宇宙船レッドシャーク

宇宙船レッドシャーク

宇宙探検黎明期を描いた未来SF作品。1960年代当時の米ソによる宇宙探査競争に大きく影響されている。一部を除き当時の科学技術の延長上を想定して設定が作られ、リアルな描写となるように心がけられている。連載当時の人気は高く、勁文社からレコード付き書籍の勁文社フォノシートが発売され、ピープロダクションではアニメ企画としてパイロットフィルムが製作された。

正式名称
宇宙船レッドシャーク
ふりがな
うちゅうせんれっどしゃーく
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

優秀な成績を修めた一色健二は、宇宙船レッドシャーク号に乗り込むことになった。凄腕のベテランン、ジャック・ローレイ大尉の指導を受け、健二は宇宙パイロットとして成長していく。そして大尉が殉職した後、レッドシャーク号を引き継ぐと、荒くれたちを率いて、時には宇宙の謎を探る冒険に、また地球を脅かす難問に立ち向かうべく、幾度となく宇宙へと飛び立つ。

登場人物・キャラクター

一色 健二 (いっしき けんじ)

第八宇宙学校を優秀な成績で卒業した宇宙空軍の宇宙士。忍耐強く年の割には冷静だが、少々自信家。ジャック・ローレイ大尉の下でレッドシャーク号に乗り込み、宇宙パイロットたるものは時に非情な決断をしなければならないことを学ぶ。以降、レッドシャーク号の隊長として数々の困難な任務をこなしていく。

ジャック・ローレイ (じゃっくろーれい)

世界一の腕を持つといわれるベテランパイロット。多くの任務で同乗者が死にひとりで帰還するために、疫病神ジャックと呼ばれる。冷静にふるまってはいるが、仲間や後輩を想う心優しいパイロットである。レッドシャーク号が乗機。

サリバン博士 (さりばんはかせ)

土星の衛星タイタンに宇宙空軍の基地を建設すべく選ばれたメンバーのひとり。専攻は地質学。他には、無線技士の杉村、コックのコブコブ、総合科学のスカット博士、岩田博士が選ばれている。タイタンで他のメンバーと同じく未知の病原菌に感染。死の覚悟を決めた博士は、息絶えるまでの間にタイタンの資料を作成している。

クイーンメリー号の怪物 (くいーんめりーごうのかいぶつ)

『宇宙船レッドシャーク』に登場する宇宙の怪物。B座標で宇宙船が次々と遭難した原因となっており、クイーンメリー号の近くで発見された。不定形の軟体生物で宇宙銃で撃たれても、真空中でも死ぬことがなく、宇宙船の壁も透過する特殊能力を持つ。宇宙船内にいる人間を捕獲し、その体に卵を産み付けていた。

那須野 大作 (なすの だいさく)

宇宙空軍でも指折りのベテラン宇宙士のひとり。優秀だが素行が悪い。B座標での宇宙船探索任務で隊長として赴任した一色健二を若いと侮り、事故に見せかけて殺そうとまでする。しかし、事件解決に向けての勇気と冷静さに感服。後にはハイモス星反乱の調査にも同道している。

五百木隊員 (いおぎたいいん)

宇宙空軍でも指折りのベテラン宇宙士のひとり。ギョロ目で感情的になりやすい。宇宙怪物がレッドシャーク号に潜伏した時に、フェリーボートに乗りこみ囮になる。怪物から逃げきれず、ボートは破壊され宇宙空間に放り出される。原子分解銃の一撃により、怪物と共に消滅した。

下田 三郎 (しもだ さぶろう)

一〇四刑務所から脱走した死刑囚の男。狡知に長け、疑り深く、盗癖持ち。宇宙士の兄になり替わり、レッドシャーク号に乗り込んだ。マグマ衛星から打ち上げられた燃料用ロケットに乗り移って、いまだ無人のマロー星へ逃亡しようと試みるが、彼は宇宙服の酸素が足りないことを知らなかった。

五十嵐宇宙士 (いがらしうちゅうし)

ハイモス星の調査で一色健二の下につけられた宇宙士。フェリーボートの運転を得意とし、健二が無線で救助を求めてきた首領に会いにいった時には運転手を務めている。

首領 (しゅりょう)

ハイモス星で反乱を起こそうと企む司令官に反発し、一〇三〇・四五七二地点から地球へ救援要請の無電を打った男。人間の肉体部分の老化が進み、自由に動けなくなっている。調査に来た一色健二の部下を誘拐し、その肉体を自分に移植して健康を取り戻す。

場所

マロー星 (まろーせい)

『宇宙船レッドシャーク』に登場する宇宙空軍の探検目標になっている惑星。遠方にあるため、到着できても、燃料不足で帰還ができなくなる。そこで宇宙空軍は超楕円軌道を持つ衛星のマグマ衛星の利用を計画。5年前に地球に近づいた衛星に、多くの燃料ロケットを撃ちこんだ。一色健二は、マロー星に近づいたマグマ衛星から、燃料ロケットをマロー星に打ち込む任務を受ける。

ハイモス星 (はいもすせい)

『宇宙船レッドシャーク』に登場する地球の開拓惑星のひとつで、多くの宇宙士が事故や怪我で体をサイボーグ化しながらも開発を押し進めている。しかし、ひさしぶりに地球へと戻るとサイボーグ蔑視の風潮が厳しく、それを不満に思った者たちが反乱を起こした。内紛の果てに原子炉が爆発、荒野に戻ってしまった。

その他キーワード

レッドシャーク号 (れっどしゃーくごう)

『宇宙船レッドシャーク』に登場するメインメカ。宇宙空軍所属の宇宙航行用ロケット。円筒形のボディに白と赤のペイントが施され、船名を示す赤いサメのマークが描かれている。強力な原子分解銃で武装し、宇宙・地上運用可能なフェリーボートを搭載。ジャック・ローレイ大尉の乗機だったが、彼の死後は一色健二が乗機にしている。

原子分解銃 (げんしぶんかいじゅう)

『宇宙船レッドシャーク』に登場する兵器。メインメカのレッドシャーク号に装備された強力な攻撃兵器。砲座型で、使用には複雑な操作が必要であり、訓練していなければ撃つことは難しい。1つの物体を瞬時に原子分解して破壊する効能があるため、敵の近くに味方がいる場合や、自機に敵が張り付いている状況下では撃てない。

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