ビジュアル探偵明智クン!!

ビジュアル探偵明智クン!!

世界で一番自分が大好きな、自称ビジュアル系探偵の明智クンと、比較的常識人のためツッコミ役に回らざるを得ない助手の山村美々が、次々と現れる個性が強すぎる探偵たちとともに、事件をなんとなく解決したり、解決しなかったりする4コマギャグ漫画。「まんがタイムダッシュ!」2001年10月号、「まんがタイムオリジナル」2002年7月号から2004年1月号、「まんがタイムきらら」2003年2月号から2006年11月号にかけてそれぞれ不定期に掲載された作品で、コミックス刊行に伴い描き下ろしエピソードも収録されている。

正式名称
ビジュアル探偵明智クン!!
ふりがな
びじゅあるたんていあけちくん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
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概要・あらすじ

迷子になった飼い猫のチェブラーを探すため探偵事務所を訪れた山村美々は、ナルシストで言動と服装が怪しい探偵の明智クンと遭遇する。その風体に美々はたじろいだものの、明智クンがかなりの猫好きということを知り、捜索を依頼する。そこに明智クンのライバルを自称する心霊探偵の金田一クンが現れ、得意の霊視で遺棄された死体を発見。

この時、ついでにチェブラーの居場所も見つける。結局、明智クンが活躍することなく美々の依頼は果たされるが、美々はその後明智クンに「みっちょん」というあだ名を付けられ、なしくずしに助手として働くこととなる。次第に明智クンの変質者ぶりに慣れていく自分に危機感を覚えつつ、美々は日々ツッコミの技と腕っぷしに磨きをかけていく。

登場人物・キャラクター

明智クン (あけちくん)

「ビジュアル系探偵」を自称する青年。自分を人類史上最も美しいと思っており、自分自身への称賛を常に欠かさないナルシスト。注目されるのが大好きで、生まれたままの姿が一番美しいと思っており、公衆の面前ですぐ脱ぐ癖がある。一方で美しくないものが苦手で、強面の鬼瓦権蔵警部と遭遇すると、すぐ気絶してしまう。推理力はあるのだが、推理を披露するための演出が過剰なため、タイミングを逃してしまうことが多い。 ひ弱で動きはフラフラしているが、時に俊敏さを見せることもある。猫が好きで犬が苦手。ポエムの投稿が趣味だが、採用されたことは一度もない。得意技は、全裸で飛びかかって相手の顔面に股間を押し付ける「ビーナスアタック」。

山村 美々 (やまむら みみ)

明智クンの助手。行方不明になった飼い猫のチェブラーを探してもらおうと探偵事務所を訪れた際に明智クンと出会い、腕っぷしを買われて助手に任命された。比較的常識人のため、明智クンをはじめとした強い個性を持つ探偵たちのツッコミ役を担っている。短気ですぐ手が出るタイプで、暴走する明智クンを腕ずくで止めるストッパーとなっている。

悪梨須 (ありす)

「不思議ちゃん探偵」を自称する少女。かつて明智クンが路上詩人をしていた時代からの大ファンで、おっかけからストーカーに進化した。明智クンのいるところならばいつでもどこでも現れ、明智クンに近づくため探偵となり、事務所のメンバーになった。特技は尾行と偵察で、盗撮・盗聴もお手のもの。禍々しい何者かを身の内に取り込んでおり、それを察知している金田一クンと京極院晴明に恐れられている。 体内にため込んだ邪気を鎮めるため、年に一度厄払いをしている。

蘭々 (らんらん)

明智クンの義理の妹で、母親の再婚相手の連れ子。おかしな語尾を使ったり、一人称が「僕」だったりと、毎回異なる特性を持つキャラクターとして登場する。父親が相当な財産家のため金銭感覚がずれていて、すぐに億単位の金を動かそうとする。明智クンのことは、兄として素直に慕っている。

チェブラー

山村美々の飼っている猫。庭の木に登って下りられなくなり、家に帰れなくなっていたところを、金田一クンの霊視により発見された。その愛くるしさで周囲を魅了しており、明智クンや鬼瓦権蔵警部、金田一クンや京極院晴明までもメロメロになっている。

鬼瓦 権蔵 (おにがわら ごんぞう)

強面で苦労性の男性警部。呼んでもいない探偵が事件現場に現れることに困りつつも、拒絶せずに情報を教えるお人好しでもある。自分を見るたびに明智クンが気絶するのを、ひそかに気にしている。事件現場で顔を合わせるうちに、最初は衝突していたマープル・スチュワートと魅かれあっていく。

服部 (はっとり)

「忍者探偵」を自称している男性で、忍者装束に身を包んでいる。明智クンが山村美々とチェブラーを連れて殺人事件が起きた屋敷に訪れた時、突然現れて明智クンに代わって事件を解決すると宣言した。見事に真犯人を言い当てたもののそれは推理によるものではなく、実はずっと屋敷の天井に潜んでいて、殺人現場を目撃していただけだった。

金田一クン (きんだいちくん)

明智クンのライバルを自称する探偵の青年。パンク風ファッションに身を包んではいるが、常識的で人当たりもいい。非常に霊感が強く、殺された本人から犯人のことを聞けるため、殺人事件をすぐに解決できる。一方で、その霊感によりしばしば死体を発見してしまうため、警察に拘束されがち。師匠の京極院晴明を尊敬している。

京極院 晴明 (きょうごくいん せいめい)

「陰陽探偵」を自称している男性で、金田一クンの師匠。真っ黒の着物を着用し、羽織には晴明紋の五芒星が染め抜かれている。生霊や死霊に取り憑かれた依頼人の憑き物を落として浄霊し、事件を解決する。悪梨須が禍々しく強力な何者かを宿していることを知っており、恐れつつも何度も弟子としてスカウトを試みる。亡き妻を今でも愛しており、その霊魂とともに過ごしている。 うんちくを語り出すと長い。

横溝 ドイル (よこみぞ どいる)

「アダルトチルドレン探偵」を自称する、心は子供、体は大人の男性。普段は子供っぽい言動をしているが、時に生々しい男の欲望をむき出しにし、山村美々の拳で沈められる。行く先々で殺人事件に遭遇するため、死を招く探偵だと恐れられている。人間の魂を集める悪魔に取り憑かれていたが、すでに本人と同一化して切り離せない状態になっている。

丸子 ポアロ (まるこ ぽあろ)

「象徴学探偵」を自称する男性で、日本にあるフランスをテーマにしたアミューズメントパーク「フランス村」の経営者でもある。「フランス村」の旅行券が当選したという通知を送りつけて明智クンをおびき寄せ、どちらがより優れた探偵か勝負しようと持ちかけた。あらゆるものに隠された意味を見つけ出す象徴学を研究しており、すべてのものが男根を象徴すると主張している。

マープル・スチュワート (まーぷるすちゅわーと)

「カリスマ主婦探偵」を自称する女性で、調理器具を販売する通販番組に出演している人気者。取り扱っている代表的な商品はマーブルパン。「主婦」を名乗りつつも、ミセスではなくミスだということに非常にこだわっている。ただし家庭事情がワケありのため、そこに触れると激怒する。いつもはにこやかで明るいが切れやすく、切れている時には恐ろしいほどに口汚く日本人を罵る癖がある。 事件現場で顔を合わせるうちに、最初は衝突していた鬼瓦権蔵警部と魅かれあっていく。

邪亜露愚 (しゃーろっく)

明智クンの幼なじみの青年。「戦友」と書いて「とも」であると同時に、「宿敵」と書いて「ライバル」でもあると語っている。「ビジュアル系探偵」の肩書きをかけて明智クンと勝負するものの、明智クンの得意技「ビーナスアタック」の前に敗れる。その後、「王子様探偵」として復活を果たす。

骨塚 守男 (ほねづか もりお)

埼玉県在住の21歳の男性でフリーター。家族構成は父親・母親・弟で、初恋は小学校3年生の時。その初恋相手に似ている悪梨須を、3か月前からストーキングしている。しかしストーキングのプロである悪梨須にはとっくにバレており、素性も知られて弱みも握られている。

怪盗紅トカゲ (かいとうべにとかげ)

「龍の涙」という財宝を盗むと予告状を送りつけた女泥棒。明智クンのもとに警護の依頼が持ち込まれ、対決することになる。予告状を送る怪盗という時代遅れでベタな設定を、明智クンに馬鹿にされている。しばしば捕まりそうになるが、肝心なところで明智クンの詰めが甘いため逃げおおせている。

桜川 流 (さくらがわ りゅう)

「月刊ヨロヨロコミック」で連載中のお下劣ギャグまんが「ふんばれ!!うんころベェ」の作者。下ネタ全開の作風に反して、自身はお嬢様然とした可愛らしい女性。怪盗紅トカゲからサイン会中に誘拐するという予告状が届いたため、明智クンに警護を依頼する。

桃山 (ももやま)

桜川流のアシスタントを務める女性。お下劣ギャグまんが「ふんばれ!!うんころベェ」のストーリーは実は桃山が全部考えているため、ある意味では作者でもある。そのため、「作者を誘拐する」と予告状を出した怪盗紅トカゲに誘拐されてしまった。しかし桃山の描く絵は耽美的でまったくギャグ向きではないことが発覚し、すぐに返却された。

なつき

山村美々の友人の女性。飼い犬が行方不明になったため、美々を通じて明智探偵事務所に依頼を持ち込んだ。まっとうな常識人であるがゆえに、明智クンの事務所で働き出してから暴力的になった美々に驚き、乱暴な言動をたしなめる。明智クンのことを、繊細な人だと勘違いしている。

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