夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない

夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない

「すべての臆病な「僕たち」へ」をコンセプトに、日常を生きる人々の心へ、そっと光を照らす物語が収録されている。「モーニング・ツー」に連載された全9話のオムニバス作品。2014年5月に著者3冊目の単行本として出版された。

正式名称
夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない
ふりがな
ゆめからさめたあのことはきっとうまくしゃべれない
作者
ジャンル
その他
レーベル
モーニング KC(講談社)
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概要・あらすじ

不登校がちな少女のしおりは、ある日、隣家の屋上にたたずむ全裸の少年を発見する。家族づてに彼の境遇を知ったしおりは、仲間意識を感じ再び学校に行くようになる。しかし2人を待ち受けていたのは、彼の母親の狂った決断だった。(エピソード「夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない」)

登場人物・キャラクター

武勇伝 (ぶゆうでん)

エピソード「明日も触らないね」に登場する。父を亡くして以来、天涯孤独となりアルバイトをしながら生活している。学校にもアルバイト先にも居場所のない暮らしを送っているが、ひそかに想う同級生がいる。

しおり

エピソード「夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない」に登場する。不登校だったが、隣人の少年と出会い心を入れ替える。話したこともない彼を尊敬し「志はともにある。これからもお互いを励みにがんばろう」と考えている。

栗原の妻 (くりはらのつま)

エピソード「リビングで」に登場する。自らを犬と思い込むようになった夫に動揺しつつ、原因を理解できずにいる。あくまでも自分たちは普通だと考え、これまで通りに振る舞おうとするが、息子の言葉により本当の気持ちを爆発させる。

名平 (なひら)

エピソード「わるい子」に登場する。高校時代は壁に向かって1人で話しているような暗い少女だった。高校3年生の時、ゆのとある事件に遭遇したが、その日取った行動については2人の秘密となっている。当時からゆのに憧れ、特別に想っていた。

柏木 (かしわぎ)

エピソード「ごらんJ組の様子を」に登場する。風紀委員を務める少年。アニメ『銀河王ポチョムキン』に夢中で連日大騒ぎしているJ組に嫌気がさし、風紀委員会に苦情を伝えに行っている。J組への辛辣な態度を指摘され、自分の本心について考えるようになる。

なむ

エピソード「毎日」に登場する。同棲中のあゆむに献身的に尽くしている。彼女に対して時折面倒くさいと感じ、無性に腹が立つ瞬間がある。感情を押し殺して付き合うことで無意識に自分を傷つけているが、本人はそれに気づいていない。

ヒロコ

エピソード「石鹸」に登場する。家出した兄のヒロシを嫌っており、彼の帰宅を快く思っていない。ヒロシのことを「つまんないことで傷ついてばっか」「持ってるものは世の中の役に立たないものばっか」と捉えている。ヒロシには「ブタ」と呼ばれることがある。

(わたし)

エピソード「なほちゃんの白いたまごやき」に登場する。なほが白い卵焼きをお弁当箱に詰める姿を見て性的な魅力を感じ、彼女と交際するようになる。卵焼きに関するなほの秘密を知って以来、彼女への想いが揺らぐ自分を嫌悪している。

あさこ

エピソード「妙な夢」に登場する。決まりがないと安心できない性格の夫を、役に立ちたいような、突きとばしたくなるような微妙な気持ちで支えている。「夫を置いて家を出るが、案外普通に生活できる」という内容の妙な夢を見て以来、混乱している。

ゆの

エピソード「わるい子」に登場する。高校時代は「暗く反社会的な存在」と評され、「近づいたら呪い殺す」と言わんばかりの雰囲気をまとう攻撃的な少女だった。現在は別人のように明るい雰囲気となり、婚約者のおかげだと語って名平を混乱に陥らせる。

ヒロシ

エピソード「石鹸」に登場する。いつもイライラしており、怒るとすぐに手が出る暴力的な性格。嫌なことがあると一晩中身体を洗う癖があり、そのせいで肌はカサカサしている。

書誌情報

夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない 講談社〈モーニング KC〉

(2014-05-23発行、 978-4063883381)

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