乗するマシンは、3号専用小型飛行機「飛燕(ひえん)号」。

A・Tレディ 4号 (おーとまてぃっくれでぃよんごう)

警視庁が開発した4体目のロボット婦警。薄紫色のボブヘアの、クールな美少女タイプ。主に交通課に勤務している。身長は165センチ、スリーサイズはB83・W57・H85。製造年月日は2000年11月4日、星座は蠍座。制服の色はモーブシャドー(うすむらさき)。加速装置を内蔵しており、最大マッハ2.5で動ける。性格は少々うぬぼれ屋で男まさり。 バリバリの走り屋で、趣味は自動車。尊敬する人はアイルトン・セナと中島悟。よく読む雑誌は「GENROKU」、「C.G」などのカー雑誌。搭乗するマシンは、4号専用パトカー「韋駄天(いだてん)号」。

A・Tレディ 5号 (おーとまてぃっくれでぃごごう)

警視庁が開発した5体目のロボット婦警。オレンジ色のロングヘアをツインテールにした、美少女タイプ。機動隊に勤務している。身長は165センチ、スリーサイズはB85・W59・H86。製造年月日は2001年1月5日、星座は山羊座。制服の色はサファリオレンジ。追加装備のX線レーザー銃をはじめ、さまざまな武器のアタッチメントが可能で、趣味は武器いじりやサバイバルゲーム。 性格は勝気でわがままで、なにかと反抗的。尊敬する人は山本五十六とロンメル将軍。よく読む雑誌は「Gun」、「ARMS」などの武器関係の本。搭乗するマシンは、5号専用装甲車「毘沙門(びしゃもん)号」。

A・Tレディ 6号 (おーとまてぃっくれでぃろくごう)

警視庁が開発した6体目のロボット婦警。ライムグリーンのショートカットの髪型をした、寡黙な美少女タイプ。鑑識課で働いている。身長は146センチ、スリーサイズはB78・W53・H80。製造年月日は2001年2月6日、星座は水瓶座。制服の色はライムグリーン。レーダーバードの追加装備以外にレーダー、ソナー、ノクトビジョン(赤外線感知器)などを装備しており、1人で鑑識課の全仕事をこなしている。 性格はとにかく無口で、趣味は星占いとタロットカード。尊敬する人は丹波哲郎。よく読む雑誌は「ムー」や「ハロウィーン」。搭乗するマシンは、6号専用大型輸送ヘリ「雷神号」。

警視総監 (けいしそうかん)

口髭を蓄えた警視総監の男性。年々、科学的・組織的になる東京の犯罪に対応するため、ロボット刑事の開発を決定。その際、独断で若いギャルのロボットにするよう命じた人物。A・Tレディ 7号の破壊的なドジっ子ぶりに翻弄される1人。

松戸狂授 (まつどきょうじゅ)

ロボットギャング団を率いる悪の首領にして、自称・天才科学者。ロボットギャング団は、のどかな田園で悪の組織を営む兼業農家で、首領である松戸狂授と、助手の吉田くん、悪の戦闘員総勢101名で構成される。戦闘員は丸い可愛らしい顔をした2頭身のロボット戦闘員で、彼らのゼンマイを1日3回巻くのが、松戸狂授の日課。「友情」や「信頼」といった言葉が大嫌いなひねくれた性格で、強盗のジャマになる警視庁のA・Tレディ達の排除を目論む。

デメクジラーX (でめくじらーえっくす)

松戸狂授がA・Tレディを倒すために開発したロボット。身長は3メートル、体重は2トン。松戸狂授が乗り込み、最新型・超強力ゼンマイ動力で歩く。クジラのようなフォルムに手足の付いた形状をしており、モリを飛ばすモリモリ攻撃、頭上からのしおふき攻撃、尾ビレで叩くバタ足攻撃ができる。A・Tレディ 7号にはまったく歯が立たず、ひと蹴りで南氷洋まで吹き飛ばされた。

無銭 飲食之介 (むせん いんしょくのすけ)

食い逃げの帝王と呼ばれる男性。「食い逃げひとすじ」と書いたハチマキをしめ、マッチョな体格をしている。1回の食い逃げに、最低3か月前から計画を立て、あらゆる逃走手段を確保する科学的食い逃げ主義者。東大をトップで卒業したその頭脳を、すべて食い逃げにかけている。食い逃げのために、10年前にある飲食店が建てられた時に、大工に化けて床が沈む仕掛けを作っておいたり、逃走経路を確保するために人工衛星を打ち上げておくなどの用意周到ぶりをみせる。 春田警部が巡査の頃から追い続けているが、一度も逮捕できていない。

コンピューターウイルス

A・Tレディ 7号に感染したコンピューターウイルス。2本の触覚の生えた2頭身のロボットのような見た目をしている。コンピューターウイルス自身の説明によると、いままで数多くのコンピューターを破壊してきた由緒正しいコンピューターウイルスで、ペンタゴンやクレムリンのコンピューターに入ったこともあるエリート中のエリートだという。 しかし、A・Tレディ 7号からはバイキン呼ばわりされ、A・Tレディ 7号のイメージによって勇者のような姿にパワーアップした春田警部によって倒された。

怪盗408号

美術館専門の泥棒。もっとも高価な美術品しか盗まないといわれる。フランス貴族の末裔で、ソルボンヌ大学をトップで卒業した秀才だという。犯行現場に必ず赤いバラと、サイン入りテレホンカードを置いていく、というキザな男。ちなみに置いていくテレホンカードはすべて使用済み。シルクハットにマントをまとい、口髭にモノクルという、オーソドックスな怪盗スタイル。 西洋美術館に所蔵されている「クレオパトラのたんつぼ」を盗みに入るが、警備に派遣されたA・Tレディ 7号に見つかり、ひどい目に遭う。

ヒットロイド1号

松戸狂授がA・Tレディ 7号を倒すために開発したヒットロイド(殺し屋ロボット)1号。ロボット戦闘員の50倍のパワーを持つスーパーロボで、身長は2メートル。その身体は50体のロボット戦闘員で構成されている。趣味は切手集めで、好きな言葉は「団結」。戦う前にA・Tレディ 7号が転んで倒れてしまい、A・Tレディ 7号を倒すという目的を失って暴走し、製作者の松戸狂授を殺そうとしたため、松戸狂授に自爆スイッチを押されてしまった。

シャーロック・ホームレス (しゃーろっくほーむれす)

イギリスが生んだ宿無し名探偵。怪盗408号の永遠のライバル。パイプをくわえ、帽子にコートという「シャーロック・ホームズ」のような出で立ちだが、その衣服はつぎはぎだらけのボロボロ。ICPO(国際刑事警察機構)から怪盗408号ことアルセーヌ・ルンペンの逮捕を依頼され、来日した。子分として、ベガー街遊撃隊という子供たちがいる。

エイドリアンA (えいどりあんえーす)

松戸狂授が開発した飛行ロボット。全長3メートル、体重2トン。好きな映画は『ロッキー』。魚類のエイの姿に手足が生えた形状をしている。空を飛び、特殊強化プラスチックを盗むために使われた。

デバガメラーPP (でばがめらーぴーぴー)

松戸狂授が開発し、警視庁に送り込んでいたスパイロボット。カメの形状をしており、天上に逆さに張り付いて、情報を収集する。なお、松戸狂授が開発した各種ロボットには、「悪」というマークが貼られているのが特徴。

シュモクザメーF-1 (しゅもくざめーえふわん)

松戸狂授が開発したレーサーロボット。シュモクザメとF-1マシンをミックスしたような形状をしている。松戸狂授が乗り込んで操縦する。ぜんまい動力により、時速300キロで走れるが、ブレーキをつけ忘れていたため、すぐに衝突した。

イカンガーV3 (いかんがーぶいすりー)

松戸狂授が開発した放電ロボット。イカの形状をしており、触手から電気を放流する。松戸狂授が乗り込むのではなく、命令を受けて自動で動く。A・Tレディ達に電流を流し、回路をショートさせた。好きなスポーツ選手はマラソン選手のイカンガー。

タコカイナーZ (たこかいなーぜっと)

松戸狂授が開発したエネルギー吸収ロボット。巨大なタコの形状をしており、飛行形態や地上形態、水中形態に変形できる。敵の身体にまつわりついて、電気を吸い取って動けなくしてしまう。エロ本を読んでいたり、女子トイレや女子更衣室に忍び込む、美女専門のスケベなロボット。

ブラッディ・ミサ (ぶらっでぃみさ)

松戸狂授が開発した究極の悪のロボット。最先端の新素材をふんだんに使い、結晶中の分子が電気信号を記憶するという新物質「ポンポコニウム」を頭脳に組み込んでいる。片目を隠すボリューミーな金髪で、胸元が十字型に空いたセクシーな衣装に身を包んだ美少女タイプ。好きな言葉は「完璧」。尊敬する人は自分自身。愛車は戦闘バイクのザイダベック号。 獅子座生まれで、なぜか土佐弁を使う。春田警部がポンポコニウムを抱きしめて、「おれの命だ死んでもはなさない」と言ったことを記憶。それを情熱的なプロポーズと解釈して、春田警部にぞっこん。頭脳に組み込まれたポンポコニウムによって、相手のロボットの行動を100パーセントの正確さで予知できる。

チビ

A・Tレディ 7号が拾ってきたノラ犬。A・Tレディ 7号と仲よしになり、いっしょに寝て、お風呂に入っている。ちなみにエサ代は、交通違反の取り締まりを強化し、その罰金でまかなっている。実は国際謀略反乱グループのタイガー団が、国王暗殺のために造り出した暗殺用サイボーグ犬だった。国王の姿を見て凶暴な殺人マシーンとして起動したため、A・Tレディ 7号が涙ながらに銃で撃った。 しかし、脳だけは無事だったため、春田警部によって修理されて、A・Tレディ 8号として復帰した。その際に、普通の犬の500倍の能力を持つレーダーノーズ、時速800キロの走行能力、ボディに各種兵器を内蔵するスーパードッグとなっている。

ホモロビッチ・オカマンスキー (ほもろびっちおかまんすきー)

日本侵略をたくらむ某国の総統。自己中心的なおかまで、オネエ言葉で話す。「某」と書かれた軍帽を被り、バラをあしらった軍服に身を包み、バラの花を口にくわえている。松戸狂授を某国科学要塞研究所にさらい、人間を怪獣にする薬「細胞活性剤ジャミラミンA」を与えて、松戸狂授を巨大怪獣マッドキングへと変貌させた。

マッドキング

松戸狂授が巨大怪獣となった姿。ホモロビッチ・オカマンスキーによって人間を怪獣にする薬「細胞活性剤ジャミラミンA」が投与されたまんじゅうを食べ続けたために変身。身長45メートル、体重2万トンのマッド狂獣。涙もろい人間怪獣であり、主食はササニシキ。松戸狂授が造った物質巨大化マシーンで巨大化したA・Tレディ 7号と戦う。

集団・組織

ちろりん過激団 (ちろりんかげきだん)

超三流の過激派グループ。世界征服をもくろむといいながら、団長であるターガン氏の気が弱いため、過激派らしいことをしたことがない。団長のターガン氏、部下のヒュー吉、ポー吉のメンバーで、全員工事現場のヘルメットを被り、布で顔を隠している。アジトも山奥に建つボロ小屋で、この2年間、人にも会っていない。過激派のアジトを捜査しに訪れたA・Tレディ 7号に見つかり、彼女の戦争ごっこに巻き込まれて壊滅する。

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