おそ松くん

おそ松くん

腕白な六つ子の男の子たちとクラスメートやご近所さんのドタバタ模様を描いたギャグ作品。基本的に1話完結形式で、多彩なキャラクターが登場する。特に、自称フランス帰りのナゾ紳士イヤミの発するギャグ「シェーッ!!」は国民的流行語となった。中盤以降はイヤミやチビ太の出番が増え、六つ子が全く登場しない回もある。ギャグ漫画らしく設定も自由自在で、イヤミやチビ太は医者、教師、海の家を仕切るチンピラなど様々な役柄で登場する。西部劇や時代劇、ハードボイルドや戦記ドラマなど、ギャグにとどまらない内容の番外編も多数存在する。後期には作者の他作品のキャラクターのバカボンのパパやニャロメが登場する回もある。第10回(昭和39年度)小学館漫画賞受賞。作者のギャグ漫画家としての人気を確立した代表作。

正式名称
おそ松くん
ふりがな
おそまつくん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

とある町内に暮らす松野家は今日も大にぎわい。この家の息子は顔が全く同じ六つ子の男の子たちなのだ。わんぱくでいたずら好きな六つ子たちは、お互いに入れ替わって人をだましたりして、大騒ぎを巻き起こす。彼らを中心に、フランス帰りの怪紳士イヤミや、おでん大好きで凶暴な男の子チビ太、パンツ一丁の太ったおじさんデカパンなど、強烈に個性的なキャラクターたちが入り乱れ、唯一無二の赤塚ワールドを展開する。

登場人物・キャラクター

松野 おそ松 (まつの おそまつ)

六つ子の長男。小学生。坊っちゃん刈りに3つボタンの縦縞の長そで、長ズボンという格好。顔も服装も兄弟全員同じなので、見分けがつかない。わんぱくでいたずらっ子、勉強は大嫌いという性格まで全員同じ。おそ松は長男なので、作中では他の兄弟にくらべ、単独行動することが多い。しかし長男らしいリーダーシップは持たず、頼りがいはない。

松野 一松 (まつの いちまつ)

六つ子の小学生。坊っちゃん刈りに3つボタンの縦縞の長そで、長ズボンという格好。顔も服装も兄弟全員同じなので、見分けがつかない。わんぱくでいたずらっ子、勉強は大嫌いという性格まで全員同じ。名前に「一」がつくが、長男ではない。兄弟の中では一番の粋な性格。

松野 カラ松 (まつの からまつ)

六つ子の小学生。坊っちゃん刈りに3つボタンの縦縞の長そで、長ズボンという格好。顔も服装も兄弟全員同じなので、見分けがつかない。わんぱくでいたずらっ子、勉強は大嫌いという性格まで全員同じ。カラ元気だけは兄弟の中で一番の元気もの。「頭の中もポケットの中もカラッポだから、カラ松」とのうわさもある。

松野 チョロ松 (まつの ちょろまつ)

六つ子の小学生。坊っちゃん刈りに3つボタンの縦縞の長そで、長ズボンという格好。顔も服装も兄弟全員同じなので、見分けがつかない。わんぱくでいたずらっ子、勉強は大嫌いという性格まで全員同じ。チョロチョロとすばしっこく、逃げ足の速さも兄弟の中で一番。要領も良く、器用な性格。

松野 トド松 (まつの とどまつ)

六つ子の小学生。坊っちゃん刈りに3つボタンの縦縞の長そで、長ズボンという格好。顔も服装も兄弟全員同じなので、見分けがつかない。わんぱくでいたずらっ子、勉強は大嫌いという性格まで全員同じ。末っ子なので「トドのつまり」からトド松と名付けられたようである。

松野 十四松 (まつの じゅうしまつ)

六つ子の小学生。坊っちゃん刈りに3つボタンの縦縞の長そで、長ズボンという格好。顔も服装も兄弟全員同じなので、見分けがつかない。わんぱくでいたずらっ子、勉強は大嫌いという性格まで全員同じ。名前の由来となった鳥・ジュウシマツのようにピーチクパーチクうるさい。兄弟の中で一番のおしゃべりで、歌も得意。

松野 松代 (まつの まつよ)

六つ子の母親。松造の妻。メガネをかけていて丸顔。身体つきは細身。専業主婦で、六人ものわんぱく坊主たちを育てるのに毎日大忙し。節約のため、六つ子の服は同じものを買っている。感情を表に出す性格で、すぐ子どもたちや夫を叱り飛ばすが、家族思いで情の厚い母親である。おそ松が金持ちの養子になり家を出て行った時には、悲しみから泣き続けた。

松野 松造 (まつの まつぞう)

六つ子の父親。松代の夫。ずんぐりむっくりした体型で、口ひげをたくわえている。愛煙家。優しい顔つきで、子どもたちを叱ることもあるが、あまり威厳はない。初期には酒屋を経営していたこともあったらしいが、主に会社員として描かれる。おっちょこちょいなところもあり、よく月給を落とし、大騒ぎとなる。

トト子 (ととこ)

松野家の近所に住む女の子。実家は魚屋。兄は「ファイティング弱井」というプロボクサー。六つ子たちのクラスメート。頭のリボンがトレードマーク。顔はかわいいが気が強い。六つ子たちから好意を持たれているが、彼らのやんちゃぶりに振り回されることも多い。その際には兄顔負けのパンチを繰り出して六つ子たちを撃退する。

チビ太 (ちびた)

背は低いが頭の大きい男の子。頭の毛は一本生えているだけ。おでんが大好物で、よく手に持っている。「ケケッ」と笑うのが口ぐせ。すばしっこいが、泳ぎは苦手。頭は土管を破壊できるほどの固さを誇る。六つ子たちのライバルのような存在で、仲良く遊ぶこともあるが、いたずらしたりだましたりして、ケンカになることの方が多い。 女の子に惚れっぽい。いたずら好きなやんちゃ坊主だが、六つ子のおかあさんが病気になった時にはお見舞いするなど、根はやさしい。恥ずかしがり屋なので、テレ隠しに暴れてしまうのだ。住所不定で、家族はいないようである。初期にはサンタの息子や貧乏旅館の息子などの役柄でも登場した。

イヤミ

自称フランス帰りの怪しい男。3枚の大きな出っ歯に細い口ひげ、内はねの長髪、蝶ネクタイにスーツ姿のうさんくさい外見。常にうすら笑いを浮かべていて、名前のとおり嫌味な性格。フランスかぶれで、一人称は「ミー」。驚いた時に片手片足を曲げて飛び上がり「シェー!!」と叫ぶギャグは国民的流行語となり、様々な影響を与えた。 初期には松野家のおとうさんの旧友・井矢見(いやみ)として登場したこともある。その後も、医者、六つ子たちの教師、おとうさんの上司、泥棒、インチキ押し売り屋など様々な職業で登場する。金儲けをたくらんだり嫌味なちょっかいを仕掛けたりして、六つ子たちに撃退されるのが王道パターン。

デカパン

縞の大きなパンツ一丁の太ったおじさん。口ひげをたくわえている。頭の毛は薄い。つぶらな瞳。デカパンの中には色々な物が入っている。動物を愛し、たくさん飼っている。性格は優しく、のんびりしている。口ぐせは「ホエホエ」、語尾に「~だス」を付けてしゃべる。恰幅が良くおだやかな性格なので、警察官や医者、博士、会社の重役など社会的地位が高い役柄を演じることが多い。

ハタ坊 (はたぼう)

頭に旗を立てた男の子。「ハタ坊だじょー」のように、語尾に「~だじょー」を付けてしゃべる。たれ目で気弱な性格。純真無垢で、いつも何も考えていないようである。頭に立てた旗は基本的には日の丸だが、季節や状況に応じて、こいのぼりなど別の物を立てることもある。

ダヨーン

その名の通り、「~だよーん」を語尾に付けてしゃべるおじさん。たれ目で大きな鼻のユニークな顔立ち。顔面が大きく、特に口が大きい。人間をのみこんでしまえるほど。雪を口に含んで雪ダルマを大量製造できるなどの特技も持つ。俳句好きだがセンスは皆無。

ハナ子 (はなこ)

デカパンの飼っているメスのブタ。人間同様に生活しており、ブタと呼ばれると怒る。掃除、洗い物、買い物など家事全般をこなせる。ブタとは知らずチビ太が惚れ込んだ。最期はチビ太のフーテン仲間たちに丸焼きにされて食べられてしまった。

毛知田 (けちだ)

松野家の近所に住む、メガネに禿頭の中年男性。ケチで有名。庭の雑草は食用にするために生やしっぱなし。家の中は汚れた部分だけ取り換えられるように小さな畳を敷きつめている。常にパンツ一丁で生活している。室内で頭上に大きな岩を吊るし、恐怖感から冷や汗をかき、寒さをしのいでいる。

片井 (かたい)

六つ子の両親と古い知り合いの中年男性。ふだんは四角四面で、友達相手にも敬語を使う。性格を表わしているのか、目玉も四角い形をしている。ただし、酒を呑むとメチャクチャに大暴れする。酔いがさめると酒乱だったことは一切記憶に残らないという困った一面も持つ。

ブルータス

松野家のおとうさんの務める会社の社長が飼っている犬。社長が旅行をするので松野家であずかった。服を着ている。高級な暮らしをしているので、態度がでかい。人間の布団でないと寝ない、ごはんもトンカツといった高級なものしか食べないなど、おごった暮らしぶりで、松野家をさんざん困らせた。

ゼニ形ハゲ次 (ぜにがたはげじ)

旅役者だったが客が入らず劇団は解散し、私立探偵となった。時代劇の岡っ引きのような恰好をしている。ヤケッパチという名の子分が付き従っている。私立探偵とは名ばかりのフーテン暮らしで、松野家にたかろうとする。

イヤミ菌のキン坊 (いやみきんのきんぼう)

イヤミの体内に棲む細菌のうちの一匹。イヤミ菌とは、イヤミの嫌味な性格の原因となっている細菌のこと。うじゃうじゃと多数存在する。イヤミ菌に感染した人間は、イヤミそのものの嫌味な性格になってしまう。

東郷 (とうごう)

松野家に下宿に来た男性。家事を手伝ったり六つ子の宿題を見てやったりと、まめで性格のいい好青年のように見えたが、正体は凶悪な強盗だった。

オジソン博士 (おじそんはかせ)

発明家。被写体の人間が考えている内容がわかるカメラを発明した。このカメラで多くの人々を写した結果、人間の心の中の醜い本性を知りすぎてしまい、厭世的になった。ちなみにハタ坊を写したときには意味のあるものは何も写らず、ハタ坊は何も考えていないということがわかった。

ジャジャ子 (じゃじゃこ)

ハタ坊の親戚の女の子。ギョロ目で勝ち気な性格。チビ太が惚れ込んだ。皆にひやかされて、最初はチビ太に対してつれない態度をとっていたが、最終的には良い友達となった。

死神四号 (しにがみしごう)

死神。人間の魂を持ってくる仕事の成績不振を上司から叱られ、がんばって魂を奪おうとするが、なかなかうまくいかない。自殺しかけていた売れない中年プロレスラー・タワーシに目をつけるが、何の因果か彼とコンビを組んでプロレスラーとしてデビューすることになってしまう。リングネームは「ミスター死神」に。

スイカ星人 (すいかせいじん)

地球侵略をもくろむ異星人。大きな丸い頭部に縦縞が入っていて、スイカにそっくり。地球に忍び込み、特製のスイカを人間たちに食べさせる。そのスイカを食べてタネを飲みこんだ人間たちは、スイカ星人に操られてしまう。

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