ファミリー!

ファミリー!

舞台はカリフォルニアのロサンゼルス。ボーイッシュで元気な長女フィーを中心に明るいアンダーソン一家の日常に起こる騒動を描いた長編。新たに家族に加わったジョナサンと犬のアダム、総勢6人プラス一匹のドタバタホームコメディ。家族愛、友情、恋愛を織り交ぜ、感動あり、笑いありの人間ドラマが描かれている。渡辺多恵子の初長期連載作であり代表作。

正式名称
ファミリー!
ふりがな
ふぁみりー
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

ロサンゼルスに住むアンダーソン一家は仲良し5人家族。平和な一家のもとに一匹の犬とジョナサン・アレンと名乗る5歳の男の子が訪ねてきた。彼は一家の父ウィルフレッドに向かって「あなたの息子です」と告白。ウィルフレッドが彼の母アーニー・アレンと付き合っていたのは20年も昔。隠し子なんて覚えがないと弁明する。

母親が死んでしまい、他に行くあてがないとジョナサンは泣きつき、アンダーソン家に入り込む。長女のフィーはジョナサンの嘘を見抜き、追い出そうとするが、賢いジョナサンは一枚上手でなかなか太刀打ちできない。実はジョナサンはおじの家に引き取られたが、相棒の犬アダムを殺すと言われ、家を飛び出し、アダムの世話をしてくれる家を探していた。

訪ねた家にしばらく居座る手段として隠し子だと嘘をついていたのだ。理由を知ったアンダーソン家アダムと一緒にジョナサンを引き取ることを決め、総勢6人と一匹の暮らしが始まった。

登場人物・キャラクター

フィー・アンダーソン (ふぃーあんだーそん)

アンダーソン家の長女。思春期の15歳。ショートカットで男の子みたいな元気印の女の子。明るく自分の感情に正直で、嫉妬したり、怒ったり、好き嫌いがはっきりしている。スポーツ万能だが、勉強は苦手。白バイ警官になるのが夢。おせっかいで、意地っ張りでもある。ブラコン。ゲイの兄・ケイを更生させると言ってレイフとの仲を邪魔するが、実はレイフにケイを盗られるのが嫌だった。 スポーツでは何をやってもかなわないレイフを認め、やがて好きになっていく。女らしくしたり、キザなセリフが苦手。料理はマッシュポテトしか作れない。

ジョナサン・アレン (じょなさんあれん)

5歳の男の子。赤毛でそばかす、丸メガネ。母アーニー・アレンを病気で亡くす。母が働きに出ている間は家事全般を担っていたため、料理上手。母亡き後、隠し子だと偽り、アンダーソン家にやってくるが、事情を知ったアンダーソン一家は彼を迎え入れ、一緒に暮らす。居候のため、遠慮がちで素直に自分を出せるのはフィーだけだった。 しだいにアンダーソン家の一員になっていく。5歳ながら、読み書き算数までできる賢い子供。運動は苦手でオートミールが嫌い。

レイフ・マクギャリー (れいふまくぎゃりー)

黒髪の二枚目。スポーツ万能で頭も良い。元々はゲイで男性が好き。プレイボーイで、気になる男性とはまず付き合ってみる。父親もゲイで、初恋も男だった。ケイと付き合っていたが、反対する妹、フィーを納得させるため、外に連れ出しているうちにフィーを好きになってしまう。フィーに気持ちを伝えるが、友達以上恋人未満といった感じでなかなか恋愛に発展しない。 フィーを一途に想い、見守る役目。兄のケイからは「逆境がうれしいマゾ」と形容される。

ケイ・アンダーソン (けいあんだーそん)

アンダーソン家の長男。17歳。金髪で肩までの長さの巻き毛。ゲイで男性が好き。美形で幼い頃はよく女の子に間違えられていた。妹思いの優しい兄。男性の趣味は妹のトレーシーとよくかぶる。

トレーシー・アンダーソン (とれーしーあんだーそん)

アンダーソン家の次女。7歳。金髪のロングヘア。おませで口達者な女の子。男の子にモテるが、趣味はボーイハント。ハンサムで年上の渋い男性が好み。好奇心旺盛。スバスバと的を射たことを言う。

シェレン・アンダーソン (しぇれんあんだーそん)

35歳、主婦。アンダーソン家に嫁ぎ、3人の子供の母親。明るくて、優しく、慈愛に満ちた聖母マリアのような存在。世の中に悪い人はいないと思っている。天然で少し抜けている愛されキャラ。子供たちからは、頭が足りないだの能天気だのと言われている。セサミストリートのクッキーモンスターが大好き。 実家は元マフィア。実家を継いだしっかりものの姉がいる。

ウィルフレッド・アンダーソン (うぃるふれっどあんだーそん)

食品会社に勤める37歳。アンダーソン家の大黒柱。3人の子を持つ父親で、愛妻家。人が良く優しい父だが、大黒柱としては少し頼りない。シェレンの姉、マリアが苦手。再会してもいじめられる。

アダム

『ファミリー!』に登場する犬。ジョナサン・アレンの相棒で、飼い犬。長毛の大型犬。話をすることはできないが、ジャスチャーで意思疎通ができる。駄犬と言われると傷つき、人間の女性に恋をする。しっぽで掃除ができる。高所恐怖症。オールド・イングリッシュ・シープドッグがモデルと思われる。

クラリッサ・ハーウェル (くらりっさはーうぇる)

アンダーソン家の近所に住んでいる高齢の夫人。大きな屋敷に住むお金持ち。3年前に夫に先立たれ、口の悪いメイド、キャリーと二人で暮らす。思い込みが激しく、涙もろい。11歳になる一人息子、ハリーを交通事故で亡くした過去がある。教会でハリーによく似ているジョナサンを見つけ、泣き出してしまう。 アンダーソン家でヒドい扱いを受けていると思い込み、養子にしたいと申し出る。

エミリ・ホワイト (えみりほわいと)

ジョナサン・アレンと同じ幼稚園に通う大人しい女の子。入園してから、誰とも口を聞かず、遊びの輪にも入らなかったが、ジョナサンにだけは心を開き、話をするようになる。兄弟が15歳以上も年上だったためか、いつも人形と遊び、人が苦手だった。ジョナサンはエミリのことを意識するが、エミリは大好きなサルのぬいぐるみにそっくりなジョナサンが気に入っているだけだった。

ジェイムス・マクギャリー (じぇいむすまくぎゃりー)

レイフの父親。黒髪でブルーグレイの瞳の二枚目。有名な脚本家。弁護士の資格と車のA級ライセンスを持つ多才な人物。傲慢な冷血漢。またナルシストでもある。同性愛者だが、子供が欲しかったため、ルイスという女性と2年契約で結婚。レイフを引き取って育てる。

マリア・ウィザビー (まりあうぃざびー)

シェレン・アンダーソンの姉。父は元マフィア。ラスベガスを拠点とするウィザビー財閥次期ボス。別名、地獄のマリアと呼ばれ、恐れられていた。妹を可愛がっており、妹に近づく男を脅して、寄せ付けないようにしていた。可愛い反面、誰からも愛させる妹にコンプレックスも抱いている。

ルイス・ゴールドマン (るいすごーるどまん)

レイフの母親。職業はディレクター。明るく行動的で、女らしさも兼ね備えた女性。ジェイムス・マクギャリーがゲイだと知っていて、子供を欲しがるジェイに協力する。子供が生まれ、離乳するまでの2年間という約束で結婚。ジェイを愛しており、子供が生まれれば自分を必要としてくれると思っていた。 ジェイと別れた後、アーサーと再婚してビバリーヒルズに住む。

ジャニス・スチュアート (じゃにすすちゅあーと)

転校生。名門私立校に通っていたが、好きだった先生を刺してしまい、退学になる。頭が良く策略家。ニヒルでつっぱっている。美人。使用人もいる大きな屋敷に住んでいるが、両親は仕事に追われ、寂しさを抱える。誰からも愛され、おせっかいなフィーに嫌悪感を抱く。

瀬川 毬子 (せがわ まりこ)

15歳。アンダーソン家にホームステイに来た日本人。おかっぱでミーハーな普通の女の子。思い込みが激しい。アメリカに憧れ、自分が映画やテレビの世界にいるようだと舞い上がる。主体性がなく、英語を聞き逃しても笑ってごまかしていた。「見ているだけで楽しい」と言ったことでフィーを怒らせてしまうが、自分の気持ちを何も伝えていなかったことに気付き、仲直りする。 4週間も滞在したのにずっとフィーを男の子だと思っている。

集団・組織

アンダーソン家

カリフォルニアのロサンゼルスに住む5人家族。裕福ではないが、明るく仲良しでみな個性的。教会にもきちんと通う善良な一家。ひょんなことから5歳のジョナサンと犬のアダムも加わり、6人プラス一匹の大家族となる。ジョナサンは「いい人すぎて、この世の荒波を乗り越えていけるのか」とこの一家を心配する。

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