プニャリン

プニャリン

背は小さくて顔も不細工だが、「プニャリン」の愛称で慕われる18歳の超天才力士と、将来実家の相撲部屋をおかみさんとして継ぐためにプニャリンとの結婚を迫られる女子高生を中心に展開するギャグ漫画。「週刊少年サンデー」2000年44号から2001年36・37号にかけて連載された。

正式名称
プニャリン
ふりがな
ぷにゃりん
作者
ジャンル
相撲
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概要・あらすじ

わずか18歳で横綱昇進も間近という大関・男股山は、プニャリンの愛称で人気の超天才力士。しかし、プニャリンは稽古とチャンコが嫌いで、美少年とペペロンチーノが好きな変わり者だった。一方、プニャリンが所属する男館部屋の一人娘・土橋佐知子は相撲部屋に嫌気が差し、さらに不細工なプニャリンとの結婚を父親から迫られ、苦悩していた。

相撲以外にもさまざまな才能を発揮するプニャリンの予測もつかない行動に、周囲の人々は巻き込まれていく。

登場人物・キャラクター

プニャリン

男館部屋に所属する超天才力士。本名は「石井一久」。「男股山」という四股名があるが、「プニャリン」の愛称で、相撲ファンから慕われている。年齢は18歳。下がり眉に黒くつぶらな瞳、上を向いた鼻にぶあつい唇と、不細工だが愛くるしい顔立ち。非常に背が低く、「プニャリン」の愛称が示すとおりプニプニの体に見えるが、横綱昇進間近の最強の大関でもある。 体は小さいものの体重が153kgもあり、体脂肪率はわずか3%、さらに骨密度が通常の力士の2倍もある。体が2倍近く大きい力士が全力でぶつかっても、ビクともしないほど体が強い。しかし稽古とチャンコが大嫌いで、相撲にもあまり熱心には取り組んでいない。好きなものは美少年とペペロンチーノで、同じ相撲部屋に所属するイケメン力士の男黄山が好き。 ケンカもめっぽう強く、バスケットボールも得意で、ダンスのパラパラもこなす身体能力の高さを誇る。漫画も描けて、なんでもできる多才ぶりを発揮する。プロ野球選手の石井二美男、プロサッカー選手の石井三津造という2人の兄がおり、長兄である三津造にだけは逆らえない。人気漫画家のあづま雅としての顔も持っている。

土橋 佐知子 (どばし さちこ)

私立つばめ学園高等学校に通う1年生の女の子。男館親方の一人娘。茶髪のショートカットで、活発な性格の、いまどきの女子高生。実家が相撲部屋であることに嫌気が差しており、父親が男館部屋で最強の力士であるプニャリンと土橋佐知子を将来結婚させようとしていることにも反発している。男館部屋に所属する若手のイケメン力士・男黄山に好意を寄せている。 プニャリンからは「サッちゃん」と呼ばれている。

男館親方 (おだておやかた)

相撲部屋である男館部屋の親方。土橋佐知子の父親でもある。スキンヘッドで、小柄な男性。弱小部屋である男館部屋で力士たちの指導にあたる苦労人。最強ながら超天才ゆえにわがままで、予測もつかない行動をとるプニャリンには手を焼いている。娘の佐知子を大学卒業後に、プニャリンと結婚させようと考えている。

男黄山 (おごうざん)

男館部屋に所属する若手力士。「男黄山」は四股名で、本名は「古田敦也」。サラサラのロングヘアで、イケメンなため、土橋佐知子から好意を寄せられている。食べても体重が88kgから増えず、相撲の実力は伸び悩んでいる。美少年好きのプニャリンからも好意を寄せられており、付き人に指定された。お尻の穴がかゆいから掻いてなど、数々のホモセクハラ行為に悩まされている。

男道仙 (おどうせん)

男館部屋に所属する十両力士。男館部屋にいる2人の幕内力士のうちの1人。うっすらと胸毛を生やした、大柄な力士。稽古では新米の男黄山がぶつかってもびくともしない実力者。そんな男道仙でもプニャリンにはまったく歯が立たない。

香紋 (こうもん)

男館部屋に入門した新米力士。日体体大出身の元学生横綱で、体重は145kg。角刈りでニキビがある。先輩の十両力士である男道仙を、稽古でぶちかましで倒すほどの実力者。同じく先輩力士であるプニャリンを、その見た目からなめていたが、いざ稽古で取り組むと、まったく歯が立たなかった。プニャリンから、出世すると言われるが、それは単に「コーモン」という名前の響きが気に入っただけの理由だった。

駒ヶ岳 (こまがたけ)

山岳部屋に所属する前頭8枚目の力士。山岳部屋で一番の出世力士で超美形。横綱昇進のかかったプニャリンの大一番であたることになる。その実力差は圧倒的で、親方からは、正々堂々と戦って「負けてこい」と言われるほどだった。しかし、美少年に弱いプニャリンは、組んだ時に駒ヶ岳の吐息が耳たぶにかかって力が抜け、まさかの番狂わせとなって、プニャリンの横綱昇進を阻止した。 しかし、駒ヶ岳はその1勝だけで、1勝14敗の成績に終わり、十両落ちした。

おかみさん

男館部屋のおかみさんで、男館親方の妻。土橋佐知子の母親。なぜか顔はプニャリンにそっくりで、プニャリンを非常に可愛がっている。太った男が好きなデブ専で、現役当時は太っていてぷにぷにだった男館親方と結婚した。しかし、男館親方が引退後に痩せたため、愛想をつかして別居状態にある。その後、テレビで観たプニャリンを気に入り、男館部屋におかみさんとして戻って来る。 愛犬のペロを溺愛している。

ペロ

男館部屋のおかみさんに飼われている犬。血統書付きのシェットランドシープドッグのメスで、おかみさんからトップブリーダーが薦めるドッグフード「バウバウチャム」を与えられ、可愛がられている。しかし、いつも同じエサのため、バウバウチャムには飽き飽きしている。

プニャリン2号 (ぷにゃりんにごう)

プニャリンが拾ってきたオスの捨て犬。顔がプニャリンに似ているので、土橋佐知子に「プニャリン2号」と名付けられ、男館部屋で飼われることになる。しかし、おかみさんからはプニャリンは2匹いらないと、飼うことに反対される。おかみさんにだけは言葉を伝えることができ、自分を飼わないとペロをやっちまうぞと脅して、認めさせた。 精力絶倫で、散歩先の公園では、目についたメス犬と端から交尾し、はらませた。

石井 二美男 (いしい ふみお)

東京に本拠地を置くプロ野球チーム「神宮ハムスターズ」に所属する二軍選手。プニャリンの実の兄。年齢は21歳。プニャリンからは「フッ君」と呼ばれる。小学6年生の時、弟のプニャリンが「どす子」と呼ばれ、女装して女の子とままごと遊びをしたり、ハンサムな男の子を追いかけ回す姿を見て、不憫に思った。そこで、プニャリンの好物であるペペロンチーノに毒を盛って殺そうとした。 しかし毒を混入することがなかなかできず、それを1年繰り返したためペペロンチーノ作りの腕が上達。大人になったいまも、プニャリンからペペロンチーノ作りをせがまれるのが悩み。

石井 三津造 (いしい みつぞう)

J2のサッカーチーム「リセット大阪」に所属する選手。プニャリンと石井二美男の実の兄。年齢は23歳。プニャリンからは「ミッ君」と呼ばれる。キーパーなのにやたらと前へ出る「どすこい突進」を大阪名物と自称し、点を取られまくるダメ選手。それゆえいつも金欠。子供の頃、プニャリンによくペペロンチーノを作ってやったが、味がひどいためプニャリンからは敬遠されている。

池山 隆美 (いけやま たかみ)

私立つばめ学園高等学校に通う1年生の女の子。身長180cmで、女子バスケ部のエース。黒髪のショートカットで、片目が常に前髪で隠れている。バスケ同好会の土橋佐知子の才能に目をつけ、しつこく勧誘を続ける。男子バスケ部のエースである先輩の藤井修悟と付き合っていたが、プニャリンに惚れこむあまり、行動が徐々に暴走していく。

藤井 修悟 (ふじい しゅうご)

私立つばめ学園高等学校に通う2年生の男子。身長190cmで、男子バスケ部のエース。髪型はリーゼントスタイルで、女子生徒からの人気も高い。女子バスケ部のエースで後輩の池山隆美と交際し、人もうらやむビッグカップルだったが、プニャリンに惚れた池山に捨てられる。池山を取り戻すため、プニャリンに勝負を挑む。

渡辺 進 (わたなべ すすむ)

神保(じんぼう)新聞の社主の男性。横綱審議委員会の一員でもある。眼鏡をかけ、頭髪が薄く、年齢は50代と思われる。力士としての品格と行動に問題があるプニャリンの横綱昇進に強く反対しており、たとえ全勝優勝しても横綱昇進は認めないと吠える。

渡辺 久信 (わたなべ ひさのぶ)

墓穴組に所属するヤクザ。太って口髭を生やした、リーゼントヘアの男性。横綱審議委員の1人である渡辺進の息子でもある。かつて福満(ふくまん)部屋に所属し、三段目まで行った力士だった。今は夢破れ、カブキチョーにあるぼったくりバーで、用心棒のような仕事をしている。店に客としてやって来たプニャリンと対決する。

土橋 勝征 (どばし かつゆき)

男館親方とおかみさんの息子。土橋佐知子の実の兄。20歳という若さながら、鳶職人として一級品の腕とカンを持つ。関係者からは「カリスマ鳶」と呼ばれ、名だたる現場にひっぱりダコの超売れっ子。それゆえ高給取りなのだが、夫婦そろってギャンブル好き。そのうえ、妻はブランド品にハマり、土橋勝征自身もクルマが趣味のため出費がかさんでいる。 食費にも困るほど経済的に困窮しており、1000万円を超える借金がある。娘の理梨依をダシにして、プニャリンに金をせびっている。3年前は、暴走族ジーザス・ボンバーの総長を務める筋金入りのツッパリだった。プニャリンもかつてその暴走族の一員であり、とてつもないケンカの強さを誇っていた。力士になりたくない勝征の策略で、プニャリンは男館部屋に入門することになる。

夕子 (ゆうこ)

土橋勝征の妻で、年齢は20歳。ヤンキーっぽい外見をしている。夫は売れっ子の鳶職人で高給取り。しかし、夕子がブランド好きなうえ夫婦そろってギャンブル好きのため、生活は苦しい。夫と娘の理梨依の3人でアパートで暮らしている。

理梨依 (りりい)

土橋勝征と夕子の娘。まだヨチヨチ歩きの可愛い女の子。年齢は2歳。両親がプニャリンに金をせびる際に利用されており、プニャリンに「お金貸して」と言ったり、奥の手として「プニャリンお金ちょうだい」と顔をなめたりする。また、必殺「孫攻撃」として、祖父の男館親方には、「じーたんお金ちょうだい」と言わされたり、奥の手として「ジジイ金出せ」と、男館親方の足にケリを入れたりさせられている。

古田 (ふるた)

男黄山の祖父。カウボーイのような恰好をしたおじいさん。古田石油の初代社長を務めていた。北海道に東京23区が入るほどの広大な牧場を持つ。その敷地内の3か所から原油が出たため古田石油という会社を興し、初代社長に就任した。孫の男黄山こと古田敦也を可愛がっており、早く三代目社長に就任させたいと考えている。

駄羅須 (だらす)

男黄山の父親。古田石油の二代目社長で、年齢は36歳。名誉欲にかられて、石油業と牧場以外にリゾート開発にまで手を広げており、初代社長で父親でもある古田からは快く思われていない。引退する気はさらさらなく、まだまだ息子の男黄山に社長の座を譲るつもりはない。

権造親方 (ごんぞうおやかた)

2人の横綱と2人の大関を擁する相撲界の名門・権造部屋の親方。頭は薄いが、全身が毛深い45歳の男性。体毛が伸びるスピードが異常に速く、全身を剃ってツルツルにしても、1時間後には毛深い姿に戻っているほど。権造親方が剃り落とした体毛をチャンコに入れて食べた力士は、全身がすぐに毛深くなることが判明する。

山部 太 (やまべ ふとし)

権造部屋に所属する序二段の力士。年齢は21歳。大相撲をデータで解析することに長けている。権造親方から、権造部屋の最大のライバルであるプニャリンの弱点探しを依頼される。解析の結果、プニャリンが体毛の濃い力士に弱いことを突き止める。

石堂 (いしどう)

CMディレクターの男性。ロン毛にサングラス、口髭と顎鬚を生やし、タラコ唇のいかにも業界人風の風貌をしている。プニャリンが出演する、プニプニマシュマロというお菓子のテレビCMで、ディレクションを手掛けることになる。石堂本人はアート志向で、子供向けのCM作りにやる気を見せないが、プニャリンの提案したアイデアに芸術性を見出し、CMを完成させる。

飯田 哲也 (いいだ てつや)

巨漢の小学生の男の子。石井二美男が所属するプロ野球チーム「神宮ハムスターズ」が、選手の養成機関として結成することになったユースチームに選出される。120km近いスライダーを投げ、二美男を空振りさせた。リトルリーグとシニアリーグで世界を制した後、甲子園を制し、巨人に2億で自分を買ってもらうという野望を抱く。ませた少年で、スカウトの男性にねだって、巨乳もののアダルトDVDやプニャリンのトレカを手に入れる。

あづま 雅 (あづま みやび)

人気漫画家の男性。漫画雑誌「月刊少年ヴォーカル」で、「爆突モン四郎」という空手漫画を執筆している。もじゃもじゃ頭に丸眼鏡をかけて、太っている。執筆する際は登場人物になりきることが多く、ヒロインと同じ格好をして悶えながら描くこともある。アシスタントはヤンキーばかりで原稿の上がりが遅く、いつも担当の編集者の稲葉篤紀をやきもきさせている。 しかし、本気を出すとものすごい執筆スピードで、一瞬で原稿を完成させることができる。実はプニャリン本人。

稲葉 篤紀 (いなば あつのり)

人気漫画家・あづま雅の担当編集者。セミモヒカンの髪型で唇の厚い男性。担当漫画の「爆突モン四郎」の原稿を受け取るのにいつも苦労している。プニャリンのファンなのだが、あづま雅の正体がプニャリンであることに気づいていない。

若松 勉 (わかまつ つとむ)

私立つばめ学園高等学校に通う男子。生徒からは「つばめ学園のウラ番」と呼ばれ、ツトム組というグループを結成して、文化祭の売上金を巻き上げるなどの悪さをしている。長髪を後ろでしばり、「日本一」と書かれたハチマキをしめ、水着姿の女子生徒をはべらせている。空手をたしなんでおり、文化祭でのトラブルでプニャリンの顔面に渾身の蹴りを入れるものの、逆に骨折してしまう。

若松 徹心 (わかまつ てつしん)

フルコンタクトで地上最強を謳うケンカ空手「若松流」の代表。「ブッダハンド(仏の手)」の異名を持つ男性。若松勉の父親でもある。息子に怪我を負わせたあづま雅を東京総本部の道場に呼び出した。世界最強を謳う若松流よりも、あづま雅が漫画で描く爆突拳のほうが上だという言葉を受け、勝負を挑むが敗れる。

真中 満子 (まなか みつこ)

人気女性漫画家。「月刊少年ヴォーカル」という漫画雑誌で、「ボクサーみつを」というボクシング漫画を執筆している。年齢は24歳だが、公称18歳の自称・美少女まんが家。プニャリンの大ファンで、取材して「実録プニャリン物語」を執筆したいので、連載を2週間休ませろと編集部に迫る。同じく「月刊少年ヴォーカル」で人気を二分する「爆突モン四郎」の作者・あづま雅のことを、オタク作家と毛嫌いしている。 興奮すると服を脱ぐクセがある。

(あずま)

プニャリンが「どす子」と呼ばれていた中学時代、所属していた漫研の部長を務めていた男性。ハンサムで、プニャリンが一目ぼれした。プニャリンが描いた美少年のイラストを見て天才だと絶賛し、漫研に勧誘した。その後も漫画の描き方をプニャリンに熱心に指導し、投稿用の作品を完成させる。

めぐみ

東の彼女で中学生。一子相伝の地上最強拳法を自称する「爆突拳」の師範である父親の爆突五郎から、中学を卒業したらすぐに結婚して、爆突拳の継承者となる子供を産むように言われている。東と歩いているところを不良に絡まれ、車で拉致されそうになったが、プニャリンに助けられた。

爆突 五郎 (ばくとつ ごろう)

一子相伝の地上最強拳法を謳う「爆突拳」の師範。ボサボサの髪に口髭を生やし、丸眼鏡をかけた男性。娘のめぐみに、中学を卒業したらすぐに結婚して、爆突拳の継承者となる子供を産むように強いる。めぐみの彼氏である東には、早く娘と既成事実を作るよう迫る。殺気を消して赤ん坊のように泣き叫び、油断した相手ののど元に飛び込む秘技・ベビーショッキングを使う。 プニャリンが、その秘技を見よう見まねで出してみたベビーショッキング返しに惚れこみ、弟子にとる。これがきっかけで、のちにプニャリンは漫画家・あづま雅として「爆突モン四郎」という空手漫画を執筆することになる。

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