デモンズプラン

デモンズプラン

悪魔が現れ、何でも願いを叶えてくれるという「悪魔の設計図」が存在する世界を舞台に、真の「悪魔の設計図」から選ばれ、悪魔として生まれ変わった少年たちの苦闘を描いたダークファンタジー。「週刊少年ジャンプ」誌上で2016年51号から2017年12号にかけて掲載された。

正式名称
デモンズプラン
ふりがな
でもんずぷらん
作者
ジャンル
ダークファンタジー
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概要・あらすじ

悪魔を呼び出し、何でも願いを叶えてくれるという「悪魔の設計図」。その権利を得ることを夢見ながら、肉体労働に従事していた少年・ボロと友人のカルロスは、約10年の歳月を経て、ついに挑戦料の100万ワッツを貯めることに成功する。しかし、2人の話を聞きつけた保安官によって、ボロとカルロスはベノトン邸で起きた、身に覚えのない窃盗事件の罪をなすり付けられてしまう。

ボロをかばって罪を一手に引き受け、留置所で死刑を宣告されたカルロスは、そこで「悪魔の設計図」がベノトンの作ったガラクタに過ぎず、挑戦者から金を巻き上げる詐欺であるという衝撃の事実を知らされるのだった。カルロスの連行を知ったボロはすぐさま保安局へと駆けつけるが、そこで見たのは醜い大人への怒りから生まれた「破壊欲」によって真の「悪魔の設計図」に選ばれ、悪魔へと生まれ変わってしまったカルロスの姿だった。

世界から腐った人間を根絶やしにし、ボロをハッピーエンドへと導こうとするカルロスの手を振り払い、親分として彼の野望を必死に食い止めようとするボロ。その「守護欲」を「悪魔の設計図」に魅入られたボロもまた、悪魔として生まれ変わる。

謎の男・パトロンとともに虚空へと消えたカルロスを追って故郷を出たボロは、彼を探す旅を始めるのだった。

登場人物・キャラクター

ボロ

ダンピングタウンに住んでいる孤児。船の積荷の荷降ろしで生計を立てている少年。幼い頃に盗みを働き、リンチされていたカルロスを救ったことが縁となり、彼を守る「親分」となった。明るく真っ直ぐな性格をしており、雇い主の社長や労働者からの信頼はとても厚い。一緒に暮らしているカルロスは、守るべき存在であり、かけがえのない親友でもある。 富豪のベノトンが所持する「悪魔の設計図」で願いを叶え、王様になってカルロスと楽しく暮らすことを夢に見ていた。しかし、「悪魔の設計図」の挑戦料である100万ワッツを貯めたその日に、無実の罪を保安官から着せられて運命が暗転。真の「悪魔の設計図」に選ばれ、悪魔となったカルロスの世界征服の野望を止めようとした際に、命を捨てて他者を守ろうとする「守護欲」を「悪魔の設計図」に見出され、自身も悪魔へと生まれ変わってしまう。 その後は、行方をくらましたカルロスを追い、ダンピングタウンから旅立つことになった。自らの流した血を硬質化させた鎧「赤鎧」を、腕にまとうことができる。例え敵であっても、命を奪うことはしない信念の持ち主。

カルロス

ダンピングタウンに住んでいる白髪の孤児。頭脳明晰で要領が良く、リーダーの資質もある優れた少年。幼い頃にボロに命を助けられており、それ以来ボロを慕い、かけがえのない友人同士として助け合って生きてきた。「悪魔の設計図」の挑戦量である100万ワッツを貯めきったその日に、保安官によって無実の罪を着せられ、ボロをかばって死刑判決を受ける。 そこでベノトンから「悪魔の設計図」が詐欺であることを聞かされ、怒りと憎悪が爆発。卑劣な大人に対する強烈な「破壊欲」に反応した真の「悪魔の設計図」の力で、悪魔として生まれ変わった。ボロをハッピーエンドへと導くため、世界を牛耳る悪辣な人間たちをすべて葬り去ろうとするが、ボロに拒絶されてしまう。 その後は謎の男・パトロンと行動し、あえて彼の求める傀儡として生きていくことになった。破壊欲を満たすための強大な力、「血霧翼」を得ている。本名は「カルロス=ディアローズ」だが、自分から名乗ることは一度もなかった。

パトロン

シルクハットを被ってマントを羽織り、奇妙な仮面で素顔を隠した不気味な人物。性別は不詳。真の「悪魔の設計図」を持っており、「選ばれた者」を求め、世界をさすらっている。悪魔と化したカルロスに肩入れし、彼に付き従って行動していた。人を食った性格をしており、無価値と判断した人間は徹底して嘲笑し、愚弄する。ボロのことを、カルロスが親分と慕う人間にはとても見えない凡夫であると見下していた。 「守護欲」によってボロが悪魔となってからは、彼に対しても興味を抱き、他の悪魔をぶつけてボロのエゴをむき出しにしようとしていた。悪魔となったボロを、腕1本でいなせるほど戦闘能力が高い。実は「知識欲」を司る悪魔で、十愚魔の一席。均衡が保たれていた十愚魔のバランスを崩すために活動していた。

ユースティス=ベルガモッド

「正義欲」を司る悪魔の少年。正義感が強く、不正を許せない性格をしている。ベロニカ=ストレリチアとの戦いで、「自分の守りたいものを守る」と断言したボロの姿勢に心を動かされ、ボロと手を組むために交渉にやって来た。悪魔であるロブリオン=ビリーが治める村の出身。ロブリオンに献上される女性を助けたためロブリオンの怒りを買い、命を奪われそうになった。 その際に、部屋の中にあった「悪魔の設計図」が彼の「正義欲」に反応し、悪魔へと変貌を遂げる。のちにベルベット=グロリオーザとの抗争に敗れたロブリオンが、妹のサラが住んでいる村の近くに逃げ延びたことを知り、サラを守るためにロブリオンを倒そうとする。皆からは「ユース」というあだ名で呼ばれていた。

サルビア

クロスシティで情報屋を営んでいるうら若き乙女。可愛らしい美少女だが、見た目とは裏腹に、ビジネスライクなリアリスト。文無しのボロからカルロス探しを懇願された時にも、取り付く島もなく断っていた。兄が失踪した理由は「悪魔の設計図」にあると考えており、ボロが悪魔であると知った後は、兄を探すためにボロと行動をともにするようになる。

ベロニカ=ストレリチア

「収集欲」を司る悪魔の青年。口紅をつけ、中性的な風貌をしている。各地で収集した数多くの重火器を体内に収納しており、自在に取り出して使うことができる。パトロンの依頼でボロの前に現れ、彼を倒すために体内の武器を総動員していた。手駒として使ったチンピラをあっさり殺害したり、ボロに対して人殺しを勧めるなど、冷酷な性格をしている。 一方で、死んだ婚約者の指を今も持ち続けているロマンチストでもある。

ロブリオン=ビリー

とある地方の領主をしていた悪魔の男性。自分に逆らう者は絶対に許さず、徹底的に追い詰める残虐な性格をしている。自身への献上品である女性を救出しようとしたユースティス=ベルガモッドを、妹のサラごと亡き者にしようとしていた。ベルベット=グロリオーザとの抗争に破れて、サラが住む村の近くに移り住み、ユーティスと決戦することになった。 超再生の能力の持ち主で、ダメージを受けた肉体を自在に再生できるうえ、腕を増やして攻撃力を増幅させられる。

ベノトン

ダンピングタウンに住んでいる富豪の男性。悪魔が現れ、何でも願いを叶えてくれるという「悪魔の設計図」を所持し、1回100万ワッツの挑戦料で、定期的に挑戦者を募っていた。しかし、それらはすべてガラクタとサクラを使った詐欺であったため、それを知ったカルロスの憎悪と「破壊欲」を呼び覚まし、悪魔となったカルロスに殺害されてしまう。

サラ

愛らしい風貌をした女性。ユースティス=ベルガモッドの妹。村長の息子との結婚を間近に控えていたが、ユーティスが領主のロブリオン=ビリーを怒らせたため恋人と故郷を失い、今では別の場所でひっそりと暮らしている。

保安官 (ほあんかん)

ダンピングタウンで街の治安を維持する警察組織の男性。ベノトン邸で窃盗事件が発生した際に、ボロとカルロスに罪をなすり付け、犯人に仕立て上げていた冷血な悪徳者。悪魔となったカルロスによって殺害されてしまう。

社長 (しゃちょう)

ダンピングタウンで小さな会社を経営している男性。ボロやカルロスの雇い主。何かと口やかましいが、とても心優しい性格をしている。悪魔と化したカルロスを追って街を出ようとしたボロに、裏からいろいろ便宜を図ってくれていた。

ベルベット=グロリオーザ

「支配欲」を司る悪魔。十愚魔の中でも、生き残りの最有力候補とされている。貴族然とした風貌をしており、多くの悪魔を従えている。冷静かつ好戦的な性格で、ロブリオン=ビリーとの抗争にも打ち勝ち、彼を辺境の地へと追いやっていた。

集団・組織

十愚魔 (どぐま)

強大な10人の悪魔。悪魔同士の戦いで、最後の1人として生き残る可能性が高いとされている。それぞれが力の劣る多くの悪魔を傘下に納め、十愚魔同士でけん制しあっている。思想信条も異なっており、戦いを望む者が3人、戦いを望まない者が3人、中立を保つ者が4人存在し、奇跡的に力の均衡が保たれていた。

その他キーワード

悪魔の設計図 (でもんずぷらん)

悪魔が現れ、何でも願いを叶えてくれるというブラックボックス。富豪のベノトンが所持していたが、それは挑戦者から金をふんだくる詐欺に使われる、ただのガラクタだった。真の「悪魔の設計図」は、人間の欲を糧にし、選んだ人間を悪魔として再構築するもので、パトロンが所持していた。悪魔となった人間は、不老不死の呪いにかかり、同じ悪魔に殺されるか、自分以外のすべての悪魔を殺すかしないと、解放されなくなる。

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