ジロがゆく

ジロがゆく

転校生ジロを通して、学校社会との軋轢、性への目覚めなど、思春期の悩みや葛藤を描いた作品。第2回講談社出版文化賞を受賞。

正式名称
ジロがゆく
ふりがな
じろがゆく
作者
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

雪深い貧しい山村の中学校に転校してきた少年ジロは、閉鎖的な村に上手く馴染めずに孤立する。そんなジロに好意をよせる同級生サヨや、よき理解者島野先生、そして対立する同級生小原たちとの交流のなかで社会恋愛性といった問題にぶつかり、傷つきながら乗り越え成長していくのだった。

登場人物・キャラクター

森 ジロ (もり じろ)

中学1年の少年、寒村の中村中学校に転校してくるが、閉鎖的な村の環境に中々溶け込めずに、様々な問題にぶつかることとなる。

川辺 サヨ (かわべ さよ)

中村中学校のジロの同級生。ハッキリとした性格で自分をしっかりと持っている。クラスでの人気も高いがジロと親しくなっていくことで他の生徒とのトラブルも発生する。

島野先生 (しまのせんせい)

まだ中村中学校に赴任して間もないが、生徒の問題に常に真摯に向かい合う。大人の社会事情と子供たちの純粋な感情のあいだで共に悩むこともしばしば。岡先生に好意を持っている。

小原 (おはら)

中村中学校の同級生でクラス委員長をしている。サヨに想いをよせいている。ことあるごとにジロを敵対視し、喧嘩が絶えないが、ぶつかりながらも友情を感じていく。

タケ

中村中学校の同級生。転校してきたジロの最初の友だち。貧乏なため遠足にもいけない。上級生たちとのトラブルのなか雪の中で凍死してしまう。

デメキン

中村中学校の同級生。過疎化の農家の息子。島野先生の上着からタバコを盗んで吸った事実があり、その後、学校が火事になった際は、デメキンの放火ではないかとジロから疑われる。

岡先生 (おかせんせい)

中村中学校の女教師。島野先生を頼りにしていて、恋愛感情も持っている。

蔓葉 (つるば)

勉強が出来ないため小原にカンニングを頼むが断られ、代わりにジロが教えたことで問題が大きくなる。

ズベ子 (ずべこ)

ジロの新しい転校先の同級生の女の子。札つきの不良と呼ばれている。転校して来たばかりのジロに万引きを見つけられる。その事件をきっかけにジロに強い興味を持つ。

ハナチン

ズベ子の子分のような少年。長すぎる長袖のシャツを着ていつも鼻水を垂らしている。ズベ子がジロに関心を持っていることに不満を持ち、不良グループにジロを絡ませてトラブルを大きくしてしまう。

鉄の箱 (みす・あいあん・ぼっくす)

ジロの転校先の女教師。学校では冷たい印象から「鉄の箱」(ミス・アイアン・ボックス)と呼ばれているが、昔に心中未遂をした過去があるのが原因とみられる。引っ越し先のジロの家の2階に下宿している。

ジロの父 (じろのちち)

営林署に勤めているので転勤が多い。そのせいでジロは転校に悩むことになる。

ロン

『ジロがいく』でジロの飼っている犬。鎖につながれているロンの行動は、作品のなかでジロが葛藤する問題の暗喩的な表現をするキャラにもなっている。

集団・組織

中村中学校 (なかむらちゅうがっこう)

『ジロがいく』でジロの通う寒村の中学校。物語中盤で火災で焼け落ちてしまい、新築するまでお寺を借りることになる。

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