警死庁24時

警死庁24時

あらゆる越権行為や超法規的措置が認められる警察の裏組織、警死庁の豪快な活躍と、あるきっかけで警死庁に配属された新米警察官、山吹鉄之助の奮闘が、スラップスティック・コメディタッチで描かれる長編ギャグ漫画。物語の前半は事件解決に挑む警死庁メンバーのナンセンスなバトルが展開されるが、後半では世界の裏警察組織が集まるトーナメント戦がメインとなり、シリアスな要素が強くなっていく。

正式名称
警死庁24時
ふりがな
けいしちょうにじゅうよじ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
バトル
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概要・あらすじ

新米警察官の山吹鉄之助は、希望していた刑事課とは異なる「富士見署交通課四係」に配属される。気ぐるみ姿で子供に交通安全ショーを行う閑職に落胆する鉄之助だったが、四係の正体は警察が表立って解決できない難事件をアウトローに解決する裏組織警死庁メンバーの集まりであることが発覚する。それを知らずに表の職務を全うしていた鉄之助は、ある日外務大臣の交通違反を強引に取り締まった結果、懲戒免職されてしまう。

しかし、その警官魂が認められ、厳しい入庁試験の末に警死庁の仲間入りを果たす。ユニークかつ強力な能力を駆使する四係のメンバーに囲まれながら、最低階級の“パシリ”として数々の凶悪事件や試練を乗り越えていくなかで、鉄之助は幼いころに亡くした父、山吹頑鉄に隠された真実を知り、一人前の“警察漢”として成長していく。

登場人物・キャラクター

山吹 鉄之助 (やまぶき てつのすけ)

富士見署交通課四係に配属された19歳の新米警察官で、全力で仕事に取り組む熱血漢。本来は刑事課を希望しており、配属に不満を募らせていたが、懲戒免職処分をうけたある事件で見せた警官魂をきっかけに警死庁へスカウトされ、厳しい入庁試験の末にメンバーに加えられる。実は警死庁のなかでもトップの実力を持つ“警察漢”、山吹頑鉄の息子であり、形見として父の警死庁バッジを肌身離さず持ち歩いている。 そして、数々の事件を乗り越えていくなかで、父譲りの驚異的な身体能力と怪力を少しずつ覚醒させていく。一方、事あるごとに本人の意志とは関係なく全裸になってしまうという恥ずかしい一面ももっている。なお、警察学校の卒業時の成績は中の下で、私服のセンスは果てしなく低い。

木ノ下コーヘイ (きのした こーへい)

富士見署交通課四係に所属する警察官で、山吹鉄之助の先輩にあたる巡査。逆立てた金髪と頬の傷がトレードマークで、性格は非常に攻撃的で短気。警死庁の精鋭“警察漢”でもあり、あらゆる銃器を自在に使いこなす。また、“狂犬(マッドドッグ)”という識別信号ももっているが、本人はあまり気に入っていない。 一方、交通課の職務ではパンダの気ぐるみでショーに出ており、非常に愛着をもっている。ちなみに、同作者の作品『たのしい甲子園』にも同一人物が登場する。

千夏 (ちなつ)

富士見署交通課四係に所属する警察官で、山吹鉄之助の先輩にあたる人物。金髪セミロングのスレンダーな女性で、性格はクールかつサディスティック。“阿修羅王”の識別信号をもつ警死庁の精鋭“警察漢”でもあり、猛烈なスピードとパワーで拳を繰りだすことができる。なお、我那覇丈とは師弟関係にある。

鬼頭 雪之丞 宗親 (きとう ゆきのじょう むねちか)

富士見署交通課四係に所属する警察官で、常に杖をついてあるくヨボヨボの老人。山吹鉄之助たち同僚からはおやっさんと呼び慕われている。警死庁のメンバーでもあり、識別信号は“生ける伝説(レジェンドオブライフタイム)”。その実力は衰えてはいるものの、鉄之助が敗北した元警死庁の敵を一瞬で撃退している。 また、警死庁の創設にも携わっており、少なくとも江戸時代から生きていることが判明している。

高峰 (たかみね)

富士見署の署長で、“背徳の紳士(インモラル・ジェントルマン)”の識別信号をもつ警死庁メンバーの1人。白髪に口髭をたくわえた老紳士で性格も穏やかだが、同性愛者であり、事あるごとに公私構わず山吹鉄之助へアプローチをかけている。また、かつては有名なマジシャンだった経歴をもっている。

クリスティーヌ=ヤマガタ (くりすてぃーぬやまがた)

富士見署で署長秘書を務める女性で、おしとやかな雰囲気の美女。実は警死庁メンバー精鋭“警察漢”の1人であり、“氷の剣(アイスブランド)”という識別信号をもっている。業務中は常に私服を着ているが、内部には関の刀匠が鍛えた鋭い刃が65536本仕込んであり、目標を自在に切り刻むことができる。 1000人規模の暴走族を1人で壊滅させるほどの実力を有しているが、腕力は警死庁でも最弱を自称しており、情報収集と解析を主務としている。

杉本 萌奈 (すぎもと もえな)

“爆弾の乙女(ボンバーガール)”の識別信号をもち、体中のいたるところに爆弾を仕込む警死庁メンバーの女性。茶髪のセミロングで、関西弁で喋る。山吹鉄之助とともに警死庁昇進試験に参加しており、階級が“巡殺”に昇進したことで富士見署交通課四係に赴任。鉄之助や我那覇丈と“警死庁特別遊撃隊(フライング・スコードロン)”というチームを結成する。 なお、赴任後は前髪を爆弾入りの髪飾りで留めている。

我那覇 丈 (がなは じょう)

“拳精(バトルマスター)”の識別信号をもつ警死庁メンバーの1人。腕が分身したように見えるほどの速さで拳を繰りだす“阿修羅王流”を使う拳法家で、千夏の弟子にあたる。金髪のパンチパーマにアゴ髭を生やした強面の男で、山吹鉄之助と警死庁昇進試験で激闘を繰りひろげた。その後、警死庁の階級が“巡殺”に昇進したことで富士見署交通課四係に赴任し、鉄之助や杉本萌奈と“警死庁特別遊撃隊(フライング・スコードロン)”というチームを結成する。 なお、物語の後半では真性のドMであることが明らかとなる。

村崎 茜 (むらさき あかね)

富士見署に配属された新米警察官で、おかっぱ頭で明るい性格の女性。極度のドジっ子で事あるごとに怪我をしている。木ノ下コーヘイが着ぐるみのまま起こした銃乱射事件を捜査したことで警死庁と関わってしまい、数々のトラブルへ巻き込まれていく。また、山吹鉄之助に一目惚れされており、徐々に関係を深めている。

マリカ

警視総監のペットでありながら、警死庁の精鋭“警察漢”に数えられている“警察猫”。雑種のぶち模様で、首に巻いたスカーフが特徴。山吹鉄之助の警死庁入庁試験では試験管を担当し、圧倒的な身体能力で鉄之助を翻弄した。また、かつて解決した凶悪事件の名残で胸に3つの銃創があることから“三つ星のマリカ”という二つ名を持っている。

山吹 頑鉄 (やまぶき がんてつ)

山吹鉄之助の父で、しがない村の派出所に勤めていた巡査。温厚でおおらかな性格で、ふくよかな体型と丸眼鏡が特徴。実は警死庁のなかでもトップクラスの“警察漢”で、ミサイルに生身で追いすがり、素手で撃墜するほどの怪力から、“鉄の腕”という識別信号を持っている。1994年、地球に落下しつつあるソ連の超弩級戦略軍事衛星に単身で突入、満載されたプルトニウムを落下前に宇宙へ投げ飛ばして人類の滅亡を防いだが、脱出に間に合わず殉職している。 その伝説は今でも警死庁に語り継がれており、昇進試験では彼の巨大な石像も登場している。

雪村 京太郎 (ゆきむら きょうたろう)

警死庁における昇進試験の試験官を担当する男性。物語の後半ではもう1つ重要な役職があることが判明する。黒縁眼鏡と細目が特徴で、いつもアームカバーを着用している。穏やかな性格の人物だが戦闘能力はかなり高く、指示棒を武器に戦うこともあった。また、山吹頑鉄とは親しい同僚であり、幼少時の山吹鉄之助にも彼の死を伝える際に出会っている。

速水 京 (はやみ きょう)

警視庁に所属する警察官で、階級は警部補。警視総監を父に持ち、国家公務員採用1種試験をパスした東大卒のエリートで、非常に尊大でプライドが高いインテリタイプの男性。そのため、山吹鉄之助とはウマが合わず衝突していた。しかし、警察官としての志は高く、とある学校で発生した爆破予告事件では身を挺して解決に尽力している。 ちなみに、“エリートダンス”という独特なダンスを踊るのが得意。

集団・組織

警死庁 (けいしちょう)

『警死庁24時』に登場する架空の組織。警視庁の極秘組織で、あらゆる制約が外された超警察的集団。厳しい入庁試験をクリアしたそのメンバーは人類の叡智を結集させたエキスパートが揃っている。また、警死庁に所属する警官は発信機を兼ねた“警死庁バッジ”と、コードネームとして使う識別信号が与えられる。警死庁のなかでも最強の10人は“警察漢(けいさつかん)”と呼ばれ、バッジの階級は“死”となっている。 なお、警視庁の地下には軍事機密から秋の行楽情報まで、あらゆる情報が集積されるターミナル“アクエリアス”が設置されており、警死庁の中枢として機能している。

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