ヘウレーカ

ヘウレーカ

時は第二次ポエニ戦争の真っ直中。ローマとカルタゴの戦争の影響はシラクサにも及びはじめた。やがてその戦いに巻き込まれたスパルタ人の青年ダミッポスは、戦争の被害者ではなく、当事者として両軍の戦いに関わっていくことになる。

正式名称
ヘウレーカ
ふりがな
へうれーか
作者
ジャンル
古代史
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概要・あらすじ

ローマカルタゴが激突する第二次ポエニ戦争の真っ直中、スパルタ人の青年ダミッポスは、政治的混乱状況にある故郷を逃れて、シチリアの中心都市シラクサで暮らしていた。恋人のローマ人女性・クラウディアとの平和な一時を過ごすが、やがて戦争の影響はシラクサにも及んでくる。カルタゴ兵に連行されて消息不明になった家族を心配するクラウディアと共に、ダミッポスは親ローマ派の老学者アルキメデスのもとへ身を寄せることに。

そこで、シラクサ軍の司令官であるエピキュデスと出会ったことがきっかけとなり、シラクサに攻め寄せるローマ軍との戦いに関わっていくこととなる。

登場人物・キャラクター

ダミッポス

政治的混乱の状況にある故郷からシラクサへと逃げてきたスパルタ人。勇猛果敢で寡黙を美徳とするスパルタ人のイメージからはかけ離れた優男で雄弁家。頭脳もすこぶる明晰で、天才学者であるアルキメデスにも「古くからの弟子」であると勘違いされるほど気に入られた。シラクサにローマ軍が侵攻してきた際、新兵器・エウリュアロスの車輪を起動させるためエピキュデス はアルキメデスを訪れたが、痴呆気味のアルキメデスの代理としてダミッポスが同行したことから、運命が大きく変わり始める。 同時代の実在人物ダミッポスがモデルとなっている。

クラウディア

ローマ人でありながら、生まれ育ったシラクサをこよなく愛する。スパルタ人の青年ダミッポスとは恋人関係。カルタゴ兵により両親と兄を連行された際は、たまたまダミッポスと外出していたため、難を逃れた。その後、かつて父親と親交のあった親ローマ派の天才学者アルキメデスを頼って身を寄せる。 だが、自分がローマ人であることをアルキメデスの屋敷を来訪したエピキュデスに見抜かれ、ダミッポスが不在の間に連れ去られてしまう。

アルキメデス

シラクサに住む天才数学者にして発明家。その高名は地中海世界全体にとどろいている。70歳を過ぎた高齢で、研究に関しては衰え知らずだがそれ以外はおぼつかない。頭脳明晰なダミッポスを気に入り、古くからの弟子だと思いこんでいるが、名前はいつも「ダメッピくん」などと間違えている。 シラクサの街に設置された様々な防御兵器を開発。人間を大量に虐殺する道具を生み出してしまったことを後悔しており、いつかそれらを突破した兵によって自分が殺されることも予見していた。同時代の実在人物・アルキメデスがモデルとなっている。

エピキュデス

シチリア島にある都市・シラクサの軍司令官。長きにわたってカルタゴに亡命しており、その間軍略の天才として知られる英雄ハンニバルの下に身を寄せていた。ハンニバルの後ろ盾を得てシラクサへの帰還を果たしたエピキュデスは、街にいるローマ人や親ローマ派の市民を連行し、人知れず虐殺。 また、アルキメデスが作った数々の防御兵器を用いて、攻め寄せるローマ軍を撃退した。同時代の実在の人物・エピキュデスがモデルとなっている。

ハンニバル

第二次ポエニ戦争を開始したカルタゴ軍の司令官で、ローマ軍にとって最大の敵と見なされている軍略家。戦場における采配は天才的で、カンネーの戦いにおいては、装備と数で勝るローマ軍に壊滅的な打撃を与えて勝利した。同時代の実在人物・ハンニバル・バルカがモデルとなっている。

マルケルス

ローマ軍の司令官として幾度もハンニバルに挑んでは彼を悩ませ、人々からローマの剣と呼ばれるに至った英雄。半ば引退していたものの、カルタゴ軍の攻勢に遭って現役に復帰した。シラクサの街を攻めるものの、アルキメデスが開発した防御兵器の前に苦戦を強いられる。同時代の実在人物・マルクス・クラウディウス・マルケルスがモデルとなっている。

アッピウス

ローマ軍の副司令官であり、シチリアの総督として、軍勢を率いてシラクサの要塞であるエウリュアロスを攻める。しかし、アルキメデスが開発した防御兵器エウリュアロスの車輪によって大損害を被り、退却を余儀なくされた。同時代の実在人物・アッピウス・クラウディウス・プルケルがモデルとなっている。

場所

シラクサ

『ヘウレーカ』に登場する都市。シチリア島の中心都市。アルキメデスが考案した防御用兵器が街のあちこちに配置されており、攻め寄せるローマ軍を大いに苦しめた。

ローマ

『ヘウレーカ』に登場する都市。イタリア半島の都市国家のひとつだったが、徐々に勢力を拡大する。カルタゴとの間に三度にも及ぶポエニ戦争を展開した。

カルタゴ

現代のチュニジア共和国のチュニス湖東岸にあった古代都市国家。作中の時代ではローマとの間に第二次ポエニ戦争を展開しており、将軍であるハンニバルを中心に激しい戦いを繰り広げた。

エウリュアロス要塞

『ヘウレーカ』に登場する要塞。シラクサを見下ろすエピポライ台地は戦の際に重要なポイントであり、周囲30キロにも及ぶ城壁で囲まれている。その西の端に築かれたのがエウリュアロス要塞。ここにはアルキメデスが開発したエウリュアロスの車輪と呼ばれる防御兵器が設置されており、攻め寄せるローマ軍を強力な投石器によって壊滅させた。

イベント・出来事

第二次ポエニ戦争

『ヘウレーカ』で繰り広げられた戦争。ローマとカルタゴの間で、紀元前219年から紀元前201年にかけて行われた。カルタゴの将軍であるハンニバルがローマ側にたびたび大きな損害を与えたため、ハンニバル戦争とも呼ばれている。

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