ソウルイーター

ソウルイーター

デス・シティーに存在する専門学校死武専に通う武器と職人たちがデスサイズを目指し、日々、己を強化していく中で、世界を陥れる魔女や鬼神と戦う様を描く。

正式名称
ソウルイーター
ふりがな
そうるいーたー
作者
ジャンル
バトル
関連商品
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世界観

本作『ソウルイーター』は現代社会をベースにしたファンタジー世界を舞台としており、作中の北アメリカに存在するとされるデス・シティーが物語の中心となっている。現実の地球と同じような地名や文化も多いが、中には空を飛ぶクジラ・スカイホエールを狩る猟師や、魔法で動く人形ゴーレムを作る人形技師(エンチャンター)などが存在する。そんな世界で死武専職人武器を育成し、悪人たちのを狩り、世界の「規律」を守るのを目的としている。魔女は自由奔放で悪事を働くことが多いため、死武専とは不倶戴天の天敵同士で、長年争い続けている。また、月はつねに三日月で、月と太陽は両方とも顔が付いている。

あらすじ

魔剣(第1巻~第2巻)

死武専の生徒であるマカ=アルバーンは、死神様武器デスサイズ作りを目指す職人で相棒の魔鎌の少年ソウル=イーターと共に「99人の悪人のと、1個の魔女の魂」を集めていた。マカたちはいつも通り、死神様の集める魂リストに載っている殺人鬼を倒し、その魂を回収していたところ奇妙な子供クロナと出会う。マカはリストに載っていない人間の魂を食らうクロナの行動を見咎めるが、情緒不安定なクロナは彼女の言葉に耳を傾けず、マカに襲い掛かる。圧倒的な実力を誇るクロナに手も足も出ずにマカは追い詰められ、遂にはマカをかばったソウルが重症を負ってしまう。窮地に陥ったマカとソウルであったが、すんでのところでフランケン=シュタインスピリットが駆けつけクロナを撃退するのだった。そして、突如現れた謎の魔女によってクロナは回収され、事件は終焉を迎えた。マカは死武専に帰り、重症を負ったソウルの見舞いをする。落ち込んだマカを見かねた女医はマカを励ます。しかしマカは気づかなかったが、その女医こそクロナを回収した魔女メデューサだった。

妖刀(第3巻)

中務椿死神様から「鬼神の卵」となってしまった兄マサムネの消息を聞き、その討伐の覚悟を決める。「妖刀」であるマサムネは質のいい人間のを求めているため、そのターゲットとなった村へと先回りする椿とブラック☆スターであったが、そこはブラック☆スターの生まれである「星族」に恨みを持つ村だった。星族に仲間を殺された過去を持つ村人たちは、ブラック☆スターを星族だと知ると彼を迫害し排除する。そのことを気にも留めず気丈に振る舞うブラック☆スターだったが、彼を迫害した少年リュウにマサムネが取り憑く。妖刀であるマサムネにあやつられるリュウを助けるため、ブラック☆スターは死力を振りしぼって戦う。そしてリュウの手から妖刀を切り離すと、椿はマサムネと魂の勝負を繰り広げる。魂を妖刀の中の世界に送り込んだ椿は、心と心をぶつけ合う激しい戦いの末、マサムネを打ち倒すことに成功するのだった。

実験(第4巻)

死武専に潜り込んだメデューサは、クロナとの戦いで黒血を取り込んだソウル=イーターに興味を示し暗躍していた。メデューサは罪人であるフリーの脱獄を手伝い、その見返りとしてフリーにソウルたちを襲わせる。一方、ソウルとマカ=アルバーンはささいなきっかけで仲違いしていた。険悪な雰囲気のままフリーに襲われた二人は、足並みがそろわず力を振るうことができなくなってしまう。フリーという強敵を前にしながら力を使うことができない逆境の中、マカとソウルは懸命に戦うが、意地を張れば張るほど二人の足並みは乱れていく。そんな状況の中、中務椿はマカとソウルを叱咤。マカとソウルはお互いへのわだかまりを捨て、パートナーとして手を取り合う。そしてソウルも人知れず黒血のことで悩んでいたが、それを受け入れる覚悟を決めるのだった。ソウルは黒血の力を解放し、マカと共鳴することで新たな力に目覚め、フリーを倒すことに成功する。そしてそのソウルの様子を見て、メデューサは実験は成功だったと人知れず笑みを浮かべるのだった。

前夜祭の死闘(第5巻~第6巻)

人知れず死武専で暗躍するメデューサだったが、彼女の行動を怪しみフランケン=シュタイン死人=バレットは密かに調査を開始する。そして迎える死武専の創立記念前夜祭、活気で華やぐパーティー会場でシュタインはメデューサを問い詰め、彼女の目的がデス・シティーに封印された初代・鬼神であることを突き止める。しかし、メデューサの口から目的を聞き出した直後、死武専の職人武器たちはフリーの放つ魔法でパーティー会場に閉じ込められてしまう。シュタインとマカ=アルバーンたちは、バレットがとっさに機転を利かせてくれたことで会場から脱出することに成功し、仲間たちと共に鬼神復活阻止のため動き出す。シュタインはメデューサと戦い、マカとソウル=イーターはクロナとのリベンジマッチに挑む。マカはソウルを通して黒血の狂気を受け入れ、新たな力を振るう。しかし、それはマカの正気を削る諸刃の剣だった。刻々と正気を失っていく中、マカは黒血を通してクロナとの波長を合わせ対話する。母親から実験材料として扱われ、孤独を強いられてきたクロナの境遇を理解したマカは、クロナに手を差し伸べ友達となる。一方、デス・ザ・キッドたちは先行していたが、一歩間に合わず鬼神復活を許してしまう。復活した鬼神・阿修羅死神様の手から逃れ、何処かへと去って行ってしまうのだった。

体験入学(第7巻)

阿修羅復活に伴い、死神様は各地のデスサイズ死武専に召集し、鬼神に対する対抗手段を整える。一方、マカ=アルバーンと友達になったクロナは死武専に保護され、死武専に体験入学する。人に慣れていないクロナは死武専でもトラブルを巻き起こすが、彼らの仲間として少しずつ輪の中に入っていくのだった。そんな中、鬼神の復活の影響とおぼわしきゴーレムの暴走事件がチェコで起きる。マカとソウル=イーター、クロナはチェコのレーフ村に向かい事件を調査する。ソウと名乗る村人の青年の案内で、暴走事件を引き起こしていた「最古のゴーレム」のもとにたどり着く一行だったが、そこでソウは正体を現し、ゴーレムと共に襲い掛かる。ソウは異端の魔女アラクネ・ゴーゴンの仲間ギリコで、鬼神復活に影響されて彼女たちも行動を開始したのだ。新たな敵の出現に危機に陥る一行だったが、召集されたデスサイズの一人、ジャスティン=ロウの力を借りることで危機を脱することに成功する。

“BREW”波乱(第8巻~第9巻)

アラクネ・ゴーゴンの率いるアラクノフォビアは各地の魔道具を回収し、人々を狂気に染め上げようと行動を開始する。死武専もアラクノフォビアに対抗するため、エイボンの書の一部や永久弾機といった魔道具を回収に乗り出す。新たな敵を前に一致団結する死武専の面々、その中には仲間として認められたクロナの姿もあった。しかしそんなクロナのもとに、阿修羅復活の戦いで死んだと思われていたメデューサが現れる。メデューサに逆らえないクロナは、葛藤を抱えつつもスパイとして死武専の情報を流してしまうのだった。そんな中、魔道具の中でも特別とされるBREWの存在が明らかになる。死武専とアラクノフォビアは、BREWを求めてアラスカ北に存在する「ロスト島」で激闘を繰り広げる。魔道具実験の失敗で特殊な魔力の磁場に包まれたロスト島では連絡すらままならず、長時間の留まることは死を意味する。マカ=アルバーンデス・ザ・キッドブラック☆スターは危険な磁場の中に飛び込み、BREWを確保したモスキートと戦う。三人は力を合わせることでモスキートに勝利するが、磁場の中での活動限界に達し、BREWを奪われたまま島を脱することとなってしまう。一方、辛くもBREWを手に入れたモスキートだったが、手に入れたBREWは故障していたため落胆する。勝負は痛み分けという結果になったが、その陰ではBREWを故障した偽者とすり替え、両陣営をたくみに出し抜いたメデューサが本物のBREWを手にしてほくそ笑むのだった。

内部調査(第10巻~第11巻)

アラクノフォビアとのBREW争奪戦で、死武専フランケン=シュタインが狂気の影響を色濃く受けたことを見て、自分たちの中に裏切り者がいるのではないかと考え始める。死神様は内部調査官のB・Jを呼び、仲間たちを一人ひとり調べ始める。その中でマリー・ミョルニルの体内に魔女の痕跡を発見し、これがシュタインに悪影響をもたらした元凶と判断。B・Jはマリーと接触のある死武専内部にスパイがいることを確信する。B・Jは調査と同時に、マリーと本音で語り合い過去のわだかまりを解消する。長年のわだかまりがなくなったことで自らの才能を開花させるB・Jだったが、B・Jは新たに目覚めた「超・魂感知能力」でデス・シティーに七人の魔女が入り込んでいるのに気づき、その直後、何者かに殺されてしまう。シュタインはB・Jの殺人事件現場に彼のタバコの吸殻があったことと犯行時刻にアリバイがないことから、B・J殺害の第一容疑者となる。シュタインが何者かにハメられたと察した死武専の面々は、シュタインを捕まえる振りをして彼にマリーを託し、逃がすのだった。一方、マカ=アルバーンはある日、偶然、クロナが魔女と会話しているのを見かける。翌日、マカは直接話を聞こうとクロナの部屋を訪れるが、そこはすでにもぬけの殻だった。BREW争奪戦で力不足を感じたブラック☆スター中務椿も死武専を休学して姿を消し、死武専の面々はバラバラになっていく。

取り引き(第12巻)

B・Jが死の間際につぶやいた「七人の魔女」という言葉を聞いたメデューサは、自分たち以外の魔女デス・シティーに入り込んでいることを知る。その情報を調べ上げたメデューサは死武専に取り引きを持ちかける。メデューサはキム・ディールたちをはじめとした潜り込んだ魔女の情報、本物のBREW、そしてアラクノフォビア本拠地であるババ・ヤガーの城の場所を教える見返りに、アラクノフォビアとの決戦での指揮権を求める。メデューサの申し出に難色を示す死神様だったが、アラクノフォビアを倒すため取り引きを受け入れ、死武専とメデューサ一派の共同戦線が誕生するのだった。

ババ・ヤガーの城攻略戦(第12巻~第15巻)

ババ・ヤガーの城はアラクネ・ゴーゴンの魔法によって厳重に守られているため、少数精鋭で潜入して攻略することになった。メデューサの指揮のもと、マカ=アルバーンデス・ザ・キッドをはじめとした死武専の面々が城に潜入し、アラクノフォビアの幹部たちと戦う。一方、旅から戻って来たブラック☆スターは武人として生きることを決意。正面突破でババ・ヤガーの城に攻め込み、ミフネと激闘を繰り広げるのだった。各々が全力を尽くすことで城の守りは消失し、マカとソウル=イーター、メデューサはアラクネのもとにたどり着く。マカはアラクネと戦おうとするも、アラクネは身体を捨て去ることで、狂気と一体化し、世界中に自分の存在を感染させようとする。実体がつかめないアラクネに成す術がないと思われたマカであったが、ソウルの機転でアラクネの能力を逆に利用することでアラクネを追い詰め、そのを刈り取ることに成功するのだった。勝利して、一息つくマカとソウルだったが、メデューサは彼らの目を盗み、アラクネの肉体をかすめ取る。抜け殻となったアラクネの肉体を乗っ取ることがメデューサの目的だったのだ。目的を果たしたメデューサは、意気揚々と去る。またキッドもモスキートとの戦いで遭遇した謎の男に捕まり、消息不明となってしまうのだった。

黒羽VS白羽(第16巻)

密かにB・J殺害の犯人を捜していたフランケン=シュタインとマリー・ミョルニルは、デスサイズジャスティン=ロウこそが犯人だと突き止める。だがジャスティンは魔道具を使って逃げ出してしまい、シュタインはその事実を死武専に伝える。デス・ザ・キッドを捕まえた男と同じように魔道具をあやつる者たちが暗躍しているのを危惧した死武専は、マカ=アルバーンたちを中心にした死武専若手精鋭部隊スパルトイを結成する。マカとソウル=イーターは「99個の人間のと1個の魔女の魂」を集め終わる。そして仕上げにアラクネ・ゴーゴンの魂を喰らうことでソウルは遂に正式なデスサイズとなるのだった。ソウルをデスサイズにするという一つの目標を達成したことで気が抜けるマカだったが、ほどなくしてマカの能力を危険視したゴフェルの襲撃を受ける。マカは襲撃をきっかけにして気を引き締め、新たな力・飛行能力を身につける。ゴフェルを撃退し、マカは彼の言葉から裏にはノアと呼ばれる存在がかかわっていることを知る。 

Salvage~サルベージ~(第17巻~第19巻)

それぞれ調査を続けるうちに、デス・ザ・キッドエイボンの書から救い出す方法を見つけたスパルトイの面々は、捕まえた魔女たちの力を借り、写本とエイボンの書を魔法でつなげ、本の中の世界に潜り込む。スパルトイはエイボンの書の中の世界を目次に案内されながら旅し、遂にキッドの囚われている「異章」にブラック☆スターを送り込む。しかしそこで待ち受けていたのは、狂気に染まったキッドの姿だった。力の支配者によって力を与えられたキッドは、完全な「規律」である「無」を世界にもたらそうとする。そんなキッドとブラック☆スターは戦い、彼を諭して正気を取り戻させる。力の支配者は戦いの中で力と向き合ったキッドと☆スターから、力に対する「答え」を聞き、彼らに忠告と期待の言葉を送り、本の外へと送り出すのだった。キッドたちはエイボンの書の持ち主であるノアの居場所に送り込まれ、彼と戦う。死神として覚醒し始めたキッドは、父親から受け継いだ神の力を解放し、ノアを打ち倒すのだった。

狂血(第20巻)

ノアBREWを手に入れるため、エイボンの書目次が生み出した存在だった。目次は目的を達成したことを喜び、新たなノアを生み出して暗躍し始めるのだった。一方、メデューサによって黒血を成長させられたクロナデスサイズの一人、ツァーリ・プーシュカと戦う。ツァーリとの戦いの中でクロナの黒血は狂血となり、クロナは狂血でツァーリを飲み込み殺害する。そしてメデューサはクロナに自らを殺させることで、クロナを狂気を振りまく存在として完成させるのだった。マカ=アルバーンソウル=イーターは運ばれたツァーリの遺体を見たことで、クロナの狂気に感染し、ソウルが正気を失ってしまう。ソウルはマカたちに襲い掛かるが、狂気と向き合うことでその制御に成功し、正気を取り戻すのだった。クロナの凶行を止めるため、マカとソウルは世界に向けて全開の魂感知を発動。マカの魂感知能力は世界中に響き渡り、結果、クロナは見つけられなかったが、阿修羅が月にいることを突き止めるのだった。

月へ(第21巻~第24巻)

阿修羅が月にいることを突き止めた死武専は、デス・ザ・キッドデスサイズをはじめとした総力を挙げて月へと向かう。死武専は魔道飛空挺で月に上陸しようとするが、道化師の大群に阻まれ危機に陥る。キッドたちは数多の犠牲を出しながら道化師に反撃するが、鬼神の力で無限に再生する不死身の道化師たちを前に次第に劣勢になっていく。さらにそこに新たな勢力まで加わり、月は死武専鬼神ノアクロナの四つ巴の戦いとなる。この状況を打開するため、死神様魔女との和解を決定。キッドを月から呼び戻し、魔女との交渉へと向かわせる。魔女たちは死武専への強力に難色を示すが、キッドの必死の呼びかけに応え、道化師討伐に力を貸す。道化師は魔女のソウルプロテクトによって復活を封じられ、援軍に駆けつけたスパルトイの力もあり全滅する。その頃、月の奥で鬼神、クロナ、ノアが対峙する。クロナはノアと鬼神を飲み込み、道化師を倒したキッドたちの前に姿を現す。クロナは狂気の力でマカ=アルバーンたちのの波長を狂わし、共鳴を封じる。しかし、マカとスピリットの親子の絆の前に敗北するのだった。心に動揺が生まれたクロナは、その瞬間、鬼神に飲み込まれてしまう。

The LAST symphony of SOUL EATER(第25巻)

阿修羅が復活したことで戦いも終盤を迎える。傷ついた仲間たちは撤退し、デス・ザ・キッドマカ=アルバーンブラック☆スターと相棒の武器たちが鬼神と戦う。鬼神は自身も死神様から生まれた存在であることを明かし、キッドたちの在り方を批判する。しかし、キッドは父親の真意を理解し、前に進むことを決意。キッドは遂に死神として真の覚醒を果たす。一方、マカとソウル=イーターは勇気を胸に、鬼神の狂気と向き合い、その中にいるクロナと対話する。マカと和解したクロナも友達のため力を貸す覚悟を決める。各々ができる全力を果たすことで、狂気うずまく戦場は終わりを迎える。

作風

本作『ソウルイーター』は死神や魔女が登場するホラーチックな作品だが、キャラクターのコミカルな言動により、独特の作風を生み出している。不気味で陽気なハロウィンのような雰囲気で、作中では「殺伐だけどウキウキライフ」と評している。話の根本には「狂気」と「規律」が存在し、基本的にポップ感あふれる絵柄だが、狂気的な世界を描く際には画風が変わる。特に狂気に翻弄されるクロナの内面を掘り下げる際には、子供の描いたラクガキのような画風でスプラッタでグロテスクな絵柄となり、狂気的な世界を演出している。

関連商品

2008年12月22日にはアニメ化に伴って当時の既刊13巻までの内容を解説した『ソウルイーター超ガイドブック HOW TO MAKE DEATHSCYTHE?』がスクウェア・エニックスより出版されている。また『ソウルイーター』のイラストを多数収録した大久保篤の画集『SOUL EATER SOUL ART』が2009年3月21日に同じくスクウェア・エニックスより出版されている。

メディアミックス

TVアニメ

2008年4月7日から2009年3月30日にかけて、本作『ソウルイーター』のTVアニメ版が毎週月曜18時にテレビ東京系列で放送された。制作はボンズが担当している。また2008年4月10日の深夜より、新たな映像を追加した『ソウルイーターレイトショー』も放送開始、2009年4月2日まで放送された。2010年9月30日から2011年3月31日にかけては、2011年にBlu-ray BOXが発売されることを記念して、テレビ東京系列で毎週木曜日18時より『ソウルイーター リピートショー』の名で再び再放送が行われた。『ソウルイーター リピートショー』ではオープニング、エンディングテーマが新規の物に差し替えられ、一部エピソードの放送順番が異なるなどの変更が行なわれている。マカ=アルバーン役を小見川千明、ソウル=イーター役を内山昂輝、ブラック☆スター役を小林由美子、中務椿役を名塚佳織、デス・ザ・キッド役を宮野真守がそれぞれ演じている。アニメ化に合わせ、マカ役の小見川千明がコミックス第13巻の巻末おまけ漫画「あつし屋」に登場。その際には小見川千明本人の希望で「目の病んだカッパ」の姿で登場した。

ゲーム

本作『ソウルイーター』のゲーム版がTVアニメの放送に合わせて販売されている。2008年9月25日にはWii用ソフトとして『ソウルイーター モノトーン プリンセス』がスクウェア・エニックスより発売。『ソウルイーター モノトーン プリンセス』のキャストはTVアニメに準拠で、ゲーム内のアニメはTVアニメと同じくボンズが制作を担当。また大久保篤がデザインしたゲームオリジナルキャラクターも登場する。2008年10月23日にはニンテンドーDS用ソフトとして『ソウルイーター メデューサの陰謀』がバンダイナムコゲームスより発売されている。2009年1月29日にはPlayStation Portable、PlayStation2用ソフトとして『ソウルイーター バトルレゾナンス』がバンダイナムコゲームスより発売されている。

WEBラジオ

アニメイトTVで2008年7月11日から2009年8月14日まで『SOULEATER RADIO 死武専共鳴放送局』のタイトルで、『ソウルイーター』のWEBラジオが放送された。マカ=アルバーン役の小見川千明、ソウル=イーター役の内山昂輝がそれぞれ「マカSide」「ソウルSide」と別々のSideでグループを作り、交互に放送する形態を取っている。

登場人物・キャラクター

マカ=アルバーン (まかあるばーん)

死武専に通うデスサイズの職人を目指す少女。ベージュ色の髪をツインテールにしている。まじめな性格だが怒ると柄が悪くなり、本の背表紙で相手を殴りつける「マカチョップ」を繰り出す。父親はデスサイズであるスピリットで、父親はマカを溺愛しているが、彼女の方は、彼が女癖が悪いために母親と離婚したことを嫌ううえに、反抗期であることが重なり、辛らつな態度を取っている。ソウル=イーターとコンビを組み、彼をデスサイズにすべく悪人の魂を刈る。職人としての実力は高く、一度は99個の悪人の魂を集め、ソウルをデスサイズにする一歩手前まで来るが、魔女と間違えてブレアの魂を刈ったことで一からやり直しとなる。その後は、フランケン=シュタインの補習授業を受けるうちにメキメキと実力を伸ばしていく。特に魂感知能力は熟練の職人なみの腕前に育ち、B・Jに次ぐ感知能力を得る。5000万人に一人といわれる「天使型(エグリゴリ)」の魂を持ち、狂気を退ける「退魔の波長」も持っているため、魔女や道化師との戦いでは大きな力を発揮する。のちに鎌職人伝統の大技「魔女狩り」を身につけ、それをベースに「魔人狩り」「鬼神狩り」を編み出す。アラクネ・ゴーゴン討伐後、ソウルがデスサイズになって以降はソウルと協力することでアラクネの能力と飛行能力が使えるようになった。またアラクネの力を手に入れたことで「魂の瞑想曲」を使えるようになる。

ソウル=イーター (そうるいーたー)

マカ=アルバーンのパートナーの白髪の少年。武器としての姿は魔鎌で、死神様の武器であるデスサイズになることを目指し、死武専に通っている。「COOLな男になる」を信条に活動しているが、皮肉屋でひねくれた性格をしているため、マカとはよく衝突している。一度は99個の悪人の魂を集め、デスサイズになる一歩手前まで来るが、魔女と間違えてブレアの魂を刈ったことで一からやり直しとなる。その後は、フランケン=シュタインの補習授業を受けるうちにマカと共に成長していく。クロナとの初遭遇時、クロナの黒血を取り込む。それ以降は心象風景を具現化した「ブラックルーム」で、ソウル=イーターの狂気の象徴ともいえる小鬼とたびたび遭遇する。狂気に誘う小鬼の誘いをかたくなに拒んでいたが、二度目のクロナとの戦いでマカの願いを受け入れ、狂気の力を使う。狂気の力を使う際には、ブラックルームにあるピアノで曲を奏でることで黒血を操作する。狂気と触れ合ううちに次第に狂気に向き合い、ソウル自身の根源を受け入れるようになっていく。「ソウル=イーター」は武器として活動するための通り名で、本来の名は別にある。「エヴァンス」という音楽家の家系に生まれ、兄のウェスは天才的なヴァイオリストだった。自分は兄のようになれないと劣等感を抱いて生きてきたが、自身に武器の才能があることに気づき、家から抜け出した。その際に名を捨てけじめをつけたつもりだが、今もそのことが心の中でしこりになって残っている。アラクネ・ゴーゴン討伐後、デスサイズとなる。その後、クロナの痕跡を追ううちに狂気に飲み込まれるが、あるがままの自分を受け入れたことで狂気にも揺れない確固とした精神を確立する。

ブラック☆スター (ぶらっく☆すたー )

死武専に通う暗器職人の少年。水色の髪をツンツンととがらせている。魔暗器の中務椿とペアを組む武道派の職人。性格はお調子者で「神を越える男になる」と豪語している。自己主張が激しく自己中心的な言動が目立つが、ひたむきな努力家で、ふだんでかいことを言っているのも自分を追い込むため。ただし、勉強だけはどれだけ努力しても結果を出せない模様。魂の回収率も悪く、行く先々でトラブルを引き起こしている。「星族」の生き残りで、赤ん坊の頃、シド・バレットこと生前の死人・バレットに保護され死武専に身を寄せる。ミフネとの戦いで、一度目は勝利を拾うも、二度目は本気を出したミフネに完膚なきまで敗北する。その後、BREW争奪戦でも敗北を重ねたことで精神的に追い詰められる。その後は一時期、死武専を離れ椿の実家に身を寄せる。中務家で「中務の意思」と対話し、志半ばで散っていった者たちの遺志を継ぎ、「武神」になることを決意する。ミフネとの三度目の戦いでは武人として対峙。激しい剣戟の末、ミフネを打ち破る。もともと、体術に関しては高い実力を持っていたが、ミフネ打倒後は死武専でも最強と謳われるほどの実力となる。その後も腕を磨き、ビームを素手でつかんだり、武器の力を借りずに自力で浮遊したりと能力が人間離れしているため、周囲から本当に人間か疑問に思われ始めている。またミフネの遺志を汲み、アンジェラ=レオンのことを気にかけている。

中務 椿 (なかつかさ つばき)

ブラック☆スターとペアを組む黒髪の少女。武器としての姿は魔暗器で、忍者刀、煙球、鎖鎌、手裏剣、変わり身の5種類の暗器に変形できる「多変型高性能武器」。スタイルがよく、水浴びをよくブラック☆スターに覗かれている。柔和で優しく、人に対して一歩譲る謙虚な性格をしている。しかし、その態度が兄マサムネに劣等感を抱かせ、狂気に走らせる原因となった。兄との対決で本音で語って以降は、ただ相手に譲るだけではなく自分の主張を語る確固とした強さを見せるようになる。また兄の力を受け継いだことで、「妖刀」モードという新たな力を手にしたが、消耗が激しくブラック☆スターも当初は使いこなせなかった。二度目のミフネとの戦いでブラック☆スターが完敗したあとは、自信喪失したブラック☆スターを自らの故郷に誘う。実はアラクネ・ゴーゴンに作り出され、アラクネを裏切った魔武器の直系一族「中務家」の末裔で、中務椿の精神世界には歴代の中務家の無念の集合体ともいえる「中務の意思」が存在する。椿の故郷でブラック☆スターが中務の意思と対話。ブラック☆スターが「武神」になる意思を見せ付けたことで中務の意思の力を受け継ぐ。その後は武器としての性能が大幅に強化され、ブラック☆スターの武人としての成長も合わさり死武専でも屈指のペアとなる。

デス・ザ・キッド (ですざきっど)

死神様の息子。完璧主義者で、服装もフォーマルなもので統一し、上品な身だしなみをしている。髪は黒いが、左側部分に白いラインが三つ走っている。非常にナイーブな性格をしており、「左右対称(シンメトリー)」であることにこだわる。そのこだわりは常軌を逸しており、左右対称じゃない物を見るだけで気分が悪くなったり、敵が左右対称なため攻撃できなくなったりするほど。能力は高く、性格もまじめだが、このこだわりのせいで仕事を失敗することもしばしばある。当初は死武専の生徒ではなかったが、フランケン=シュタインの補習授業後、死武専の生徒として編入される。職人で戦闘では相棒のパトリシア・トンプソン、エリザベス・トンプソンの二人を二丁拳銃にして戦う。死神様の「断片」で、同じ断片である阿修羅とは兄弟のような関係。阿修羅が鬼神になったことから、死神様にあえて、迷い、悩み、恐怖する未熟な存在として作られた。旧支配者の「規律の狂気」の影響を受けており、左右対称にこだわるのもその一環。死神様から多くを知らされず、一時は父親に対して懐疑心を抱くが、仲間たちとの交流で人間と父親を信じ抜く覚悟を決め、「真の死神」として覚醒し始める。

エリザベス・トンプソン (えりざべす とんぷそん)

パトリシア・トンプソンの姉。妹と共にデス・ザ・キッドの武器となり、トリオを結成している。「リズ」の愛称で呼ばれる。金髪ロングヘアの女性で、神経質なキッドや破天荒な妹を相手に振り回されることが多い。日常的に魂と触れているが、お化けが苦手で、お化けを見るとふだんの強気な態度が鳴りを潜め、悲鳴を上げて逃げまどう。フランケン=シュタインの補習授業後、キッドと共に死武専の生徒として編入される。ストリートチルドレンだった過去があるため、その言動には打算的な面も多々あるが、キッドと妹に向ける親愛の情は本物。キッドが行方不明になった際には大きく動揺し、彼を救うため尽力した。武器としての姿は38魂径(こんけい)の拳銃で、パトリシアとは二人一組の二丁拳銃。実弾ではなく、圧縮した「魂の波長」を撃ち出す。「死刑執行モード」になるとチャージに時間が掛かるが、威力の大きい一撃を放てる。ババ・ヤガーの城での戦いではキッドの死神としての成長に伴って38魂径から42魂径に変化した。

パトリシア・トンプソン (ぱとりしあ とんぷそん)

エリザベス・トンプソンの妹。姉と共にデス・ザ・キッドの武器となり、トリオを結成している。「パティ」の愛称で呼ばれる。金髪をミディアムヘアにした少女で、天真爛漫で無邪気な性格をしている。フランケン=シュタインの補習授業後、キッドと共に死武専の生徒として編入される。ブラック☆スターといっしょによくイタズラをしては周囲を振り回している。勉強は余り得意ではなく、テストの時間もアートを作って遊んでいた。ふだんは明るく陽気に振る舞っているが、ストリートチルドレンだった過去から時々、ドスの利いた言動をする。昔は貧しく、敵が多かったため作り笑いが多かったが、エリザベスによれば、キッドといっしょになってからは本当に楽しく笑うようになったという。そのため姉とキッドのことを大事に思っており、キッドが行方不明となったあとは、キッドを助けるため戦闘訓練を受けている。興味のあることに関しては天才肌で、体術は職人顔負けの実力を持ち、銃の腕前はフォームが滅茶苦茶なのになぜか的に当たる。武器としての姿は38魂径(こんけい)の拳銃で、エリザベスとは二人一組の二丁拳銃。実弾ではなく、圧縮した「魂の波長」を撃ち出す。「死刑執行モード」になるとチャージに時間が掛かるが、威力の大きい一撃を放てる。ババ・ヤガーの城での戦いではキッドの死神としての成長に伴って38魂径から42魂径に変化した。

死神様 (しにがみさま)

死武専の最高責任者で、デス・ザ・キッドの父親。デフォルメしたガイコツの仮面をかぶり、黒いマントを身にまとっている。素顔は不明だが、死神様自身は仮面の下にもふつうに顔はあると語っている。サインをする際には英語表記の「Death」と記す。モットーは「殺伐だけどウキウキライフ」で、ひょうきんで間延びした話し方をする。現在の愉快な言動は死武専の子供たちに怖がられないために始めたもので、大昔は殺伐とした恐ろしい存在であり、当時はリアルな怖いデザインのガイコツの仮面をかぶっていた。魔女に対しては未だに内心ではかなり恨みに思っているようで、こと魔女が絡むと、時おり昔の荒れていた頃の口調になる。巨大な力を持つ存在で、その魂はデス・シティー全体を包み込むほど大きい。しかし現在は阿修羅を封印するため、魂をデス・シティーに縫い付けており、町から動けなくなっている。その正体は「規律」の旧支配者、生と死を司る存在で、人を機械のようにただ生きて死ぬだけの無機質な存在にする「規律の狂気」を持つ。ただし人間を信じ、その力を振るわずに過ごしてきた。鬼神を生み出した反省からキッドも敢えて未熟な存在として作り、多くを語らず、キッド自身が学び、知り、決断するように見守っていた。

スピリット

死神様のデスサイズ。大鎌の武器で、数いるデスサイズの中で死神様の武器に選ばれたことから、唯一本当の意味で「デスサイズ」の称号を名乗れる存在であり、死武専内では専ら「デスサイズ」の通称で呼ばれる。赤毛の髪を肩まで伸ばした壮年の男性で、年齢の割りに落ち着きがなく、非常に軟派な性格をしている。娘のマカ=アルバーンを溺愛しているが、女癖の悪さから妻と離婚したため、マカからは嫌われている。マカの母親とコンビを組んでデスサイズになったが、その前はフランケン=シュタインとコンビを組んでいた。シュタインを優秀な職人として認めているが、コンビを組んでいた5年間、知らないうちにシュタインによって人体実験されていたことがトラウマとなっており、強い苦手意識を抱いている。死神様がデス・シティーを離れることができないため、基本的に町に留まることが多いが、有事の際には外に出て戦う。デスサイズに選ばれるだけあり、武器としては非常に優秀で、持ち手の魂を読み取り長所を特化させるのを得意とする。そのため持ち手の職人を選ばず、戦場で職人を転々としながら戦うという曲芸じみた戦い方も可能。クロナとの戦いではシュタインとコンビを組んでクロナを一蹴し、月での戦いではマカとコンビを組み、魂の共鳴が封じられた状態でも親子の絆で魂を共鳴させて戦った。

ブレア

魔女っぽい姿をした猫。猫の時はとんがり帽子をかぶった黒猫で、人間時はグラマラスな美女の姿をしている。猫が強い魔力を持った存在だが、魔女ではないらしく、マカ=アルバーンとソウル=イーターはブレアを倒し、その魂を食べたがデスサイズになることはできなかった。「猫は魂が複数ある」という言葉通り、魂を複数持っていたため、マカとソウルに倒されたあとも生き残っており、ソウルを気に入り、彼らの家に押しかけ居候する。性格は享楽的で自由奔放な性格をしており、その場その場で気ままに行動する。ふだんはデス・シティー内にあるキャバクラで働いているが、時々、死武専の手伝いをしている。「パンパンプキンパンプキン」の呪文で魔法を使い、戦闘の際には「パンプキン砲」という攻撃魔法を使う。

フランケン=シュタイン (ふらんけんしゅたいん)

死武専に務める男性教師。頭に大きなネジが刺さった青年で、白に近い灰色の髪をしている。「ヘラヘラ」と変わった笑い方をする。死武専の中でも最強格とされる職人だが、他人を解剖することが生きがいというマッドサイエンティストで、性格にかなり難がある。スピリットは学生時代の先輩で、彼と5年間、コンビを組んでいた。しかし彼が寝ているあいだにさまざまな人体実験をしていたようで、スピリットからは未だに苦手意識を持たれている。フランケン=シュタイン自身の身体や服も実験に使っているらしく、至る場所に縫い後が存在する。性癖さえ除けば職人としても教師としても優秀な人物で、補習授業以降、マカ=アルバーンたちの担任となり、大人として少年や少女たちを導いている。戦闘では「魂糸縫合」「魂威」をはじめとした体術を駆使して戦う。スピリットとコンビを組んだ際には魔女狩りも使っており、技の引き出しは豊富。本質的にはサディストで好奇心が旺盛な快楽主義者で、狂気の側に近く、メデューサからもスカウトされている。阿修羅復活後は狂気の波長の影響を色濃く受けたうえで、メデューサの工作により一気に狂気の側に堕ちる。理性と狂気の狭間でギリギリ正気を保っていたがこのことを死武専に危惧され、魂を和ませる魂の波長を持つマリー・ミョルニルとコンビを組むこととなる。B・J殺害事件では無実の罪を着せられ犯人にされたため、マリーと共に真犯人を探す旅に出る。マリーと行動を共にするうち惹かれ合っており、のちにマリーとのあいだに子供をもうけた。

死人=バレット (しど ばれっと)

死武専に務める男性職員。現在は故人だが、フランケン=シュタインによってゾンビにされて復活した。生前の名前は「シド=バレット」で、年齢は25歳。生前は最高ランクの三つ星職人で、黒い髪をドレッドヘアにした目つきの鋭い渋めの青年だったが、ゾンビになってからは皮膚は青くなり、顔は痩せこけてガイコツのようになっている。ゾンビになったことを自ら率先してネタにしており、生前の自分を指して「俺は~な男だった」と口癖のように頻繁に使う。生徒たちのことを第一に考え行動する面倒見のいい好人物で、保護されたクロナのことも気にかけ、マカ=アルバーンに面倒を見るように頼んだりしている。戦闘では武器がいなくても戦えるほど高い技量を持ち、死神様の命でたびたび任務に赴いている。教師のほか、死武専の任務では暗殺と潜入任務を主に担当している。阿修羅復活以降は、ミーラ=ナイグスとコンビを組んで行動している。地中に潜る技が使えるため、隠密行動や奇襲攻撃を得意とする。トラップを得意とするミーラとの相性は抜群で、ミフネとも互角に渡り合う技量を持つ。生前、赤ん坊の頃のブラック☆スターを保護し、育て上げた。彼の成長を見守っておりミフネとブラック☆スターの三度目の戦いでも敢えて手を出さず見守った。

ミーラ=ナイグス (みーらないぐす)

死人=バレットの相棒であるナイフ型の武器、人間時の姿は黒い髪をドレッドヘアにした褐色肌の女性。バンダナを身につけ、包帯を巻いて口元や身体の至るところを隠しミイラのような姿をしている。薄着であることが多く、砂漠に向かった際には上半身に包帯をサラシのように巻いただけの姿だった。死武専の職員でバレットと共に諜報活動をしたり、教師として働いたりしている。死武専で授業をする際には包帯を外し、ふつうの格好をしていることが多い。メデューサの正体が発覚した後は、臨時保険医も担当しており、その際にはナースの格好をしている。トラップ設置の達人で、隠密行動を得意とするバレットとの相性は抜群であり、戦闘では息の合ったコンビネーションを見せる。ふだんは余り自己主張をしない冷静沈着な性格だが、キム・ディールが犯罪者扱いされた時は激昂するなど根は生徒思いな人物。

メデューサ

蛇の魔女。目的のためなら手段を選ばない冷酷な人物で、鬼神を人知を超えた進化と考え、その力を手にしようと目論む。そのために黒血を研究し、自分の子供であるクロナに投入。クロナに虐待紛いの実験を行っている。ソウルプロテクトを使って一般人の振りをして死武専に潜り込んでいる。表向きは金髪をショートに切りそろえた美人で、きれいで優しい保険医として同僚や生徒たちから慕われている。「ベクトルアロー」という力の向きをあやつる魔法を得意とし、戦闘では魔法を交えた近接戦闘を得意とする。鬼神・阿修羅復活のため、死武専の創立記念前夜祭に行動を開始。入念な計画で死神様たちを隔離して行動を封じるが、追って来たフランケン=シュタインとスピリットのコンビに激闘の末、打ち倒される。肉体を破壊され魂をバラバラにされるが、魔法で作った蛇にメデューサ自身の魂の残滓を食わせて修復し、デス・シティーに住む少女レイチェル・ボイドの肉体に取り憑いて復活する。アラクネ・ゴーゴンとは実の姉妹だが、肉親の情はなく、利用し合う関係。アラクネが行動を開始した裏で暗躍し、死武専とアラクノフォビアを出し抜きBREWを手にする。その後は、情報とBREWを材料に死武専と交渉し、アラクネを倒すため死武専と共闘する。アラクネとの戦いでは殊勝な態度を見せたが、それらはすべてウソで、メデューサと相性のいいアラクネの肉体を手に入れるのが目的だった。アラクネ討伐後は、レイチェルの身体からアラクネの身体に乗り移り、黒髪の女性の姿となる。人工的に道化師を作り、クロナを強化するなど実験を繰り返す。そして実験の総仕上げとして、クロナに自らを殺させた。

クロナ

魔剣「ラグナロク」を持つ子供で、桃色の髪を不ぞろいに伸ばしている。中性的な顔立ちで修道服のような黒のワンピースを身につけているが、性別は不明。一人称は「僕」。メデューサの実子で、幼い頃からメデューサから黒血の実験のため、精神を追い込まれる虐待を受けていた。ラグナロクからもいじめられているため、内向的でネガティブな性格になっている。極度の対人恐怖症を患っており、人や物と対峙すると「~との接し方が分からないよ」と、とまどう。メデューサの言いなりとなって彼女の求めるまま戦っていた。マカ=アルバーンとソウル=イーターに初遭遇した際も彼らと戦い、ソウルに重症を負わせ、ソウルが黒血に感染するきっかけを作った。阿修羅復活戦ではマカ、ソウルと再び戦う。戦いの中でマカの懸命な呼びかけによって心の壁が取り払われ、マカと友達になり和解。その後は死武専に保護され、多くの仲間たちと絆を育んでいく。しかしその後、生きていたメデューサと再会。彼女に逆らうことができず死武専に対するスパイとなり大きな苦悩を抱えることとなる。B・Jが殺されたあと、死武専を離れてメデューサのもとに戻る。その後は、彼女の実験によって記憶が曖昧になるほど狂気に侵され、メデューサの生み出した人造道化師と「狂気融合」することで黒血の力を爆発的に上昇させるになった。道化師と融合することで、道化師の身体のパーツが身体の至るところから生えた異様な姿となる。腕が3本となり、それぞれの腕が魔剣を持つ。黒血による防御能力に、ラグナロクとの「悲鳴共鳴」によってその戦闘能力は強烈無比。また道化師との融合で使えるようになった「狂血」は対象を狂気に溶かし込み、黒い球にする力を持つ。

ラグナロク

クロナの相棒である魔剣。通常の武器と違い、クロナの体内に流れる黒血に潜んでいる。デフォルトの姿はマスクをかぶった大柄な男性で、クロナの体内から上半身だけ出して行動する。性格は粗野で口が悪く、クロナをいつもいじめている。魔剣状態では刀身の部分に口が現れ、悲鳴を上げることでクロナと「悲鳴共鳴」する。悲鳴によって刀身が高速で振動し、電気ノコギリのような鋭利な切れ味を発揮する。その切れ味は武器形態となったソウル=イーターをたやすく切り裂くほど。また黒血を通じてクロナの身体能力を強化、サポートすることも可能。クロナとは一心同体なためつねに行動を共にしており、阿修羅復活後、クロナが死武専に保護されて以降もいっしょにいる。ただし、保護された際に死神様に魂を没収されたため、姿が大幅に縮み、子供のような姿となった。魔剣としての姿も小振りとなったが能力は健在で、ギリコとの戦いではその戦闘能力の高さを見せつける。クロナの死武専離反後は、クロナと共にメデューサのもとに戻る。メデューサによって強化され、人造道化師と融合することで三振りの魔剣「捺落(ならく)」「不浄(ふじょう)」「暗黒」を展開するようになった。

鬼神 (きしん)

善人、悪人問わず魂を乱獲し、取り込んだ末に成り果てる狂気的な存在を指す言葉。魂の乱獲によってその力は神に匹敵するほど強大となり、さらに力への渇望は狂気に至り、周囲に多大な影響を与える。鬼神の発する狂気の波長の範囲は世界中に及び、鬼神は存在するだけで自身の狂気を周囲に感染させる。また狂気の波長からは道化師が生まれ、彼らも狂気を拡大させていく。阿修羅が自らの恐怖に負けて初代鬼神となって以降、死神様は新たな鬼神が再び現れないために死武専を設立した。鬼神に至るには魂を食べる必要があるため、基本的に鬼神になれるのは武器のみだが、初代鬼神は武器ではないにもかかわらず魂を喰らい続け鬼神に至った。「妖刀」や「魔剣」など鬼神になりつつある存在を「鬼神の卵」とも呼ぶ。メデューサは鬼神を人知を超えた「進化」と考え、鬼神の血液である黒血を研究し、鬼神の力を手に入れようと目論む。

小鬼 (こおに)

ソウル=イーターの精神世界「ブラックルーム」にいる鬼。二頭身の小さな背丈に、黒のダブルスーツを着ている。クロナとの初戦闘で、ソウルにクロナの黒血が取り込まれたことで、以降はソウルの精神世界でたびたび姿を現すようになる。ソウルの狂気が具現化した存在で、ソウルをあの手この手で狂気の世界に誘おうとする。のちにクロナの狂血の黒球に触れた際、ソウルの黒血が活性化し、巨大な姿となってブラックルームに現れる。ソウルが目を背ける過去や本性を突きつけ、彼の心を折ろうとするが、あるがままの自分を受け入れたソウルには通用しなかった。ソウルが狂気に染まらなかったことで巨大な身体がハリボテとなり、元の小さな身体に戻る。阿修羅との最終決戦では、すっかりブラックルームの常連となったソウルを迎え入れる。鬼神との戦いの余波でブラックルームが崩壊する際には、ソウルとの別れを惜しむ言葉を呟きながら部屋の崩壊に飲み込まれていった。

オックス・フォード

死武専に通う槍職人の少年。瓶底眼鏡をかけた勤勉な優等生で、魔雷槍のハーバー・ド・エクレールをパートナーとする。キム・ディールに好意を抱いている。スキンヘッドに、もみ上げだけを上の方向に伸ばして固め、角のようにした奇抜な髪型をしている。オックス・フォード自身はその髪型に誇りを持っているが、周囲からその髪型は不評で、特にキミアールから「キモい」と言われた際には憔悴するほど傷ついていた。相棒のハーバーは雷をまとった槍なため、屋内で迂闊に振り回すと味方に当ててしまうのでその真価を発揮できないが、屋外では「雷王」と呼ばれるほど絶大な力を発揮する。キミアールがアラクノフォビアにさらわれ、洗脳された際には、襲い掛かるキミアールを体を張って説得。自らのもみあげを折って、キミアールに人は変われることを証明し、彼女を正気に戻した。ババ・ヤガーの城での戦いのあとは、スパルトイに所属する。その後、キミアールと距離が近づいたようで、彼女のお願いで頭頂部の髪を伸ばしていた。しかし、阿修羅との決戦の際に気合を入れるため、再びスキンヘッドにもみあげの角を伸ばすヘアスタイルに戻ったため、キミアールのひんしゅくを買っていた。

ハーバー・ド・エクレール

オックス・フォードとペアを組んでいる武器の少年。武器としての姿は雷を放つ槍「魔雷槍」で、穂先の部分が雷のようにジグザグ状になっている。人間時の姿はバイザーを付けた黒髪の少年。冷静沈着な性格をしており、勤勉でまじめだが情熱的で暴走しがちなオックスをフォローしている。ノリの軽い死武専の生徒の中では非常にドライなタイプで、洗脳されて敵に回ったキム・ディールを躊躇(ためら)わず攻撃したり、ポット・オブ・ファイアーとポット・オブ・サンダーの目の前で玩具用の魔道具兵を壊したりしている。ババ・ヤガーの城での戦いのあとは、スパルトイに所属する。スパルトイ所属後は、バイザーを止めてサングラスをかけるようになった。

キリク・ルング

死武専に通う壺職人の少年。褐色肌でドレッドヘアにし、眼鏡をかけている。死武専の生徒たちの中ではデス・ザ・キッド、ブラック☆スターに並ぶ武闘派で高い実力を誇る。一方、勉学は苦手でテストの点数は下から数えた方が早く、頭脳戦は自分の担当外とあきらめている。相棒は双子のポット・オブ・ファイアーとポット・オブ・サンダー。壺である彼らをグローブのように腕にはめ、格闘戦で戦う。陽気で情熱的な性格をしており、音楽が趣味なため、ソウル=イーターとよく音楽の話をしている。その実力を見込まれ、BREW争奪戦以降はアラクノフォビアとの戦いに参加する。ババ・ヤガーの城での戦いのあとは、スパルトイに所属する。実は魂の波長をリズムとして捉え、相手に合わせることができる「万能職人」。ふつうの職人はパートナー以外の武器を扱うのは難しいが、万能職人であるキリク・ルングは初めての武器でも難なく扱え、同時に複数の武器も使える器用さを持つ。このためスパルトイ結成後、デス・ザ・キッドが行方不明のあいだはエリザベス・トンプソン、パトリシア・トンプソンと任務でいっしょに行動し、同時に四つの武器を扱っていた。

ポット・オブ・ファイアー

キリク・ルングの相棒の武器の子供。性別は不明。ポット・オブ・サンダーとは双子で、そっくりな容姿をした褐色の肌を持つ幼児。言葉をしゃべらず、いつもキリクの後ろにいる。無邪気な性格で、サンダーや年の近いアンジェラ=レオンとよくいっしょに遊んでいる。武器としての形状は「火の壺」で、キリクの右手にグローブのように装着されて使われる。炎をあやつる力を持ち、その破壊力は高い。素直で子供らしいところがあり、それが仇(あだ)となってババ・ヤガーの城ではおもちゃの魔道兵に目を奪われ、遊びに行って武器を解除してしまう失敗をした。ババ・ヤガーの城での戦いのあとは、キリクと共にスパルトイに所属する。大地と交信する力を持つ「大地の祈禱師」で、高い捜索能力を持ち、メデューサの捜索を担当している。メデューサの生み出した人造道化師との戦いでは、キリクとキム・ディール、トンプソン姉妹で「共鳴連鎖」を行い大地の祈禱師としての力を覚醒。その際には炎をまとった男性のような姿となった。

ポット・オブ・サンダー

キリク・ルングの相棒の武器の子供。性別は不明。ポット・オブ・ファイアーとは双子で、そっくりな容姿をした褐色の肌を持つ幼児。言葉をしゃべらず、いつもキリクの後ろにいる。無邪気な性格で、ファイアーや年の近いアンジェラ=レオンとよくいっしょになって遊んでいる。武器としての形状は「稲妻の壺」で、キリクの左手にグローブのように装着されて使われる。雷をあやつる力を持ち、その破壊力は高い。素直で子供らしいところがあり、それが仇となりババ・ヤガーの城ではおもちゃの魔道兵に目を奪われ、遊びに行って武器を解除してしまう失敗をした。ババ・ヤガーの城での戦いのあとは、キリクと共にスパルトイに所属する。大地と交信する力を持つ「大地の祈禱師」で、高い捜索能力を持ち、メデューサの捜索を担当している。メデューサの生み出した人造道化師との戦いでは、キリクとキム・ディール、トンプソン姉妹で「共鳴連鎖」を行い大地の祈禱師としての力を覚醒。その際にはフードをかぶった女性のような姿となった。

キム・ディール

死武専に通うランプ職人の少女。ジャクリーン・オー・ランタン・デュプレとコンビを組んでいる。死武専内では美少女として人気があり、オックス・フォードからも彼女に好意を寄せられている。しかし守銭奴な性格で、オックスに対しても「お金持ちになったら」と冷たくあしらっている。その正体は、タヌキの魔女。死武専内では「キム・ディール」の名で通しているが、本名は「キミアール・ディール」。再生魔法を得意とし、魔女の破壊本能である「魔力の導き」に目覚めなかった稀有な存在。内心ではほかの魔女と違う自分に孤立感を感じていた。ソウルプロテクトを使い死武専に職人として潜り込んだが、正体が周囲にバレないか不安に感じており、魔女と職人の二重生活に疲弊していた。阿修羅復活以降、状況の変化がそれに拍車をかけ、さらにメデューサが情報をリークしたことで死武専に正体がバレてしまう。そのままジャクリーンと共に逃亡し、モスキートの甘言に乗せられ、彼らに洗脳されアラクノフォビアの一員となる。ババ・ヤガーの城での戦いではオックスと戦闘。彼の懸命な説得に心動かされ、死武専に戻った。そのあとは、スパルトイに所属する。正体を隠さなくてよくなったことから職人としての力のほか、魔法を使うようになる。

ジャクリーン・オー・ランタン・デュプレ (じゃっきー)

キム・ディールとペアを組んでいる武器の少女。武器としての姿は「魔角灯」で、顔のマークが付いたランタン。火炎放射器のように炎を吹き出して敵を攻撃する。またランタンの取っ手部分は棒のように伸ばすことができ、この部分を伸ばすと箒のような形となり、炎による噴射で空を飛ぶ「PIXYモード」が使用可能となる。人間時の姿は黒のストレートロングヘアの少女で、「ジャッキー」の愛称で呼ばれる。キミアールが魔女であることを知ったうえでパートナーとなり、彼女の事情に配慮して付き合っている。キミアールの正体が死武専にバレた際には、彼女と共に逃亡する。その後、モスキートの甘言に乗せられ、彼らに洗脳されアラクノフォビアの一員となる。キミアールがオックス・フォードに説得されたあと、正気に戻されて死武専に戻る。その後はキミアールと共に、スパルトイに所属する。

マリー・ミョルニル

オセアニア担当のデスサイズ。左目に雷のマークが付いた眼帯をした若い女性で、ウェーブのかかった金髪を長く伸ばしている。包容力のある明るく優しい人物で、他人の魂を和ませ、癒やす魂の波長を持つ。ただし異性との出会いには恵まれず、婚期がせまっているため焦っている。オセアニアを勤務地に選んだのも仕事が少ないからで、出会いを求めている。阿修羅復活後、死神様によってデス・シティーに召集。面倒見がいいため生徒から慕われており、保護されたばかりのクロナにも優しく接した。また癒やしの力を期待され、狂気に冒されたフランケン=シュタインとコンビを組む。しかしメデューサの工作によって、シュタインの狂気は進み、B・Jによる内部調査を受ける。B・Jは元彼で、彼と本音で語り合うことで過去のわだかまりを乗り越えて復縁しかけたが、その直後にB・Jを殺されてしまう。その後は冤罪を着せられたシュタインと行動を共にし、真犯人を探す旅に出る。武器としての姿は魔槌。ハンマーとトンファーの形に変更可能で、状況に応じて形態を使い分ける。電気をあやつり職人の運動神経を強化する能力「雷綱(イヅナ)」を持ち、雷を使った破壊とあわせてその戦闘力は高く、「粉砕」の異名を持つ。シュタインは初恋の人物で、いっしょに行動するうちにお互いに惹かれ合っていく。阿修羅との決戦では彼との子供を宿していた。

弓 梓 (ゆみ あずさ)

東アジア担当のデスサイズ。黒い髪をボブカットにし、眼鏡をかけたクールビューティーで、見た目通り冷静沈着でまじめな性格の女性。子供の頃からまじめで、ノリの軽い死武専内でも口うるさく注意していたため、当時を知る人物からは未だに「キング・オブ・委員長」と呼ばれている。遠距離で魂を共鳴させる「遠距離共鳴」という特殊能力を持つ。電話や無線機を使いながら対象と遠距離共鳴をすることで、共鳴相手の半径50メートルを索敵する「千里眼」を得意とする。視野が広く、頭がいいため、後方から部隊に指示をくだす指揮官として働くことが多い。武器としての姿は弩で、長距離精密射撃を得意とする。その精度は10キロメートル以内なら誤差を1ミリメートル内でおさめるほど。マリー・ミョルニルは先輩で、いっしょになると彼女からよく男運に恵まれない愚痴を聞かされ振り回されている。長距離狙撃という特性からエルカ=フロッグの演算魔法との相性は抜群。阿修羅との決戦ではエルカのサポートを受けた状態で、キリク・ルングを射手として、地球から月の阿修羅を狙撃した。

ジャスティン=ロウ

西ヨーロッパ担当のデスサイズ。金髪碧眼の敬虔な神父で、神父服に身を包み、死神様を神として崇拝している。つねにイヤホンを付けて大音量で音楽を聴いているため、基本的に人の話を聞かない。ただし読唇術を習得しており、会話の内容自体は把握している。13歳の頃、職人の力を借りずに史上最年少でデスサイズになった天才で、職人の力を借りずとも単独で戦える猛者。武器としての姿はギロチンで、体の一部をギロチンに変形させて戦うのを得意とする。信仰心厚い聖職者で狂気とは無縁かと思われていたが、実は鬼神の崇拝者。B・Jを殺した真犯人で、復活した阿修羅の居場所がバレないように魂感知能力に特化した職人を殺していた。マカ=アルバーンの成長が阿修羅の脅威になると判断し、暗殺しようとするが、真犯人を突き止めたフランケン=シュタインによって妨害され失敗。正体がバレたことで死武専を離脱し、ノアに合流。その後はノアから阿修羅の居場所を聞き、阿修羅のもとに向かう。説得しに来たテスカ・トリポカを倒し、月では死武専を迎え撃つ。道化師との狂気融合で力を増大させるが、シュタインに敗北して消滅した。

ツァーリ・プーシュカ

東ヨーロッパ担当のデスサイズ。武器としての姿は魔砲弾で、強い退魔の波長を持つ。職人のフョードルとコンビを組んでいる。人間時の姿は大柄な男性で、頭を砲弾にして打ち出す戦い方をする。砲弾となった頭には長くて太いコードが付いており、これを使って砲弾を体に引き戻す。武器形態は体の部分が取っ手となり、職人の足に装着して使われる。職人と魂の共鳴をして、退魔の力を職人に付与し、職人を砲弾に見立てて敵に打ち出す必殺技を持つ。モスクワでクロナと遭遇し、戦闘する。互角に戦うが、「狂血」の力に目覚めたクロナに敗北。フョードルと共に肉体を狂血に溶かされ、魂を黒球に閉じ込められてしまい、死亡した。

B・J (ぶったたきじょー)

死武専で内部調査間を担当する男性。髪を短く刈り込み、たくましい体つきをしている。魂感知能力に特化した職人で、魂の微妙な揺れも感知することで対象のウソを暴く「噓発見能力」を持つ。魂感知能力は未だに成長を続けており、いずれは魔女のソウルプロテクトを打ち破れると期待されている。過去にマリー・ミョルニルと付き合っていたが、身近な人間の本心を知り過ぎることを恐れてマリーと別れた。現在はそのことを後悔しており、なんとかして復縁したいと考えている。内部調査官という、仲間を疑う仕事をしているため、尋問の際には厳しい態度を取るが、本心は仲間思いでまじめな性格をしており、阿修羅の狂気に冒されたフランケン=シュタインのことも心配していた。内部調査官が調査を開始すると死武専全体の士気が低下するため、ふだんは周囲への配慮からデス・シティーを離れて別の仕事をしているが、BREW争奪戦で内部に不審を持った死神様に召集される。内部調査をしつつ、久しぶりに再会したマリーと本心を語り合って復縁する。マリーとの復縁をきっかけにして魂感知能力が進化し「超・魂感知能力」となるが、その直後に何者かに殺される。ソウルプロテクトすら見破る超・魂感知能力で死の間際、複数の魔女がデス・シティーに潜り込んでいることに気づく。

テスカ・トリポカ

南アメリカ担当のデスサイズの男性。つねにクマのかぶり物を頭にかぶっているため素顔、年齢は不明。猿の「猿里華(エンリケ)」とペアを組んでいる。テスカ・トリポカは猿里華の言葉がわかるが、ほかの人間にはわからないため、阿修羅復活後のデスサイズ召集命令の電話を猿里華が取ってしまい召集に遅れた。ババ・ヤガーの城での戦いから死武専に合流する。武器としての姿は魔鏡で、姿を映す鏡で幻を見せるのを得意とする。また日中であれば太陽の光を集めて強力な光線として放つ「太陽光熱線(ソーラーレイ)]も使える。鏡で映した人物の居場所がわかるという能力を持ち、ジャスティン=ロウが裏切って以降は彼の居場所を追っていた。ジャスティンにもその能力が知られているのを知っていたため、ノアとの戦いでダミーの死体を使って敢えて殺された振りをして敵味方の目を欺き、単独行動を取る。単独行動中はジャガーのかぶり物をかぶっていた。かぶり物を変えたのは本人は変装のつもりだったが、周囲にはバレバレだった。ジャスティンの居場所を追うことで、阿修羅の居場所をつかむ。ジャスティンを懸命に説得したが、思いは届かずジャスティンに体をバラバラにされる。死ぬ前に鏡に自らの魂を映して逃げ、死神様に阿修羅の居場所を伝えた。

星☆茜 (ほし あかね)

死武専中央情報局に所属する大剣職人の男性。眼鏡をかけた怜悧な雰囲気を漂わせた青年で、魔大剣のクレイ・サイズモアを相棒にする。阿修羅との決戦にクレイと共に参戦した。月では阿修羅の本体を捜索する死人=バレットのサポートを務めた。

クレイ・サイズモア

死武専中央情報局に所属する武器の男性。人間時は金髪の精悍な雰囲気を漂わせた青年で、武器としての姿は鍔のないシンプルなデザインの大剣となっている。職人の星☆茜を相棒とする。阿修羅との決戦に茜と共に参戦した。月では阿修羅の本体を捜索する死人=バレットのサポートを務めた。

受付のおばちゃん (うけつけのおばちゃん)

死武専の受付で働いている中年女性。厚化粧をし、ふくよかな体型をしている。授業の受付の担当で、死武専らしい明るいノリで生徒たちに接する。本名は不明で、死武専ではみんなから「おばちゃん」と呼ばれて慕われている。阿修羅との最終決戦では、ほかの職員たちと同じく参戦。怪力無双を持つパワーファイターで、並の武器では耐え切れず破壊するため、素手での肉弾戦で戦う。経験豊かな歴戦の猛者らしく、デス・ザ・キッドに戦いの助言もしている。月に上陸する際には、魔道飛空挺を守るため爆弾を抱えて道化師の月光に特攻した。非常に頑強な肉体を持ち、爆弾が至近距離で爆発しても生き残っていたが、ジャスティン=ロウに不意打ちを喰らって死亡した。

ミフネ

魔女のアンジェラ=レオンを守る青年。体格は長身痩軀で、髪を長く伸ばしている。魔女を守る「用心棒」として有名で、「無限一刀流」と呼ばれる無数の剣を変幻自在にあやつる凄腕の剣士。その実力から99人分の人間の魂に匹敵する「強靭な魂」の持ち主だとされる。戦いでは剣呑な雰囲気を見せるが、素の性格は子供好きで面倒見がいい。アンジェラの護衛をしているのも彼女が子供だからであり、優しく彼女を見守っている。ブラック☆スターに99人分の魂を持つ存在として一度狙われ戦闘になった。激闘の末に敗北したが、子供のアンジェラを守る姿を見せられ見逃される。その後、アラクネ・ゴーゴンに雇われ、アラクノフォビアに合流し、再びブラック☆スターと対峙する。ブラック☆スターとの1度目の戦いでは子供相手ということで本気を出していなかったが、2度目の戦いではアンジェラが人質に取られたため本来の実力を発揮し、ブラック☆スターを一蹴する。ブラック☆スターとの3度目の戦いではお互いを武人として認め合い、決死の戦いの末に敗北。ブラック☆スターを「見事」と称え、彼に遺志を託して死亡した。ブラック☆スターに大きな影響を与えた存在で、ブラック☆スターはのちにミフネが使っていた無限一刀流に似た技、伝授技「無限」を使っている。

アンジェラ=レオン

カメレオンの魔女。まだ「魔力の導き」にも目覚めていない幼い魔女で、いたずら好きな無邪気な性格をしている。その幼さから人間社会で孤立し、マフィアたちからいい様に使われていた過去を持つ。自身を暗殺しに来たミフネに保護され、以降は彼と行動を共にする。子供好きで面倒見のいいミフネに懐いている。カメレオンの魔女であるため、透明になって姿を隠す魔法が使えるが、まだ未熟であるため体の一部が隠しきれず、見えたままとなってしまう。悪事らしい悪事をしていない子供だが、人間社会ではその力を利用され、死武専からは命を狙われているため、ミフネに連れられ同じ魔女であるアラクノフォビアに身を寄せる。アラクノフォビアの壊滅、ミフネの死後はミフネの遺志を汲んだ中務椿とキム・ディールの取り成しで死武専に保護される。ミフネの死を知らされず、死武専でもいつも通りやんちゃに過ごしながら、ミフネが迎えに来るのを待っていた。のちにミフネの死を知ったようで、ブラック☆スターと彼の行く末を見届ける約束を交わす。

ヒーロ・ザ・ブレイブ

死武専に通う少年。成績は落ちこぼれのヘッポコ職人で、ブラック☆スターから技の実験台にされたり、周囲からパシリとして扱われたり、不遇の日々を送っていた。金髪碧眼の垢抜けした容姿に、洒落た服装をしているためマカ=アルバーンはふつうの学校ならモテそうと評している。不遇の境遇から抜け出すためエクスカリバーの伝説にすがる。エクスカリバーの提示した1000の項目を遵守し、1日の9割を彼に支配されるという過酷な境遇に陥るも、エクスカリバーの力を手にすることに成功する。エクスカリバーを手にしていた際は、死武専きっての武闘派であるブラック☆スター、デス・ザ・キッド、キリク・ルングの三人を同時に相手にして一蹴するなど絶大な力を見せつけた。その実力の高さから職員会議では一つ星職人から三つ星職人へ2階級特進が検討されたほどだったが、エクスカリバーのくしゃみの仕方が気に入らずコンビ解消し、再びヘッポコ職人に戻った。

エクスカリバー

「聖剣」とも呼ばれる伝説の剣。この剣を手にした者は「勇者」として称えられ、過去には王にまで登りつめた者がいると語られている。ふだんはブリテン島北部の洞窟の奥に存在する岩に突き刺さっており、引き抜かれると姿を変え、アリクイのように鼻先が長く伸びた珍妙な姿となる。武器の中でも特別強大な力を持ち、フランケン=シュタインはこの世の武器の中で間違いなく「最強」と評している。伝承では選ばれし者にしか使えないと誤解されているが、誰とでも魂の波長が合うため基本的に誰にでも使える。ただし、エクスカリバーの性格が自分勝手で難があり、エクスカリバーを使う際には彼が提案する1000の項目を守る必要がある。魂の波長は誰とでも合うが「人として波長」が合う人間がおらず、エクスカリバーと付き合える人間が「勇者」と称えられるのが伝説の真相だった。その正体は旧支配者の一人で、現存する武器のオリジナルともいえる存在。ただし、エイボンはエクスカリバーをモデルにして魔武器の製法を生み出したが、エクスカリバーを嫌っているためそれを頑なに否定している模様。あまりのウザさから、人を怒りに誘う「怒り」の旧支配者とされている。

マサムネ

中務椿の兄。先祖代々の力をすべて初子が受け継ぐ特殊な武器の一族の生まれだったが、ほとんどの素質を椿が受け継ぎ、マサムネは初子にもかかわらず「日本刀」のみしか受け継がれなかった。そのことを気づかわれ人一倍大事に育て上げられたが、それが逆にコンプレックスを刺激し、力に執着するようになる。その果てに鬼神への道を歩み始め、人の命を食らう「妖刀」となってしまう。通常の武器とは違い、人間に取り憑き一方的にあやつる能力を持つ。村人の少年、リュウに取り憑いて、ブラック☆スターと椿の前に現れる。影をあやつる能力を持ち、影を人型に具現化して敵を攻撃する。最期は椿と魂を賭けた一対一の戦いを行い、激闘の末に椿の本心に触れたことで最期は満足げな笑みを浮かべながら椿に吸収された。椿に吸収後は、マサムネの力は「妖刀モード」としてブラック☆スターと椿の力となる。当初は消耗が激しくまともに使えるものではなかったが、ブラック☆スターが「中務の意思」と対話後は使いこなせるようになる。その際には影☆星零ノ型「正宗」と、新たな妖刀モードに彼の名が付けられた。

エルカ=フロッグ

カエルの魔女。人間時の姿は白に近い水色の髪を長く伸ばした若い女性で、口がカエルのように大きく、口の両端に黒い模様が付いている。カエルの姿に変身することも可能で、カエルの姿になって逃げたり、隠れたりすることも多い。楽観的で自由奔放な性格で、魔力の導きによって破壊を好む魔女らしい魔女。メデューサのことが気に入らず、ミズネの長女と共に彼女に襲い掛かるが、返り討ちに遭ってメデューサにこき使われることとなる。メデューサによって体内に魔法で作った蛇を埋め込まれたため、命の懸かった無茶振りもなくなく受け入れている。「計算上手のエルエル」と呼ばれるほど演算魔法が得意で、複雑な計算が必要な魔法も難なく使える。このため、魔法の座標位置をよく間違えるフリーとは相性がいい。悪運に恵まれており、激しい戦いに巻き込まれても生き残るが、一方でメデューサのもとを離れたら今度は死武専に捕まりこき使われるなど運は悪い。そのため、どこに行っても「パシリ」になる自らの境遇を嘆いていた。魔法を使う際には「カエロッグフロエル ゲコエルフロッグ」という呪文を唱える。「オタマ=ジャクソン」という名の巨大なおたまじゃくしに乗って空を飛ぶ。

フリー

魔婆様から魔眼を奪った罪で捕まった囚人。筋骨隆々とした大男で、奪った魔眼を左目に移植しているため左右で目の色が違う。不死の力を持つ「伝説の狼男」で、数百年以上生きている。おっちょこちょいの性格で、映画のスプーンを使った脱獄シーンを見てマネをしたくなりワザと捕まるが、捕まった監獄にスプーンがないため脱獄を断念。そのまま200年間捕まっていた。メデューサの手引きで脱獄してからは、恩を返すためメデューサに手を貸す。捕まった際に名前を剝奪されたため、脱獄したあとは「自由の身になった」という意味を込め「フリー(自由)」という名を名乗る。「ウールッフウルブス ウルフウルブス」という呪文を唱えて魔法を使う。氷の魔法が得意で、魔眼を使うことで空間魔法を使用可能。また本気を出すと毛むくじゃらの狼男の姿となる。不死身に近い再生能力を持ち、常人なら致命傷になる一撃を喰らっても瞬時に再生する。「闘狼拳(とうろうけん)」という格闘術を習得しており、高い身体能力と再生能力による捨て身の攻撃は非常に強力。魔法と不死身、魔眼と強力な能力を持つが、ドジでそそっかしい性格なため、十分に力を発揮できず自爆することもしばしば。阿修羅との決戦では死武専に協力するが、ここでもおっちょこちょいの性格を発揮し、非戦闘員を空間魔法で避難させる際に、うっかり主戦力のデス・ザ・キッドやフランケン=シュタインまで連れて行ってしまう。

ミズネ

ネズミの魔女。六人姉妹で、姉妹は長女などの区別はあるが名前も全員同じ。ミズネの長女がメデューサのことが気に入らず、エルカ=フロッグと共に彼女に襲い掛かるが、返り討ちに遭ってメデューサに殺されてしまう。その後、メデューサの指示でエルカが長女を殺したのは死武専であると間違った情報を吹き込んだため、復讐のためメデューサに力を貸すようになる。ふだんの姿はネズミをかたどった帽子をかぶり、マントを羽織った小柄な人物で、「チチチ」としかしゃべらない。しかし、状況に応じて合体することでふつうにしゃべるようになり、姿も大きく変わる。合体した姿は二人の場合は小学生くらいの黒髪の少女の姿で、三人で中学生くらいの黒髪の少女と、合体する人数で年齢が加算されていく。死亡した長女を除く五人全員が合体するとグラマラスな美女の姿となる。「ビーム髭」というビーム状の刃を作る攻撃魔法を得意とし、近接戦闘を得意とする。

アラクネ・ゴーゴン

クモの魔女。魔女界きっての異端者で、黒い髪を夜会巻きにした妙齢の美女の姿をしている。現在の武器の起源となった「魔武器」を初めて作った女性で、「魔武器の母」とも呼ばれる。ただし彼女はエイボンの書に載っていた武器の製法を試しただけで、製法を編み出したのはエイボンとのこと。800年前、魔武器の材料には同族である魔女の魂を使ったため、魔女からも死神様からも恨まれており、彼らから逃げるため自らの体を無数のクモに分裂させて各地に分散、現代まで逃げ延びていた。阿修羅復活の狂気の波長に当てられて活動を再開する。「アラクノフォビア」と呼ばれる組織を生み出し、アラクネ・ゴーゴン自身のクモの力と組織力を使い、死武専にとって変わることを目論む。メデューサとは実の姉妹だが、お互い利用し合う関係で、肉親の情は持っていない。攻撃魔法が不得意だが、幻覚や洗脳といった精神攻撃を得意とする。また、狂気と一体化する術を習得しており、肉体を捨てて狂気と一体化することであらゆる攻撃を無効化する。魂を糸状に張り巡らすことで、周囲に狂気を伝染する精神攻撃を行える。ババ・ヤガーの城の戦いで、マカ=アルバーンとソウル=イーターと戦闘。マカとソウルを追い詰めるが、アラクネ自身の張ったクモの糸を逆に利用されて本体に直接、退魔の波長を打ち込まれ大幅に弱体化。狂気との一体化を解かれ、巨大なクモの下半身に女性の上半身がくっついた本体をさらす。マカとソウルの魔人狩りで一刀両断され、その魂はソウルに食べられた。ソウルがデスサイズとなって以降は、彼女の能力はソウルに受け継がれる。

モスキート

アラクノフォビアの幹部の一人。小柄な老紳士で、アラクネ・ゴーゴンに数百年仕えている古参の男性。その正体は蚊の化け物で、昔の姿を取り戻すことで若返ることができる。変身すると、その時代の自分の最も特徴的な部分を強調して「私が○○時代」と言う。100年前は「私が最も硬かった時代」で、体と腕の部分が筋骨隆々とした姿となる。200年前は「私が最も速く鼻だった時代」で、鼻が伸び、体が四速歩行の獣のような姿となる。そして400年前は「私が最もたくさんだった時代」で、黒い髪をオールバックにした長身の男性の姿となる。400年前の姿は、蚊の化け物というより吸血鬼に近く、無数のコウモリとなって集合・分裂し、変幻自在に攻撃する強力な形態となっている。ババ・ヤガーの城の戦いで、デス・ザ・キッドとフリーと戦闘。400年前の姿となり、二人を一蹴するが、死神の力を覚醒させたキッドに撃退される。その後、ノアと遭遇。彼を危険視し、800年前の姿で撃退しようとするが、変身する前にノアの攻撃を喰らって死亡した。

ギリコ

アラクノフォビアの幹部の一人。人形に魔力を込めてゴーレムにするエンチャンターの青年。レーフ村で、ゴーレムの暴走事件の調査に来たマカ=アルバーンたちの前に「ソウ」と名乗り、姿を現した。調査に来た彼らをワナにハメて襲い掛かる。アラクノフォビアのメンバーの中でもモスキートに並ぶ古参で、800年の時間をエンチャンターの技術を使い、子孫に自分の記憶を託して生きながらえて来た。魔武器「魔凶器人形技師」で、武器としての姿はチェーンソー。ゴーレムに自分を持たせて戦っていたが、単独でも戦える。体中にチェーンソーの鋸を走らせることで全身を凶器にすることができ、その戦闘能力は高い。ババ・ヤガーの城の戦いでは、女好きな性格が仇となり、潜入したトンプソン姉妹に睡眠薬を盛られて爆睡。起きた時にはすべてが終わっており、ジャスティン=ロウに誘われノアの一派に合流する。800年のあいだ、30回以上人生を繰り返して来たため、その精神は狂気に冒されていた。エイボンの書の中では新しい女性の肉体にギリコ自身を移植し、マカとソウル=イーターの前に再び姿を現す。圧倒的な力で二人を後一歩のところまで追い詰めたが、800年の人生の繰り返しにより溜め込んだ殺意で自分の魂が磨耗しており、マカへの殺意が引き金となって魂が自分の殺意に耐え切れず破裂して死亡した。

ゴフェル

ノアに付き従う黒髪の男性。ノアに狂信的な忠誠を捧げる少年で、彼の興味を引いたという理由だけでデス・ザ・キッドにリンチをしたりしている。マカと同じく「天使型」の魂を持ち、空を飛ぶ際には黒く禍々しい翼が生える。ノアによって体に魔道具をいくつか埋め込まれており、それによるサポートで単独でも戦闘、飛行ができる。腹部は口のように開き、そこから山を崩すほどの強力な砲撃を放てる。腹部の砲撃はバリエーションが存在し、弾速を落とす代わりに対象に追尾する能力を付与することも可能となっている。ノアよりマカ=アルバーンの魂の収集を命じられ、マカとソウル=イーターを襲撃するが、敗北し、逃走する。感情的な人物で、激情のままノアの名前を戦いの中で叫びまくり、結果的に死武専に情報を流している。ノア消滅後は、エイボンの書を奪い逃走。目次が新たに生み出した「憤怒のノア」を「ワイルドなノア様」と呼び慕い、行動を共にする。阿修羅との決戦では鬼神の力を手にしようとするノアと共に月に行く。ノアが阿修羅に吸収されたのを見て、取り戻すために阿修羅を攻撃。間接的に死武専を助けた。

魔婆様 (まばあさま)

魔女たちの女王。とんがり帽子をかぶり、マントを羽織った小柄な女性で、衣装のあっちこっちに安全ピンを刺している。フリーに左目を奪われたため、髪で左目を隠し「1/2」と書いている。「にゃむ」としかしゃべらない。死武専から魔女を守るため、ふだんは魔女界にいて、魔法を使って魔女界を外界と隔絶している。阿修羅との戦いでは、当初は静観という立場を取るつもりだったが、デス・ザ・キッドの懸命な説得に心動かされ魔女たちを率いて参戦。無限に復活する月の道化師にソウルプロテクトを使い、その復活を阻止した。フリーを超える恐るべき空間魔法の使い手で、地球から月へと移動したり、空間を支配して強固なバリアーを張ることも可能。ただし阿修羅のいる月は彼が放つ狂気がジャミングになっているため転移に手間が掛かるとのこと。数百年生きているためセンスが古いと若い魔女から思われている。

迦具夜 (かぐや)

月の道化師の一人。ミディアムヘアにした妙齢の美女の姿をしている。ボディラインがピッチリと見える薄布一枚という扇情的な格好をしているが、恥ずかしがり屋という矛盾した性格をしており、デス・ザ・キッドにツッコまれた。同じ道化師の白兎、月光と組んで戦う。防御に特化した「天の羽衣」や火をあやつる「火鼠の皮衣」など、羽織っている衣を変えることでその力を大きく変える。鬼神の忠実な部下で、死武専と戦う。道化師の無限復活で死武専を苦しめたが、魔女の応援で復活を封じられて劣勢に陥る。その後、状況を打破するため月光、白兎と狂気融合するが、マカ=アルバーンの魔人狩りで一刀両断されて消滅した。

ノア

エイボンの書を持つ青年。黒い髪を短く切りそろえ、長身で色黒の肌をしている。正体不明の魔道師で、「エイボン」の名を騙り、アラクノフォビアに協力していた。自分の気に入った物を収集するコレクターで、ババ・ヤガーの城で出会ったデス・ザ・キッドを気に入り、キッドとキッドが持つBREWをエイボンの書を使って捕らえ、自らのコレクションに加える。エイボンの書に収集した物を取り出して戦う力を持ち、全盛期のモスキートを一蹴する実力を誇る。スパルトイによってキッドが救出されたあとは、そのままキッドたちと戦闘。死神の力に目覚め始めたキッドの力で、跡形もなく消滅した。謎が多い人物で、ノア自身を「強欲な収集家」と謳いながらその言動には人間味が薄く、キッドからは「物を集める機械」のようだと評された。その正体は目次がエイボンの書の七つの章の一つ「強欲」をモチーフにして生み出した偶像で、強欲の意思でBREWを手に入れさせるのが目的だった。「強欲のノア」消滅後、目次は鬼神の力を手にするため新たなノアである「憤怒のノア」を生み出した。七つの大罪に対応したノアを生み出せるらしく、最終的には消滅した強欲を除く六人のノアが生まれた。

目次 (もくじ)

エイボンの書の目次が具現化した存在。「目次」のほかに「インデックス」「コンテンツ」とも呼ばれる。エイボンの書に入り込んだ者の道案内をする存在で、本の内部を解説したり、次の頁に送り込んだりする。「たこにも、いかにも」が口癖。エクスカリバーをモデルにしているらしく、鼻先が長く顔のない奇妙なデザインをしている。エイボンはエクスカリバーの鼻っぱしらを折りたかったらしく、鼻先がエクスカリバーと逆に下向きになっている。与えられた役割を淡々とこなす無機質な性格をしているが、エクスカリバーを相手にした時だけは苛立ち、顔が浮かび上がって虫唾が走るような表情になった。デス・ザ・キッドを助けるためエイボンの書に入り込んだマカ=アルバーンの前に現れ、彼女たちを案内する。実はノアを生み出した張本人。知識を収集し、与えるのを役割としてエイボンに生み出されたが、必要以上の知識を人間に与え、その人間から思考を奪う「知識の狂気」に染まったため、ほかならぬエイボンに危険視されて封印される。しかし知識を与えるという欲望を抑えきれず、ノアを生み出して暗躍していた。ノアを通じてBREWを手に入れ、鬼神の力を手にすることを目論む。

エイボン

数々の魔道具を生み出した伝説の大魔道師。かつて死神八部衆に所属しており、死神様とも知り合い。その正体は「知恵」の旧支配者、知神エイボンで、この世すべての知識を知る力を持つ。ただし力を振るうことが狂気を生み出すため、現在は力を振るわず、人知れず「ロスト島」の過去の映像の中に紛れ込んで過ごしている。その姿は厚着のローブを身にまとい、顔は目の部分だけ開いた仮面のような形をしている。当初はエイボンも過去の映像かと思われていたが、のちにデス・ザ・キッドが本物と看破し、会話している。キッドに阿修羅の居場所にいずれ自分たちの力でたどり着くことを教え、同時にキッドを新たな死神として認めた。エクスカリバーを嫌っており、「阿呆」と呼んでいる。このためエクスカリバーをモデルにして魔武器の製法を編み出したが、エイボンはこれを頑なに認めなかったらしい。良識のある人物だったようで、エイボンの書や魔武器の製法など、有用ながら倫理的な問題、危険性を内包しているものは封印していた。しかし800年前、エイボンの書を手にしたアラクネ・ゴーゴンによって魔武器が作られてしまう。

力の旧支配者 (ちからのきゅうしはいしゃ)

エイボンの書の異章にいた旧支配者。名前は不明。巨大な人型の黒い影のような姿をしている。人の口に当たる部分からタコの触手のような物が生えているため、ブラック☆スターからは「黒ダコ」と呼ばれていた。「力」を司る旧支配者で、求める者に平等に力を与える。デス・ザ・キッドとブラック☆スターを自らの領域に招く。キッドを狂気に落とし込むが、ブラック☆スターに諭され正気を取り戻される。その後、キッドとブラック☆スターから力に対する「答え」を聞く。かつて自分たちと死神様が力によって物事を解決し、その果てに鬼神を生み出してしまったことを悔やんでおり、力ある者が作る「正義」の基準のあやうさをキッドとブラック☆スターに伝えた。

阿修羅 (あしゅら)

初代「鬼神」。かつては死神様の部下の中でも最強の職人で、本来の名前は「阿修羅」という。臆病でつねに何かに怯え、恐怖を払うように力を求める人物だった。他者への恐怖からロングマフラーや厚着で素顔を隠しており、死神様には「最強のビビリ」と評されている。そして力への執着がいつしか狂気を帯びるようになり、遂にはパートナーの武器や善人の人間の魂まで喰らい始め、世界に狂気を伝播する存在、鬼神へと成り果てた。その後は死神様によって全身の皮膚をはがされ、デス・シティー地下の「封印の社」に封印される。封印の際に全身の血を抜かれ、鬼神の皮膚で作った「袋」の中に閉じ込められて長い間封印されていたが、メデューサが黒血を注入したことで復活する。復活後も臆病な性格はそのままで、死神様と対峙した際にすぐさま逃げ出し消息不明となる。しかしその影響は「狂気の波長」となって世界に伝染していった。実は死神様の恐怖から生まれた「恐怖」の旧支配者で、デス・ザ・キッドの兄ともいうべき存在。素顔はキッドをそのまま大人にしたような青年の姿をしている。

集団・組織

死武専 (しぶせん)

死神様の武器「デスサイズ」と、それを作る職人を育てるための専門学校。本拠地は巨大なガイコツの飾りが付いた城のようなデザインをした学校で、デス・シティーのほぼ中央に存在する。日常的に肉体と精神を鍛えるため、内部は迷路のように入り組んでいる。正式名称は「死神武器職人専門学校」で専ら略称の「死武専」で呼ばれる。死武専の生徒は本名ではなく、通り名を自分で付けて活動することが可能となっている。武器と職人はペア、稀にトリオを組んで活動する。武器と職人のペアは私生活でもいっしょに行動することが多い。死武専の授業内容は勉学や訓練など通常の学校と変わらぬ物のほかに、悪人の魂を狩ったり、ふつうの人間では解決できない事件の調査などハードな課外授業が存在する。世界各地に支部が存在し、それぞれの支部にはデスサイズが一人ずつ常駐していたが、阿修羅復活後はデスサイズは事件解決のためデス・シティーに集められた。死武専はかつて鬼神が生まれた際に、その過ちを二度と繰り返さないため死神様によって創設された。このため鬼神にならないように教育を通して武器と職人を正しく導き、新たな鬼神を生まない世界を作ることが死武専の最大の目的となっている。

アラクノフォビア

アラクネ・ゴーゴンを首魁とした組織。本拠地はババ・ヤガーの城で、多くの構成員を抱えている。800年前、死神様に敗北し、同族の魔女からも疎まれたアラクネが、彼らに対抗するため生み出した組織で、死武専に取って代わり、世界を牛耳るのを目的としている。「蜘蛛恐怖症」と書いて「アラクノフォビア」とも呼ぶ。無数のクモを使うアラクネの情報ネットワークによって現在では世界の至る場所に浸透する巨大組織となっており、阿修羅の復活によって世界各地で活動が活発化する。組織ではエイボンの残した魔道具の研究が盛んに行われており、それを戦闘用に再現した「魔道具兵」も多数開発、配備されている。構成員と魔道具兵はクモの顔をデフォルメしたデザインの仮面をかぶっており、これがアラクノフォビア所属の証。このためスパルトイも潜入の際に仮面をかぶり、潜り込んだ。

スパルトイ

死武専の若手を中心に結成された精鋭部隊。アラクノフォビアとの戦いのあと、激化する鬼神、メデューサ一派、ノア一派との戦いに対応するため結成が決定。ソウル=イーターがデスサイズとなったのを契機に、正式に活動を開始する。所属にあたって職人は全員、「一つ星」から「二つ星」に昇格し、一部のメンバーは服装を変更している。ちなみに当初、死神様は「死武ガキ隊」と名づけようとしたが、フランケン=シュタインに隊員のモチベーショが上がらないと却下され、ギリシア語で「蒔かれた者」を意味する「スパルトイ」の名が付けられた。

場所

デス・シティー (ですしてぃー)

死神様の治める町。アメリカのネバダ州に存在する。街の中央に死武専の本拠地が存在するため、多くの職人と武器が暮らしている。初代鬼神・阿修羅が封印された地で、死神様は阿修羅を封印するためこの地に魂を縫い付けており、死神様はデス・シティーから動くことができなくなっている。

ババ・ヤガーの城 (ばばやがーのしろ)

アラクノフォビアの本拠地。南米アマゾンのジャングルの中に存在する。8本足の巨大なクモのような形をした城で、アラクネ・ゴーゴンはこの城の奥に存在する「女王蜘蛛の間」に居している。ジャングルには無数のワナとアラクネのクモが放たれており、潜入は非常に困難。またババ・ヤガーの城にもいくつものセキュリティが存在し、難攻不落の城となっている。特に「女王蜘蛛の間」は強固な魔法によって守られており、女王蜘蛛の間に入るためには城の8本の足の部分にある魔道具「錠前」を破壊しなければならない。

その他キーワード

デスサイズ

死神様の武器となった者に与えられる称号。デスサイズになるためには、職人が武器と共に「99個の人間の魂と1個の魔女の魂」を収集して、武器に食べさせる必要がある。死武専の職人はデスサイズを作り出すことが目標で、デスサイズを作り出した職人には最大の栄誉が与えられる。現存するデスサイズは八人おり、その中でもスピリットは死神様の武器として選ばれた存在で、厳密な意味で「デスサイズ」の称号を名乗れる唯一の存在となっている。そのため、デス・シティー内ではスピリットがデスサイズの通称で呼ばれることも多い。スピリット以外のデスサイズは、各地の支部に配置されている。アラクネ・ゴーゴン討伐後は、ソウル=イーターが99人の悪人の魂とアラクネの魂を喰らったことで九人目の新たなデスサイズとなった。デスサイズとなった武器は高度な魂波長コントロールが可能となり、魔法的な力が開花したり、食した魔女の魂によっては特殊な能力を習得することが可能となる。

武器 (ぶき)

武器と魂が融合し、身体を武器に変身させることができる者たちの総称。武器への変身能力は血によって遺伝し、先祖に武器だった者がいれば隔世遺伝なども起こりうる。魂を喰らう能力を持ち、魂を喰らえば喰らうほど強くなる。死武専に所属する武器は基本的にデスサイズになるための「悪人の魂」と「魔女の魂」しか喰らうことを許されておらず、所属していない武器も「善人の魂」を喰らうと鬼神になることを危惧されて討伐・捕縛の対象となる。武器は肉体の一部を武器に変化させることができるため単体でも戦うことができるが、死武専では基本的に職人と武器はペアで行動する。武器と職人は相性のよいペアなら「魂の共鳴」をすることで双方のポテンシャルを高めることができるが、逆に武器と職人の相性が悪い場合は武器が熱くなったり、重くなったりして職人を拒絶し、持てなくなる。その起源は800年前、アラクネ・ゴーゴンが作り出した意思を持った武器「魔武器」。武器と人間の魂を結合させ、そのつなぎとして変身魔法が使える魔女の魂が使われている。これによって生まれた魔武器は変身魔法によって武器への変身能力を得た。現在存在する武器はこの魔武器の子孫となっている。ちなみに作り出したのはアラクネだが製法を考えたのはエイボンで、死神様によれば、エイボンはエクスカリバーをモデルにして魔武器の製法を編み出したのだという。

職人 (しょくにん)

死神様の武器デスサイズを鍛える職業。死武専では武器と職人がペアを組んで活動する。武器をデスサイズにするためには「99個の人間の魂と1個の魔女の魂」を収集して武器に食べさせる必要があるため、職人は武器を使いこなす体術と武器と魂の波長を合わせる能力が求められる。波長の合った武器なら「魂の共鳴」によって職人と武器の力を最大限まで高められるが、逆に波長の合わない武器を持とうとすると武器が熱く、重く感じ持つことができない。また熟練した職人であれば、武器以外の魂を感じ取り、目視する「魂感知能力」にも目覚め、高い索敵能力を発揮する。職人は優秀さによって「一つ星職人」から最高ランクの「三つ星職人」にランク分けされている。

魔女 (まじょ)

魔法を行使できる種族。魔女の名の通り女性しか存在せず、それぞれが「蛇」や「カエル」「ネズミ」といった何らかの動物を象徴としている。ブレアは魔女っぽいが、魔女ではなく魔力を持った猫だとされる。魔女は莫大な魔力を持つが、その力を破壊に使わざるを得ない「魔力の導き」と呼ばれる破壊本能に支配されている。そのため、魔女たちは昔から自由奔放に過ごしては周囲に破壊と混乱をもたらしていたため、死神様と死武専に何人も討伐されている。また、魔女側も何人も仲間たちを殺されたため、死神様と死武専を恨みに思っており、両者は数百年来の不倶戴天の大敵となっている。近年は魔女たちは死武専の目から逃れるため「ソウルプロテクト」という魔法を開発し、その力で人知れず暗躍している。魔女たちの世界である「魔女界」と呼ばれる場所が存在し、そこには魔女たちを束ねる女王・魔婆様がいる。魔女界は地球上のどこかに存在するが、魔婆様の魔法によって外界と隔絶しており、正式に手順を踏まないとたどり着くことはできない。

黒血 (こっけつ)

鬼神の血液。その名の通り真っ黒な血で、狂気をはらんでいる。黒血は感染し、クロナとの初戦闘で黒血を取り込んだソウル=イーターは、それ以降、自身の精神世界「ブラックルーム」で小鬼と遭遇するようになり、小鬼からたびたび狂気に誘われている。またソウルとの魂の共鳴をしたことでマカ=アルバーンにも一時、黒血が感染した。黒血に感染した者は狂気に肉体と精神が侵食されるのと引き換えに、黒血の力を振るうことが可能となる。黒血は全身の血に溶けているため、その力を使うことで血を介して身体能力を底上げし、肉体の防御能力を大幅に上昇することができる。クロナは武器形態となったソウルの一撃を喰らっても無傷だったほどで、その防御力は脅威となっている。このように黒血は鬼神の力の源となっているため、死神様は鬼神となった阿修羅から血を抜き取り封印した。しかし鬼神の力を求めるメデューサは、自身が作った黒血を封印された阿修羅に送り込み、阿修羅を封印から解放した。

星族 (ほしぞく)

有名な殺し屋の一族。金のためなら何でもやる武闘派の一族で、一族の人間はその証である星型の刺青を体のどこかに入れている。金のためなら人殺しもためらわない一族だったため、星族を恨みに思っている人間は多い。星族の一員だったホワイト☆スターは鬼神への道を歩んでいたらしく、13年前、死武専によって星族もろとも、殲滅された。当時の死人=バレットが、星族の唯一の生き残りであるブラック☆スターを保護し、育てている。

(たましい)

生きている者の肉体に宿る精神。人魂のような形をしており、肉体が破壊されて死ぬとその場に現れる。生きている人間の魂は通常は目視することができないが、熟練した職人であれば魂感知能力で見ることが可能。また特殊な機材を使えば、生きている人間の魂もレントゲン写真のような形に写し取れる。魂の姿、大きさはそれぞれ違い、死神様の魂はデス・シティーを丸々包み込むほどの大きさだった。また魂にはそれぞれ固有の「魂の波長」があり、職人と武器はこの魂の波長が合わなければ力を十全に使うことができない。逆に魂の波長が合う相性のよい組み合わせの場合は、音叉のように魂を共鳴させる「魂の共鳴」で力を増幅することが可能で、共鳴した職人と武器は絶大な力を振るえる。またチーム全体での魂の共鳴は「共鳴連鎖」と呼ばれ、複数の職人と武器が共鳴することで、さらに強い力を引き出せる。死武専の職人と武器は「99個の人間の魂と1個の魔女の魂」を集めて、武器をデスサイズにすることを目的としているが、集めるのは死神様の作ったリストにある「悪人の魂」のみとされている。「悪人の魂」よりも「善人の魂」の方が遥かに効率良く力を増大させることができるが、これは固く禁じられており、「善人の魂」に手を出した者は抹殺命令がくだることもあるらしい。またごくまれに99人分の魂に匹敵する「強靭な魂」を持つ者も存在する。

ソウルプロテクト

魔女の使う魔法の一種。死武専の目から逃れるため魔女が使う魔法で、この魔法を使うことで魔女は魂の波長を一般人に偽装することが可能。その偽装は一流の職人の魂感知能力でも見抜くことはできない。ただし魔女もこの魔法を使っている状態ではほかの魔法を使えないなどデメリットも存在する。死武専に対抗するため魔女が編み出した魔法で、死武専はソウルプロテクトに対抗するための方法を模索している。のちにB・Jはソウルプロテクトを破る「超・魂感知能力」に目覚め、デス・シティーに潜り込んでいる魔女の存在に気づいた。月での阿修羅の戦いでは、この魔法が意外な活躍を果たす。

魂感知能力 (たましいかんちのうりょく)

職人の持つ能力の一つ。魂の性質を見抜く力で、熟練の職人になれば手に触れずに離れた場所に存在する魂も見抜くことができる。この能力に特化すると、離れた場所に存在する魂を感知することで索敵を行えたり、対象の魂の変化を細やかに観察することでウソを見抜いたりすることが可能。熟練した職人の魂感知能力を持ってしても、魔女のソウルプロテクトを見破ることは不可能だったが、B・Jは精神的なしがらみが解消されたことで魂感知能力を急成長させ、魔女のソウルプロテクトすら見破る「超・魂感知能力」とも言うべき能力を目覚めさせた。

魔女狩り (まじょがり)

鎌職人が得意とする伝統の大技。職人と武器が「魂の共鳴」をし、限界まで力を高めて放つ斬撃で、放つ際には鎌の刃が大きな三日月のようになる。魔女狩りには邪悪な者を退ける退魔効果があるため、通常の攻撃では倒せない不死身の狼男や魔女、道化師などに高い効果を持つ。マカ=アルバーンとソウル=イーター、フランケン=シュタインとスピリットがそれぞれ使用している。マカとソウルイーターは魔女狩りを広範囲に放つ「鎌威断ち(かまいたち)」や6の字型に切り裂く「6文字狩り」、U字型に切り裂く「U字狩り」など派生技も使っている。また道化師との戦いでは、マカが狂気に立ち向かう勇気に目覚めたことで、魔女狩りを超えた魔女狩り「魔人狩り」を編み出した。魔人狩りの際にはソウルの刃が巨大な逆L字型となり、魔女狩りを超える退魔効果を持つ斬撃を放てる。また、アラクネ・ゴーゴンとの戦いで魔人狩りを使った際には、ソウルが黒血を使って魔人狩りを使ったことで、マカの服装が黒血でできたキャミソールのドレスとなった。黒血のドレスは副産物だったが、これによってマカの防御力は大幅に上昇した。阿修羅との戦いでは黒血をさらに活性化し、「鬼神狩り」を放つ。鬼神狩りの際にはマカの黒血のドレスは髪飾りなど装飾が増え、ソウルも武器としての姿が大幅に変わり、刀身部分にピアノの鍵盤が付いた黒い大鎌の姿となった。

魂威 (こんい)

死武専の職人が使う体術。掌底などの打撃技を通して魂の波長を相手に送り込む技で、魂の波長が送り込まれた相手は体内に直接ダメージを受ける。この技を前にすればいかなる防御も無意味となるため、黒血の防御を抜くのにも有効となっている。ただし武器なしの職人が使っても、単体では大きな魂の波長を生み出せないため威力は乏しい。また熟練した職人であれば、相手が魂の波長を打ち込んできた際に、同じ波長を生み出すことで相殺が可能となっている。フランケン=シュタインやブラック☆スターはこの技を得意とし、シュタインは武器なしの単体でもこの技で大きな威力を出し、周囲を驚かせた。

魂糸縫合 (こんしほうごう)

フランケン=シュタインの得意とする技。魂威を応用した技で、魂威で打ち込んだ魂の波長をコントロールして糸状にし、相手を魂の糸で縫いつけて拘束する。技の使用には綿密な魂の波長のコントロール能力が必要となるため、武器で魂のコントロール能力の精度を底上げすることで使える。また自身に魂糸縫合を使うことで、体を固定することにも使える。魂糸縫合の応用技として、相手の体内に魂の糸を張り巡らしてその動きを完全に封じる「魂糸拡散縫合」も存在する。魂糸拡散縫合は強力な反面、魂糸縫合よりさらに緻密な魂の波長コントロール能力が求められるため、シュタインであっても使用中は指一本動かせないほど集中しなければならない。

魂の瞑想曲 (たましいのめいそうきょく)

マカ=アルバーンとソウル=イーターの編み出した技。周囲に魂の糸を張り巡らし、マカの魂が持つ退魔の波長をそこに流し込むことで、周囲の狂気による精神攻撃を防ぎ、敵に立ち向かう勇気を与える。アラクネ・ゴーゴンとの戦いで、アラクネの精神攻撃に対抗するため、彼女の張り巡らした魂の糸を利用することをソウルが思いつき、編み出した。アラクネ討伐後は、アラクネの魂をソウルが食べてその能力を受け継いだため、マカとソウルが力を合わせることで使用可能となっている。

エイボンの書 (えいぼんのしょ)

エイボンが書き記した魔道書。本そのものが一つの魔道具となっており、物を収集して自在に収納することができる。また本の中に入り込むことで、本の中の世界を体験することも可能。現在の所有者はノアで、本には彼のコレクションが収集されている。エイボンの書はキリスト教における「七つの大罪」を主題とした七つの章と最奥に存在する「異章」で構成されており、目次が異章以外のそれぞれの章を案内する。章は第一章「Lust(色欲)」、第二章「Gluttony(暴食)」、第三章「Envy(嫉妬)」、第四章「Wrath(憤怒)」、第五章「Pride(傲慢)」、第六章「Sloth(怠惰)」、第七章「Greed(強欲)」となっており、それぞれの章に留まるとその章のテーマの影響を色濃く受ける。スパルトイが色欲の章に入った際には、全員の性別が逆転するという事態に遭遇している。また長時間、七つの大罪の章の影響を受けすぎると魂が本に囚われ、本の中の一文となってしまう危険性が存在する。写本が存在し、魔女の魔法を使えば写本からエイボンの書の内部に入ることもできる。

永久弾機 (えいきゅうぜんまい)

無限動力を生み出す魔道具。レールのない砂漠の上をひたすら走る「暴走特急」の動力に使われており、100年間休みなく暴走特急を走らせていた。弾機と弾機が刺さっている箱が一組の魔道具で、箱の部分にはエイボンと死神様のサインが記されている。デス・ザ・キッドによって回収され、死武専で保管されていたが、阿修羅討伐戦では持ち出される。討伐戦では魔道飛空挺の動力となり、キッドたちを月に送り届ける大きな力となった。

BREW (ぶりゅー)

アラスカの北に存在する「ロスト島」に眠る魔道具。「BREW」は通称で、正式名称は「波乱」。エイボンが生み出した数々の魔道具の中でもエイボンの書に並んで特別な魔道具で、「エイボンの英知の結晶」ともいわれる。その形はいくつもの部品が組み合わさったキューブで、魂の増幅能力や融合などさまざまな能力を持つ強力な魔道具。その性質から死神様やアラクネ・ゴーゴンなどあらゆる勢力が注目しており、昔からこの魔道具を巡って波乱が起きている。そのため正式名称通り、「波乱を巻き起こす者」にこそ相応しい魔道具と言われている。BREW争奪戦で暗躍していたメデューサの手に渡り、その後はデス・ザ・キッド、ノア、目次と持ち主を転々とする。阿修羅との決戦では巡り巡ってクロナの手に渡り、阿修羅を封印する決め手となった。

道化師 (どうけし)

鬼神の狂気の波長が具現化した存在。「狂気感染」が目に見える形になったもので、人々を狂気に引きずり込み、世界を狂気で満たすことを目的としている。1体1体が意思を持って行動し、中には強大な能力を持つ者も存在する。また打ち倒して魂を回収しても勝手に消滅したりするため、人間や魔女の魂とは根本から違う存在となっている。道化師同士や狂気に染まった人間と融合する「狂気融合」と呼ばれる力を持ち、融合することでその力を爆発的に引き上げることができる。狂気の波長によって生まれる存在であるため、狂気の波長の強い場所では無限に増殖し、復活する。またメデューサは黒血の研究を進めるうちに道化師の存在に行き当たり、人造道化師である「黒の道化師」「紫染(しぜん)の道化師」を生み出した。人造道化師は道化師に比べて狂気感染能力は低いものの、道化師の狂気攻撃を防ぐ能力を持つ。人造道化師も「狂気融合」する力を持ち、黒の道化師はクロナと、紫染の道化師はメデューサが魔法で作ったヘビと狂気融合している。

旧支配者 (ぐれーとおーるどわん)

人間に狂気を与える存在。死神様を含めた死神八部衆が該当する。八部衆に所属していた旧支配者は鬼神となった阿修羅に三人食べられたため、現存するのは死神様、阿修羅、エイボン、エクスカリバー、力の旧支配者となっている。それぞれが「規律」「恐怖」「知恵」「怒り」「力」を司り、それらの力に冠しては絶対的な力を振るうことができる。ただしその力は絶対的過ぎる余り狂気に通じ、影響を受けた人間は次第に狂気に侵されていく。そのため恐怖に飲み込まれた阿修羅以外の旧支配者は、現在は力を振るわないようにしている。

狂気の波長 (きょうきのはちょう)

鬼神の魂の波長。神レベルの強大な影響力を持つ波長で、人間なら誰しも持つ狂気を刺激する。一般的なふつうの人間にただちに影響を与えるものではないが、悪人や悪人の素質を持つ者の狂気を刺激し、悪事に走らせる。また狂気は伝染、連鎖するため、悪事に走った悪人が増えれば、それだけ多くの人間に狂気を振りまくことにつながる。また狂気の波長が強まると、それが具現化した存在・道化師が現れ始める。

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