HEROMAN

HEROMAN

内気だった少年が、突然変異を起こして自意識を持った玩具と出会い、共に外宇宙からの侵略者に立ち向かうヒーローアクション作品。「少年ガンガン」で、2009年から2011年にかけて連載された。

正式名称
HEROMAN
ふりがな
ひーろーまん
原作者
スタン・リー+BONES
作者
ジャンル
スーパーヒーロー
関連商品
Amazon 楽天

世界観

アメリカの都市を舞台に、外宇宙からの侵略者スクラッグと、それに唯一対抗できるとされるヒーローマンの熾烈な争いが描かれる。ヒーローマンは圧倒的な戦力で攻めてくるスクラッグに苦戦を強いられつつも、持ち前の不屈の闘志や、相棒ジョセフ・カーター・ジョーンズとの絆、マシュー・デントンらの開発した新兵器などの力により、勝利を収めていく。

作風

「HEROMAN」のタイトルが示す通り、ヒーロー、正義の味方を主題としている。その中心となるのは、スクラッグという悪の軍団に立ち向かうヒーローマンだが、その一方で、ヒーローとは特定の人物を指すのではなく、登場人物たちの勇気ある行動こそがヒーローそのものであると強調する要素が、たびたび描写されている。また、ジョセフ・カーター・ジョーンズの成長や、ヒーローマンとの友情なども、大きな見どころの1つとなっている。

あらすじ

ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)は、学生生活とアルバイトに精を出しつつも、弱気な性格から自分に自信を持てずにいた。ある日ジョーイは、事故で壊れたためニコラス・デ・カルロが投げ捨てたロボットの玩具「HEYBO」を拾い、自らの手で修復、それにヒーローマンと名付ける。しかしその夜、リナの父を恨む怨侍の手により、ジョーイの目の前でリナ・デイヴィスが誘拐されてしまう。またしても自らの無力に打ちひしがれるジョーイだったが、その時突如ヒーローマンの頭上に雷が落ち、これを受けたヒーローマンは巨大化して、自意識を持つようになる。ジョーイは彼の力をもって怨侍を撃破し、見事リナを救い出す。しかしこの事件は、凶悪な宇宙生物スクラッグによる侵略の前触れに過ぎなかった。ジョーイとヒーローマンは、センターシティの平和を守るため、ゴゴール率いるスクラッグに、果敢に立ち向かっていく。

メディアミックス

テレビアニメ

本作『HEROMAN』のもとになったテレビアニメは、スタン・リーが原作を務めており、BONESによって製作され、テレビ東京系列にて放送された。監督は難波日登志、キャラクターデザインはコヤマシゲトが担当している。キャストは、ジョセフ・カーター・ジョーンズを小松未可子が、ヒーローマンを竹内良太が、サイモン・カイナを木村良平が、それぞれ演じている。

ゲーム

ニンテンドー3DSのゲームソフト『スーパーロボット大戦UX』に、『HEROMAN』が参戦作品の1つとして扱われている。設定やストーリー展開は主にアニメ版を踏襲しているが、スクラッグとなったニコラス・デ・カルロがいまわの際に改心するなど、コミカライズ版の要素も再現されている。

原作

スタン・リーは、アメリカ出身の漫画原作家。アメリカンコミックス界の巨匠として名高く、手がけた作品は『スパイダーマン』『X-MEN』『アベンジャーズ』など、枚挙にいとまがない。本作『HEROMAN』は日米合作という形で、監督として参加した。BONESは日本のアニメ制作会社で、サンライズから独立する形で誕生。テレビアニメ『HEROMAN』のほか、『ラーゼフォン』や『交響詩篇エウレカセブン』などを手掛けている。

登場人物・キャラクター

ジョセフ・カーター・ジョーンズ (じょせふかーたーじょーんず)

センターシティに住んでいる、中性的な容姿を持つ少年。仲間内からは「ジョーイ」と呼ばれている。両親はすでに亡くなり、現在は祖母であるバージニア・ジョーンズと2人で暮らしている。特技の料理は非常に評判が良く、その腕を活かしてEat at Hilly'sでアルバイトをしている。ヒーローに憧れを抱いているが、ウィリアム・デイヴィスの心無い言葉の影響で、自分に自信を持てずにいた。 しかし、ヒーローマンとの出会いやスクラッグとの戦いを経て、人間的に大きく成長。ヒーローマンとともにセンターシティのヒーローと呼ばれるようになる。

ヒーローマン

ニコラス・デ・カルロが破損させて廃棄したHEYBOを、ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)が修復、改良したロボット。雷に打たれたことで自我を獲得し、ジョーイの意思によって巨大化することが可能となった。アメリカの最新兵器ですら敵わないスクラッグを圧倒するだけのパワーを持ち、ジョーイとともにスクラッグと戦い抜く。 ジョーイからは「相棒」と呼ばれ、常に強い信頼を向けており、ヒーローマン自身も言葉こそ発しないものの、ジョーイの危機には誰よりも早く反応し、その身を守っている。その非現実的な姿や能力から、一時はアメリカ政府から「ゴースト」というコードネームで追われることもあったが、NIAのアクセル・ヒューズの活躍によって、政府からもヒーローと認められるようになった。

サイモン・カイナ (さいもんかいな)

センターシティに住んでいる少年で、ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)の親友。仲間内からは「サイ」と呼ばれている。ジョーイの長所をしっかりと見ており、彼の自己評価の低さが改まることを願っている。それだけに、ヒーローマンとともにスクラッグと戦い、成長していく彼に満足感を示しており、マシュー・デントンやリナ・デイヴィスとともにフォローに回っている。 ジョーイに対して横暴に振る舞うウィリアム・デイヴィスには手厳しい態度を取ることが多いが、かつてはアメリカンフットボールで同じチームに所属しており、その時の因縁から、嫌ってこそいないが憎まれ口を叩くという、煮え切らない関係となってしまっている。

リナ・デイヴィス (りなでいゔぃす)

センターシティに住んでいる少女で、ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)の幼なじみ。WBと呼ばれるチアリーディング部に所属しており、男子たちの人気も高い。兄のウィリアム・デイヴィスに過保護気味な扱いを受けていることから、彼を信頼しつつも過干渉には難色を示しており、特にジョーイに対する仕打ちには辟易している。 また、リナ・デイヴィス本人はジョーイと仲良くしたいと思っており、彼がスクラッグと戦う姿を見るにつれて、より強く好意を抱くようになる。

バージニア・ジョーンズ (ばーじにあじょーんず)

ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)とホリー・バージニア・ジョーンズの祖母で、ブライアン・カーター・ジョーンズの母親。スクラッグの侵略に対してもさほど焦った様子を見せないのんびりとした性格。ジョーイとは2人暮らしで、とても仲がいい。また、ロックミュージックが好きで、よく聴いている様子が見られる。

マシュー・デントン (ましゅーでんとん)

センターシティに住む男性。教師。ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)が通う学校で化学を教えている。気さくな性格で、生徒であるジョーイやサイモン・カイナたちとも親しい。地球外生命体の存在を信じており、独自に外宇宙に存在する生命を探知するマイクロパラボラアンテナを開発し、友好を求めるメッセージを発信する。 しかし、このメッセージを侵略者であるスクラッグに受信されてしまい、地球侵略のきっかけの一端となってしまう。マシュー・デントンはこのことに強い責任を感じ、スクラッグと戦うヒーローマンの力になるべくさまざまな新装備を開発した。

ウィリアム・デイヴィス (うぃりあむでいゔぃす)

センターシティに住んでいる少年。仲間内からは「ウィル」と呼ばれている。責任感が強く、かつてアメリカンフットボールの試合でチームメイトだったサイモン・カイナにケガを負わせてしまったことで、キャプテンの座を降りており、現在も罪悪感を抱いている。しかし、妹のリナ・デイヴィスが関わると見境のない一面を見せる悪癖があり、リナが想いを寄せるジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)に対しては「役立たず」と言い放つなど辛く当たり、彼に自信を失わせている。 ジョーイがヒーローマンとともにスクラッグと戦っていると知ってからは、彼を見直しつつも羨望するといった複雑な感情を抱くようになり、自分もスクラッグと戦えることを証明するため、ニコラス・デ・カルロを伴い、彼らのアジトに潜入する。 しかしその場で捕らえられ、あろうことかウィリアム・デイヴィス自身もスクラッグへと改造されてしまう。

ニコラス・デ・カルロ (にこらすでかるろ)

センターシティに住んでいる少年。仲間内からは「ニック」と呼ばれている。ウィリアム・デイヴィス(ウィル)の腰巾着的存在で、よく彼とつるんでいるが、内心ではウィルに対してコンプレックスと嫌悪感を抱いている。また、ジョセフ・カーター・ジョーンズを見下しているような素振りを見せるが、実際は自分と同類だと思っている。 ヒーローマンが現れた後にウィルとともにスクラッグの基地に潜入するが、捕らえられてスクラッグに改造されてしまう。しかしこのことを悲観するどころか、力を得られたことを喜ぶようになり、嬉々としてスクラッグに協力する姿勢を見せた。

ヴェラ・コリンズ (ゔぇらこりんず)

センターシティに住んでいる女性。教師。ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)が通う学校で数学を教えており、彼のクラスの担任を務めている。生徒想いの真面目な先生で、バイトと学生生活を両立させているジョーイを気に掛ける様子もしばしば見られた。

ブライアン・カーター・ジョーンズ (ぶらいあんかーたーじょーんず)

ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)とホリー・バージニア・ジョーンズの父親で、バージニア・ジョーンズの息子。屈強な体格と強い正義感を併せ持つ炭鉱夫で、センターシティの住民たちに慕われていた。しかし、働いていた炭鉱で発生した落盤火災事故から仲間たちを救うために単身で突入し、その結果帰らぬ人となってしまう。 ジョーイは物心つく前に死別しているが、センターシティのヒーローと名高いブライアン・カーター・ジョーンズのことを誇りに思っており、強く尊敬している。

キャサリン・メイ・ジョーンズ (きゃさりんめいじょーんず)

ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)とホリー・バージニア・ジョーンズの母親で、ブライアン・カーター・ジョーンズの妻。ジョーイによく似た外見をしている。心優しい性格の女性で、ブライアンが亡くなってからは女手一つでホリーとジョーイを育てていたが、数年後に他界してしまう。ロックデイジーという花を好んでいた。

ホリー・バージニア・ジョーンズ (ほりーばーじにあじょーんず)

ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)の姉。4年もの間旅に出ていたが、スクラッグとの戦いが落ち着いた頃に帰還し、ジョーイやバージニア・ジョーンズと再会を果たした。弟想いだが男勝りな性格で、よくジョーイやサイモン・カイナを弄っており、サイモンからは畏怖を込めて悪魔と呼ばれている。ミュージシャンを志しており、バラードを好んで演奏している。 ふとしたことからヒーローマンの活躍を目撃し、その雄姿に一目惚れ。以降、ヒーローマン様と呼び慕っている。なお、ブライアン・カーター・ジョーンズのことは、残された家族のことを考えずに命を落としてしまったと考えており、彼に対してやりきれない想いを抱えている。

ビリー

コーヒーショップ「Eat at Hilly's」の店長を務める男性。ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)をアルバイトとして雇っており、彼の料理の腕を高く買っている。常連客からは、ビリーよりジョーイの方が料理が上手いと言われることもあり、気分を害することもあった。

リナの父 (りなのちち)

ウィリアム・デイヴィス(ウィル)、およびリナ・デイヴィスの父親。大企業の社長で、センターシティでも有数の富豪である。子供たちには情け深いが、ウィルの発言を真に受けて、ジョセフ・カーター・ジョーンズに対し、リナにあまり近づいて欲しくないと言い放ったこともある。しかし、センターシティの施設がスクラッグによって破壊された時は、復興作業を進んで行うなど、気骨ある人物。

怨侍 (おんざむらい)

戦国時代における日本関連の美術品を主に取り扱っていた商人が、怨霊に取りつかれて豹変した姿。かつて営業停止命令を出したリナの父を恨んでおり、取りつかれることでその恨みが膨れ上がり、リナ・デイヴィスを誘拐するという凶行に及んだ。怨念の力で武具を自在に操り、身に着けることで人知を超えたパワーを発揮することができるようになるが、ヒーローマンのパワーの前に敗れ去った。

ゴゴール

スクラッグの全軍を束ねる将軍で、ゴキブリのような外観を持つ。これまで数々の星への侵略を指揮しており、スクラッグ以外のすべての生物を家畜と公言してはばからないなど、冷酷かつ非道な性格の持ち主。将軍だけあって他のスクラッグをはるかに超越した実力を持ち、ヒーローマンとジョセフ・カーター・ジョーンズを大いに苦しめた。 さらに、他のスクラッグにはない特徴として、形態を変化させることで更なる戦闘力を発揮できる。

エッズィ

先遣隊の一員を務めるスクラッグで、カマキリのような外観を持つ。慇懃無礼な性格の持ち主で、常に敬語を用いて会話をする。先遣隊の一番手としてジョセフ・カーター・ジョーンズたちの前に現れ、ヒーローマンとの対戦を要求。並のスクラッグとは比較にならない力と身のこなしを誇り、両腕の鎌を振るうことで一度はヒーローマンを圧倒するに至る。 しかし、止めを刺す前にゴゴールからの帰還命令を受け、再戦を期待しつつ去っていった。

ブリト

先遣隊の一員を務めるスクラッグで、ダンゴムシのような外観を持つ。粗暴な性格だが、同じ先遣隊であるエッズィとは気が合う様子を見せる。ヒーローマンに興味を持ち、彼と戦うためにジョセフ・カーター・ジョーンズを挑発。人気のない公園で戦闘を開始する。体を丸めることで高速回転することが可能で、回転力を活かした体当たりはヒーローマンの右腕を損傷させるほどの威力を持つ。

パウア

先遣隊の一員を務めるスクラッグで、カブトムシのような外観を持つ。先遣隊の仲間であるブリトを倒されたことで、敵討ちのためにヒーローマンと対決する。角を自在に伸ばすことが可能で、ヒーローマンを持ち上げるほどの強大な力を持つ。また、クワガタムシの特徴も備えており、肩から延びた刃で鋏を形成し、敵対する者を真っ二つに切り裂くことも可能としている。

トニー

サイモン・カイナ(サイ)が足の怪我で入院していた時、同室だった少年。トニー自身も足を悪くしており、車椅子の生活を余儀なくされている。そんな自分の境遇に悲観的で、いつか足が治った時にと、サイからスケートボードをプレゼントされても、どうせ乗れないから、と拒絶している。ふとしたことから出会ったヒーローマンに強い興味を持ち、見るだけで瞳を輝かせつつも、持ち主であるジョセフ・カーター・ジョーンズを羨む姿勢を見せた。

大統領 (だいとうりょう)

アメリカ合衆国の大統領を務める男性。スクラッグがセンターシティに向けて大軍を派遣したことで、その対策に追われることになる。空軍による攻撃をものともしないスクラッグに対し、核による攻撃の決断を迫られるが、Dr・ミナミから考えがあることを聞き、彼に任せることを決めた。

Dr・ミナミ

MRLの所長を務める男性。科学者。野心と自己顕示欲が非常に強いマッドサイエンティストで、スクラッグの襲来をチャンスとみなし、彼らを駆逐することで自らの有用性を示そうと企む。大統領に謁見して、スクラッグによる問題を収拾すると豪語。MR-1を使い、スクラッグの基地を破壊しようとする。しかし、ジョセフ・カーター・ジョーンズとヒーローマンの活躍によって面子を潰され、それ以降ヒーローマンに強い恨みを募らせていく。

ヴェロニカ

MRLの所員を務める、サングラスをかけた長身の女性。先読みに優れた優秀な人物で、アマノリッヒやスタリオンとともに、Dr・ミナミの部下としての役割を果たしている。一方、歯に衣を着せない発言が目立ち、それは上司であるミナミに対しても例外ではない。しかし、忠誠心は低くないようで、ミナミが逮捕されると、彼を脱獄させるために行動を起こしている。

アマノリッヒ

MRLの所員を務める青年。赤と青のレンズがはめ込まれた眼鏡をかけている。見た目と性格はやや軽薄だが、研究者としての技量は確か。ヴェロニカとは逆に、Dr・ミナミには振り回されがち。MR-1の操縦者としてスタリオンとともに行動している。

スタリオン

MRLの所員を務める、黒人の男性。大柄だが気は弱く、アマノリッヒとともにDr・ミナミに振り回されることが多い。MR-1の操縦者としてアマノリッヒとともに行動するが、のちにミナミ、アマノリッヒとともに逮捕され、投獄されてしまう。

アクセル・ヒューズ (あくせるひゅーず)

情報機関NIAのエージェントを務めている青年。大統領の密命を受け、スクラッグを倒したというヒーローマンの調査のため、センターシティを訪れる。その際にコーヒーショップ「Eat at Hilly's」を訪れ、アルバイト中のジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)と出会い、意気投合。 のちに彼がヒーローマンと共に行動していることを知り、ヒーローマンは政府が危惧するようなものではないことを理解する。のちにスクラッグが復活した際には、NIAを代表してジョーイ達のバックアップに回った。

キーシャ・ジャクソン (きーしゃじゃくそん)

センターシティの「ANN」と呼ばれるテレビ局に所属する、レポーターの女性。仕事熱心な女性で、たとえ危険が待っていても、率先して事件現場に向かい、市民に状況を伝えることを心がけている。ヒーローマンがスクラッグの残党だという政府の見解に懐疑的で、ヒーローマンの真実を確かめるべく、彼とMR-1の戦いの場へと向かい、ヒーローマンが正義の味方であることを世界に知らしめた。

ツタの怪物 (つたのかいぶつ)

海水浴に出かけたジョセフ・カーター・ジョーンズたちの前に突如として現れた、異形の存在。無数のツタが絡まり合ったような形状をしており、その1つ1つの先には巨大な口が開いている。偶然居合わせたウィリアム・デイヴィスは、ある組織がスクラッグの遺産を利用して作り上げた物であると語っている。

集団・組織

スクラッグ

外宇宙より襲来した宇宙生物で全身を昆虫のような、頑丈な外殻に覆われており、地球人をはるかに上回る力を持つ。また、極めて高度な文明を持っているうえにスクラッグ以外の文明を家畜のように見下しており、将軍であるゴゴールの指示のもとで、さまざまな星を制圧したり滅ぼしたりしている。

先遣隊 (せんけんたい)

侵略先の戦力や文化を視察するために、先んじて送り出されたスクラッグの小隊。エッズィ、ブリト、パウアの3人で構成されている。本隊のスクラッグたちからは軽んじられる傾向にあるが、3人とも高い実力を持っており、特にエッズィは一度ヒーローマンに勝利するという実績を上げている。

WB (ほわいとべあーず)

リナ・デイヴィスが主将を務めているチアリーディング部。ライバルチームの「JOKERS」とにらみ合っているが、チアリーディングの選手権では一度も勝てておらず、万年2位の憂き目にあっている。これを打破するため、男子の協力を得てアクロバティックな動きを再現しようと考え、リナはジョセフ・カーター・ジョーンズに協力を要請した。

NIA (なしょなるいんてりじぇんすえーじぇんしー)

アクセル・ヒューズらが所属している、大統領直属の情報機関。スクラッグを倒したとされるヒーローマンに「ゴースト」というコードネームを付け、政府や人民にとって脅威になり得るかの調査を行う。高度な兵器製造技術を有しており、ヒーローマンと和解してからは、彼が身に着ける新しい装備の開発も行っている。

MRL (みなみろぼっとらぼらとりー)

Dr・ミナミが所長を務めている研究所。巨大ロボットの開発を専門としている。ミナミはスクラッグの襲来を好機として、彼らを自作のロボットであるMR-1を使って駆逐することで、MRLの有用性を政府にアピールし、その地位を確かなものにしようと企んでいる。

場所

センターシティ

アメリカ西海岸に存在する都市で、ジョセフ・カーター・ジョーンズたちが在住している。マシュー・デントンによるメッセージの発信源であったことと、ヒーローマンが存在することから、スクラッグから最重要侵略対象と認識されてしまう。

Eat at Hilly's

センターシティにあるコーヒーショップ。店長はビリーが務めており、ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)がこの店でアルバイトをしている。ジョーイの料理の腕が高く評価されており、彼の料理を楽しみにEat at Hilly'sに通う常連客もいる。また、大統領の命を受けてセンターシティに派遣されたアクセル・ヒューズも、のちにこの店を愛用するようになった。

その他キーワード

HEYBO

センターシティの子供たちに流行している、ロボットの玩具。「CR」と呼ばれるコントローラーに喋りかけることで、遠隔操作を行える。ニコラス・デ・カルロが買い与えられたが、操縦ミスにより車に跳ねられて破損してしまい、そのままゴミ箱に捨てられてしまう。この捨てられたHEYBOはジョセフ・カーター・ジョーンズに拾われ、修復されることでヒーローマンとして生まれ変わった。

ロックデイジー

キャサリン・メイ・ジョーンズが生前大好きだった花で、ジョセフ・カーター・ジョーンズやホリー・バージニア・ジョーンズもよく知っている。砂漠で花を咲かせるほどの強い環境適応能力を持っているが、ある時ホリーが枯れているロックデイジーを発見したことにより、センターシティの土がスクラッグに汚染されているという疑惑が浮上した。

MR-1

MRLで開発された巨大ロボットで、腕が付いた装甲車のような形状をしている。巨体にそぐわない身軽さと、ヒーローマンとも互角に渡り合えるほどのパワーを誇る。搭乗者の動作をトレースする機能を備えており、コクピット内でパンチを繰り出せば、MR-1も実際に拳を叩きつける動作を取る。また、発電用のアンテナが内蔵されており、これを利用して電磁パルス砲を発射することも可能。

ヒーローマン・アタック (ひーろーまんあたっく)

ヒーローマンが使用する必殺技の1つ。巨大な腕から繰り出される強力なパンチで、鉄壁を誇るとされるスクラッグの外殻を打ち抜くほどの威力を持つ。なお、この技に限らず、ヒーローマンの用いる技は、ジョセフ・カーター・ジョーンズがCRに向けて発声することで繰り出される。

ヒーローマン・ブラスト (ひーろーまんぶらすと)

ヒーローマンが使用する必殺技の1つ。全身から発生させた電気エネルギーを右拳に集中。そのまま全力で殴りつけ、衝撃とともに相手に電撃を流し込み、内部から破壊する。ブリトとの戦いにおいて使用され、彼を外殻ごと、粉々に打ち砕いた。

ヒーローマン・フィニッシュ (ひーろーまんふぃにっしゅ)

ヒーローマンが使用する必殺技の1つ。名前通りのフィニッシュブローで、ヒーローマン・ブラストなどの技で敵の外殻を劣化させた後、その場所に渾身のパンチを叩き込んで内部構造を破壊する。

ヒーローマン・プレッシャー (ひーろーまんぷれっしゃー)

ヒーローマンが使用する必殺技の1つ。ジョセフ・カーター・ジョーンズ自身が囮になり、「CR」の機能の1つであるバリアを張ることで敵の動きを抑制し、そのままヒーローマンが拳を叩きつけることで押し潰すという荒業。人間を侮っていたパウアの不意を打つ形で使用された。

ヒーローマン・マグネット (ひーろーまんまぐねっと)

ヒーローマンが使用する防御用の能力。両腕から強力な磁力を発生させ、鉄分を含んだ物質を強烈な勢いで引き寄せる。銃や大砲といったものなら易々と吸い寄せることができ、ヒーローマンは、侵略者と思い込み発砲を試みたNIAの拳銃を、この技を使うことですべて奪い取った。

電磁パルス砲 (でんじぱるすほう)

MR-1に搭載されている特殊兵装。搭乗者が手首を付けたまま拳を開くことで発動する。アンテナに電力を集めて敵に向けて放つというもので、Dr・ミナミは、いくらヒーローマンであっても、電磁パルス砲の直撃を受ければケシズミになると考えていた。しかし、ヒーローマンは電気をエネルギー源としているため、ケシズミにするどころか逆に活性化させてしまう。

ヒーローマン・トルネード (ひーろーまんとるねーど)

ヒーローマンが使用する必殺技の1つ。空高く跳び上がり、全身を竜巻のように高速回転させることで破壊力を増幅しつつ放たれる必殺キック。この技を受けたMR-1は中心部に大きな穴を開けられ、そのまま爆発四散した。

ヒーローマン・ライトニングフラッシュ (ひーろーまんらいとにんぐふらっしゅ)

ヒーローマンが使用する必殺技の1つ。頭部に電力を集め、激しく発光することで、敵の目をくらませる。ヒーローマンはリナ・デイヴィスを人質にしたゴゴールに対してこの技を使用し、これを受けてひるんだ隙を突き、ジョセフ・カーター・ジョーンズがリナを救出するというコンビネーションを見せた。

ヒーローマン・オースパーク (ひーろーまんおーすぱーく)

ヒーローマンが使用する最強の必殺技。腕を輪の形にして胸の前で組み、そこから超強力な電磁ビームを発射する。ゴゴールの最終形態に対して使用され、彼とスクラッグの基地である巨大円盤を跡形もなく消滅させ、ヒーローマンとスクラッグの戦いに終止符を打った。

クレジット

原作

スタン・リー+BONES

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